disparity
強勢は「パ」に置かれます。最初の 'dɪ' は日本語の「ディ」よりも口を少し開けて短く発音します。'spæ'の部分は、日本語の「スパ」よりも口を横に開き、'æ'の音を意識してください。最後の 'rəti' は、曖昧母音の'ə'(あいまい母音)を含み、日本語の「ア」に近いですが、力を抜いて発音します。'r' の音は、舌を丸めるように意識するとよりネイティブに近い発音になります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
格差
主に社会的な文脈で、収入、機会、地位などにおいて不公平な差がある状態を指す。単に差があるだけでなく、不均衡や不公平感を含むニュアンスがある。
He felt sad seeing the big disparity in income between rich and poor.
彼は、富める者と貧しい者の間の大きな収入格差を見て、悲しくなりました。
※ この文は、社会問題としてよく議論される「収入の格差」について述べています。「disparity in income」は、この単語が使われる非常に典型的なフレーズです。ニュースや新聞でよく見かける表現なので、覚えておくと役立ちます。「between A and B」は「AとBの間で」という意味で、二つのものの間の違いを表すときによく使われます。
There is a big disparity in education for children in different areas.
異なる地域の子供たちの間には、教育に大きな格差があります。
※ この文は、地域によって教育の機会や質に違いがある「教育格差」を描写しています。「There is a disparity」は「格差がある」と伝えるときの基本的な表現です。この例文のように、特定の集団(この場合は「children in different areas」)の間にある不公平な違いを指す場合によく使われます。
She noticed a disparity in pay between men and women doing the same job.
彼女は、同じ仕事をしている男女の間の賃金格差に気づきました。
※ この文は、職場における「賃金格差」という、実社会でよく問題になる状況を表しています。「disparity in pay」は「賃金格差」という意味で、特に男女間や役職間での不公平な給与の違いを指す際によく用いられます。「doing the same job」は、なぜその格差が問題なのかを具体的に示しており、この単語が使われる背景を理解しやすくしています。
ずれ
期待される水準やあるべき状態からの隔たり。計画と現実、理想と現実の間に生じる不一致を指す場合などに用いる。
There is a big disparity in salaries between men and women at the company.
その会社では、男女の給料に大きなずれがあります。
※ 【情景】「なぜ同じ仕事をしているのに、給料が違うんだろう…」と、会社で働く人が不公平感を感じている場面です。この例文では、男女間の給与の「ずれ」という社会的な問題を指しています。 【ポイント】「disparity in A between B and C」は「BとCの間のAにおけるずれ」という意味でよく使われる形です。
There is always a disparity between his words and his actions.
彼の言葉と行動には、いつもずれがあります。
※ 【情景】「彼は『やるよ!』って言うのに、全然やってくれない…」と、誰かが友人の言動にガッカリしている場面です。約束を守らない人や、言うこととやることが違う人に対して使われる典型的な表現です。 【ポイント】「between A and B」は「AとBの間」という意味で、二つのものの間の「ずれ」や「違い」を強調する時によく使われます。
The teacher noticed a big disparity in students' test scores.
先生は、生徒たちのテストの点数に大きなずれがあることに気づきました。
※ 【情景】先生がテストの結果を見て、「点数が高い子と低い子の差がすごく大きいな…」と、生徒たちの学力差を把握している場面です。教育現場で、生徒たちの理解度に「ずれ」がある状況を表します。 【ポイント】「disparity in A」で「Aにおけるずれ」という意味になります。何かを比較した結果、大きな差がある場合に「big disparity」のように「big」や「great」を付けて使われることが多いです。
開き
二つのものの間にある程度の大きさの差が存在すること。規模、能力、認識などの差を示す際に用いられる。
Watching the news, many people felt sad about the wide disparity in income between the rich and the poor.
ニュースを見て、多くの人々は、富める者と貧しい者の間の大きな収入の開きに悲しさを感じました。
※ この例文は、社会の経済的な「開き(格差)」をニュースで見て、心を痛めている情景を描写しています。'disparity in income'(収入の開き)は、社会問題として非常によく使われる典型的な表現です。'wide'(大きな)という言葉で、その開きの大きさが強調されています。
A kind teacher worried about the disparity in educational quality between different schools in the city.
優しい先生は、市内の異なる学校間の教育の質の開きについて心配していました。
※ ここでは、教育の分野における「開き(格差)」に焦点を当てています。先生が、生徒たちが受ける教育の質に差があることを心配している様子が目に浮かびます。'disparity in educational quality'(教育の質の開き)のように、「~における開き」と使うのが自然です。
At the company meeting, they discussed how to reduce the disparity in pay between men and women for the same work.
会社での会議で、彼らは同じ仕事に対する男女間の賃金の開きをどう減らすかについて話し合いました。
※ この例文は、職場での賃金に関する「開き(格差)」、特に男女間の賃金差という具体的な状況を描いています。会議で真剣に話し合っている様子が伝わってきます。'reduce the disparity'(開きを減らす)という表現も、この単語が使われる際によく見られるフレーズです。
コロケーション
所得格差
※ 所得格差は、社会経済的な議論で頻繁に登場する表現です。単に所得の差だけでなく、その差が拡大し、固定化されることで社会問題となるニュアンスを含みます。例えば、「The government is trying to address the growing income disparity.(政府は拡大する所得格差に対処しようとしている)」のように使われます。名詞+名詞の組み合わせで、報道や論文などフォーマルな場面でよく用いられます。
ジェンダー格差
※ ジェンダー格差は、社会における男性と女性の不平等な状況を指します。賃金、昇進、教育機会など、様々な側面での格差を含みます。「address gender disparity in the workplace(職場におけるジェンダー格差に取り組む)」のように使われます。income disparityと同様、名詞+名詞の組み合わせで、社会問題や政策に関する議論でよく用いられます。特に、国際機関やNGOなどが発表する報告書などで頻繁に見られます。
大きな格差
※ 格差の程度を強調する際に用いられる表現です。「a wide disparity in wealth(富の大きな格差)」のように使われます。形容詞+名詞の組み合わせで、格差の大きさを強調したい場合に便利です。同様の表現として、「significant disparity」「large disparity」などがあります。数値データや統計資料を基に議論する際に、客観的な根拠を示すとともに、その影響の大きさを伝える効果があります。
アクセスの格差
※ 特定のサービスや資源へのアクセスにおける不平等さを指します。「disparity in access to healthcare(医療へのアクセスの格差)」のように使われます。前置詞+名詞の組み合わせで、「〜への」格差という具体的な対象を示すことができます。教育、医療、情報など、社会インフラへのアクセスにおける格差を議論する際に頻繁に用いられます。社会正義や公平性の観点から問題提起する際に重要な表現です。
地域格差
※ 特定の地域間における経済状況や生活水準の格差を指します。「regional disparity in economic development(経済発展における地域格差)」のように使われます。名詞+名詞の組み合わせで、特定の地域間の不均衡を示すことができます。地方創生や地域活性化などの政策を議論する際に重要な概念です。地理的な要因や歴史的な経緯などが複雑に絡み合っている場合が多く、多角的な視点からの分析が必要です。
格差を縮小する
※ 格差を是正するための努力や政策を示す際に用いられる表現です。「policies to reduce disparity(格差を縮小するための政策)」のように使われます。動詞+名詞の組み合わせで、具体的な行動や目標を示すことができます。教育機会の均等化、所得再分配、社会保障制度の充実など、様々な手段が考えられます。社会全体の公平性を高めるための重要な取り組みです。
教育格差
※ 教育の機会や質における不平等な状況を指します。「address educational disparity among different socioeconomic groups(異なる社会経済的グループ間の教育格差に取り組む)」のように使われます。名詞+名詞の組み合わせで、教育における不平等を具体的に示すことができます。家庭環境、地域、経済状況などが教育格差の要因となることが多く、世代を超えて格差が連鎖する可能性も指摘されています。教育機会の均等化は、社会全体の発展に不可欠な要素です。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に社会科学、経済学、医学などの分野で、データや統計における差異や不均衡を分析・議論する際に用いられます。例:『教育格差に関する研究において、家庭環境による学力格差のdisparityが顕著であることが示された。』
ビジネスシーンでは、報告書、プレゼンテーション、会議などで、目標値と実績値のずれ、部門間の業績格差、男女間の給与格差などを説明する際に使用されます。例:『今回のプロジェクトにおける予算と実際のコストのdisparityは、当初の想定を大きく上回った。』
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで社会問題や経済格差について議論する際に使われることがあります。例:『報道番組で、富裕層と貧困層の間の健康格差(health disparity)について議論されていた。』
関連語
類義語
不平等、不均衡。社会的な文脈で、資源、機会、待遇などの配分における不公平さを指すことが多い。経済、教育、医療などの分野で使われる。 【ニュアンスの違い】"disparity"よりも意味合いが広く、より強い倫理的、道徳的な非難のニュアンスを含むことがある。"disparity"が単なる違いを指すのに対し、"inequality"は不正義や不公平感を示唆する。 【混同しやすい点】"inequality"は、しばしば是正されるべき不正な状態を指すのに対し、"disparity"は必ずしもそうではない。例えば、個人の能力差による結果の違いは"disparity"だが、"inequality"とは言えない場合がある。
不均衡、偏り。物理的なもの、比率、力関係など、さまざまなものが均等でない状態を指す。経済、生態系、化学反応など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"disparity"が単に異なることを示すのに対し、"imbalance"は望ましくない、または不安定な状態を示唆する。"imbalance"は、何らかの調整や修正が必要であるという含みを持つ。 【混同しやすい点】"disparity"が必ずしも否定的な意味を持たないのに対し、"imbalance"は通常、何らかの問題や悪影響を伴う。例えば、男女間の給与の"disparity"は問題視されるが、それを"imbalance"と表現することで、より深刻な状況を示唆することができる。
違い、相違。二つ以上のものの間に存在する、性質、外観、程度などの違いを指す。非常に一般的な言葉で、あらゆる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"disparity"は、通常、比較可能な二つのものの間に存在する顕著な違いを指すのに対し、"difference"はより一般的な、あらゆる違いを指す。"disparity"は、しばしば数値化できる違いを指す。 【混同しやすい点】"difference"は中立的な言葉だが、"disparity"はしばしば問題や不公平感を示唆する。例えば、意見の"difference"は普通のことだが、所得の"disparity"は社会問題として扱われる。
隔たり、溝。二つのものの間に存在する空間的な、または比喩的な隔たりを指す。知識、世代、文化、経済など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"disparity"が単に異なることを示すのに対し、"gap"は二つのものの間に存在する隔たり、つまり、繋がりの欠如を示唆する。"gap"は、しばしば埋めるべき、または克服すべき課題として認識される。 【混同しやすい点】"gap"は、しばしば努力や対策によって埋めることができるものとして捉えられる。例えば、学力"gap"を埋めるための教育プログラムなどが考えられる。"disparity"は必ずしも埋めることができるとは限らない。
対照、差異。二つ以上のものを比較した際に際立つ違いを指す。色、光、意見、性格など、さまざまなものが対象となる。 【ニュアンスの違い】"disparity"が、しばしば数値化できる、または客観的な違いを指すのに対し、"contrast"は、より主観的な、または感覚的な違いを指す。"contrast"は、しばしば強調や表現の目的で使用される。 【混同しやすい点】"contrast"は、二つのものを並べて比較することで、それぞれの特徴を際立たせる効果がある。例えば、明るい色と暗い色の"contrast"は、視覚的なインパクトを与える。
変動、ばらつき。統計学や科学の分野で、データや測定値の集合における個々の値が平均値からどれだけ離れているかを示す。品質管理、金融、気象学などで使われる。 【ニュアンスの違い】"disparity"が二つのものの間の違いを指すのに対し、"variance"は、一つの集合内の個々の要素間のばらつきを指す。"variance"は、しばしば数値で表現される。 【混同しやすい点】"variance"は、統計的な概念であり、データ分析や予測において重要な指標となる。例えば、株価の"variance"は、その株の価格変動の大きさを示す。
派生語
『異種の』『全く異なる』という意味の形容詞。disparity と同じ語源を持ち、接頭辞『dis-(分離)』と語幹『par(等しい)』から、『等しくない状態』を表す。disparity が『不均衡』という状態を表すのに対し、disparate は『性質が異なる』という状態を表す。学術論文やビジネス文書で、複数の要素が大きく異なることを強調する際に用いられる。
- disparately
『異なって』『全く別様に』という意味の副詞。disparate に接尾辞『-ly』が付加された形で、disparate の意味をさらに強調する。例えば、『disparately impacted(異なって影響を受ける)』のように、影響の受け方が大きく異なる状況を表す際に使用される。学術的な文脈や、社会問題を分析する際によく見られる。
『比較する』という意味の動詞。語源的には『共に(com-)等しくする(par)』という意味合いがあり、disparity とは反対方向に意味が発展した。ただし、比較によって disparity(不均衡) が明らかになることもあるため、関連性も深い。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用される。
反意語
『平等』という意味の名詞。disparity が『不平等』『格差』を指すのに対し、equality は『等しい状態』を表す。社会的な文脈でよく用いられ、機会の平等、結果の平等など、様々な側面で使用される。disparity が問題として認識される文脈では、equality が目指すべき状態として対置されることが多い。
『同等』『類似』という意味の名詞。disparity と語源を共有するが、意味は正反対。parity は、特に金融や科学技術の分野で、二つのものが等価である状態を指す。例えば、『購買力平価(purchasing power parity)』のように、経済指標の比較において重要な概念となる。disparity が存在しない、もしくは解消された状態を示す。
『類似性』という意味の名詞。disparity が『相違』を強調するのに対し、similarity は『類似点』を強調する。学術的な比較研究や、日常的な物の評価において、類似性と相違性の両方が重要となる。disparity と similarity は、比較の軸となる二つの概念として、互いに対立する関係にある。
語源
「disparity」は、ラテン語の「disparitas(相違、不均等)」に由来します。さらに遡ると、「dis-(分離、否定)」と「par(等しい)」という二つの要素から構成されています。「par」は「pair(対)」や「compare(比較する)」といった単語にも見られるように、「等しい」や「同等の」という意味合いを持ちます。したがって、「disparity」は文字通り「等しくない状態」や「釣り合わない状態」を表し、そこから「格差」や「ずれ」といった意味に発展しました。たとえば、社会における所得格差を「income disparity」と表現するように、本来均等であるべきものが分離し、不均衡になっている状態を指し示す言葉として使われます。
暗記法
「Disparity」は単なる差ではなく、社会の不正を映す鏡。19世紀の産業革命、ディケンズの小説が描いた富める者と貧しい者の巨大な隔たり。人種、ジェンダー、グローバルな不均衡…様々な顔を持つ不平等。「Disparity」は告発の言葉であり、変革への意志。社会の矛盾を可視化し、倫理観を揺さぶる。この言葉の重みを知ることは、より公正な社会への第一歩となる。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、'dis-' と 'de-' の違いに気づきにくい。発音も類似しているため、聞き間違いやすい。意味は『絶望』であり、disparity(格差、相違)とは全く異なる感情を表す。日本人学習者は、接頭辞に注意して区別する必要がある。語源的には、'disparity'は「等しくないこと」を意味するラテン語から、'despair'は「希望を失うこと」を意味するラテン語から来ている。
最初の2音節の発音が似ており、特に非ネイティブにとっては聞き分けが難しい場合がある。意味は『分散させる』であり、disparity(格差、相違)とは異なる。スペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的に、'disperse'は「ばらまく」という意味のラテン語から来ている。
意味の関連性(多様性があることによって格差が生まれる場合がある)から、混同されることがある。スペルも類似しており、特に語尾の '-ity' に注意が必要。発音は異なるものの、文脈によっては意味が近いため注意が必要。 'Diversity'は「多様性」という意味で、disparity(格差、相違)とは異なる概念。
スペルの中に共通の文字が含まれており、視覚的に混同しやすい。また、格差(disparity)が生まれる原因として分離(separation)が挙げられる場合もあり、意味的な関連性もわずかに存在する。発音は異なるものの、スペルに注意が必要。 'Separate'は「分離する」という意味。
語尾の '-perity'が共通しており、スペルが似ている。発音も一部類似しているため、聞き間違いやすい場合がある。意味は『繁栄』であり、disparity(格差、相違)とは対照的な概念を表すことが多い。語源的には、'prosperity'は「成功する」という意味のラテン語から来ている。
'dis-'という接頭辞が共通しており、スペルの一部が似ているため、視覚的に混同しやすい。意味は『否認する』、『賛成しない』であり、disparity(格差、相違)とは全く異なる。発音も異なるため、注意が必要。
誤用例
日本語の『年齢の差』を直訳すると『disparity』が思い浮かぶかもしれませんが、年齢差のような単なる数値的な違いには 'difference' がより自然です。 'Disparity' は、収入、機会、社会的地位など、不公平感や不均衡を伴う大きな格差を指すことが多いです。例えば、男女間の賃金格差(gender pay disparity)のように使われます。背景にある考え方として、'disparity' は単なる違いではなく、倫理的・社会的な問題提起を含むニュアンスがあることを理解しましょう。日本語の『差』を安易に英語に置き換えるのではなく、その差が持つ意味合いを考慮することが重要です。
'Disparity' は意見の『不一致』という意味で使うと、少し不自然に聞こえます。意見が異なる状況を指す場合は、'difference' や 'conflict'(対立)といった語がより適切です。 'Disparity' は、意見の相違というよりも、意見の『質』や『影響力』に大きな偏りがあるような状況を示唆します。例えば、一部のメンバーの意見だけが極端に重視されるような場合に 'disparity' を用いることができます。日本人が『意見の相違』を英語で表現する際に、つい形式的な翻訳に頼りがちですが、文脈に応じて適切な語を選ぶ必要があります。この場合、'conflicting opinions' の方が、意見がぶつかり合っている状況をより鮮明に伝えます。
動詞として 'disparity' を使うことはできません。格差を是正するという意味では 'redress' を使うのが適切です。'Correct' は、間違いや誤りを修正するという意味合いが強く、社会的な格差を是正するという文脈にはそぐいません。'Redress' は、不正や不平等によって生じた損害を補償・改善するという意味合いを持ち、よりフォーマルで倫理的なニュアンスを含んでいます。日本人は、英語の動詞を選ぶ際に、意味の広さやニュアンスの違いを意識することが大切です。特に、社会問題や倫理的な問題について議論する際には、より正確で適切な語彙を選ぶように心がけましょう。
文化的背景
「Disparity(格差)」は、単なる数値的な違いを超え、社会の不均衡、不正、そして機会の欠如を象徴する言葉です。歴史的に見ると、この言葉は常に権力構造と深く結びつき、その存在は社会の安定を脅かす要因として認識されてきました。
19世紀の産業革命期、急速な経済成長の陰で、資本家と労働者の間に巨大な格差が生まれました。ディケンズの小説『二都物語』や『オリバー・ツイスト』は、この時代の貧困層の苦しみと、富裕層との信じられないほどの生活水準の差を鮮烈に描き出しています。これらの作品は、格差が単なる経済的な問題ではなく、人間の尊厳を奪い、社会を分断する深刻な問題であることを訴えました。「Disparity」という言葉は、こうした社会の矛盾を告発するツールとして、文学作品や社会運動の中で頻繁に用いられました。
現代においても、「disparity」は、人種、ジェンダー、教育、医療など、様々な分野における不平等を指し示す重要な概念です。例えば、アメリカにおける人種間の所得格差は、長年にわたる差別と制度的な障壁の結果であり、「disparity」は、この根深い問題の存在を可視化する言葉として機能します。また、グローバルな視点で見ると、先進国と発展途上国との間の経済格差、気候変動の影響の不均衡な負担など、地球規模の課題を議論する上でも、「disparity」は欠かせないキーワードとなっています。
「Disparity」という言葉は、単に客観的な事実を記述するだけでなく、不正に対する怒り、平等な社会への願望、そして現状を変革しようとする意志を喚起する力を持っています。この言葉を理解することは、社会の構造的な問題に目を向け、より公正な社会を築くための第一歩となるでしょう。文学作品や社会運動の歴史を振り返ることで、「disparity」が単なる統計的な数値ではなく、人間の感情や倫理観と深く結びついた、重みのある言葉であることを実感できるはずです。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。特に長文読解では、disparityが文脈の中でどのような意味合いで使用されているかを把握する能力が問われます。ライティングでも使用できると高評価に繋がります。会話形式での出題は比較的少ないです。
Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)で登場する可能性があります。ビジネスシーンにおける「格差」「不均衡」といった意味合いで用いられることが多いです。正答を導くには、文脈からdisparityの意味を推測する能力が重要となります。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で、統計データや研究結果などを説明する際に「格差」や「相違」の意味で用いられます。パラフレーズ(言い換え)問題にも注意が必要です。ライティングセクションでも、エッセイで論理展開を深めるために使用できます。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。社会問題や経済格差など、抽象度の高いテーマを扱った文章で用いられることが多いです。文脈から意味を推測する能力に加え、disparityの類義語や反意語を知っておくと有利です。