conclude
第2音節にアクセントがあります。/kən/ の /ə/ は曖昧母音で、日本語の『ア』よりも弱く短く発音します。/kluːd/ の /uː/ は長母音で、日本語の『ウ』を長く伸ばすイメージです。最後の /d/ は、舌先を上前歯の裏につけて発音する有声破裂音です。語尾を意識することで、より自然な発音になります。
結論づける
議論や調査の末に、最終的な判断や意見を出すこと。フォーマルな場面や学術的な文脈でよく使われます。類語:decide, determine
After a long discussion, the team finally concluded that the new plan was the best option.
長い議論の末、チームはついに新しい計画が最善の選択肢であると結論づけました。
※ 会議室で、数時間にも及ぶ熱い議論が終わり、みんなが疲れているけれど、ようやくリーダーが「これでいこう!」と宣言するような場面です。「conclude」は、このように「話し合いや検討の末に最終的な判断を下す」という文脈で非常によく使われます。ビジネスシーンで頻繁に耳にする表現です。
Based on the new data, scientists concluded that the climate is changing faster than expected.
新しいデータに基づいて、科学者たちは気候が予想よりも速く変化していると結論づけました。
※ 研究室で、科学者たちが膨大なデータを前にして真剣な顔で話し合い、ある重大な発見に至った瞬間です。彼らが「これは間違いない」と確信する様子が目に浮かびます。「conclude」は、科学的な調査や研究の結果として、ある事実を断定する際にも使われます。`Based on ~` は「〜に基づいて」という意味で、根拠を示すときによく使われる表現です。
When he saw the empty fridge, he concluded that his sister had eaten all the cake.
空っぽの冷蔵庫を見た時、彼は妹がケーキを全部食べてしまったと結論づけました。
※ 仕事から疲れて帰ってきた彼が、楽しみにしていた冷蔵庫を開けたら、中には何もない!がっかりしながらも、状況から犯人を特定し、「あいつしかいないな!」と心の中で納得するような、日常のちょっとした出来事です。このように、個人が状況証拠から推測して「〜だと判断する」場合にも「conclude」は使えます。ここでの `conclude` は「〜だと推測して断定する」というニュアンスです。
締めくくる
会議、スピーチ、本などを終わりにする、または終わりに近づけること。何かを完了させるニュアンスを含みます。類語:end, finish, complete
The chairman stood up to conclude the long meeting with a final decision.
議長は、最終決定を下して長い会議を締めくくるために立ち上がりました。
※ この例文は、会議や公式な集まりが終わりを迎える瞬間の情景を描写しています。議長が立ち上がることで、参加者全員が「ああ、これで終わりだな」と感じる、緊張感と解放感が混じったミニ・シーンです。「conclude」は、このように話し合いやイベントを「正式に終わらせる」というニュアンスでよく使われます。ここでは「to conclude...」で「〜するために」という目的を表しています。
She smiled and said, "Thank you for listening," to conclude her presentation.
彼女は微笑み、「聞いてくださってありがとうございます」と言って、プレゼンテーションを締めくくりました。
※ この例文では、発表者が聴衆に感謝の言葉を述べながら、プレゼンテーションを終える様子が目に浮かびます。発表の成功を喜ぶ気持ちや、聴衆への敬意が伝わる場面です。「conclude」は、スピーチや発表など、一連の話や演説を「終える」際に非常に自然に使われます。特に、このように感謝の言葉で終わるシチュエーションは頻繁にありますね。
The report will conclude with a summary of our team's latest findings.
その報告書は、私たちのチームの最新の調査結果の要約で締めくくられます。
※ この例文は、書かれたもの、特に報告書や論文などが「何で終わるか」を示す典型的な使い方です。読者が報告書の最後まで読み進め、最終的に重要な情報で締めくくられるという期待感が伝わります。「conclude with ~」で「〜で締めくくる」「〜で終わる」という形は、学術的な文書やビジネスレポートでよく見られます。主体が人ではなく「物事(報告書など)」である点もポイントです。
推測する
根拠や状況から判断して、ある事柄が真実であると考えること。確信度合いはそれほど高くなく、仮説を立てるようなニュアンスがあります。類語:infer, deduce, surmise
He didn't answer his phone, so I concluded he was still asleep.
彼は電話に出なかったので、私はまだ寝ていると推測しました。
※ この例文は、誰かに電話をかけたのに応答がない状況で、「きっとまだ寝ているんだろうな」と状況から判断する(推測する)様子を描いています。「conclude」は、いくつかの情報や状況から論理的に考えて、最終的な判断を下す、という意味合いで使われます。単なる「推測(guess)」よりも、根拠に基づいた判断というニュアンスが強いです。
Seeing the broken window, she concluded that someone had entered the house.
壊れた窓を見て、彼女は誰かが家に侵入したと推測しました。
※ 家に帰ってきたら窓ガラスが割れていた、という衝撃的な状況で、その状況証拠から「泥棒が入ったに違いない」と瞬時に判断する(推測する)場面です。「Seeing the broken window, ...」のように、動詞のing形から始まる表現は「~を見て」「~なので」と、その後の行動や判断の理由を簡潔に説明するのにとても便利です。
Looking at the weather forecast, we concluded it would rain tomorrow.
天気予報を見て、私たちは明日雨が降ると推測しました。
※ 天気予報の情報を確認し、そのデータに基づいて「明日は雨になりそうだ」と判断する(推測する)日常的なシーンです。「conclude that SV」の形で「SがVだと結論づける/推測する」と使われることが非常に多いです。データや情報に基づいて何かを判断する際によく使われる典型的な表現です。
コロケーション
合意に達する、協定を締結する
※ ビジネスや外交の場で頻繁に使われる表現です。単に『合意する』だけでなく、交渉や議論を経て正式な合意に至るニュアンスを含みます。契約書に署名するなど、具体的な行動を伴うことが多いです。類義語の『reach an agreement』よりもフォーマルな印象を与えます。
スピーチを締めくくる、結びの言葉を述べる
※ 講演やプレゼンテーションの最後に、内容を要約したり、聴衆への感謝を述べたりする際に使われます。単に『終わる』だけでなく、スピーチ全体をまとめる重要な部分であることを示唆します。例えば、『Let me conclude my speech by saying...(最後に…と述べてスピーチを締めくくりたいと思います)』のような形で使われます。
(人生や物語の)一章を終える
※ 文字通り本の章を終える意味でも使われますが、比喩的に人生のある段階や出来事が終わりを迎えることを指します。新しい始まりを予感させるニュアンスが含まれることもあります。例えば、『He concluded a chapter of his life when he moved to a new city.(彼は新しい街に引っ越した時、人生の一章を終えた)』のように使います。
証拠から結論を導き出す
※ 法廷や科学的な調査など、客観的な証拠に基づいて論理的な結論を出す際に用いられます。単なる推測ではなく、根拠に基づいた結論であることを強調します。例えば、『The jury concluded from the evidence that the defendant was guilty.(陪審員は証拠から、被告が有罪であると結論付けた)』のように使います。
...という結論に至る
※ 一般的な表現ですが、思考プロセスを経て結論に達したことを明確に示す際に重要です。単に『思う』よりも、より確信を持って結論を下しているニュアンスがあります。例えば、『After careful consideration, I concluded that this was the best course of action.(慎重に検討した結果、これが最善の行動であると結論付けました)』のように使われます。
交渉を終結させる
※ ビジネスや政治の文脈で、交渉が成功裏に終わったか、または決裂したかに関わらず、交渉プロセス自体が終了したことを意味します。結果がどうであれ、一連の話し合いが終わったという事実に焦点を当てています。例えば、『The two companies concluded negotiations without reaching an agreement.(両社は合意に至ることなく交渉を終結させた)』のように使われます。
早まって結論を出す
※ 十分な情報や検討なしに、急いで結論を出すことを批判的に表現する際に使われます。軽率さや不注意さを伴うニュアンスが含まれます。例えば、『Don't hastily conclude that he's guilty before hearing his side of the story.(彼の言い分を聞く前に、彼が有罪だと早まって結論を出してはいけない)』のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用される。特に議論の結論部分や、実験結果から得られた推論を述べる際に用いられる。「この研究から、〇〇という結論が得られた(We can conclude from this study that...)」のように、客観的な根拠に基づいた結論を導き出す文脈で使われることが多い。また、先行研究のレビューにおいて、研究者の主張を要約する際にも使われる。
ビジネス文書や会議において、議論や分析の結果をまとめる際に使用される。プレゼンテーションの締めくくりや、プロジェクトの報告書などで、「結論として、〇〇という戦略を採用すべきである(In conclusion, we should adopt the strategy of...)」のように、具体的な行動や提案に繋げる文脈で用いられる。フォーマルな印象を与えるため、口頭でのカジュアルな会話よりは、書面でのコミュニケーションに適している。
日常会話では、やや硬い印象を与えるため、あまり頻繁には使用されない。ただし、ニュース記事の内容を要約したり、ドキュメンタリー番組を見た感想を述べるなど、少しフォーマルな話題を扱う際に使われることがある。「結局のところ、〇〇ということだね(So, to conclude, it's about...)」のように、複雑な事柄を簡潔にまとめるニュアンスで用いられることが多い。
関連語
類義語
観察や証拠に基づいて結論を『推論する』という意味。学術的な文脈や、証拠に基づいた推論を述べる際に使われる。 【ニュアンスの違い】`conclude`よりも間接的な情報や証拠に基づいて導き出された結論であることを強調する。主観的な判断や推測を含む場合がある。 【混同しやすい点】`conclude`は直接的な観察や議論の終結を指すことが多いのに対し、`infer`は間接的な情報から結論を引き出すというニュアンスの違いを理解する必要がある。日本語の『結論付ける』と『推論する』の違いと同様。
一般的な原則や既知の事実から論理的に結論を『演繹する』という意味。数学、科学、論理学などの分野で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】`conclude`よりも厳密な論理的プロセスを経て導き出された結論であることを強調する。演繹法に基づいた結論であることを明確に示したい場合に適している。 【混同しやすい点】`deduce`は演繹的な推論を意味し、前提が真であれば結論も必ず真となる。一方、`conclude`は必ずしも論理的な必然性を含まない結論にも使える。演繹法と帰納法の違いを理解することが重要。
調査や検討の結果、『決定する』『確定する』という意味。問題解決や意思決定の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】`conclude`が議論や調査の終結を意味するのに対し、`determine`はより積極的な意思決定や最終的な決定を意味する。不確実性を取り除き、明確な結論を出すニュアンスがある。 【混同しやすい点】`determine`は客観的な事実や証拠に基づいて結論を出す場合に適している。一方、`conclude`は主観的な判断や評価を含む結論にも使える。また、`determine`はしばしば他動詞として使われ、目的語が必要となる。
証拠や情報に基づいて判断を下す、つまり『判断する』という意味。法廷、評価、批評などの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】`conclude`よりも評価や判断の要素が強い。良いか悪いか、適切か不適切かといった価値判断が含まれることが多い。 【混同しやすい点】`judge`は主観的な意見や感情に基づく判断を含む場合がある。一方、`conclude`はより客観的な根拠に基づいた結論を意味することが多い。また、`judge`は名詞としても使われ、『裁判官』や『審査員』といった意味を持つ。
問題や紛争を解決して『決着をつける』という意味。困難な状況を乗り越えて最終的な結論に至るニュアンスがある。 【ニュアンスの違い】`conclude`よりも積極的な行動や努力によって問題を解決するという意味合いが強い。対立や困難を克服して得られた結論であることを強調したい場合に適している。 【混同しやすい点】`resolve`は問題解決に焦点を当てており、しばしば具体的な行動を伴う。一方、`conclude`は単に議論や調査を終えることを意味する場合もある。また、`resolve`は『決意する』という意味も持ち、文脈によって意味が異なることに注意が必要。
何かを完了させる、つまり『終える』という意味。日常会話で広く使われ、フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】`conclude`よりも一般的な言葉で、より広い範囲の完了を指す。議論や会議だけでなく、タスクやプロジェクトなどにも使える。 【混同しやすい点】`finish`は単に完了したことを意味するのに対し、`conclude`はより正式な結論や終結を意味する。ビジネスの場など、フォーマルな文脈では`conclude`を使う方が適切。
派生語
『結論』という意味の名詞。『conclude』から派生し、動詞の行為の結果や状態を表す抽象名詞化接尾辞『-sion』が付加。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広く使用され、議論や考察の終着点を指す。
『決定的な』『断定的な』という意味の形容詞。『conclude』に性質や傾向を表す接尾辞『-ive』が付加。証拠や議論が最終的な結論を導くのに十分であることを示し、主にビジネスや学術的な文脈で、客観的な判断や評価を伴う場面で用いられる。
- concluding
『締めくくりの』『最後の』という意味の形容詞。『conclude』の現在分詞形であり、イベントやスピーチなどの最後の部分を指す。比較的フォーマルな場面で使用され、最終的な段階や行為を示す。
反意語
『始める』という意味の動詞。『conclude』が終わりを意味するのに対し、こちらは開始を意味する。議論、プロジェクト、または何らかの活動の開始点を指し、日常会話からビジネスまで幅広く使用される。
『開始する』『始める』という意味の動詞。『conclude』が終了を示すのに対し、こちらは開始を意味する。特にプロジェクトや改革など、新しいことを始める際に用いられ、フォーマルな文脈やビジネスシーンで頻繁に使われる。ニュアンスとして、単に始めるだけでなく、積極的に働きかける意味合いが強い。
『始まる』『開始する』という意味の動詞。『conclude』とは対照的に、物事の始まりを指す。比較的フォーマルな語であり、式典や会議など、公式な場面でよく用いられる。日常会話よりも、ビジネスや学術的な文脈で使用されることが多い。
語源
"Conclude」はラテン語の「concludere」に由来します。これは「完全に閉じる、締めくくる」という意味で、「con-」(共に、完全に)と「claudere」(閉じる)という二つの要素から構成されています。「claudere」は、英語の「close」や「closure」といった単語の語源でもあり、物理的に何かを閉じるだけでなく、議論やプロセスを終える、結論を出すといった意味合いを持ちます。つまり、「conclude」は、議論や調査などを完全に閉じ、最終的な結論に至るイメージです。日本語で例えるなら、「締め切る」という言葉が近いかもしれません。締め切り日を守るように、議論を「conclude(締めくくる)」ことは、物事を効率的に進める上で重要です。
暗記法
「conclude」は単なる終点ではない。中世の法廷では生死を分ける決断であり、啓蒙思想以降は理性による世界の解釈を意味した。シャーロック・ホームズの推理は知的興奮を呼び、ハムレットの決断は悲劇の核心。現代ではビジネスから日常まで頻繁に使われるが、常に絶対ではない。結論に至るプロセスと多様な視点こそ重要。「conclude」の背後には、知性と責任が潜む。
混同しやすい単語
『conclude』と『include』は、接頭辞が異なるだけで、語尾の '-clude' が共通しているため、スペルと発音の両面で混同しやすい。意味は『含む』であり、『結論づける』とは異なる。特に、動詞として使用される場合、文脈を注意深く読む必要がある。
『conclude』と『exclude』も同様に、接頭辞が異なるだけで語尾が共通しているため、混同しやすい。意味は『除外する』であり、『結論づける』とは正反対の意味を持つ。発音も似ているため、文脈から判断する必要がある。接頭辞 'ex-' は『外へ』という意味を持つことを覚えておくと良い。
『conclude』と『conceal』は、スペルが似ており、特に最初の 'con-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『隠す』であり、『結論づける』とは全く異なる。発音も異なるため、注意が必要。語源的には、'conceal' は '完全に覆う' という意味合いを持つ。
『conclude』と『consist』は、スペルが似ており、特に最初の 'con-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『~から成る』であり、『結論づける』とは全く異なる。発音も異なるため、注意が必要。'consist' は、しばしば 'consist of' という形で使われる。
『conclude』と『confirm』は、最初の 'con-' の部分が共通しているため、スペルで混同しやすい。意味は『確認する』であり、『結論づける』とは異なる。発音も似ている部分があるため、文脈で判断する必要がある。語源的には、'confirm' は '強くする' という意味合いを持つ。
『conclude』と『conflict』は、最初の 'con-' の部分が共通しているため、スペルで混同しやすい。意味は『対立、衝突』であり、『結論づける』とは異なる。'conflict' は名詞と動詞の両方の用法があるため、注意が必要。発音も異なるため、区別しやすいかもしれない。
誤用例
『conclude』は、調査や議論の末に『結論を出す』というニュアンスが強く、日常的な判断にはやや硬すぎます。ここでは『come to the conclusion』というフレーズを使うことで、より自然でフォーマルな印象を保ちつつ、日常会話にも適した表現になります。日本人が『結論する』という日本語に引きずられ、形式ばった表現を選んでしまう典型例です。
『conclude』は、会議自体が『結論に達した』という意味合いが強く、単に『会議を終えた』という事実を伝えたい場合には不自然です。より口語的で自然な表現としては、『wrap up』が適しています。日本人は『終了する』という言葉を安易に『conclude』に置き換えてしまいがちですが、英語では状況に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。ビジネスシーンでは特に、相手に与える印象を考慮し、より丁寧でソフトな表現を心がけましょう。
『conclude』は、証拠や情報に基づいて論理的に結論を導き出す場合に用います。一方、『infer』は、間接的な情報や状況から推測する場合に使います。沈黙から不同意を『推測する』という文脈では、『infer』がより適切です。日本人は『結論付ける』という日本語に引っ張られ、『推測』や『察する』といったニュアンスを『conclude』で表現しようとしがちですが、英語ではそれぞれの単語が持つ意味合いを正確に理解することが重要です。また、日本文化における『以心伝心』のような、言葉にしない意図を汲み取る習慣が、英語学習における語彙選択の誤りにつながることもあります。
文化的背景
「conclude」(結論づける)は、単に議論や思考の終着点を示すだけでなく、しばしば社会的な合意形成や権威による決定といった、重みのある行為を伴います。中世の法廷や宗教裁判において、審理の「結論」は被告の生死を左右するものであり、現代においても、契約の締結や科学論文の結論など、その言葉には責任と拘束力が宿っています。
特に注目すべきは、18世紀以降の啓蒙思想と科学革命の進展が、「conclude」の使用に与えた影響です。それまで神や伝統によって規定されていた世界の法則を、人間自身の理性と観察によって「結論づける」という行為は、知識の民主化と個人の自律性を象徴しました。哲学者たちは、演繹法や帰納法といった論理的思考を駆使し、「人間とは何か」「社会はどうあるべきか」といった根源的な問いに対する結論を導き出そうとしました。この流れは、政治的な議論にも波及し、市民革命や民主主義の確立を理論的に正当化する根拠となっていきました。
文学作品においても、「conclude」は物語の核心に迫る重要な瞬間を彩ります。シャーロック・ホームズが難事件の真相を「結論づける」場面は、論理的思考の勝利を示すとともに、読者に知的興奮を与えます。また、悲劇においては、主人公が自らの運命や世界の不条理に対する「結論」に達することで、物語はクライマックスを迎えます。例えば、シェイクスピアのハムレットは、復讐の是非について深く悩み抜き、最終的に行動を起こすという「結論」を下します。この「結論」は、彼の破滅へと繋がる一方で、人間の意志の強さを示すものでもあります。
現代社会においては、「conclude」はビジネスシーンや日常生活においても頻繁に使用されます。会議での決定事項、交渉の妥結、プロジェクトの最終報告など、様々な場面で「結論」が求められます。しかし、注意すべきは、「conclude」が常に絶対的な真実を意味するわけではないということです。特に複雑な問題においては、暫定的な結論や、さらなる議論の余地を残した結論も存在します。重要なのは、結論に至るまでのプロセスを重視し、多様な視点を取り入れながら、より良い結論を目指す姿勢を持つことでしょう。なぜなら、「conclude」という言葉の背後には、常に人間の知性と努力、そして責任が潜んでいるからです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも見られる。
- 文脈・例題の特徴: 論説文、物語文など幅広い文脈で登場。結論や推論を述べる際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての意味(結論づける)だけでなく、名詞形(conclusion:結論)も重要。類義語のinfer(推論する)との区別を明確に。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)。稀に語彙問題(Part 5)。
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。ビジネス文書(メール、レポートなど)でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: 会議の議事録、契約書、報告書などで、決定事項や最終的な判断を示す際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「結論」の意味合いを理解する。例えば、「conclude a contract(契約を締結する)」のような用法も押さえておく。
- 出題形式: 主に長文読解。ライティング(Independent Writing)でも使用可能。
- 頻度と級・パート: リーディングで頻出。アカデミックな文章でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: 論文、学術記事などで、研究結果や議論の結論を述べる際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈における厳密な意味合いを理解する。論理的なつながりを示す接続詞(therefore, thusなど)と組み合わせて使われることが多い。
- 出題形式: 主に長文読解。和訳問題や英作文でも使用の可能性あり。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも見られる。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広い文脈で登場。文脈から意味を推測する力が問われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味(結論づける)に加え、文脈に応じた柔軟な解釈が求められる。類義語とのニュアンスの違いを理解しておく。