英単語学習ラボ

devotion

/dɪˈvoʊʃən/(ディˈヴォウシャン)

第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音し、/ˈvoʊ/ は二重母音で、『オ』から『ウ』へスムーズに変化させます。/ʃən/ は『ション』ではなく、舌先を少し丸めて上あごに近づけ、摩擦音を伴う『シャン』に近い音を意識しましょう。

名詞

献身

特定の人物、主義、活動などに対して、時間や労力を惜しまず、真摯に尽くすこと。宗教的な文脈での信仰心や、仕事への熱心さなどを表す。

Her devotion to her sick child was clear to everyone.

病気の子供への彼女の献身は誰の目にも明らかだった。

夜中に熱を出した子供のそばに座り、優しく看病するお母さんの姿が目に浮かびますね。誰かのために時間や労力を惜しまず尽くす深い愛情や姿勢が「devotion」の中心的な意味です。「devotion to ~」で「~への献身」と表現するのが一般的です。

He showed great devotion to his work as an artist.

彼は芸術家としての仕事に大きな献身を示した。

アトリエで夜遅くまで絵を描き続け、作品のために情熱を注ぐ芸術家の姿が目に浮かびます。仕事や趣味など、特定の活動や目標に深く打ち込み、努力を惜しまない様子を表すときにも「devotion」を使います。「show devotion」で「献身を示す」という表現もよく使われます。

The old woman's devotion to her faith gave her strength.

その老婦人の信仰への献身が、彼女に力を与えた。

どんな困難な時でも、毎日静かに祈り、心の支えとしている老婦人の姿が目に浮かびます。信仰や特定の理念、大義など、目に見えないものに対する揺るぎない忠誠心や献身も「devotion」で表現できます。ここでは「faith(信仰)」という抽象的なものに対する献身を示しています。

名詞

愛情

深い愛情や愛情を込めた行為。家族、パートナー、ペットなどへの深い愛情を示す場合に使われる。

Her devotion to her child was clear as she gently held him.

彼女が優しく子供を抱きしめる姿から、その子への深い愛情が明らかでした。

この例文は、親が子供に注ぐ普遍的な愛情の深さを表しています。「devotion to someone/something」で「〜への愛情・献身」という形でよく使われます。母親の優しい行動が、彼女の深い愛情を自然に伝えていますね。

He spent hours in his studio, showing his deep devotion to painting.

彼はアトリエで何時間も過ごし、絵画への深い愛情(献身)を示しました。

この文は、人が趣味や仕事、芸術などに情熱を注ぐ様子を描いています。「devotion」は、ただの「好き」を超えて、時間や労力を惜しまないほどの「献身的な愛情」を表すときにぴったりです。「deep devotion」のように形容詞と組み合わせると、その思いの強さを強調できます。

The little dog waited by the door with such devotion for its owner to come home.

その小さな犬は、飼い主が帰ってくるのをドアのそばで、とても深い愛情をもって待っていました。

この例文は、ペットが飼い主に対して抱く純粋で忠実な愛情を表現しています。「with devotion」は「愛情を込めて」「献身的に」という意味で、行動の様子を表すときによく使われます。「such devotion」のように「such」を加えると、「なんて深い愛情なんだろう!」という驚きや感嘆の気持ちが伝わります。

名詞

没頭

ある活動や趣味に夢中になり、他のことを忘れてしまうほど熱中すること。研究、芸術、スポーツなど、情熱を傾ける対象がある場合に使われる。

He painted with great devotion, forgetting the time.

彼は時間を忘れて、大いに没頭して絵を描いた。

画家が絵に夢中になり、周りの時間が気にならなくなるほど集中している情景です。「with devotion」は「没頭して」「熱心に」という意味で、ある行動に深く集中している状態を表す典型的な表現です。

She read the difficult book with deep devotion in the quiet library.

彼女は静かな図書館で、深く没頭して難しい本を読んだ。

図書館で、学生が難しい内容の本に深く集中している様子が目に浮かびます。「deep devotion」は「深い没頭」を意味し、その集中度の高さが伝わります。場所や状況を加えることで、より具体的なミニ・シーンが描かれていますね。

The engineer showed great devotion to developing the new software.

そのエンジニアは新しいソフトウェアの開発に大いに没頭した。

エンジニアが新しいプロジェクトに全身全霊を傾けている様子です。「devotion to A」で「Aへの没頭・献身」という意味になります。仕事や研究など、特定の目標に向かって努力する場面でよく使われる表現です。

コロケーション

unswerving devotion

揺るぎない献身、断固たる忠誠

「unswerving」は「揺るがない」「断固とした」という意味で、「devotion」を強調する形容詞です。ビジネスシーンや政治的な文脈で、信念や目標に対する強いコミットメントを示す際に用いられます。例えば、「unswerving devotion to duty(職務への揺るぎない献身)」のように使われます。単に「strong devotion」と言うよりも、よりフォーマルで強い印象を与えます。

a life of devotion

献身的な人生、信仰に捧げた人生

宗教的な文脈でよく使われ、神や信仰、または特定の人物や活動に人生を捧げることを意味します。修道士や尼僧、ボランティア活動に生涯を捧げる人などを指すことが多いです。「lead a life of devotion」という形で使われることもあります。物質的な豊かさよりも精神的な充足を重視する生き方を表します。

devotion to duty

職務への献身、義務への忠誠

仕事や責任に対する強いコミットメントを示す表現です。軍人、公務員、医療従事者など、社会的な責任を負う職業の人々について語られることが多いです。単に「hardworking(勤勉)」と言うよりも、倫理観や責任感に基づいた行動を強調するニュアンスがあります。例えば、「He showed great devotion to duty throughout his career.(彼はキャリアを通じて職務への大きな献身を示した)」のように使われます。

inspire devotion

献身を呼び起こす、深い愛情を抱かせる

人々に強い感情や忠誠心を抱かせるという意味です。カリスマ的なリーダー、尊敬される教師、影響力のある人物などが対象となることが多いです。「inspire admiration(感銘を与える)」よりも、より深い感情的なつながりや忠誠心を示唆します。例えば、「His leadership inspired devotion among his followers.(彼のリーダーシップは信奉者たちの間に献身を呼び起こした)」のように使われます。

with devotion

心を込めて、献身的に

行動や態度が愛情や誠意に満ちていることを示す副詞句です。例えば、「She cared for her patients with devotion.(彼女は患者を心を込めて看護した)」のように使われます。「with care」や「with love」と似ていますが、「devotion」はより深いコミットメントや忠誠心を示唆します。特に、長期間にわたる努力や犠牲を伴う行動に対して使われることが多いです。

blind devotion

盲目的な献身、無批判な忠誠

批判的な思考を欠いた、無条件の忠誠心を意味します。カルト宗教の信者や、独裁的なリーダーに従う人々について語られることが多いです。通常、否定的な意味合いで使用され、危険な状況や非合理的な行動につながる可能性を示唆します。例えば、「blind devotion to a political ideology(政治的イデオロギーへの盲目的な献身)」のように使われます。

religious devotion

宗教的献身、信仰心

神や宗教に対する深い信仰心と献身的な行為を指します。祈り、礼拝、巡礼、慈善活動などが含まれます。「spiritual devotion」も同様の意味で使われます。宗教的な儀式や習慣への参加だけでなく、日常生活における倫理的な行動や精神的な成長も意味します。例えば、「religious devotion is a central part of their lives(宗教的献身は彼らの生活の中心的な部分である)」のように使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文、特に人文科学や社会科学の分野で、特定の思想や人物に対する献身的な態度や研究姿勢を記述する際に用いられます。例えば、歴史学の研究で「彼はその運動に深い献身を示した」のように使われます。また、宗教研究において信者の信仰心を表す場合にも使われます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、従業員の企業理念への深い共感や貢献姿勢を評価する際に、人事評価や社内報などで使われることがあります。「彼のプロジェクトへの献身は目覚ましい」といった形で、フォーマルな文脈で使用されます。日常的な会話よりは、文書やプレゼンテーションでの利用が主です。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ペットや趣味、家族に対する深い愛情や情熱を表す際に用いられることがあります。例えば、「彼女は犬に深い愛情を注いでいる」といった表現が可能です。ニュースやドキュメンタリー番組で、ボランティア活動や社会貢献活動に尽力する人々を紹介する際にも見られます。

関連語

類義語

  • ある目的や仕事に対して時間、エネルギー、注意を惜しみなく注ぎ込むことを意味します。ビジネス、学術、宗教など、幅広い分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"devotion"と同様に、対象への強いコミットメントを示しますが、"dedication"はより具体的な目標やプロジェクトに対する献身を指すことが多いです。また、"devotion"が宗教的な意味合いを持つことがあるのに対し、"dedication"はより世俗的な文脈で使用されます。 【混同しやすい点】どちらも不可算名詞ですが、"dedication"は具体的な活動や成果物(例:本の献呈)を指す場合に使われることがあります。"devotion"は、より抽象的な忠誠心や献身を意味します。

  • 約束や義務を果たすこと、または特定の目標や価値観に忠実であることを意味します。ビジネス、人間関係、政治など、多岐にわたる場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"devotion"よりもフォーマルで、客観的なニュアンスが強いです。感情的な要素は薄く、責任感や義務感に基づいて行動することを強調します。"devotion"はより個人的で情熱的な献身を示唆します。 【混同しやすい点】"commitment"は可算名詞としても使われ、具体的な約束や契約を指すことがあります。"devotion"は通常、不可算名詞としてのみ使用されます。また、"commitment"はしばしば組織やグループへの忠誠心を意味しますが、"devotion"は個人や理念への献身を意味することが多いです。

  • 個人、グループ、国などに対する忠誠心や誠実さを意味します。政治、軍事、人間関係など、信頼が重要な場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"devotion"よりも客観的で、義務感や責任感に基づいた忠誠心を強調します。感情的な要素は薄く、長期的な関係性や信頼関係に基づいて行動することを意味します。"devotion"はより個人的で情熱的な献身を示唆します。 【混同しやすい点】"loyalty"は、しばしば組織やグループへの忠誠心を意味しますが、"devotion"は個人や理念への献身を意味することが多いです。また、"loyalty"は裏切りや不誠実さの反対概念として使われることが多いですが、"devotion"は必ずしもそうではありません。

  • 国家、君主、または大義に対する忠誠や支持を意味します。政治、軍事、歴史的な文脈でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"devotion"よりもさらにフォーマルで、公式な忠誠の誓いや義務を伴うことが多いです。個人的な感情よりも、社会的な規範や制度への服従を意味します。"devotion"はより個人的で情熱的な献身を示唆します。 【混同しやすい点】"allegiance"は、しばしば国家や政治的な指導者に対する忠誠心を意味しますが、"devotion"はより幅広い対象(例:家族、宗教、趣味)への献身を意味することがあります。また、"allegiance"は、しばしば誓約や宣誓を伴いますが、"devotion"は必ずしもそうではありません。

  • 宗教的な献身、敬虔さ、または道徳的な高潔さを意味します。宗教的な文脈や、古風な表現で使用されることが多いです。 【ニュアンスの違い】"devotion"と非常に近い意味を持ちますが、より宗教的な意味合いが強く、信心深さや敬虔さを強調します。現代英語では、やや古めかしい印象を与えることがあります。 【混同しやすい点】"piety"は、しばしば形式的な宗教的儀式や行為を伴いますが、"devotion"は必ずしもそうではありません。また、"piety"は、しばしば偽善的な意味合いで使用されることがありますが、"devotion"は通常、肯定的な意味で使用されます。

  • 熱意、熱心さ、または情熱的な献身を意味します。特定の目標や活動に対する強い意欲を示す際に使用されます。 【ニュアンスの違い】"devotion"は対象への深い愛情や忠誠心を示しますが、"zeal"は目標達成への強い情熱や意欲を強調します。"zeal"は、しばしば活動的でエネルギッシュな行動を伴います。 【混同しやすい点】"zeal"は、しばしば過剰な熱意や狂信的な行動を指すことがありますが、"devotion"は通常、より穏やかで持続的な献身を意味します。また、"zeal"は、しばしば宗教的または政治的な文脈で使用されますが、"devotion"はより幅広い対象に使用されます。

派生語

  • 『捧げる』『充てる』という意味の動詞。元々は『誓約する』という意味合いが強く、神や目標に対して時間や労力を惜しみなく使うニュアンスを含む。ビジネスシーンでは『devote oneself to a project(プロジェクトに専念する)』のように使われ、日常会話でも『devote time to family(家族に時間を捧げる)』のように用いられる。語源的には『vow(誓う)』と関連が深い。

  • 『献身的な』『愛情深い』という意味の形容詞。『devote』の過去分詞形が形容詞化したもの。人や対象に対する深い愛情や忠誠心を表す。例えば、『a devoted fan(熱心なファン)』や『a devoted husband(献身的な夫)』のように使われる。日常会話で頻繁に使われる他、文学作品などでも感情を表現する際に用いられる。

  • 『熱心な信者』『熱狂的な愛好家』という意味の名詞。『devote』に人を表す接尾辞『-ee』が付いた形。宗教的な文脈で神への献身を示す人を指すことが多いが、比喩的に趣味やスポーツなどの熱心な愛好家を指すこともある。『a devotee of classical music(クラシック音楽の熱心な愛好家)』のように用いられる。ややフォーマルな表現。

反意語

  • 『無関心』『無感動』という意味の名詞。『devotion』が対象への積極的な関与や感情を伴うのに対し、『apathy』はそれらの欠如を示す。政治的無関心や社会問題への無関心など、広範な文脈で使用される。学術論文やニュース記事など、ややフォーマルな場面でよく見られる。

  • 『無関心』『どうでもいい』という意味の名詞。『devotion』が強い関心や愛情を示すのに対し、『indifference』はそれらの欠如を表す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。例えば、『show indifference to criticism(批判に無関心を示す)』のように用いられる。apathyよりも広い意味で使われることがある。

  • disloyalty

    『不誠実』『不義』という意味の名詞。『devotion』が忠誠心や誠実さを意味するのに対し、『disloyalty』はそれらの欠如を示す。特に、友人関係、家族関係、仕事関係など、信頼関係が重要な場面で使用される。『commit an act of disloyalty(不義を働く)』のように用いられる。接頭辞『dis-』が反対の意味を表す。

語源

"devotion」は、ラテン語の「devotio(献身、誓い)」に由来します。これは「devovere(誓う、捧げる)」という動詞から派生した名詞です。「devovere」は、「de-(完全に)」と「vovere(誓う)」という要素に分解できます。「vovere」は、英語の「vow(誓い)」と同語源です。つまり、「devotion」は、元々は何かに対して完全に誓いを立て、身を捧げる行為を意味していました。この「完全に捧げる」という核となる意味から、献身、愛情、没頭といった現代的な意味へと発展していきました。たとえば、日本の武士道における主君への忠誠心は、「devotion」の原義に近いかもしれません。完全に身を捧げるという行為が、強い感情や対象への没頭と結びついたことで、現代の多様な意味合いを持つようになったと考えられます。

暗記法

「devotion」は、神への絶対的な忠誠、あるいは相手への深い愛情を示す言葉として、西洋文化で特別な意味を持ちます。中世の騎士道物語から現代のラブソングまで、自己犠牲を伴う強い感情と結びついて語られます。宗教的な文脈では、神への全生涯を捧げる行為を意味し、教会建築や聖歌隊の歌声は信者のdevotionを表現しました。世俗的な愛においては、騎士が愛する女性のために命を懸ける物語や、恋人たちが永遠の愛を誓い合う姿として描かれます。政治的な文脈では、国家元首への忠誠を意味しますが、盲信や全体主義に繋がる危険性も孕んでいます。

混同しやすい単語

『devotion』と語尾の '-tion' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『感情』であり、対象への深い愛情や献身を表す『devotion』とは意味が異なる。感情の種類を表す語彙と結びつけて覚えると良いでしょう。

こちらも語尾が '-tion' で終わる単語で、発音も似ているため混同されやすい。『進化』という意味で、生物学的な文脈でよく使われる。『de-』(下に)と『e-』(外に)という接頭辞の違いに着目すると、意味の方向性の違いを理解しやすいでしょう。

『devotion』と発音が似ており、特にアクセントの位置が異なる点に注意が必要。『vocation』は『天職、使命』という意味で、仕事や生きがいに関連する文脈で使われることが多い。『呼びかけ』を意味するラテン語の 'vocare' が語源です。

deletion

語尾が '-tion' で共通し、スペルも似ているため、特に書き間違いに注意が必要。『削除』という意味で、IT関連や編集作業でよく使われる。元の動詞 'delete' と関連付けて覚えると、意味の区別がつきやすい。

語尾が '-tion' でスペルが似ているため、混同しやすい。『解決策』という意味で、問題解決の文脈でよく使われる。抽象名詞を作る接尾辞 '-tion' がついていることに着目すると、名詞としての役割を理解しやすい。

語尾が '-tion' であり、発音も一部似ているため、聞き間違いやスペルの誤りを起こしやすい。『選択肢』という意味で、何かを選ぶ場面で使われる。『devotion』が対象への献身的な感情を表すのに対し、『option』は選ぶ自由があることを意味するため、対比して覚えると効果的です。

誤用例

✖ 誤用: My devotion to her is very heavy.
✅ 正用: My devotion to her is profound.

日本語の『重い』という言葉には、物理的な重さだけでなく、感情の深さや重要性を表す比喩的な意味合いも含まれます。しかし、英語の『heavy』を感情の重さに対して使うと、ネガティブなニュアンス(負担、プレッシャー)が強くなり、愛情や献身を表す『devotion』には不適切です。ここでは、深さや強さを表す『profound』が適切です。日本人がつい『〜は重い』という表現を直訳してしまうことで起こりやすい誤用です。

✖ 誤用: He showed devotion to the company by working overtime every day, so he became exhausted.
✅ 正用: He demonstrated dedication to the company by working overtime every day, eventually becoming exhausted.

『devotion』は、宗教的な献身や、個人的な愛情・忠誠心を表すことが多く、ビジネスの文脈で使うと、やや大げさで不自然に聞こえることがあります。企業への貢献を表す場合は、より一般的でニュートラルな『dedication』を使う方が適切です。また、文脈から「献身的な行動の結果」がネガティブであることも考慮すると、皮肉なニュアンスを避けるためにも、より客観的な『dedication』が適切です。日本人が『献身』という言葉を美徳として捉えがちなため、英語のニュアンスとのズレが生じやすいです。

✖ 誤用: Her devotion made me uncomfortable because it was too much.
✅ 正用: Her unwavering loyalty made me uncomfortable because it felt overwhelming.

『devotion』は、対象への深い愛情や献身を表しますが、その度合いが過剰になると、相手に圧迫感や不快感を与えることがあります。しかし、直接的に『too much』と表現すると、やや直接的で粗雑な印象を与えます。ここでは、より婉曲的に『overwhelming(圧倒されるような)』という表現を使うことで、相手への配慮を示しつつ、不快感を伝えることができます。日本人は、相手に直接的な批判を避ける傾向があるため、英語でも同様に婉曲的な表現を選ぶことが重要です。また、『loyalty』は、devotionよりも少しフォーマルで、ビジネスや社会的な関係にも使いやすい単語です。

文化的背景

「devotion(献身)」は、西洋文化において、神への絶対的な忠誠心、あるいは恋愛における相手への深い愛情を示す言葉として、特別な重みを持ってきました。中世の騎士道物語から、現代のロマンティックなラブソングまで、この言葉は常に、自己犠牲を伴う強い感情と結びついて語られます。

歴史的に見ると、「devotion」は宗教的な文脈で強く根付いていました。修道士や修道女が神に「devotion」を誓うことは、全生涯を捧げることを意味し、それは単なる信仰告白以上の、存在そのものを神に委ねる行為でした。中世の教会建築に見られる壮麗な装飾や、聖歌隊の荘厳な歌声は、信者たちの「devotion」を表現する手段であり、同時に、神への畏敬の念を呼び起こす装置でもありました。この宗教的な「devotion」は、しばしば芸術作品のテーマとなり、ミケランジェロの「ピエタ」のように、聖母マリアの息子イエスへの深い「devotion」を描いた作品は、人々の心を揺さぶり続けています。

しかし、「devotion」は宗教的な領域に留まらず、世俗的な愛の表現としても用いられるようになりました。騎士が愛する女性のために命を懸ける物語は、「courtly love(宮廷愛)」として知られ、その中心には、女性への絶対的な「devotion」がありました。シェイクスピアのソネットに登場する恋人たちは、永遠の愛を誓い合い、相手への「devotion」を詩的な言葉で表現しました。現代においても、「devotion」は、ロマンティックな関係における理想的な感情として、映画や音楽で繰り返し描かれています。ただし、現代では、自己犠牲的な「devotion」は、時に依存や束縛と解釈されることもあり、より健全な愛情表現が模索されるようになっています。

興味深いことに、政治的な文脈においても「devotion」という言葉は使用されます。例えば、国家元首への絶対的な忠誠心や、特定のイデオロギーへの献身を指す場合などです。しかし、このような「devotion」は、時に盲信や全体主義に繋がる危険性を孕んでおり、歴史は、過度な「devotion」が悲劇を生んだ事例を数多く示しています。そのため、「devotion」という言葉を使う際には、それがどのような対象に向けられているのか、そして、その「devotion」が自己犠牲を強いるものではないか、慎重に吟味する必要があります。言葉の背後にある文化的・歴史的背景を理解することで、「devotion」という言葉の持つ多面的な意味を深く理解することができるでしょう。

試験傾向

英検

準1級、1級で語彙問題として出題される可能性あり。長文読解でもテーマに関連して登場することがある。動詞形'devote'との区別、および'devotion to'の形での使われ方に注意。例文:Her devotion to her students is admirable.

TOEIC

Part 5(短文穴埋め)やPart 7(長文読解)で、ビジネス関連の文脈で登場する可能性がある。顧客への献身、仕事への情熱といった意味合いで使われることが多い。類似語(commitment, dedication)とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。頻度はそこまで高くない。

TOEFL

リーディングセクションのアカデミックな文章で登場する可能性あり。学問、研究、社会貢献など、抽象的な概念に対する献身を表す文脈で使用されることが多い。類義語との区別(dedication, commitment, loyalty)が問われる場合がある。ライティングセクションでの使用は、やや硬い印象を与える可能性がある。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性あり。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われることが多い。特に、抽象的なテーマ(愛、信仰、芸術など)に関する文章で頻出。関連語句(devote, devoted)との関連性を理解しておくことが重要。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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