disapprove
第一強勢は 'proo' にあります。'dis-' は弱く短く発音し、曖昧母音 /ə/ が使われています。'prove' の 'v' は有声音なので、上の前歯を下唇に軽く当てて、息を出しながら震わせるように発音しましょう。日本語にはない音なので意識が必要です。
良くないと言う
何かを是認せず、反対の意見や感情を表明する。フォーマルな場面や、道徳的・倫理的な判断を含む場合に使われることが多い。単に好き嫌いを言うのではなく、もっと強い否定的な意味合いを持つ。
My mom strongly disapproved of my plan to stay out late.
私の母は、私が夜遅くまで外出する計画に強く反対しました。
※ この例文では、親が子供の行動を「良くない」と判断し、反対している状況を描写しています。お母さんが心配そうな顔で「それは良くないわ」と言っている様子が目に浮かびますね。`disapprove of ~`で「~を良くないと思う」「~に反対する」という、この単語の最も典型的な使い方です。
The manager disapproved of our new proposal during the meeting.
会議中、部長は私たちの新しい提案に不賛成でした。
※ ここでは、ビジネスの場面で上司が部下の提案を「良くないと判断する」または「受け入れない」状況を表しています。会議室で、マネージャーが腕を組みながら、私たちの提案書を見て「これはちょっとね…」と首を振っている様子が想像できますね。`disapprove of ~`は、意見や計画に反対する際によく使われます。
Many local residents disapproved of the new building project.
多くの地元住民が、新しい建設プロジェクトに反対しました。
※ この例文は、地域の人々が公共の計画や事業に対して「良くない」と感じ、反対の意思を示す場面です。町の集会で、住民たちが「そんな計画は許せない!」と声を上げているような情景が目に浮かびます。`disapprove of ~`は、個人的な意見だけでなく、集団として何かを「良くない」と判断し、反対する際にも使われます。
認めない
行動や計画、アイデアなどを容認しない。許可を与える権限を持つ人が、それを拒否する状況で使われることが多い。例えば、上司が部下の提案をdisapproveするなど。
Mom always disapproves when I leave my room messy.
私が部屋を散らかしたままにすると、お母さんはいつも不満な顔をします。
※ この例文は、親が子供の行動に対して「認めない」「不満を示す」という日常的な場面を描いています。お母さんが散らかった部屋を見て、眉をひそめたり、小言を言ったりする様子が目に浮かびますね。disapproveは、このように個人的な好みや期待に反する行動に対して使われることがあります。
The committee might disapprove of our budget proposal.
委員会は私たちの予算案を承認しないかもしれない。
※ この例文は、ビジネスや公式な場で、提案や計画が「承認されない」「賛成されない」という状況を示しています。会議室で、あなたが提出した予算案が厳しい目で審査され、却下されるかもしれないという緊張感が伝わってきます。disapprove of + 名詞 の形で、特定の物事やアイデアに反対する際に非常によく使われます。
Most teachers disapprove of students cheating on tests.
ほとんどの先生は生徒がテストでカンニングすることに反対する。
※ この例文は、社会的な規範や倫理に反する行為に対して「認めない」「許さない」という感情を表しています。テスト中に不正行為を見つけ、先生が厳しく注意する場面が想像できます。disapprove of + 動名詞 の形で、特定の行動や行為を是としない、という強い否定の気持ちを表現するのに適しています。
コロケーション
強く反対する、強く不賛成する
※ 「disapprove」の程度を強調する副詞との組み合わせです。単に反対するだけでなく、感情的な反発や道徳的な非難を含むニュアンスがあります。フォーマルな場面や、深刻な問題に対して用いられることが多いです。例えば、政府の政策や企業の不正行為などに対して、公的な声明で用いられることがあります。 'I strongly disapprove of your behavior' のように、個人的な非難にも使えます。
誰かの行動を快く思わない、誰かの行動に不満を持つ
※ 「disapprove of」の後ろに具体的な対象(ここでは「行動」)を伴う、非常に一般的なコロケーションです。単に「嫌い」という感情よりも、道徳的、倫理的、または社会的な基準に照らして「良くない」と判断するニュアンスが強いです。子供の教育、職場のマナー、公の場での振る舞いなど、幅広い状況で使用されます。 'My parents disapprove of my lifestyle' のように使います。
公然と反対する、隠さずに不賛成を表明する
※ 「openly」は「公に、隠さずに」という意味の副詞で、disapproveの態度を強調します。個人的な感情として留めるのではなく、周囲に自分の不賛成の意思を示す場合に用いられます。会議での発言、手紙やメールでの表明、SNSでの発信など、様々な方法で表現されます。政治的なデモや抗議活動など、社会的な問題に対して用いられることもあります。'He openly disapproved of the new law' のように使います。
黙って反対する、表には出さずに不賛成の意を持つ
※ 「silently」は「静かに、黙って」という意味の副詞で、感情や意見を表に出さないことを示します。直接的な反対を避けたい場合や、立場上、公然と反対できない場合に用いられます。職場での人間関係、家族間の意見の相違など、デリケートな状況でよく見られます。しかし、沈黙は時に、言葉以上に強いメッセージとなり得ます。'She silently disapproved of the decision' のように使います。
心から反対する、非常に不快に思う
※ 「heartily」は「心から、誠実に」という意味の副詞で、強い感情を伴う不賛成を表します。単に反対するだけでなく、嫌悪感や憤りを感じているニュアンスが含まれます。古風な表現で、現代ではあまり一般的ではありませんが、文学作品や演劇などで見かけることがあります。'I heartily disapprove of such behavior!' のように、強い感情を表現する際に用いられます。
親の不承認、親の反対
※ 「parental」は「親の」という意味の形容詞で、親が子供の行動や選択を認めないことを指します。進路、結婚、ライフスタイルなど、子供の人生における重要な決断に対して、親が反対する場合によく用いられます。文化的な背景や家族関係によって、親の反対が及ぼす影響は大きく異なります。'He faced parental disapproval when he decided to become an artist' のように使います。
不評を買う、非難される
※ 「meet with」は「~に遭遇する、~を受ける」という意味の句動詞で、ある行動や提案が周囲から不賛成の反応を受けることを表します。新しいアイデア、政策、プロジェクトなどが、関係者から批判される場合に用いられます。'The new proposal met with strong disapproval from the employees' のように使います。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある理論や仮説、先行研究に対して「賛同しない」「支持しない」という立場を示す際に用いられます。例:「先行研究の〇〇という結論には、データから見て賛成しかねる (disapprove of the conclusion)。更なる検証が必要である。」のように、客観性と論理性が求められる文脈で使われます。
ビジネスシーンでは、提案や計画、行動に対して「承認しない」「認めない」という意思表示をする際に使われます。ただし、直接的な表現を避け、より丁寧な言い回しが好まれる傾向があります。例:「〇〇案については、コスト面から見て現時点では承認できません (disapprove of the plan)。代替案の検討をお願いします。」のように、フォーマルなコミュニケーションで用いられます。
日常生活では、家族や友人などの行動や意見に対して「良くないと思う」「賛成できない」という気持ちを表す際に使われます。ただし、相手との関係性や状況によっては、より直接的な表現や別の言い回しが用いられることが多いです。例:「あなたが夜遅くまでゲームをしているのは、あまり良くないと思うよ (disapprove of you playing games so late)。体調を崩さないか心配だ。」のように、親しい間柄での会話で使われることがあります。
関連語
類義語
強く非難する、糾弾するという意味。道徳的、倫理的な観点からの強い非難を表し、公的な場面や報道などで使われることが多い。犯罪行為や不正行為など、社会的に許容されない行為に対して用いられる。 【ニュアンスの違い】disapproveよりもはるかに強い非難の意を示す。個人的な感情というよりは、客観的な事実や倫理観に基づいた判断を伴う。対象は行為や声明など、具体的なものに向けられることが多い。 【混同しやすい点】condemnは法的な文脈や公式な声明で使われることが多く、日常会話ではやや堅苦しい。個人的な意見や好ましくないという程度の感情を表現する場合には不適切。
- object to
〜に反対する、異議を唱えるという意味。提案、計画、意見などに対して、反対意見を表明する際に用いられる。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】disapproveよりも直接的な反対の意思表示。disapproveが心の中で否定的に思うニュアンスを含むのに対し、object toは行動や言葉で明確に反対を表明する。しばしば具体的な理由を伴う。 【混同しやすい点】object toは前置詞toを伴うため、後に名詞または動名詞が続く。動詞の原形が続くことはない。また、個人的な好みや感情よりも、合理的な理由に基づいた反対意見を述べる際に適している。
〜を嘆き悲しむ、遺憾に思うという意味。道徳的な過ちや不幸な出来事などに対して、深く悲しみ、非難する気持ちを表す。ややフォーマルな表現で、文学作品や演説などで用いられる。 【ニュアンスの違い】disapproveよりも強い感情を表し、悲しみや失望感が伴う。個人的な嫌悪感というよりも、社会全体に対する憂慮や嘆きを表すことが多い。対象は戦争、貧困、犯罪など、大規模な問題であることが多い。 【混同しやすい点】deploreは日常会話ではあまり使われず、やや古風な印象を与える。個人的な不満や嫌悪感を表現するのには適していない。倫理的、道徳的な観点からの深い悲しみや非難を表す場合に用いる。
- frown upon
〜に眉をひそめる、〜を快く思わないという意味。社会的に容認されない行為や習慣に対して、不快感や非難の気持ちを示す。しばしば受動態で用いられる。 【ニュアンスの違い】disapproveよりもやや間接的な表現で、公然と非難するのではなく、暗黙の了解として好ましくないというニュアンスを含む。社会的な規範や慣習に反する行為に対して用いられることが多い。 【混同しやすい点】frown uponは、個人的な感情というよりも、社会的な通念や道徳観に基づいた非難を表す。個人的な好みや嫌悪感を表現するのには適していない。また、受動態で使われることが多いため、能動態で使用する際には注意が必要。
〜を嫌う、好まないという意味。個人的な感情として、何かを好ましく思わない気持ちを表す。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】disapproveよりも弱い感情を表し、必ずしも非難や否定的な評価を伴わない。単に好きではない、気に入らないという程度の感情を表現する。対象は人、物、事柄など、幅広い。 【混同しやすい点】dislikeは個人的な感情であり、客観的な理由や根拠を必要としない。disapproveは、何らかの基準や理由に基づいて否定的な評価を下すニュアンスを含むため、感情の強さや根拠の有無に違いがある。
〜を恨む、憤慨するという意味。不当な扱いを受けたと感じた際に、怒りや不満の気持ちを抱くことを表す。人間関係において使われることが多い。 【ニュアンスの違い】disapproveよりも強い感情を表し、個人的な恨みや憤りを含む。disapproveが単に賛成しないというニュアンスであるのに対し、resentは不快感や敵意を伴う。対象は人や行為、状況など。 【混同しやすい点】resentは、自分が不当な扱いを受けたと感じた場合にのみ使用される。単に賛成しない、好ましくないという程度の感情を表現するのには適していない。また、過去の出来事に対する感情を表すことが多いため、現在進行形の状況に対して用いる場合には注意が必要。
派生語
『承認』『賛成』を意味する名詞。『disapprove』から接頭辞『dis-(否定)』を取り除き、名詞化接尾辞『-al』を付加。ビジネスシーンや公的な場面で、決定や提案に対する賛成意見を表す際に頻繁に使用されます。単に賛成の意味だけでなく、公式な許可や認可といったニュアンスも含まれます。
- approving
『是認する』『賛成の意を示す』という意味の現在分詞/形容詞。『approve』に現在分詞の接尾辞『-ing』を付加。人の態度や表情が賛成を示している様子を表す際に用いられます。例えば、『approving smile(是認する微笑み)』のように、具体的な行動や態度を修飾する形で使われることが多いです。
- approvable
『承認できる』『是認できる』という意味の形容詞。『approve』に可能を表す接尾辞『-able』を付加。提案や計画などが承認の対象となり得る状態を表します。例えば、『approvable budget(承認可能な予算)』のように、客観的な評価基準を満たし、承認される可能性が高いことを示唆します。
反意語
『賛成する』『承認する』という意味の動詞。『disapprove』から接頭辞『dis-(否定)』を取り除いた形。個人的な意見として賛成する場合から、公式な立場で承認する場合まで、幅広い文脈で使用されます。日常会話からビジネスシーン、政府の政策決定まで、あらゆる場面で登場する基本的な語彙です。
『支持する』『是認する』という意味の動詞。『approve』よりも強い賛意や支持を表明する際に用いられます。政治的な支持や商品の推奨など、公的な場面で積極的に支持を表明するニュアンスがあります。例えば、『endorse a candidate(候補者を支持する)』のように、特定の対象を積極的に支援する意思を示す場合に適しています。
『批准する』『承認する』という意味の動詞。特に条約や協定などを正式に承認する際に用いられる法律用語。政府や議会などの正式な手続きを経て承認することを意味し、『approve』よりも公式かつ法的なニュアンスが強いです。国際関係や法律関連のニュースで頻繁に登場します。
語源
"disapprove"は、「良くないと言う;認めない」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞"dis-"と動詞"approve"から構成されています。接頭辞"dis-"は、英語では「否定」「反対」「分離」といった意味を表し、日本語の「非〜」「反〜」に近いニュアンスを持ちます。例えば、「disadvantage(不利)」や「disagree(反対する)」などがあります。一方、"approve"は「是認する」「良いと認める」という意味で、ラテン語の"approbare"(是認する、証明する)に由来します。つまり、"disapprove"は文字通りには「是認しない」という意味になり、何かを良いと認めず、反対の立場を示すことを意味します。日本語で例えるなら、「否認する」「認めない」といった言葉が近いでしょう。このように、接頭辞と語幹の意味を理解することで、単語全体の意味を推測しやすくなります。
暗記法
「Disapprove」の背後には、社会の秩序を重んじ、逸脱を許さない規範意識が。「異端」をdisapproveした中世教会、身分違いの結婚をdisapproveした貴族社会…物語の登場人物たちは、社会のdisapproveに抗い、もがき苦しみます。現代では、政治家が他国の政策をdisapproveすることも。単なる反対意見の表明ではなく、自国の価値観を守るという意思表示なのです。
混同しやすい単語
『disapprove』と『approve』は接頭辞 'dis-' の有無だけが異なり、スペルが非常に似ています。意味は正反対で、『approve』は『承認する』という意味です。日本人学習者は、文脈をよく読み、'dis-' が付いているかどうかを注意深く確認する必要があります。接頭辞 'dis-' は否定や反対の意味を加えることが多く、他の単語でも同様のパターンが見られます。
『disapprove』と『disprove』は、どちらも 'dis-' で始まり、最初の部分が似ているため、スペルが混同されやすいです。『disprove』は『反証する』という意味で、ある主張や理論が誤りであることを証明する際に使われます。品詞も異なり、『disapprove』は主に感情や意見に関する動詞であるのに対し、『disprove』は論理的な議論や証拠に関わる動詞です。発音も微妙に異なるため、意識して区別する必要があります。
接頭辞 'dis-' が共通しており、'repair' の部分が似ているため、スペルと意味の両方で混同される可能性があります。『disrepair』は『荒廃』や『破損』といった状態を表す名詞です。『disapprove』は動詞であるのに対し、『disrepair』は名詞である点が大きく異なります。また、'disapprove' は人や行動に対する感情を表すことが多いのに対し、'disrepair' は物や建物の状態を表します。
『misapprehend』は『誤解する』という意味で、'apprehend' の部分が『disapprove』の語感と似ているため、意味の取り違えが起こりやすいです。特に、'mis-' という接頭辞が『誤り』を表すことを知らないと、意味を推測する際に混乱する可能性があります。スペルも長いため、視覚的に捉えにくい点も混同を招く要因となります。'apprehend' 自体も『理解する』、『逮捕する』など複数の意味を持つため、文脈に注意が必要です。
『appearance』は『外見』や『出現』という意味で、スペルの中に 'appear' が含まれているため、発音とスペルの類似性から『disapprove』と混同される可能性があります。特に、'approve' という単語を知っている学習者は、'appearance' と 'disapprove' の関連性を誤って推測してしまうことがあります。品詞も異なり、『appearance』は名詞であるのに対し、『disapprove』は動詞です。'appear' はラテン語の 'apparere'(現れる)に由来し、'approve' とは語源が異なります。
『unproven』は『証明されていない』という意味で、接頭辞 'un-' が否定を表し、'proven' の部分が 'approve' と語感が似ているため、意味の誤解が生じやすいです。特に、'disapprove' が『反対する』という意味であるため、『unproven』も同様に否定的な意味合いを持つと誤解されることがあります。品詞も異なり、『unproven』は形容詞であるのに対し、『disapprove』は動詞です。'prove' はラテン語の 'probare'(試す、証明する)に由来します。
誤用例
多くの日本人は、動詞の後に目的語を直接続けることに慣れているため、『disapprove』の後に前置詞『of』が必要であることに気づきにくいです。日本語の『彼の意見を認めない』という構造に引きずられやすいのが原因です。英語では『disapprove of something』という構文が一般的であり、『disapprove』は自動詞的な振る舞いをします。これは、英語の句動詞(phrasal verbs)の考え方に通じるもので、動詞と前置詞が一体となって意味をなすという点を理解する必要があります。類似の例として、'think of' があります。'I think him'とは言いません。同様に、 'disapprove' も 'of' を伴うことで、より自然で正確な英語表現となります。
一つ目の誤りは前置詞 'of' の欠落です。前述の通り、'disapprove of' が正しい形です。二つ目の誤りは、感情を表す形容詞としての 'ashamed' の代わりに名詞 'shame' を使用している点です。日本人は名詞を形容詞的に使うことに抵抗がない場合があり(例:『彼は優しさがある』)、それが英語にも影響することがあります。しかし、英語では感情を表す場合は形容詞を使うのが一般的です。『ashamed』は『恥ずかしい』という感情を表す形容詞であり、ここでは適切です。また、'very' は形容詞を修飾する副詞であり、名詞を修飾することはできません。
この例では、文法的な誤りはありませんが、『disapprove』の使用がやや直接的で、フォーマルな場面や相手によっては不適切に聞こえる可能性があります。特に、相手の立場や苦境を理解していることを示したい場合には、『disapprove』はやや強い表現です。より丁寧な表現としては、『I recognize the difficult situation they are in』のように、状況を認識していることを示す方が、相手への配慮が感じられます。英語では、直接的な批判を避け、婉曲的な表現を用いることで、円滑なコミュニケーションを図ることが重要です。日本語の『差し控える』に近いニュアンスで、直接的な否定を避ける文化を反映しています。
文化的背景
「Disapprove(不承認)」は、単なる不同意を超え、社会的な規範や権威に対する逸脱を指し示す言葉として、しばしば道徳的・倫理的な判断と結びついて用いられます。この単語の背後には、共同体の秩序を維持しようとする強い意志や、個人の行動を社会的な価値観に適合させようとする圧力が潜んでいます。
歴史的に見ると、「disapprove」は、宗教的な権威や貴族階級が個人の行動を評価・判断する文脈で頻繁に用いられてきました。中世の教会は、異端とみなされる思想や行動を「disapprove」し、社会から排除することで、教義の純粋性を守ろうとしました。また、貴族階級は、身分秩序を乱すような行動や結婚を「disapprove」することで、自らの権力を維持しようとしました。このような背景から、「disapprove」は、しばしば権力者による抑圧や、社会的な不平等と結びついて理解されることがあります。
文学作品においても、「disapprove」は、社会の規範と個人の欲望との葛藤を描く上で重要な役割を果たします。例えば、ジェーン・オースティンの小説には、親や社会が結婚を「disapprove」する場面が頻繁に登場します。これらの場面では、「disapprove」は、単なる反対意見ではなく、主人公の自由や幸福を脅かす大きな障害として描かれています。また、現代の映画やドラマでは、「disapprove」は、親が子供の選択(キャリア、パートナーなど)を認めない場面で用いられ、世代間の価値観の対立や、個人の自己実現の難しさを表現する手段として活用されています。
現代社会においては、「disapprove」は、より広い意味で、他者の行動や意見に対する批判や非難を表す言葉として用いられます。しかし、その根底には、依然として社会的な規範や価値観に対する意識が存在します。例えば、政治家が他国の政策を「disapprove」する場合、それは単なる意見の相違ではなく、自国の価値観や利益を守るための行動として解釈されます。このように、「disapprove」は、個人の感情から国家間の関係まで、幅広い場面で用いられる言葉であり、その背後には、常に社会的な文脈や権力関係が存在していると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、教育、環境など、やや硬めの話題で出題されやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: dis-という接頭辞に注意し、反対の意味を持つことを理解する。派生語(disapproval, disapprovingly)も合わせて学習する。
- 出題形式: 主にPart 5, 6の語彙問題、Part 7の長文読解。
- 頻度と級・パート: 比較的まれだが、ビジネス関連のニュース記事などで登場する可能性がある。
- 文脈・例題の特徴: 経営判断、従業員の行動規範、顧客からのフィードバックなど、ビジネスシーンでの不承認・不賛成を表す文脈で用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: approve(承認する)との対義語であることを意識する。ビジネスの文脈でどのようなニュアンスで使われるか例文を通して理解を深める。
- 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
- 頻度と級・パート: 中程度の頻度。アカデミックな文章で登場する。
- 文脈・例題の特徴: 社会学、心理学、政治学など、意見や評価が分かれるテーマで使われることが多い。研究結果や政策に対する批判的な視点を示す文脈で登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな文脈で使われるため、類義語(object to, oppose)とのニュアンスの違いを理解する。disapprovalという名詞形も重要。
- 出題形式: 主に長文読解、内容一致問題、空所補充。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、歴史など、論説文や評論文でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。approveとの関連性を理解し、否定的なニュアンスを正確に捉える。disapprovalなどの派生語も覚えておく。