英単語学習ラボ

passion

/ˈpæʃən/(パァショヌ)

第一音節にアクセントがあります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。「ショ」は、舌先をどこにもつけずに発音する摩擦音 /ʃ/ を意識しましょう。「ヌ」は曖昧母音で弱く発音し、ほとんど聞こえないくらいでOK。全体として、リラックスして発音することが大切です。

名詞

情熱

強い感情、熱意、熱中といった意味。目標や活動に対する強い思い入れやエネルギーを表す。恋愛感情、仕事への意欲、趣味への没頭など、幅広い文脈で使用される。

He cooks with great passion every day, trying new recipes.

彼は毎日、新しいレシピを試しながら、すごい情熱を持って料理をします。

この例文は、料理という日常的な活動に「情熱」を注ぐ人の姿を描いています。ただ料理をするだけでなく、心から楽しんで、もっと良くしようと探求している様子が伝わってきますね。何かを「with great passion(すごい情熱を持って)」行うという典型的な使い方です。

Her passion for art helped her become a famous painter.

彼女の芸術への情熱が、彼女が有名な画家になるのを助けました。

ここでは、夢や目標を達成するための強い「情熱」が描かれています。多くの困難があったかもしれませんが、芸術への揺るぎない気持ちが彼女を支え、成功へと導いたことがわかります。「passion for ~(~への情熱)」は非常によく使われるフレーズです。

You could feel his passion for music in every note he played.

彼が奏でる一音一音から、彼の音楽への情熱を感じることができました。

この例文は、他者の表現から「情熱」を感じ取る場面です。コンサート会場で、演奏者の音が心に響き、ただ技術だけでなく、音楽への深い愛情や熱意がひしひしと伝わってくるような情景が目に浮かびます。「feel someone's passion(誰かの情熱を感じる)」という表現も自然で、よく使われます。

名詞

受難

キリストの受難、または強い苦しみや悲しみを表す。文学作品や宗教的な文脈で使われることが多い。

During Easter, many churches remember the Passion of Christ.

イースターの間、多くの教会がキリストの受難を思い起こします。

この例文は、「受難」という意味の「passion」が最も典型的に使われる場面を示しています。特にキリスト教において、イエス・キリストが経験した苦しみや死を指す際に「The Passion of Christ」という形で使われます。大文字で 'Passion' と書かれることが多いのも特徴です。

This old painting shows the Passion of a great leader who suffered for his people.

この古い絵画は、民衆のために苦しんだ偉大な指導者の受難を描いています。

ここでは、「passion」が特定の人物が経験した「大きな苦しみ」や「試練」を指しています。美術館で絵画を鑑賞するような場面を想像できますね。偉人が民衆のために耐え忍んだ困難な状況が、絵を通して伝わってくる様子を描写しています。

The author described the passion of the main character, who faced many difficulties in his life.

著者は、人生で多くの困難に直面した主人公の受難を描写しました。

この例文は、物語や文学作品の中で、登場人物が経験する「試練」や「苦難」を「passion」で表現する使い方を示しています。本を読んでいる時に、主人公の苦しい状況に共感するような場面を想像してみてください。ここでは、単なる困難ではなく、深い精神的な苦痛や困難を乗り越える様子が描かれています。

動詞

熱中させる

(受動態で)何かに強く心を奪われ、熱中している状態を表す。能動態で使用されることは稀。

The enchanting melody passioned her heart deeply.

その魅惑的なメロディーは、彼女の心を深く熱中させた。

静かな部屋で、美しい音楽を聴きながら、彼女がその音色に完全に心を奪われ、感動している様子です。ここでは、音楽が人の心に強く訴えかけ、深い感動や情熱を引き起こす様子を表現しています。動詞の `passion` は、対象が人に強い感情を与えることを示します。

His big dream to fly passioned him to study hard every day.

彼の「空を飛びたい」という大きな夢が、彼を毎日熱心に勉強させた。

少年が夜遅くまで、飛行機や宇宙の図鑑を広げ、目を輝かせながら熱心に勉強している姿が目に浮かびます。目標や夢が人を突き動かし、その達成に向けて強い情熱を抱かせる状況を描いています。`passion` は、何かへの強い思いが行動の原動力になることを示します。

The ancient ruins passioned the historian with a sense of wonder.

その古代の遺跡は、歴史家を驚きの感覚で熱中させた。

砂漠の真ん中、朽ちた古代遺跡を前に、老いた歴史家が目を閉じ、その時代の光景を想像し、深い感動と探究心に駆られている情景です。遺跡のような歴史的なものが、見る人に深い感銘を与え、探究心や情熱をかき立てる様子を表しています。

コロケーション

a burning passion

燃えるような情熱、抑えきれない強い感情

「burning」は文字通り「燃える」という意味ですが、ここでは比喩的に、非常に強く、激しい情熱を表します。単に「passion」と言うよりも、その感情の強さ、熱意、そして人がその情熱にどれほど夢中になっているかを強調する際に用いられます。例えば、芸術、音楽、スポーツなど、人が心から愛し、打ち込んでいる対象に対して使われることが多いです。口語でもビジネスシーンでも使用できますが、やや感情的なニュアンスを含みます。

a fleeting passion

一時的な情熱、すぐに消え去る興味

「fleeting」は「つかの間の」「すぐに過ぎ去る」という意味で、情熱が長続きしないことを示します。何か新しいことに一時的に熱中しても、すぐに飽きてしまうような状況を表すのに適しています。例えば、「彼は新しい趣味にすぐに飛びつくが、それはいつも一時の情熱に終わる(He jumps into new hobbies quickly, but it always ends up as a fleeting passion.)」のように使われます。自己啓発や人間関係など、幅広い場面で使用されます。

profess a passion

情熱を公言する、情熱があると主張する

「profess」は「公言する」「明言する」という意味で、自分の情熱を積極的に表明するニュアンスがあります。ただし、しばしば皮肉な意味合いを含み、「口だけ」「本心ではない」という疑念が込められることもあります。例えば、政治家が環境問題への情熱を公言する際に、その真意を疑う文脈などで使用されます。ビジネスシーンや政治的な文脈でよく見られます。

fuel someone's passion

人の情熱を燃え上がらせる、刺激する

「fuel」は「燃料を補給する」という意味から、比喩的に「情熱をさらに強くする」「刺激を与える」という意味になります。人の創造性やモチベーションを高めるような経験や出来事を指す場合に用いられます。例えば、「彼の成功は、彼の情熱をさらに燃え上がらせた(His success fueled his passion even more.)」のように使われます。教育、ビジネス、自己啓発など、幅広い分野で使用されます。

a lifelong passion

生涯の情熱、人生をかけて追求する情熱

「lifelong」は「生涯にわたる」という意味で、その情熱が人生を通して変わらないことを示します。若い頃から持ち続け、人生の目標や生きがいとなっているような情熱に対して使われます。例えば、芸術家が幼い頃から抱き続けている芸術への情熱や、研究者が長年かけて追求している研究テーマなどに対して用いられます。感動的なスピーチや自伝など、ややフォーマルな場面で使用されることが多いです。

with a passion

情熱をもって、熱心に

何かを熱心に行う様子を表す一般的な表現です。副詞句として使われ、動詞を修飾します。例えば、「彼女は情熱をもってそのプロジェクトに取り組んだ(She worked on the project with a passion.)」のように使われます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用できます。類似の表現として「passionately」がありますが、「with a passion」の方がより自然な口語表現として好まれる傾向があります。

a passion for

〜への情熱

「for」は対象を示す前置詞で、何に対する情熱なのかを具体的に示します。例えば、「a passion for music(音楽への情熱)」、「a passion for learning(学ぶことへの情熱)」のように使われます。非常に一般的な表現ですが、対象を明確にすることで、より具体的で説得力のある表現になります。履歴書や自己紹介など、フォーマルな場面でも使用できます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、研究対象への強い関心や熱意を示す際に用いられます。例えば、研究者が自身の研究テーマについて「私の長年の情熱の対象です(私の長年の情熱の対象です)」と述べる場面や、研究分野全体への情熱を語る際に使われます。文語的な表現です。

ビジネス

プレゼンテーションや企業理念の説明などで、従業員のモチベーションや企業文化を強調する際に使用されます。例えば、「顧客に対する情熱(顧客に対する情熱)」や「イノベーションへの情熱(イノベーションへの情熱)」といった表現で、企業の価値観を伝えるために用いられます。ややフォーマルな文脈で使用されます。

日常会話

自己啓発や趣味に関する話題で、個人の強い興味や熱意を表現する際に使われます。例えば、「写真への情熱(写真への情熱)」や「音楽への情熱(音楽への情熱)」のように、趣味や興味に対する強い思いを伝える際に用いられます。SNSやブログなど、比較的カジュアルな文脈でも見られます。

関連語

類義語

  • 何かに対する強い興味や関心、熱意を表す。日常会話やビジネスシーンで広く使われ、ポジティブな感情を伴う。 【ニュアンスの違い】「passion」よりも、対象への熱狂度合いがやや穏やかで、持続的な興味や関心を示すことが多い。また、主語は人だけでなく、プロジェクトやアイデアなども取りうる。 【混同しやすい点】「passion」が深い感情や衝動を伴うのに対し、「enthusiasm」はより軽快で、表面的な熱意を示す場合もある。文脈によって適切な語を選ぶ必要がある。

  • 非常に強い熱意や熱心さを意味する。宗教的、政治的、または道徳的な大義に対する献身的な熱意を表すことが多い。フォーマルな文脈や文学的な表現で使われる。 【ニュアンスの違い】「passion」よりも、目的意識や信念に基づいた強い熱意を強調する。しばしば、何かを達成しようとする強い意欲や、使命感と結びついている。 【混同しやすい点】「zeal」は、しばしば過度な熱意や狂信的な行動を連想させる可能性がある。そのため、使う場面や対象によっては、相手に不快感を与える可能性がある点に注意。

  • fervor

    激しい情熱や熱意を表す。宗教的な文脈や、強い感情的な高ぶりを伴う状況で使われることが多い。文学的な表現や、演説などでも用いられる。 【ニュアンスの違い】「passion」よりも、感情の激しさや高揚感を強調する。対象への没入感や、圧倒的な感情に支配される様子を表す。 【混同しやすい点】「fervor」は、しばしば集団的な熱狂や高揚感と結びつけて使われる。そのため、個人的な感情を表す場合には、やや大げさな印象を与える可能性がある。

  • ardor

    強い情熱、熱意、または愛情を表す。文学的な表現や、ロマンチックな文脈で使われることが多い。古風な響きを持つ。 【ニュアンスの違い】「passion」よりも、愛情や欲望といった感情的な側面を強調する。また、時間的な持続性や、一途な思いを表すニュアンスが含まれる。 【混同しやすい点】「ardor」は、現代英語ではあまり一般的ではなく、古風で詩的な印象を与える。そのため、日常会話やビジネスシーンで使うと、不自然に聞こえる可能性がある。

  • 何かに心を奪われ、それにとらわれてしまう状態を表す。強迫観念や、過度な執着といったネガティブな意味合いを含むことが多い。 【ニュアンスの違い】「passion」とは異なり、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情や行動を伴う場合がある。対象への過度な関心や、コントロールを失った状態を示す。 【混同しやすい点】「passion」が健全な情熱や熱意を表すのに対し、「obsession」は、精神的な健康を害する可能性のある、異常な執着を表す。文脈によっては、相手に不快感を与える可能性がある。

  • 深い愛情、献身、または忠誠心を意味する。宗教的な献身や、家族への深い愛情を表すことが多い。フォーマルな文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】「passion」よりも、対象への深い愛情や尊敬の念を強調する。また、時間や労力を惜しまず、対象に尽くす姿勢を示す。 【混同しやすい点】「devotion」は、しばしば自己犠牲的な献身を伴う。そのため、使う場面によっては、相手に過度な負担を強いる印象を与える可能性がある点に注意。

派生語

  • 『情熱的な』という意味の形容詞。『passion』に形容詞化の接尾辞『-ate』が付与され、情熱に満ち溢れている状態を表します。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、人の性格や行動、芸術作品などを描写する際に頻繁に用いられます。例えば、『a passionate advocate(情熱的な擁護者)』のように使われます。

  • 『受動的な』という意味の形容詞。『passion』の語源であるラテン語の『patior(苦しむ、耐える)』から派生し、『感情に身を任せる』という受身の意味合いが強調されたもの。能動的な『active』と対比されることが多いです。文法用語としても『受動態』(passive voice)として用いられます。

  • 『同情、思いやり』という意味の名詞。『com-(共に)』+『passion』で、『共に苦しむ』という語源を持ちます。相手の苦しみや悲しみを理解し、共感する気持ちを表し、道徳的な文脈や社会福祉の分野でよく使われます。例えば、『show compassion for the victims(犠牲者に同情を示す)』のように使われます。

反意語

  • 『無感動、無関心』という意味の名詞。『a-(否定)』+『pathy(感情)』で構成され、『感情がない』状態を表します。『passion』が強い感情や熱意を表すのに対し、『apathy』は感情の欠如を示し、政治や社会問題に対する無関心を指す場合もあります。例えば、『political apathy(政治的無関心)』のように使われます。

  • 『無関心、公平』という意味の名詞。『in-(否定)』+『difference(違い)』で構成され、『区別しない』というニュアンスから、『どうでもいい』という感情を表します。『passion』が強いこだわりや興味を示すのに対し、『indifference』は対象に対する興味や関心の欠如を示します。例えば、『treat all customers with indifference(すべてのお客様を公平に扱う)』のように使われます。

  • 『倦怠感、無気力』という意味の名詞。肉体的または精神的な活動の低下を指し、『passion』が示す活力や熱意とは対照的な状態を表します。病気や疲労、精神的な落ち込みなどによって引き起こされることがあり、医学的な文脈や心理学的な文脈で用いられることがあります。例えば、『overcome lethargy(倦怠感を克服する)』のように使われます。

語源

"passion」はラテン語の「pati(苦しむ、耐える)」に由来します。これは「受難」という意味合いが元々強く、特にキリストの受難を指す言葉としても用いられました。そこから、感情が高ぶり、苦しみや喜びを強く感じる状態、つまり「情熱」という意味へと発展しました。日本語で例えるなら、「我慢」や「辛抱」といった言葉のニュアンスが根本にあり、それを乗り越えるほどの強い感情、没頭する状態を表すようになったと考えると理解しやすいでしょう。何かに対して心を燃やすような強い感情は、ある意味で苦痛や困難を伴うこともありますが、それを乗り越えようとする強い意志や熱意こそが「passion」の本質と言えます。

暗記法

「passion」は、元々ラテン語で「苦しみ」。キリストの受難を意味し、自己犠牲的な愛や信仰を表しました。中世では、聖痕を通して神との一体感を深める神聖な経験。ルネサンス期には感情や欲望が肯定的に捉えられ、創造性の源泉に。シェイクスピア作品では、愛憎などの原動力として描かれました。現代では、熱意や情熱を意味する一方で、過度な追求はリスクも孕む、多面的な言葉です。

混同しやすい単語

『passion』と『patience』は、どちらもカタカナで表現すると『パッション』と『ペイシェンス』のように聞こえ、語尾の『-tion』が共通しているため、発音とスペルの両面で混同しやすいです。『patience』は『忍耐』という意味の名詞であり、感情を表す『passion』とは意味が大きく異なります。日本人学習者は、発音記号を意識して、/ˈpæʃən/ と /ˈpeɪʃəns/ の違いを明確に区別することが重要です。また、アクセントの位置も異なります(passionは最初の音節、patienceは2番目の音節)。

『passion』と『poison』は、最初の2音節が似たような音で始まるため、特にリスニング時に混同しやすいことがあります。『poison』は『毒』という意味の名詞であり、動詞としても使われます。意味も品詞も大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。また、発音記号を確認し、/ˈpɔɪzən/ と /ˈpæʃən/ の違いを意識することも有効です。英語の母音の多様性を理解することが、聞き分けの精度を高める鍵となります。

『passion』と『portion』は、語尾の『-ion』が共通しているため、スペルが似ていると感じることがあります。また、どちらも名詞として使われるため、文脈によっては意味の混同も起こり得ます。『portion』は『一部』や『分け前』という意味で、例えば料理の量などを指す際に使われます。発音は /ˈpɔːrʃən/ であり、『passion』とは異なります。特にアメリカ英語では 'or' の音が 'ar' のように聞こえる場合があるため、注意が必要です。

『passion』と『session』は、どちらも2音節の単語で、語尾が『-sion』で終わるため、スペルと発音の両面で混同されることがあります。『session』は『会合』や『授業』という意味で、特定の活動が行われる期間や時間帯を指します。発音記号は /ˈseʃən/ であり、『passion』とは異なります。特に、早口で話される場合や、音声があまりクリアでない場合に聞き間違えやすいので、注意が必要です。

『passion』と『patient』は、どちらも感情や状態に関連する単語であるため、意味の面で混同されることがあります。しかし、『patient』は『我慢強い』という意味の形容詞、または『患者』という意味の名詞であり、『情熱』という意味の『passion』とは大きく異なります。発音は /ˈpeɪʃənt/ であり、『passion』とは異なります。特に、医療関係の話題で『patient』が出てきた場合は、文脈から意味を判断することが重要です。

『passion』と『fashion』は、最初の2音節が同じ音で始まるため、特にリスニング時に混同しやすいことがあります。『fashion』は『流行』や『ファッション』という意味の名詞であり、動詞としても使われます。意味も品詞も異なるため、文脈から判断することが重要です。発音記号は /ˈfæʃən/ であり、アクセントも同じ位置にありますが、母音の音価がわずかに異なるため、注意深く聞き分ける必要があります。

誤用例

✖ 誤用: I have a strong passion for Japanese anime, so I watch it every day.
✅ 正用: I have a strong interest in Japanese anime, so I watch it every day.

「passion」は日本語の「情熱」と訳されることが多いですが、英語では単なる「趣味への強い興味」を表すには大げさなニュアンスがあります。もっと落ち着いた興味や関心を表現したい場合は、「interest」を使う方が適切です。日本語の「情熱」は、対象への熱意や献身、強い感情を伴うことが多いですが、英語の「passion」も同様で、例えば「人生をかける情熱」のような強い意味合いで使われます。日常的な趣味への言及には不向きです。また、日本人は「趣味=情熱」と捉えがちですが、英語では趣味はあくまで趣味であり、情熱を燃やす対象とは区別されることがあります。

✖ 誤用: He has a passion for his job, so he never takes a day off.
✅ 正用: He is dedicated to his job, so he never takes a day off.

この文脈では、「passion」は仕事に対する「情熱」を表そうとしていますが、英語では少し不自然です。「passion」はしばしば個人的な感情や衝動と結びついており、仕事のような義務的なものに対して使うと、ワーカホリックのような印象を与えかねません。より適切なのは、「dedication(献身)」や「commitment(責任感)」といった言葉です。これらの言葉は、仕事への真摯な姿勢や責任感をより適切に表現します。日本人は「仕事への情熱」を美徳と捉えがちですが、英語圏ではワークライフバランスを重視する文化があり、仕事に「情熱」を燃やすことよりも、責任感を持って取り組む姿勢が評価される傾向があります。

✖ 誤用: She has a passion for helping people, so she volunteers at a homeless shelter.
✅ 正用: She has a deep compassion for people, so she volunteers at a homeless shelter.

この文脈では、「passion」は「人々を助けたい」という強い気持ちを表そうとしていますが、より適切なのは「compassion(同情、思いやり)」です。「passion」は強い感情や衝動を伴うことが多いのに対し、「compassion」は他者への共感や理解に基づいた感情を表します。ホームレスシェルターでボランティアをするという文脈では、「compassion」の方が、他者への思いやりや共感といった感情をより適切に表現できます。日本人は「情熱」を「良いこと」と捉えがちですが、英語では文脈によってニュアンスが異なり、他者への思いやりを表現する場合には「compassion」の方が適切な場合があります。また、日本語の「情熱」は、英語の「passion」だけでなく、「enthusiasm」や「zeal」など、様々な言葉で表現されることを理解しておく必要があります。

文化的背景

「passion」は、単なる情熱以上の意味を持ち、キリスト教においてはイエス・キリストの受難を指す言葉であり、自己犠牲を伴う深い感情や信仰を表します。この語は、人間が抱く強い感情、特に愛や苦しみ、怒りといった感情が、理性や抑制を超越する力として認識されてきた歴史を反映しています。

元々、「passion」はラテン語の「patior」(苦しむ)に由来し、受動的な苦しみや受難を意味していました。キリスト教神学においては、キリストの受難(The Passion of Christ)は、彼の愛と犠牲の究極の表現として捉えられ、信仰の中心的な要素となりました。中世の神秘主義においては、聖痕(スティグマ)を受けることは、キリストの受難を追体験し、神との一体感を深める手段とされ、「passion」は単なる苦痛を超えた、神聖な経験を意味するようになりました。この文脈では、「passion」は、苦しみを通じて得られる精神的な高揚や、信仰の深まりを象徴する言葉として用いられました。

時代が下るにつれ、「passion」は苦しみだけでなく、強い感情全般を指すようになります。ルネサンス期には、人間の感情や欲望が肯定的に捉えられるようになり、「passion」は創造性や芸術の源泉として評価されるようになりました。シェイクスピアの作品では、「passion」は愛、憎しみ、嫉妬など、登場人物の行動を駆り立てる原動力として描かれています。例えば、『ロミオとジュリエット』におけるロミオとジュリエットの情熱的な愛は、社会的な障壁を乗り越えようとする強い意志の表れであり、悲劇的な結末を迎えることで、その感情の激しさを際立たせています。このように、「passion」は、人間の内面にある強力なエネルギーを象徴する言葉として、文学作品に頻繁に登場します。

現代においては、「passion」は、仕事や趣味に対する熱意、強い興味、情熱といった意味合いで広く用いられています。自己実現やキャリア形成において、「passion」を持つことが重要視されるようになり、自分の「passion」を見つけることが、充実した人生を送るための鍵であると考えられています。しかし、その一方で、「passion」を過度に追求することは、燃え尽き症候群(バーンアウト)や過労につながる可能性も指摘されています。現代社会における「passion」は、個人の幸福と社会的な成功を結びつける言葉であると同時に、その追求がもたらすリスクについても考慮する必要がある、多面的な意味を持つ言葉と言えるでしょう。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、英作文(意見論述)。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級に近いほど語彙問題での出題可能性が高い。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマで登場。英作文では、自分の意見を述べる際に熱意を示す語として使える。4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「情熱」の他に、「激情」といった意味合いも持つため、文脈によって適切な訳語を選ぶ必要がある。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。2. 頻度と級・パート: Part 7で比較的よく見られる。Part 5では語彙問題として出題される可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の記事やメール、広告などで、プロジェクトへの熱意や顧客への情熱などを表す際に使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「enthusiasm」や「dedication」といった類義語との使い分けが重要。ビジネスシーンでは、過度な情熱よりも、冷静な熱意を表現するニュアンスで使われることが多い。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に心理学、社会学、芸術などの分野でよく見られる。3. 文脈・例題の特徴: 研究者の情熱、芸術家の情熱、社会運動への情熱など、抽象的な概念を表す際に使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を理解する文脈の中で、passionがどのような意味合いで使われているかを把握する必要がある。動詞形(to be passionate about)や形容詞形(passionate)の用法も確認しておくと良い。

大学受験

1. 出題形式: 長文読解、自由英作文。2. 頻度と級・パート: 標準的なレベルの大学で頻出。難関大学では、より高度な語彙や文法知識と組み合わせて出題される。3. 文脈・例題の特徴: 人物伝、科学技術、社会問題など、幅広いテーマで登場。自由英作文では、自分の意見を述べる際に熱意を示す語として使える。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。特に、比喩的な表現や抽象的な表現の中で使われる場合に注意が必要。関連語句(passionately, passionate)も合わせて覚えておくと良い。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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