passive
第一音節にアクセントがあります。母音 /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し開き、短く発音しましょう。最後の /v/ は有声の唇歯摩擦音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を摩擦させながら「ヴ」と発音します。日本語の「バ行」の発音とは異なる点に注意してください。
専門的な内容に関するご注意
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受動的な
外部からの影響を受けやすく、自発的な行動をあまり起こさない様子。状況に身を任せる、あるいは指示待ちの姿勢を指すことが多い。
He was very passive in the meeting, just listening to others' opinions.
彼は会議でとても受動的で、ただ他の人の意見を聞いているだけでした。
※ この例文では、会議で自分から発言せず、ただ聞いているだけの人の様子が描かれています。「passive」は、このように「積極的ではない」「受け身の姿勢」を表すときによく使われます。もし彼がもっと「active(能動的)」だったら、自分から意見を述べていたでしょう。
If you are too passive when learning English, you won't improve your speaking skills.
もし英語を学ぶ際に受け身になりすぎると、話すスキルはあまり上達しません。
※ 英語学習の場面で「passive」を使う典型的な例です。ただ教材を読んだり聞いたりするだけでなく、自分から話したり書いたりする「active」な学習が大切だというメッセージが込められています。学習者が自身の状況と重ね合わせて共感しやすいでしょう。
The coach told the player not to be so passive on the field and to chase the ball.
コーチは選手に、フィールドでそんなに受け身にならないで、ボールを追いかけるように言いました。
※ スポーツの試合での一場面です。選手が自分から動かず、ただ立っているような「受動的な」態度を取っている状況が目に浮かびます。コーチが「もっと積極的に動け!」と促している様子が伝わり、「passive」が行動の欠如を意味することがよくわかります。
消極的な
積極的に行動せず、何かを避けるような態度。ネガティブな意味合いを含むことが多い。
The new member was very passive during the meeting and hardly spoke.
新しく入ったメンバーは会議中、とても消極的で、ほとんど発言しませんでした。
※ この例文では、新しいメンバーが会議で緊張したり、自信がなかったりして、なかなか意見を言わない様子が描かれています。「passive」は、このように「積極的に参加しない」「発言が少ない」といった場面でよく使われます。「hardly spoke」は「ほとんど話さなかった」という意味で、具体的な行動を示しています。
Our team was too passive in the game and didn't attack much.
私たちのチームは試合中、あまりにも消極的で、なかなか攻めませんでした。
※ ここでは、スポーツの試合でチームが「守ってばかりで、自分たちから攻めようとしない」様子を表しています。「passive」は、このように「攻撃的でない」「受け身である」といった状況で使われます。「didn't attack much」は「あまり攻めなかった」という具体的な行動を示し、チームの消極的な姿勢を際立たせています。
He is always a little passive and waits for someone to tell him what to do.
彼はいつも少し消極的で、誰かが何をすべきか指示するのを待っています。
※ この例文は、自分から行動を起こさず、誰かに指示されるのを待っている人の様子を描いています。「passive」は、このように「自発性がなく、受け身な態度を取る」性格や行動を説明する際によく使われます。「waits for someone to tell him what to do」という表現が、その「指示待ち」の具体的な状況を鮮明に伝えています。
受動態
文法用語として、主語が動作を受ける側の表現。例えば、「彼は殴られた」のような文。
Our English teacher clearly explained **the passive** today, and I finally understood it.
今日、英語の先生が受動態をはっきりと説明してくれたので、私はついに理解できました。
※ 英語の授業で、今まで苦手だった文法が先生の分かりやすい説明で「なるほど!」と腑に落ちた瞬間の情景です。英語学習において「受動態(passive)」は非常に基本的な文法なので、授業で学ぶ場面は最も典型的なシチュエーションと言えます。「the passive」で「受動態」という文法用語を表します。
My tutor told me to use **the passive** less often in my academic essays.
チューターが私の学術論文では受動態の使用を減らすように言いました。
※ 自分の英語の作文をより良くしようと、先生やチューターのアドバイスを真剣に聞いている場面です。特に学術論文やビジネス文書では、能動態(active voice)を使う方がより直接的で力強い表現になるとされるため、受動態の使いすぎは避けるべきだと指導されることがよくあります。このように「the passiveを使う」という文脈でよく使われます。
I found many examples of **the passive** in my new grammar book about reporting news.
新しい文法書で、ニュース報道に関する受動態の例文をたくさん見つけました。
※ 新しい文法書を手に取り、興味深く読み進める中で、特定のジャンル(この場合はニュース報道)で受動態が頻繁に使われていることに気づく場面です。ニュース記事では「誰が」よりも「何が起こったか」という事実を客観的に伝えるために受動態が多用されることがよくあります。「examples of the passive」で「受動態の例」という意味になり、文法書や参考書でよく目にする表現です。
コロケーション
非暴力抵抗、不服従運動
※ 暴力に訴えずに、デモ、ボイコット、サボタージュなどの手段を用いて権力や政策に抵抗する運動のことです。マハトマ・ガンジーのインド独立運動や、アメリカ公民権運動などで用いられました。単に『受け身』なのではなく、積極的に抵抗する意思表示を伴う点が重要です。 'active non-violence' とも言えます。
不労所得
※ 労働によってではなく、投資、不動産、著作権などによって得られる収入のことです。ビジネスや金融の分野でよく使われます。ただし、完全に何もしなくても良いわけではなく、初期投資や管理が必要な場合が多いです。例えば、不動産賃貸収入や、印税などが該当します。
受動喫煙
※ 他人が吸っているタバコの煙を吸い込むこと。健康被害が問題視されており、公共の場での喫煙規制の根拠となっています。医学、公衆衛生、社会問題など、幅広い文脈で使用されます。
受動態
※ 文法用語で、主語が動作を行うのではなく、動作を受ける形のことです。例えば、『The ball was kicked by him.』のように使います。能動態に比べて、行為者が不明な場合や、行為者よりも行為の結果に重点を置きたい場合に用いられます。ただし、多用すると文章が冗長になるため、注意が必要です。
受動的な役割を果たす
※ 積極的に行動せず、指示待ちの状態であること。会議やプロジェクトなど、様々な場面で使われます。必ずしもネガティブな意味ではなく、状況によっては観察や情報収集に徹することが求められる場合もあります。ただし、過度に受動的だと、無関心や責任感の欠如と見なされる可能性もあります。
傍観者、静観者
※ 事件や出来事に対して、積極的に関与せず、ただ見ているだけの人のこと。社会問題や倫理的な議論でよく用いられます。傍観者効果(bystander effect)という心理学の概念とも関連付けられます。積極的な行動を促す文脈で、批判的な意味合いで使われることが多いです。
受動的なままでいる、静観する
※ 状況の変化に対して、行動を起こさずに様子を見守ること。政治、経済、人間関係など、様々な状況で使われます。積極的な行動を避ける意図がある場合と、状況を判断するためにあえて行動しない場合があります。文脈によってニュアンスが異なります。
使用シーン
学術論文、教科書、講義などで頻繁に使用される。特に社会科学や心理学分野で、「受動的な学習態度」「受動喫煙の影響」のように、現象や状態を客観的に分析・記述する際に用いられる。研究対象の性質や傾向を説明する際に不可欠な語彙。
ビジネス文書や会議で、人の行動や組織の状況を説明する際に使用される。「受動的な姿勢で指示を待つ」「市場の変化に受動的に対応する」のように、改善すべき点や課題を示す文脈で使われることが多い。プロジェクトの報告書や人事評価などで見かける。
日常会話ではあまり使われないが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで見聞きすることがある。「受動的な傍観者」「受動的な被害者」のように、社会問題や事件に関する報道で、役割や立場を表す際に用いられる。また、自己啓発や心理学に関する話題で「受動的な性格」について語られることもある。
関連語
類義語
活動していない、不活発な状態を指す。物理的な活動だけでなく、化学反応や経済活動など、広い範囲で用いられる。ビジネスシーンや科学技術分野で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"passive"が受け身の状態を表すのに対し、"inactive"は単に活動がない状態を示す。"passive"はある作用に対する反応として活動がないことを意味するが、"inactive"は必ずしもそうではない。 【混同しやすい点】"passive"は文法的な受動態や、性格的な消極性を表す場合があるが、"inactive"は主に物理的または機能的な活動の停止を指す。文脈によって意味が大きく異なる点に注意。
権威や他者の意思に服従する、従順な態度を指す。人間関係や社会的な文脈で用いられることが多い。ネガティブな意味合いで使用されることもあれば、ポジティブな意味合いで使用されることもある。 【ニュアンスの違い】"passive"が行動の主体性がない状態を表すのに対し、"submissive"は意図的に服従する態度を示す。"passive"は状況に流されるニュアンスがあるが、"submissive"は相手を尊重する意味合いを含むことがある。 【混同しやすい点】"passive"は必ずしも相手に従うわけではないが、"submissive"は明確な服従の意思を示す。人間関係における力関係を考慮する必要がある。
規則や命令に従う、要求に応じるという意味。ビジネスや法律、医療などの分野でよく使われる。組織やシステムへの適合性を示す。 【ニュアンスの違い】"passive"が自発性の欠如を示すのに対し、"compliant"は積極的に従う姿勢を示す。"passive"は抵抗しない状態だが、"compliant"は義務や責任を果たす意味合いが強い。 【混同しやすい点】"passive"は無関心や無抵抗を示唆することがあるが、"compliant"は組織やルールへの忠誠心を示す。組織文化やコンプライアンスの文脈で意味合いが異なる点に注意。
- acquiescent
不満や反対があっても、黙って従うこと。政治的な状況や交渉の場面で使われることが多い。抵抗を諦めたニュアンスがある。 【ニュアンスの違い】"passive"が単に受け身であるのに対し、"acquiescent"は不承不承ながらも同意するというニュアンスを含む。"passive"は感情を伴わないことが多いが、"acquiescent"は諦めや不満の感情を伴う。 【混同しやすい点】"passive"は状況を受け入れることを意味するが、"acquiescent"は内心では反対している可能性がある。相手の真意を読み取る必要がある。
新しいアイデアや提案に対して、受け入れる姿勢があること。ビジネスや教育の現場でよく使われる。オープンマインドな態度を示す。 【ニュアンスの違い】"passive"が行動の欠如を示すのに対し、"receptive"は積極的に受け入れようとする態度を示す。"passive"は無関心を示唆することがあるが、"receptive"は興味や関心を示す。 【混同しやすい点】"passive"は単に受け身であるのに対し、"receptive"は積極的に耳を傾け、理解しようとする姿勢を示す。コミュニケーションの質に大きな違いがある。
- unresponsive
反応がない、応答しない状態。医療現場や緊急時によく使われる。刺激に対する反応の欠如を示す。 【ニュアンスの違い】"passive"が行動の主体性の欠如を示すのに対し、"unresponsive"は外部からの刺激に対する反応がない状態を示す。"passive"は必ずしも反応がないわけではないが、"unresponsive"は明確に反応がない。 【混同しやすい点】"passive"は性格的な特徴を表すことがあるが、"unresponsive"は主に身体的な状態を表す。医学的な知識が必要となる場合がある。
派生語
名詞で『情熱』の意味。ラテン語の『pati(苦しむ、耐える)』に由来し、元々は『受動的な感情』を指したが、意味が転じて強い感情、特に熱意を表すようになった。日常会話からビジネス、文学まで幅広く使われる。
形容詞で『忍耐強い』、名詞で『患者』の意味。これも『pati』に由来し、『苦しみを受け入れる』という受動的な状態から、『忍耐』や『治療を受ける人』という意味に発展した。医療現場や日常会話で頻繁に使われる。
名詞で『同情、哀れみ』の意味。『com-(共に)』+『passion』で、『共に苦しむ』というニュアンス。他者の苦しみに対する受動的な感情から、積極的に寄り添う気持ちへと意味が発展した。倫理的な文脈や社会問題に関する議論でよく用いられる。
反意語
形容詞で『活動的な』、『能動的な』の意味。『passive』が『受動的』であるのに対し、こちらは主体的に行動することを指す。日常会話からビジネス、科学技術まで、あらゆる分野で頻繁に使われる。
形容詞で『攻撃的な』、『積極的な』の意味。『active』よりもさらに積極的に働きかけるニュアンスが強く、しばしば敵対的な意味合いも含む。ビジネスシーンやスポーツ、政治など、競争的な文脈でよく使われる。
- assertive
形容詞で『自己主張の強い』、『断定的な』の意味。『passive』な態度とは対照的に、自分の意見や権利を積極的に主張する姿勢を表す。ビジネスコミュニケーションや心理学の分野で重要視される。
語源
"passive」はラテン語の「pati(苦しむ、耐える)」に由来し、「受動的な状態」を表す「passivus」という形容詞が直接の語源です。さらに遡ると、印欧祖語の「*peh₁-(打つ、傷つける)」にたどり着きます。この「pati」は、英語の「patient(患者、忍耐強い)」や「passion(情熱、受難)」といった単語とも関連があります。つまり、「passive」は、何か外部からの影響を受けて、自らは積極的に行動しない、あるいは行動できない状態を意味するのです。日本語で例えるなら、「受け身」という言葉が近いでしょう。まるで、ボールが飛んできて、それをただ受け止めるだけで、自ら投げ返すことはしないようなイメージです。このように、語源を辿ることで、「passive」が単なる「受動的」という以上の、外部からの影響を受けやすい状態や、自発性の欠如といったニュアンスを含んでいることが理解できます。
暗記法
「passive」は単なる受動性にあらず。歴史的には、社会が特定の人々に押し付けた役割を映す鏡でした。ヴィクトリア朝の女性像、ガンジーの非暴力抵抗…表面的には従順に見えても、その裏には社会構造への静かな抵抗や、変革への意志が秘められています。現代では不労所得を指すことも。一見消極的な態度に、隠された意味が潜む、奥深い言葉なのです。
混同しやすい単語
『passive』と対義語であるため、意味の混同が起こりやすい。スペルも似ており、接頭辞 'pass-' と 'act-' の違いに注意が必要。品詞はどちらも形容詞だが、意味は正反対(能動的 vs 受動的)。日本人学習者は、文脈の中でどちらの単語が適切かを意識的に判断する必要がある。語源的には、'active' は「行動する」、'passive' は「耐え忍ぶ」といった意味合いを持つ。
『passive』と語源が近く(どちらもラテン語の 'pati' = 苦しむ、に由来)、スペルも似ているため混同しやすい。ただし、'passage' は「一節」「通過」といった意味の名詞であり、品詞が異なる。『passive』は形容詞または名詞。文章の一部分を指す 'passage' と、状態を表す 'passive' を区別することが重要。発音も微妙に異なり、'passage' は /pˈæsɪdʒ/ であるのに対し、'passive' は /ˈpæsɪv/ である。
語尾の '-sible' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味も、可能性という点で関連付けられることがある。『possible』は「可能な」という意味の形容詞であり、状態を表す『passive』とは意味が異なる。文脈によってどちらの単語が適切かを判断する必要がある。また、'possible' の語源はラテン語の 'posse'(できる)であり、'passive' とは異なる。
語尾の '-ssive' が共通しており、スペルが非常に似ているため視覚的に混同しやすい。発音も一部共通する。しかし、『massive』は「巨大な」「大規模な」という意味の形容詞であり、意味は大きく異なる。日本人学習者は、文脈と意味の違いを意識して区別する必要がある。'massive' は質量や規模を表すのに対し、'passive' は状態を表す。
『passive』と語源が近く(ラテン語の 'pati' = 苦しむ、に由来)、スペルの一部が共通しているため、意味とスペルの両面で混同しやすい。『passion』は「情熱」「受難」といった意味の名詞であり、品詞が異なる。『passive』は形容詞または名詞。感情的な意味合いを持つ 'passion' と、受動的な状態を表す 'passive' を区別することが重要。'passion' は、元々はキリストの受難を意味し、そこから強い感情を表すようになった。
『passive』とスペルが似ており、どちらも 'pass' という語幹を持つため混同しやすい。『passing』は「通り過ぎる」「一時的な」といった意味の形容詞または動名詞であり、『passive』とは意味が異なる。また、'passing' は現在分詞の形を取ることも多い。文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要。例えば、'passing grade' は「合格点」という意味になる。
誤用例
日本語の『消極的な意見』を直訳すると “passive opinion” となりがちですが、英語の “passive” は『受動的な』という意味合いが強く、『意見がない』『どちらでも良い』というニュアンスを伝えたい場合には不適切です。英語では、意見の強弱を表現する “strong opinion” や “definite opinion” を否定形で用いるのが自然です。また、文化的な背景として、英語圏では自分の意見をはっきりと述べることが重視されるため、意見がないことを婉曲的に伝えるよりも、率直に伝える方が好まれる傾向があります。日本人が『差し控える』という意図で “passive” を使うと、誤解を招く可能性があります。
ここでの “passive” は『受動的な態度』という意味で、日本語の『控えめな態度』を表現しようとした可能性があります。しかし、英語の “passive attitude” は、状況に流される、主体性がないといったネガティブな印象を与えます。交渉の場面で『控えめ』を表現したい場合は、 “low profile” (目立たないようにする)や “understated approach” (控えめなアプローチ)を用いる方が適切です。また、交渉における態度として、相手に隙を見せないようにするという意図で “passive” を使用すると、戦略的な意図が伝わりにくくなります。
日本語の『不労所得』を直訳的に “passive income” と表現する例が見られますが、ビジネスの文脈では “unearned income” がより一般的かつ正確です。“Passive income” は個人が不動産収入や配当金などによって得る所得を指す場合もありますが、企業の収益構造を説明する際には “unearned income” の方が適切です。また、“passive” は『受動的な』という意味合いが強いため、企業が積極的に事業展開を行って得た収益を指す場合には、そのニュアンスがそぐわないことがあります。日本語の『不労所得』には、必ずしもネガティブな意味合いが含まれませんが、英語では、努力せずに得た収入というニュアンスが強いため、ビジネスシーンではより中立的な表現である “unearned income” を用いるのが無難です。
文化的背景
「passive(受動的)」という言葉は、単に「自発性がない」という意味を超え、時に社会的な抑圧、無力感、あるいは抵抗の欠如といった複雑な意味合いを帯びて用いられます。特に、歴史的な文脈においては、特定の階級や性別の人々が社会的に「受動的」な役割を強制されてきた背景があり、その言葉自体が権力構造を反映している場合があります。
例えば、19世紀のヴィクトリア朝時代、女性はしばしば家庭における「天使」として理想化され、知性や野心よりも従順さや献身が美徳とされました。この時代、女性は政治的・経済的な活動から排除され、「受動的」な存在であることが期待されました。文学作品においても、例えばジェーン・オースティンの小説に登場する女性たちは、結婚を通じて経済的安定を得ることを目指しますが、その過程で自身の意志よりも社会的な期待や家族の意向に左右される場面が描かれます。このように、「passive」は単なる性格描写ではなく、当時の社会におけるジェンダー規範を象徴する言葉として機能していました。
また、政治的な文脈では、「passive resistance(抵抗)」という言葉が、非暴力的な抵抗運動を表す際に用いられます。これは、ガンジーによるインド独立運動や、キング牧師による公民権運動など、抑圧された人々が暴力に頼らず、受動的な態度を通じて権力に挑戦する戦略を指します。しかし、この「受動性」は決して無気力や諦めではなく、むしろ強い意志と信念に基づく積極的な選択です。ここでは、「passive」は一見すると消極的な態度に見えながら、実は社会変革の原動力となる可能性を秘めていることを示唆しています。
現代社会においても、「passive」は様々な意味合いで使用されます。例えば、「passive income(不労所得)」は、労働によらずに得られる収入を指し、経済的な自由を象徴する言葉としてポジティブな意味合いを持つことがあります。一方で、「passive aggression(受動的攻撃性)」は、怒りや不満を直接的に表現せず、遠回しな方法で表現する態度を指し、人間関係における問題の根源となることがあります。このように、「passive」は文脈によって意味合いが大きく異なり、その言葉の背後にある文化的な背景を理解することが、より深い語彙理解につながると言えるでしょう。
試験傾向
準1級・1級で語彙問題、長文読解で出題される可能性があります。1級ではエッセイでの使用も考えられます。
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、英作文
2. 頻度と級・パート: 準1級以上。長文読解、英作文で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題など、やや硬めの話題で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「受動的な」という意味だけでなく、「消極的な」という意味もあることを理解しておく。関連語句(passivity, passively)も覚えておくと良い。
Part 5, 6, 7で出題される可能性があります。特にビジネスシーンを想定した文章で登場しやすいです。
1. 出題形式: 短文穴埋め問題、長文穴埋め問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 頻出とは言えないが、Part 5, 6, 7で登場の可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 組織論、人事、顧客対応など、ビジネス関連の文脈で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスの文脈では「消極的な」という意味合いで使われることが多い。能動的な (active) の対義語として覚えておくと良い。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で、抽象的な概念を説明する際に使われることが多いです。
1. 出題形式: 長文読解
2. 頻度と級・パート: 頻出。特に人文科学、社会科学系の文章で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 研究、理論、歴史など、アカデミックな文脈で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味合いが異なるため、文章全体を読んで正確な意味を把握する必要がある。類義語(inactive, inert)との違いを理解しておく。
長文読解で頻出。評論文や説明文など、論理的な文章で登場しやすいです。
1. 出題形式: 長文読解、記述問題(和訳、内容説明)
2. 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出題頻度が高い傾向。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など、幅広いテーマで登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。受動態の文で使われることが多いので、文構造を正確に把握する練習も重要。