institute
第一音節に強勢があります。母音/ɪ/は日本語の『イ』よりも口をリラックスさせ、短く発音します。/tjuː/の部分は、日本語の『テュ』よりも唇を丸めて突き出すようにすると、よりネイティブに近い発音になります。最後の't'は、破裂音としてしっかり発音しましょう。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
研究所
研究や教育を目的とした組織。大学の研究機関や、政策研究機関などを指すことが多い。特定の分野に特化した専門的な組織というニュアンスを含む。
We visited a famous research institute last month.
私たちは先月、有名な研究所を訪れました。
※ この文は、あなたが何か新しい場所を体験したときのことを語っています。静かで清潔な廊下を歩き、最先端の研究が行われている場所にいることに、少しワクワクする気持ちが伝わりますね。「institute」が「場所」として使われている典型的な例です。
The institute found a new way to save energy.
その研究所は、エネルギーを節約する新しい方法を見つけました。
※ ここでは「institute」が、何かを「発見する」主体として使われています。発表会で、研究員が誇らしげに新しい技術について説明している情景が目に浮かびますね。研究所が社会に役立つ新しい技術や知識を生み出す場所であることがよく分かります。ニュースなどでよく耳にする表現です。
Many smart people work at this institute.
この研究所には、多くの賢い人が働いています。
※ この文は、研究所にどんな人がいるか、その雰囲気を伝えています。広々としたオフィスで、パソコンに向かって真剣に作業する人々や、活発な議論が交わされる廊下を想像できますね。「work at an institute」は「研究所で働く」という、とても自然な言い方です。研究所が「知が集まる場所」だと感じられますね。
設立する
組織や制度などを公式に作り始めること。新しい会社、学校、協会などを設立する際に使われる。単に「作る」よりも、公的な、あるいは長期的な意図が込められている。
They decided to institute a new learning center for local children.
彼らは、地域の子どもたちのための新しい学習センターを設立することに決めました。
※ この例文は、人々が力を合わせて、子どもたちの未来のために新しい施設を「設立する」という温かい情景を描いています。「institute」は、このように新しい組織や機関、施設などを正式に立ち上げる際に使われる、少しフォーマルな響きのある動詞です。
The company decided to institute a new health program for its employees.
その会社は、社員のために新しい健康プログラムを導入することを決めました。
※ ここでは、会社が社員の健康を真剣に考え、具体的な「プログラム」や「制度」を「導入する」様子が描かれています。「institute」は、組織内で新しい規則やシステム、プログラムなどを導入する際にもよく使われます。単に「始める」よりも、公式に「制定する」「確立する」というニュアンスが強いです。
The government will institute a special fund to help poor families.
政府は、貧しい家庭を支援するために特別基金を設立するでしょう。
※ この例文は、政府が社会的な課題解決のために、具体的な「基金」や「制度」を「設立する」という、公的な場面を表現しています。「institute」は、このように政府や公的機関が法律や規則、基金などを制定・設立する際に非常に自然に使われます。未来形(will institute)で、今後の計画や決定を示す典型的な使い方です。
導入する
新しい制度や方針などを組織や社会に適用し始めること。新しい規則、システム、慣習などを導入する際に使われる。ある程度の強制力や公式な手続きを伴うニュアンスがある。
The school decided to institute a new rule about cell phones in class.
学校は授業中の携帯電話に関する新しいルールを導入することに決めました。
※ この例文は、学校や組織が新しい規則や方針を始める際に「institute」がどのように使われるかを示しています。先生が真剣な顔で新しいルールを発表し、生徒たちが少し驚いている場面を想像してみてください。少しフォーマルな響きがあり、「決めて導入する」というニュアンスが伝わります。
Our company will institute a special training program for all new employees.
私たちの会社は、すべての新入社員のために特別な研修プログラムを導入します。
※ 企業が新しい制度やプログラムを始める際にも「institute」はよく使われます。新入社員たちが、会社から提供される新しい学びの機会に期待を抱いている様子が目に浮かびますね。将来的な計画を表す "will" との組み合わせも自然で、前向きな取り組みの雰囲気が伝わります。
The city government plans to institute a new system to reduce traffic jams.
市役所は、交通渋滞を減らすための新しいシステムを導入する計画です。
※ 政府や自治体、大きな組織が公的な目的のために新しい制度や仕組みを始める時に「institute」は非常に適切です。毎日渋滞に悩まされている市民が、この新しい取り組みに希望を感じている様子が想像できます。街の抱える問題を解決しようとする、真剣で計画的な姿勢が伝わる例文です。
コロケーション
政策を導入する、実施する
※ 「institute」は、ここでは動詞として使われ、何か新しいもの、特に規則やシステムなどを公式に開始・導入することを意味します。「policy」は、組織や政府が行動する際の指針となる方針や規則を指します。このコロケーションは、ビジネス、政府、教育機関など、公式な文脈で非常によく使われます。単に「start a policy」と言うよりも、よりフォーマルで権威ある印象を与えます。例えば、会社が新しい休暇制度を導入する際に「The company will institute a new vacation policy next year.」のように使います。
訴訟手続きを開始する
※ 「institute」は、ここでも動詞として使われ、法的な手続きや訴訟を正式に開始することを意味します。「proceedings」は、法廷で行われる一連の行為や手続きを指します。このコロケーションは、法的な文脈でのみ使用され、日常会話ではほとんど使われません。例えば、「The plaintiff decided to institute proceedings against the defendant.(原告は被告に対して訴訟手続きを開始することを決定した。)」のように使われます。より口語的な表現としては「file a lawsuit」がありますが、「institute proceedings」はよりフォーマルで法的なニュアンスが強くなります。
研究所
※ 「institute」は名詞として使われ、特定の分野の研究を行う組織や施設を指します。「research」は研究活動を意味し、このコロケーションは学術的な文脈で非常によく使われます。大学や政府機関に付属する研究所や、独立した研究機関を指す場合もあります。例えば、「The National Institute of Health is a renowned research institute.」のように使われます。単に「research center」と言うこともできますが、「research institute」はより専門的で大規模な研究機関を指すことが多いです。
高等研究所
※ 特定の分野における高度な研究を行うための組織を指します。プリンストン高等研究所などが有名です。「advanced studies」は、学問や研究における高度なレベルを意味し、このコロケーションは、最先端の研究が行われる場所という特別なニュアンスを持ちます。他の類似表現としては「center for advanced research」などがありますが、「institute for advanced studies」は、より独立性が高く、特定の分野に特化した研究機関を指すことが多いです。
研究所を設立する
※ 「found」は「設立する」という意味の動詞で、「institute」はここでは名詞として使われています。このコロケーションは、新しい研究機関や教育機関を設立する行為を指します。例えば、「He decided to found an institute dedicated to environmental conservation.」のように使われます。「establish an institute」も同様の意味ですが、「found」はより意図的で、長期的なビジョンを持って設立するというニュアンスを含みます。
改革を実施する
※ このフレーズは、制度、法律、または組織に重要な変更を導入することを意味します。「reforms」は改善を目的とした変更や修正を指します。このコロケーションは、政府、教育、ビジネスなど、さまざまな分野で使用されます。例えば、「The government plans to institute reforms in the healthcare system.」のように使われます。単に「implement reforms」と言うこともできますが、「institute reforms」は、より公式で、組織的な改革を導入するというニュアンスが強くなります。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に「研究所」の意味で使われることが多く、研究機関名の一部としてもよく見られます。例:『当研究所では、〜についての研究を行っています。(Our institute is conducting research on...)』。また、「導入する」の意味で、新しい研究手法や理論を導入する際に使われることもあります。例:『本研究では、新しい統計解析手法を導入した。(This study instituted a new statistical analysis method.)』
ビジネスシーンでは、企業の研修制度を「導入する」という意味で使われることがあります。例:『弊社では、社員のスキルアップのため、新しい研修制度を導入することを決定しました。(Our company has decided to institute a new training program to improve employee skills.)』 また、シンクタンクや調査機関などの組織名の一部として使われることもあります。会議や報告書などのフォーマルな文脈で使われることが多いです。
日常会話で「institute」という単語が使われることは稀です。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、研究機関や制度について言及する際に使われることがあります。例:『国立健康研究所が、新しいワクチン開発に成功した。(The National Institutes of Health has successfully developed a new vaccine.)』 一般的な会話では、より平易な単語(例:start, begin, organization)が好まれます。
関連語
類義語
組織、制度、規則などを『設立する』『確立する』という意味で、ビジネス、政治、学術分野で広く使われる。比較的フォーマルな語。 【ニュアンスの違い】『institute』と非常に近い意味を持つが、『establish』はより広範な対象に使われ、制度や組織の設立だけでなく、事実や関係の確立にも用いられる。また、『institute』が設立された組織自体を指す場合があるのに対し、『establish』は行為そのものに重点がある。 【混同しやすい点】『establish』は他動詞であり、設立する対象を明確に示す必要がある。また、受け身形で『established』という形容詞として、確立された、定評のある、という意味で非常によく使われる。
組織、機関、都市などを『設立する』という意味で、特に長期的な基盤を築くニュアンスを含む。歴史的な文脈や格式高い組織に使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『institute』よりも、より永続的な、基礎を築くというニュアンスが強い。また、慈善団体や基金などの設立によく用いられる。 【混同しやすい点】『find(見つける)』の過去形・過去分詞と同形であるため、文脈によって意味を正しく判断する必要がある。また、『foundation(設立)』という名詞と関連付けて覚えると理解しやすい。
何かを『始める』という意味で、非常に一般的な語。プロジェクト、活動、人生など、あらゆる事柄の開始に使える。 【ニュアンスの違い】『institute』が組織や制度の設立という特定の行為を指すのに対し、『begin』はより一般的な開始を意味する。フォーマルな文脈では『institute』が好まれる。 【混同しやすい点】『begin』は自動詞としても他動詞としても使えるが、『institute』は主に他動詞として使われる。また、『begin』は継続的な活動の開始を意味することが多いが、『institute』は比較的明確な設立行為を指す。
新しいプロセス、プロジェクト、政策などを『開始する』『始める』という意味で、特に公式な手続きや計画に基づいて始める場合に用いられる。ビジネスや政治の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『institute』が組織や制度の設立を指すのに対し、『initiate』はより広い範囲の活動やプロセスの開始を意味する。また、『initiate』は、ある行動や変化を引き起こすきっかけとなるニュアンスを含む。 【混同しやすい点】『initiate』は他動詞であり、開始する対象を明確にする必要がある。また、『initiative(主導権、率先)』という名詞と関連付けて覚えると理解しやすい。
何かを『組織する』『体系化する』という意味で、イベント、グループ、プロジェクトなどを効率的に運営するために構成する場合に使われる。ビジネスや日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『institute』が組織や制度の設立そのものを指すのに対し、『organize』は既存の要素を組み合わせて効率的な構造を作ることを意味する。したがって、対象がより具体的で、活動的なニュアンスを持つ。 【混同しやすい点】『organize』は他動詞であり、組織する対象を明確に示す必要がある。また、『organization(組織)』という名詞と関連付けて覚えると理解しやすい。
何かを『形成する』『作り上げる』という意味で、組織、グループ、意見などを形成する場合に使われる。比較的汎用性が高く、様々な文脈で使用可能。 【ニュアンスの違い】『institute』が制度や組織を公式に設立することを指すのに対し、『form』はより一般的な形成過程を意味する。したがって、『form』はより自然発生的な、あるいは段階的な形成を指すことが多い。 【混同しやすい点】『form』は名詞(形、様式)としても動詞(形成する)としても使われるため、文脈によって意味を正しく判断する必要がある。また、自動詞としても他動詞としても使用可能。
派生語
名詞で「設立」「制度」「施設」などの意味。動詞の「institute(設立する)」から派生し、行為の結果や、設立された組織・構造物を指す。学術論文やニュース記事で頻繁に使われ、具体的な施設から抽象的な制度まで幅広く適用される。語尾の「-tion」は名詞化を表す。
- institutionalize
動詞で「制度化する」「施設に入れる」の意味。「institution(制度、施設)」に動詞化の接尾辞「-ize」が付加。抽象的な概念や行動様式を公的な制度として確立する場合や、人を長期的に施設に収容する場合に用いられる。社会学や政治学の分野でよく見られる。
動詞で「構成する」「〜と見なされる」の意味。接頭辞「con-(共に)」が加わり、「共に立つ」という語源から、複数の要素が集まって全体を形成する意味合いを持つ。法律文書や学術論文で頻繁に使用され、ある要素が全体の一部をなすことを示す。
語源
「institute」はラテン語の「instituere(設立する、配置する)」に由来します。これは「in-(中に)」+「statuere(置く、確立する)」から構成されています。「statuere」はさらに「stare(立つ)」という語根に関連し、「安定させる」「確立する」といった意味合いを含みます。つまり、「institute」は文字通りには「中に置くこと」を意味し、そこから「何かを確立する」「制度を設ける」という意味に発展しました。日本語で例えるなら、「基礎を据える」というイメージが近いかもしれません。研究所(institute)も、知識や研究の基盤を確立する場所、という意味合いを持ちます。この語源を知ることで、「institute」が単に何かを始めるだけでなく、永続的な構造やシステムを作り上げるニュアンスを持つことが理解できます。
暗記法
「institute」は単なる組織ではない。知識、規範、価値観を確立し、社会へ永続させる意志の表れだ。中世の修道院は古典を保存し、ルネサンスのアカデミーは革新を生んだ。現代では、ノーベル研究所やスミソニアン博物館がその役割を担う。しかし、名ばかりの組織も存在するため、活動内容を見極める必要がある。社会貢献への責任を理解し、真に価値ある「institute」を支持することが未来を拓く。
混同しやすい単語
『institute』と『instruct』は、どちらも教育や指導に関連する動詞ですが、意味合いが異なります。『institute』は設立や制定するという意味合いが強く、名詞では研究所や協会などを指します。一方、『instruct』は教える、指示するという意味です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なり、『institute』は最初の音節、『instruct』は2番目の音節にアクセントがあります。スペルも似ているため、文脈によって意味を正確に判断する必要があります。
『institute』と『instant』は、どちらも先頭の『in-』という接頭辞を持ちますが、意味は大きく異なります。『instant』は『即時の』『瞬間』という意味で、時間的な短さを表します。発音も似ていますが、『-stitute』と『-stant』の部分が異なります。スペルも似ているため、注意が必要です。例えば、インスタントコーヒーのように使われます。
『institute』と『intuition』は、どちらも『in-』で始まる接頭辞を持ち、発音も一部似ているため、混同しやすい単語です。『intuition』は『直感』という意味で、論理的な思考によらずに直接的に理解することを指します。スペルも一部似ていますが、意味は全く異なります。また、発音も『-sti-』と『-tui-』の部分が異なるため、注意が必要です。
『institute』と『insist』は、どちらも『in-』で始まる接頭辞を持ち、発音も一部似ているため、混同しやすい単語です。『insist』は『主張する』『言い張る』という意味で、自分の意見や要求を強く押し通すことを指します。スペルも一部似ていますが、意味は全く異なります。発音も『-sti-』と『-sist』の部分が異なるため、注意が必要です。
『statute』は『法令』や『制定法』という意味で、『institute』と語源的に関連があります。どちらも『確立する』という意味合いを含むラテン語に由来するため、意味が曖昧な場合、混同しやすいことがあります。発音とスペルも似ている部分があるため、注意が必要です。特に、法律や制度に関する文脈では、意味の違いを明確に理解しておく必要があります。
『destitute』は『困窮した』『貧困の』という意味で、状態を表す形容詞です。『institute』とスペルが似ていますが、接頭辞が異なり、意味も全く異なります。発音も似ているため、特に聞き取りの際には注意が必要です。例えば、『destitute of hope (希望を失った)』のように使われます。
誤用例
日本人が『institute』を『(道徳や倫理などを)教え込む』という意味で使うのは、日本語の『制度を設ける』というニュアンスから類推した誤用です。英語の『institute』は、新しい組織や制度を『設立する』という意味合いが強く、抽象的な概念を人々に教え込む場合には『instill』が適切です。文化的な背景として、日本では道徳教育を制度として導入することに抵抗感が少ない一方、欧米では個人の内面的な成長を促すというニュアンスが重視されるため、『instill』が好まれます。ありがちな日本語→英語変換の癖として、『制度を設ける』→『institute a system』のような直訳が考えられますが、文脈によっては不自然になります。
『institute』と『institution』はどちらも『組織』を意味しますが、前者は特定の目的を持つ専門的な組織(研究所、専門学校など)を指すことが多いのに対し、後者はより広範な意味で、大学、病院、政府機関など、社会的な役割を持つ組織全般を指します。日本人が『institute』を大学に対して使うのは、大学を『研究機関』としての側面から捉えがちなためです。しかし、大学は教育機関としての側面も強く持つため、『institution』の方がより適切です。また、日本語の『〜研究所』という名称に引っ張られ、『大学=研究機関=institute』という連想が働きやすいことも原因の一つです。
『institute』は『(会議や調査などを)始める、開始する』という意味で使うことができますが、これは比較的フォーマルな文脈に限られます。日常的な会話やビジネスシーンで『対話を始める』という意味で使う場合、『initiate』の方がより自然で一般的です。日本人が『institute』を使うのは、『始める』という意味を持つ単語として、辞書で最初に紹介されていることが多いことに起因します。しかし、英語ではフォーマルな場面とカジュアルな場面で使い分ける必要があり、特に会話ではより自然な表現を選ぶことが重要です。また、日本語の『〜を始める』という表現をそのまま英語にしようとする際に、『institute』を選んでしまうという癖も考えられます。
文化的背景
「institute」という言葉は、単なる組織や施設を超え、社会的な規範や知識体系を確立し、永続させるという強い意志と責任を伴います。それは、時代を超えて受け継がれるべき価値や原則を具体化し、次世代へと伝えるための基盤となる存在なのです。
この言葉が持つ重みは、歴史的な文脈を紐解くとより深く理解できます。中世ヨーロッパの修道院は、知識の宝庫であり、信仰と学問の中心地として機能していました。修道士たちは写本を丹念に書き写し、古代ギリシャ・ローマの古典を保存することで、西洋文明の灯を絶やさずに守り抜いたのです。これらの修道院は、まさに「institute」の原型とも言えるでしょう。ルネサンス期には、アカデミーと呼ばれる知識人たちの集団が生まれ、芸術、科学、哲学の分野で革新的なアイデアが生まれました。これらのアカデミーもまた、知の創造と伝承を使命とする「institute」の一形態と見なせます。そして、近代に入ると、大学や研究機関が設立され、科学技術の発展を牽引する役割を担うようになりました。これらの組織は、客観的な知識の探求と社会への貢献を目的とし、「institute」という言葉が持つ意味をさらに拡大していきました。
「institute」は、単に物理的な建物や組織構造を指すだけでなく、そこで育まれる精神や価値観、そして社会に対する責任を包含する概念です。例えば、ノーベル研究所は、科学、文学、平和の分野で顕著な功績を挙げた人物にノーベル賞を授与することで、人類の進歩に貢献した人々を称え、その業績を後世に伝えています。また、スミソニアン博物館は、アメリカの歴史、文化、科学に関する膨大なコレクションを所蔵し、一般市民に公開することで、国民の知識と教養を高める役割を果たしています。これらの「institute」は、社会の知的基盤を支え、文化的なアイデンティティを形成する上で不可欠な存在と言えるでしょう。
現代社会において、「institute」は、ますます多様化し、複雑化しています。シンクタンクは、政策提言を行い、社会問題の解決に貢献し、NGOは、人道支援や環境保護活動を通じて、グローバルな課題に取り組んでいます。これらの組織は、特定のイデオロギーや利益に偏らず、客観的なデータと分析に基づいて、社会に貢献することを目指しています。しかし、「institute」の名を冠する組織の中には、その理念とは裏腹に、特定の利益団体や政治勢力の意向を反映した活動を行うものも存在します。そのため、私たちは、「institute」という言葉が持つ意味を常に問い直し、その活動内容を注意深く見極める必要があるでしょう。「institute」は、社会の進歩と発展に貢献する可能性を秘めている一方で、誤った方向に進むリスクも抱えているのです。その責任の重さを理解し、真に社会に貢献する「institute」を支持していくことが、私たち自身の未来を拓くことにつながると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など、アカデミックな内容の長文で登場しやすい
- 学習者への注意点・アドバイス: 「設立する」「(調査などを)行う」の意味の動詞、および「研究所」「協会」の意味の名詞の両方を覚える。類義語の"organization", "foundation"とのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連の長文でよく見られる
- 文脈・例題の特徴: 企業、組織、研究機関などに関するニュース記事、報告書、Eメールなどで使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: "institute a policy"(政策を導入する)のようなコロケーションを覚える。動詞としての用法を重点的に学習する。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな内容の文章で頻繁に登場する
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会学など、学術的な分野の文章で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「研究所」の意味だけでなく、動詞としての「設立する」「(調査などを)開始する」の意味も重要。文脈から意味を判断できるように練習する。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史、文化など、幅広いテーマの文章で登場する
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を推測する練習が重要。「設立する」「研究所」の意味を基本として、文脈に応じた適切な訳語を選択できるようにする。