lethargy
第1音節にアクセントがあります。/e/ は日本語の『エ』よりも口を少し横に引いて発音します。/θ/ は無声音で、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す音です。日本語の『サ』行の発音とは異なります。/dʒ/ は『ヂ』と発音しますが、舌を上顎につけずに発音するとより自然です。最後の /i/ は、日本語の『イ』よりも少し弱く短く発音します。
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気だるさ
肉体的、精神的なエネルギーの欠如を表す。倦怠感、無気力、活動への意欲の低下を伴う状態。病気、疲労、退屈などが原因となることが多い。
After a long trip, I felt a deep lethargy and just wanted to sleep.
長い旅行の後、私は深い気だるさを感じ、ただ眠りたいだけでした。
※ 旅行から帰ってきて、体が重く、何もする気が起きないような状態を表します。特に身体的な疲労からくる「気だるさ」の典型的な使い方です。まるでソファに沈み込みたいような気持ちが伝わりますね。
The rainy weather brought a sense of lethargy, making it hard to focus on work.
雨の天気が気だるさをもたらし、仕事に集中するのが難しくなりました。
※ 天候、特に雨の日や曇りの日が続くと、気分が沈んだり、体が重く感じて活動的になれないことがあります。このように、外的要因が引き起こす「気だるさ」にも使われます。仕事中に窓の外を眺め、ぼーっとしてしまうような情景が目に浮かびます。
A sudden fever caused a strange lethargy, so she stayed in bed all day.
突然の熱が奇妙な気だるさを引き起こし、彼女は一日中ベッドにいました。
※ 病気や体調不良によって、体が重く、何もする気力がわかない状態を説明するのに適しています。普段と違う、異様なだるさや無気力感を伴うときに「strange lethargy」のように表現することもあります。ベッドの中でただ時間が過ぎるのを待つような、つらい状況が伝わります。
無関心
周囲の出来事や人々への関心の薄さ、感情の鈍麻を指す。深刻な状況や重要な事柄に対しても、感情的な反応が乏しい状態。
After a long illness, she felt a deep lethargy and just wanted to sleep.
長い病気のあと、彼女は深い倦怠感(けんたいかん)を感じ、ただ眠っていたかった。
※ この例文は、病気や疲労からくる『体がだるくて何もする気が起きない状態』を表しています。身体的なエネルギー不足で、活動的になれない様子が伝わります。lethargyは『無関心』と訳されることもありますが、この文では『ひどい疲労感やだるさ』が中心的な意味です。
On Sunday, a strange lethargy kept him on the couch all day, doing nothing.
日曜日、彼は奇妙な無気力感に襲われ、一日中ソファで何もせずに過ごした。
※ ここでは、特に理由もなく『やる気が出ない、だるい』という精神的な状態を表しています。休日に何かしたい気持ちはあるけれど、体が重くて行動に移せない、という場面で使えます。lethargyが『(人を)~の状態に保つ』という意味の動詞keptと組み合わさり、行動を妨げている様子を描写しています。
The meeting was filled with a sense of lethargy, and no new ideas came out.
会議は活気のない雰囲気に満ちていて、新しいアイデアは何も出なかった。
※ この例文では、会議やグループ全体の『停滞した、だらけた雰囲気』を表しています。参加者に元気ややる気がなく、活発な議論が起きない様子が伝わります。このように、lethargyは個人の状態だけでなく、集団や場の雰囲気を表す時にも使われることがあります。
停滞
活動や進歩が鈍く、または完全に停止している状態。経済、社会、個人的な成長など、さまざまな分野で使用される。
A deep lethargy kept me in bed all morning.
深い倦怠感が私を午前中ずっとベッドに留めました。
※ この例文は、体が重くて動きたくない、といった身体的な「だるさ」や「無気力」を表しています。風邪の後や、疲れている朝など、「何もする気になれない状態」が鮮明にイメージできますね。'kept me in bed' は「私をベッドに留めた」という意味で、動きたくても動けない状況を表すのによく使われます。
He felt a sudden lethargy and couldn't start his work.
彼は突然の無気力感に襲われ、仕事に取り掛かることができませんでした。
※ ここでは、「lethargy」が精神的な「やる気のなさ」や「集中力の欠如」を表しています。目の前にやるべきことがあるのに、なぜか体が動かない、頭が働かない、という状況です。'sudden'(突然の)という言葉が、予期せぬ無気力感の訪れを強調しています。
The project fell into lethargy after the leader left.
リーダーが去った後、そのプロジェクトは停滞に陥りました。
※ この例文では、「lethargy」が、活動や物事の「停滞」や「低迷」といった状態を表しています。人がいなくなったり、問題が解決しなかったりして、物事が前に進まなくなる状況です。'fell into lethargy' は「停滞に陥る」という決まった言い方で、活気を失い、動きが鈍くなる様子をうまく表現しています。
コロケーション
倦怠感を克服する、無気力な状態を脱する
※ 「overcome」は困難や障害を乗り越える意味合いが強く、強い意志や努力によって無気力状態を打破するニュアンスを含みます。自己啓発や目標達成の文脈でよく用いられ、「lethargy」が単なる疲労ではなく、精神的な停滞を示唆する場合に使われます。類語の 'fight off lethargy' も同様の意味で使われます。
倦怠感に沈む、無気力な状態に陥る
※ 「sink into」は徐々に悪い状態に陥っていくイメージで、徐々に無気力な状態に陥る様子を表します。病気、失恋、失望など、何らかのきっかけで精神的な活力を失い、徐々に無気力になっていく状況を描写する際に適しています。対義語として、'emerge from lethargy'(倦怠感から抜け出す)があります。
無気力状態、倦怠感の状態
※ 「a state of」は、ある特定の状態や状況を指す一般的な表現です。医学的な文脈や、心理学的な議論において、無気力な状態を客観的に描写する際に用いられます。例えば、病気の症状や、特定の環境下での人の心理状態を説明する際に使用されます。類似表現として 'condition of lethargy' もあります。
慢性的な倦怠感、長引く無気力
※ 「chronic」は、病気や症状が長期間にわたって続くことを意味します。単なる一時的な倦怠感ではなく、何週間、何ヶ月と続くような、深刻な無気力状態を指します。医学的な診断や、長期的なストレス、精神的な問題を抱えている場合に用いられることが多いです。自己診断ではなく、専門家の診断を仰ぐべき状態を示唆するニュアンスがあります。
倦怠感の波、突然襲ってくる無気力
※ 「a wave of」は、感情や感覚が波のように押し寄せる様子を表します。突然、強い倦怠感に襲われる状態を表現する際に用いられます。特に、食後や、退屈な会議中など、特定の状況下で起こる一時的な無気力を描写するのに適しています。比喩的な表現であり、文学的な文脈でも用いられます。
倦怠感を振り払う、無気力から脱却する
※ 「shake off」は、不要なもの、まとわりつくものを振り払うイメージです。軽い運動や気分転換など、積極的に行動することで無気力な状態から抜け出すことを意味します。比較的カジュアルな表現で、日常会話や自己啓発の文脈でよく用いられます。類似表現として 'snap out of lethargy' があります。
使用シーン
学術論文、特に医学、心理学、社会学などの分野で、症状や状態、社会現象の停滞を説明する際に用いられます。例えば、「慢性的な睡眠不足は認知機能のlethargy(停滞)を引き起こす可能性がある」のように、研究結果や考察を示す文脈で使われます。フォーマルな文体で、客観的な記述が求められる場面で頻繁に見られます。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの遅延や市場の低迷など、組織全体の活気のなさを表現する際に用いられます。例えば、「市場のlethargy(停滞)が売上不振の主な原因である」のように、報告書やプレゼンテーションなどのフォーマルな文書で使用されます。日常会話ではあまり使われません。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、体調不良や倦怠感を表現する際に使われることがあります。例えば、「今日はなんだかlethargy(気だるさ)を感じる」のように、少しフォーマルな言い方として用いられます。ニュース記事や健康に関する情報など、やや教養的な文脈で目にすることがあります。
関連語
類義語
倦怠感、気だるさ、疲労感。主に精神的、肉体的な疲労によって引き起こされる無気力状態を指し、病気や過労の結果として現れることが多い。医学的な文脈やフォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】lethargyよりもフォーマルで、深刻な疲労や病的な状態を示唆するニュアンスが強い。一時的な倦怠感ではなく、持続的な状態を表す。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、医学論文や文学作品などで見られることが多い。カジュアルな場面でlethargyの代わりに使うと、やや大げさな印象を与える可能性がある。
無感動、無関心、冷淡さ。感情が欠如した状態、または感情的な反応を示さない状態を指す。社会問題や他人の苦しみに対する無関心を示す場合にも使われる。 【ニュアンスの違い】lethargyは主に肉体的・精神的なエネルギーの欠如を指すのに対し、apathyは感情や関心の欠如を強調する。行動を起こす気力がないというより、そもそも何かに対して感情を抱けない状態。 【混同しやすい点】lethargyは疲労や病気が原因である場合が多いが、apathyは精神的な状態や性格的な傾向を表すことが多い。両者は原因と結果が異なる場合がある。
- torpor
休眠状態、無感覚状態、不活発。動物が冬眠するような、活動が著しく低下した状態を指す。比喩的に、人間が精神的、肉体的に鈍くなっている状態を表すこともある。 【ニュアンスの違い】lethargyよりも強い無気力状態を表し、一時的なものではなく、より深く、長期的な状態を示唆する。冬眠や麻痺といったイメージに近い。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、科学的な文脈や文学作品などで見られることが多い。lethargyの代わりに使うと、状態の深刻さを強調する印象を与える。
- sluggishness
動きが鈍いこと、動作が遅いこと、不活発な状態。肉体的、精神的な活動が停滞している状態を指し、消化不良や二日酔いなど、一時的な体調不良によって引き起こされることが多い。 【ニュアンスの違い】lethargyよりも原因が特定しやすく、一時的な状態を表すことが多い。また、sluggishnessは、動作や反応の遅さを強調する。 【混同しやすい点】lethargyは原因が不明瞭な場合もあるが、sluggishnessは原因が特定できる場合が多い。また、sluggishnessは、肉体的な鈍さを強調するのに対し、lethargyは精神的な無気力さも含む。
怠惰、無精。働くことや努力することを嫌う性質を指す。性格的な傾向を表すことが多く、道徳的な非難の意味合いを含むことがある。 【ニュアンスの違い】lethargyは病気や疲労など、外部的な要因によって引き起こされることが多いのに対し、indolenceは性格的な性質に起因する。自発的に行動しない、というニュアンスが強い。 【混同しやすい点】lethargyは同情の余地があるが、indolenceは非難の対象となることが多い。また、indolenceは、努力を避けるという意志的な選択を含む。
- listlessness
気だるさ、ものうさ、無気力。興味や関心が湧かない状態、または活気がない状態を指す。一時的な感情や気分を表すことが多い。 【ニュアンスの違い】lethargyよりも軽い無気力状態を表し、一時的な気分や感情を表すことが多い。深刻な状態というよりは、単に気分が乗らない、というニュアンス。 【混同しやすい点】lethargyは原因が不明瞭な場合もあるが、listlessnessは感情的な要因が強い。また、listlessnessは、一時的な状態を表すのに対し、lethargyは持続的な状態を表すこともある。
派生語
『lethargy(無気力)』から派生した形容詞で、『無気力な』『だるい』という意味。名詞のlethargyが状態を表すのに対し、lethargicはその状態にあることを示す。日常会話で人の状態を表現する際や、医学的な文脈で症状を説明する際に用いられる。例えば、『lethargic mood(無気力な気分)』のように使われる。
『lethargic(無気力な)』から派生した副詞で、『無気力に』『だるそうに』という意味。行動や動作が緩慢で活気がない様子を表す。例えば、『He moved lethargically.(彼はだるそうに動いた)』のように使われる。学術的な文脈というよりは、小説や物語などで情景描写に用いられることが多い。
反意語
『lethargy(無気力)』と対照的に、『エネルギー』『活力』という意味を持つ。lethargyが心身の活動が停滞した状態を指すのに対し、energyは活動的で活気に満ちた状態を表す。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く用いられる。例えば、『He has a lot of energy.(彼はとても元気だ)』のように使われる。
- vigour
『活力』『精力』という意味で、lethargyの持つ無気力さとは正反対の状態を表す。energyよりも肉体的、精神的な力強さを強調するニュアンスがある。ビジネスシーンでの『vigorous campaign(精力的なキャンペーン)』や、学術論文での『vigorous growth(活発な成長)』のように使われる。
『熱意』『熱心』という意味で、lethargyの示す無関心や倦怠感とは対照的な状態を表す。特定の目標や活動に対する強い情熱や意欲を示す。例えば、『He approached the project with great zeal.(彼はそのプロジェクトに非常に熱心に取り組んだ)』のように使われる。
語源
「lethargy」は、「気だるさ」「無気力」を意味する英単語です。その語源はギリシャ語の「lēthargia(忘却)」に遡ります。これはさらに「lēthē(忘却)」と「argos(不活発な、怠惰な)」という二つの要素から構成されています。「lēthē」は、ギリシャ神話に登場する冥府を流れる忘却の川の名前でもあり、この川の水を飲むと過去を忘れるとされていました。つまり、「lethargy」は文字通りには「忘却による不活発」を意味し、精神的な鈍麻や無関心といった状態を表すようになったと考えられます。私たちが何かに対して「気だるい」と感じる時、それはまるで過去の熱意を忘れ去ってしまったかのような状態と言えるでしょう。
暗記法
「lethargy」は単なる疲労にあらず。西洋文化では、魂の倦怠、罪深き無気力と結びついてきた。中世では、霊的怠惰「アケディア」として、救済を妨げる大罪とされたのだ。ダンテの『神曲』にも、怠惰ゆえに永遠に走り続ける亡者たちが描かれる。近代に入ると、社会からの疎外、政治への無関心も意味するようになり、カミュの『異邦人』のムルソーの姿に重なる。現代では、バーンアウトや鬱の兆候とも。社会構造が生む、現代の病なのだ。
混同しやすい単語
『lethargy』は名詞、『lethargic』は形容詞であり、品詞が異なります。どちらも『無気力』『倦怠感』といった意味合いを持ちますが、文法的な役割が異なるため、文章中で使い分ける必要があります。発音も非常に似ていますが、語尾に注意が必要です。
『lethargy』と『leech』はスペルの一部が類似しており、特に母音字の並びが似ているため、視覚的に混同しやすいです。『leech』は『ヒル』という意味の名詞で、医学的な意味合いも持ちます。また、『寄生する人』という意味もあります。発音も異なりますが、スペルの類似性から意味を誤解する可能性があります。
『allergy』は『アレルギー』という意味で、カタカナ英語としても馴染みがありますが、スペルが似ているため混同されることがあります。特に、語頭の 'a' と 'le' の違いを見落としやすいです。意味も全く異なるため、文脈から判断することが重要です。
『leisure』は『余暇』『レジャー』という意味で、発音が若干似ているため、特にリスニング時に混同する可能性があります。どちらも「気だるさ」のようなニュアンスを含む文脈で使用される場合があり、意味の面でも注意が必要です。スペルも 'lei' の部分が似ています。
『leverage』は『活用』『てこ入れ』という意味で、『lethargy』とは全く異なる概念を表します。しかし、語頭の 'le' が共通しているため、スペルをざっと見た際に混同する可能性があります。ビジネスシーンなどでよく用いられる単語なので、意味の違いを明確に理解しておく必要があります。
『liturgy』は『典礼』という意味で、宗教的な儀式を指す専門用語です。発音もスペルも似ており、特に語尾の '-urgy' の部分が共通しているため、混同しやすいです。一般的にはあまり使われない単語ですが、専門分野においては重要な語彙となるため、注意が必要です。
誤用例
『lethargy』は一般的にネガティブな意味合いを持ち、『無気力』『倦怠感』などを表します。そのため、皮肉として使用する意図がない限り、『impressive(印象的)』のようなポジティブな形容詞と組み合わせるのは不自然です。日本語では、皮肉を込めて逆説的に表現することがありますが、英語では誤解を避けるため、ストレートに『appalling(ひどい)』などを使う方が適切です。また、政府の対応の『無気力さ』を指す場合は、inを使う方が自然です。
『lethargy』は単なる眠気やだるさではなく、もっと深刻な無気力状態を指すことが多いです。食後の軽い眠気を表すには不適切です。日本語の『だるい』という言葉には、程度の幅があるため、安易に『lethargy』に置き換えると、文脈にそぐわない深刻なニュアンスを与えてしまうことがあります。軽い眠気の場合は、『sleepy』や『drowsy』を使う方が自然です。また、lethargyを感じて掃除をするという行動も不自然で、通常は休息をとる方が適切です。
『lethargy』は表面的な無気力さを示すことが多く、内面の思考や計画性を隠すために意図的に使われることがあります。しかし、単に『deep thought(深い思考)』のサインと解釈されることは少ないです。むしろ、周囲からは怠慢や無関心と見なされる可能性が高いです。より適切な表現としては、『apparent lethargy(見かけ上の無気力)』とし、それが実際には『meticulous planning(綿密な計画)』を隠すためのものであると明示することで、文脈のズレを解消できます。日本人は、相手の気持ちを慮り、表面的な行動の背後にある意図を推し量ることが得意ですが、英語ではより直接的な表現が好まれる傾向があります。
文化的背景
「lethargy(倦怠感、無気力)」は、単なる肉体的な疲労を超え、精神的な停滞や魂の沈滞を意味する言葉として、西洋文化において道徳的な怠惰や罪と結び付けられてきました。中世のキリスト教思想では、霊的な怠惰「acedia」と深く関連し、魂の救済を妨げる深刻な罪とみなされたのです。この背景から、lethargyは単なる医学的な症状を超えた、より深い文化的、道徳的な意味合いを帯びるようになりました。
中世の修道院では、acediaは修道士たちの間で深刻な問題でした。祈りや労働を怠り、精神的な活力を失い、目的を見失ってしまう状態は、悪魔の誘惑によるものとされました。修道士たちは、acediaに陥らないように、厳しい戒律を守り、瞑想や祈りを繰り返しました。ダンテの『神曲』地獄篇にも、霊的な怠惰に陥った人々が罰を受ける様子が描かれています。彼らは、生前に行動することを怠ったために、死後も永遠に走り続けることを強いられるのです。このように、lethargyは、行動の欠如だけでなく、精神的な停滞がもたらす恐ろしい結果を象徴する言葉として、文学作品にも登場します。
近代に入ると、lethargyは、社会的な状況や政治的な無関心とも結び付けられるようになりました。例えば、産業革命後の都市生活における疎外感や、政治的な抑圧下での無力感が、人々のlethargyを引き起こす要因として認識されるようになりました。20世紀の文学作品では、第一次世界大戦後の虚無感や、全体主義国家における個人の無力感が、lethargyという言葉を通して表現されています。カミュの『異邦人』の主人公ムルソーは、社会に対して無関心で、感情の起伏が乏しく、lethargyな状態にある人物として描かれています。彼は、社会の規範や価値観に適合することを拒否し、自身の内面的な感覚に従って生きることを選びますが、その結果、社会から疎外され、孤立してしまうのです。
現代社会においても、lethargyは、バーンアウトやうつ病などの精神的な問題と関連付けられることが多くなりました。高度な情報化社会において、常に刺激にさらされ、過剰なストレスを感じている現代人は、lethargyに陥りやすいと言えるでしょう。ソーシャルメディアの普及は、人々に常に他人と比較することを強いるため、自己肯定感を低下させ、lethargyを助長する可能性があります。lethargyは、単なる個人の問題ではなく、現代社会が抱える構造的な問題の表れであるとも言えるのです。このように、lethargyは、時代とともにその意味合いを変化させながらも、人間の精神的な状態や社会的な状況を反映する言葉として、西洋文化の中で重要な役割を果たし続けています。
試験傾向
準1級、1級の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解でも、文章全体のテーマを理解する上で重要なキーワードとなる場合がある。特に、精神状態や感情を表す文脈で登場しやすい。注意点としては、名詞だけでなく、関連する形容詞 (lethargic) も覚えておくこと。また、類義語である 'apathy' や 'sluggishness' とのニュアンスの違いを理解しておくと、より正確な解答につながる。
Part 5 (短文穴埋め問題) で出題される可能性は低いが、Part 7 (長文読解) で登場することがある。ビジネスシーンというよりは、一般的な内容の文章で使われることが多い。選択肢として直接問われるというよりは、文章全体の理解を深めるための語彙として認識しておくのが良い。TOEIC対策としては、他の頻出語彙に優先順位を置く方が効率的。
リーディングセクションで、学術的な文章の中で出てくる可能性がある。生物学、医学、心理学などの分野で、症状や状態を説明する際に使われやすい。語彙問題として直接問われることは少ないが、文章全体の理解を妨げる可能性があるため、意味を把握しておく必要がある。関連語句である 'lethargic' や、原因・結果を表す表現と組み合わせて覚えておくと理解しやすい。
難関大学の長文読解で出題される可能性がある。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題でキーワードとなる場合がある。医学部や心理学部など、特定の学部に関連する文章で登場しやすい。類義語である 'drowsiness' や 'fatigue' との違いを理解しておくことが重要。また、文章全体の内容を把握し、著者の主張を理解する上で重要な単語となる場合がある。