英単語学習ラボ

instruct

/ɪnˈstrʌkt/(インストラクト)

第2音節にアクセントがあります。『str』の連続は、舌を丸める音(巻き舌ではない)と、息を強く出す破裂音を組み合わせるのがポイントです。日本語の『ス』よりも摩擦音が弱く、息を意識するとネイティブらしい響きになります。最後の /t/ は、息を止めるように発音するとより自然です。

動詞

教え込む

体系的な知識やスキルを、段階的に、根気強く教えるニュアンス。学校教育や研修など、組織的な学習の場面で使われることが多い。

My dad carefully instructed me how to ride a bicycle.

父は私に自転車の乗り方を丁寧に教え込んでくれました。

この文では、お父さんがお子さんに、自転車に乗るための具体的な方法やコツを「指導する」様子が伝わります。単に「教える (teach)」よりも、もっと段階的で、具体的な手順をしっかり「教え込む」というニュアンスが「instruct」にはあります。お子さんが一生懸命練習している姿が目に浮かびますね。

The manager instructed us on how to use the new system.

マネージャーは私たちに新しいシステムの使い方を教え込みました。

この例文では、会社でマネージャーが社員たちに、新しい機械やソフトウェアの操作方法、仕事の手順などを「指示・指導する」場面が想像できます。「instruct」は、このように具体的な手順や規則を教える際によく使われます。社員たちが真剣にメモを取っている様子が目に浮かぶでしょう。

The coach instructed the players to practice passing every day.

コーチは選手たちに、毎日パスの練習をするよう教え込みました。

「instruct + 人 + to do」の形で、「人に~するように指示する・教え込む」という意味になります。スポーツのコーチが選手に練習メニューや戦略を「指導する」ような場面にぴったりです。選手たちがコーチの言葉を真剣に聞き、汗を流しながら練習に励んでいる様子が目に浮かびますね。

動詞

指示する

具体的な行動や手順を、明確かつ詳細に伝えるニュアンス。命令に近いが、相手の理解を促し、誤解を防ぐ意図がある。

Our science teacher will instruct us on how to do the experiment.

理科の先生が、実験のやり方を私たちに指示してくれます。

理科室で、先生がホワイトボードの前で実験道具を指しながら、生徒たちに手順を説明している場面です。「instruct」は、先生が知識や方法を教え導くというニュアンスで使われます。`instruct A on B` で「AにBについて指示する」という形は、何かを教える際によく使われます。

My boss instructed me to finish the report by Friday.

上司は私に、金曜日までにその報告書を終えるように指示しました。

オフィスで、上司が部下に具体的な業務の指示を出している場面です。期日も指定されており、責任の伴う指示であることが伝わります。「instruct」は、権限を持つ人が部下や関係者に具体的な行動を命じる際によく使われます。`instruct A to do B` で「AにBをするように指示する」という形は、非常に典型的な使い方です。

The manual clearly instructs you on how to assemble the chair.

その説明書は、椅子の組み立て方を明確に指示しています。

新しい家具の箱を開け、説明書を広げて組み立てようとしている場面です。説明書が、何をどうすれば良いかを具体的に教えてくれています。「instruct」は、マニュアルやガイドなどが手順や方法を示す際にも使われます。`clearly`(明確に)という副詞が、指示の分かりやすさを強調しています。

動詞

助言する

専門的な知識や経験に基づき、相手がより良い判断や行動ができるように導くニュアンス。フォーマルな場面で、権威のある人が行うことが多い。

The chef carefully instructed us how to slice the vegetables.

シェフは私たちに野菜の切り方を丁寧に教えてくれました。

明るいキッチンで、シェフが包丁の持ち方から丁寧に教えている様子が目に浮かびますね。参加者は真剣なまなざしでそれを見つめているでしょう。「instruct A how to do B」は、AにBのやり方を教える(指導する、助言する)という「instruct」の典型的な使い方です。料理の先生が、生徒に手順を教える場面はよくありますね。「carefully」は「丁寧に」という意味で、教え方が親切であることを表しています。

My friend instructed me on how to play the new online game.

友達が私に新しいオンラインゲームの遊び方を教えてくれました。

リビングで、友達がコントローラーを手に、画面を見ながら「こうするんだよ」と教えてくれている場面です。あなたは初めてのゲームに少し戸惑いながらも、友達の助言に耳を傾けているでしょう。「instruct A on how to do B」も、「instruct A how to do B」と同様に、AにBのやり方を教える(指導する、助言する)際に使われる表現です。友達が何かを詳しく教えてくれる場面にぴったりです。「on how to play」のように「on」を使うことで、「~について」詳しく教える、というニュアンスが加わります。

The supervisor instructed the new volunteers to wear safety helmets.

監督者が新しいボランティアたちに安全ヘルメットを着用するよう指示しました。

屋外のボランティア現場で、作業を始める前に、責任者が新しく来た人たちに、安全のためにヘルメットをかぶるようにと注意深く伝えている場面です。「instruct A to do B」は、AにBをするように指示する、指導するという「instruct」の非常に一般的な使い方です。特に、安全や規則など、守るべきことを教える(助言する)際に使われます。「supervisor」(監督者、責任者)のような人が「instruct」を使うことで、より公式な指示や指導のニュアンスが強まります。

コロケーション

instruct a jury

陪審員に(法律や事実関係について)指示を与える

法廷で裁判官が陪審員に対して、評決を下すために必要な法律の原則や証拠の評価方法などを説明すること。単に『教える』のではなく、法的判断の基準を示すニュアンスが重要です。アメリカの法廷ドラマなどで頻繁に登場する表現で、口語よりはフォーマルな場面で使われます。構文は "instruct + (冠詞) + jury + (on/about + something)" となることが多いです。

instruct someone in something

人に何かを教える、指導する

一般的な『教える』という意味ですが、特定の技能や知識を体系的に教えるニュアンスが強いです。例えば、"instruct students in mathematics"(生徒に数学を教える)のように使います。"teach"よりもフォーマルで、教育機関や専門的な分野でよく用いられます。"instruct someone on something"という形も可能ですが、"in"の方がより深い知識や技能の伝授を意味することがあります。

instruct a lawyer

弁護士に指示を出す、依頼する

クライアントが弁護士に対して、訴訟戦略や交渉方針などについて具体的な指示を与えること。ビジネスや法的な文脈でよく使われ、「弁護士を雇って、具体的な行動を指示する」というニュアンスを含みます。単に"hire a lawyer"(弁護士を雇う)よりも、より積極的な関与を示す表現です。

instruct to do something

~するように指示する

"instruct someone to do something"の形で、「誰かに~するように指示する」という意味になります。命令や指示の意図が明確で、ビジネスシーンや公式な場面でよく用いられます。例えば、"The manager instructed the employees to complete the report by Friday."(マネージャーは従業員に金曜日までにレポートを完成させるように指示した)。"order"や"command"よりも丁寧なニュアンスがあります。

be instructed by

~によって指示される

受動態の形で、「~によって指示される」という意味になります。上司や組織からの指示を受けて行動することを表し、ビジネスシーンで頻繁に使われます。例えば、"I was instructed by my supervisor to handle this project."(私は上司からこのプロジェクトを担当するように指示された)。責任の所在を明確にする際にも用いられます。

instruct a computer

コンピュータに指示を与える、プログラムする

コンピュータに対して、特定のタスクを実行するための命令を与えること。プログラミングの文脈でよく使われ、"program"とほぼ同義ですが、より直接的な指示のニュアンスがあります。例えば、"instruct the computer to calculate the result."(コンピュータに結果を計算するように指示する)。

highly instructed

高度な教育を受けた、教養のある

人を形容する際に用いられ、その人が高度な教育を受けており、知識や教養が豊富であることを意味します。フォーマルな文脈で使われ、学術的な議論や文学作品などで見られます。例えば、"a highly instructed individual"(高度な教育を受けた人)。

使用シーン

アカデミック

学術論文や教科書で、研究方法や実験手順を「指示する」「教え込む」意味で使用されます。例えば、実験参加者に特定の行動を指示する際に、『参加者には、画面に表示される指示に従うようにinstructした』のように使われます。文体は文語であり、客観性と正確さが重視されます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、社員研修のマニュアルや業務指示書など、フォーマルな文書で「指示する」「教え込む」意味合いで使われることがあります。例えば、『新入社員には、会社の規則と手順をinstructする必要があります』のように用いられます。日常的な会話よりは、公式な場面で使われる傾向があります。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、取扱説明書や料理のレシピなどで「指示する」という意味で目にすることがあります。例えば、『この製品を使用する前に、取扱説明書をよく読んでinstructに従ってください』のように使われます。また、子供をしつける際に「教え込む」という意味で使われることもありますが、より一般的な単語(teach, tell)が好まれます。

関連語

類義語

  • 『教える』という意味で、知識や技能を体系的に伝える場面で使われる。学校教育や研修など、比較的フォーマルな状況で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『instruct』よりも一般的で、より広範な状況で使用可能。『instruct』はより具体的な指示や命令を含むことが多いのに対し、『teach』は知識の伝達に重点を置く。 【混同しやすい点】『teach』は対象が知識や技能であるのに対し、『instruct』は具体的な行動や手順を指示することに重点がある。そのため、対象が抽象的な概念である場合は『teach』が適切。

  • 『教育する』という意味で、知識や人格の陶冶を目指す、より包括的な教育活動を指す。学校教育全体や、生涯学習など、長期的な視点を含む場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『instruct』よりもフォーマルで、より広い範囲の知識や価値観の伝達を含む。『instruct』が特定のスキルや知識の習得に焦点を当てるのに対し、『educate』は人格形成や社会性の育成も含む。 【混同しやすい点】『educate』は、単に知識を与えるだけでなく、思考力や判断力を養うことを目的とする。『instruct』は、特定のタスクを遂行するための具体的な指示を与えることに重点が置かれる。

  • 『訓練する』という意味で、特定の技能や能力を向上させるための反復練習や指導を指す。スポーツ、軍事、職業訓練など、実践的なスキルを習得する場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『instruct』よりも実践的で、具体的な行動や手順の習得に重点を置く。『instruct』が理論的な知識の伝達を含む場合もあるのに対し、『train』は反復練習を通じて身体的なスキルや習慣を身につけさせることに重点がある。 【混同しやすい点】『train』は、特定のタスクを効率的に遂行するための技術を習得させることを目的とする。『instruct』は、より広範な知識や理解を深めることを目的とする場合もある。

  • 『案内する』『導く』という意味で、方向を示す、助言を与える、または手本を示すことによって、人々をある場所または目標に導くことを指す。旅行、キャリア、精神的な成長など、さまざまな状況で使用される。 【ニュアンスの違い】『instruct』が具体的な指示や命令を含むのに対し、『guide』はより柔軟で、アドバイスやサポートを提供する。『guide』は、相手が自ら考え、判断することを促すニュアンスがある。 【混同しやすい点】『guide』は、必ずしも具体的な知識やスキルを教えるわけではない。むしろ、相手が自力で解決策を見つけられるようにサポートすることに重点が置かれる。一方、『instruct』は、明確な指示を与えることで、相手が特定の行動をとるように導く。

  • 『指示する』『指揮する』という意味で、誰かに特定の行動やタスクを実行するように命令または指示することを指す。ビジネス、軍事、プロジェクト管理など、権限を持つ人が部下やチームメンバーに指示を出す場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『instruct』と意味が近いが、『direct』はより権威的なニュアンスを持つことが多い。また、『direct』は、行動だけでなく、プロジェクト全体の方向性や戦略を示す場合にも用いられる。 【混同しやすい点】『direct』は、上位者が下位者に対して行う指示であり、しばしば強制力を持つ。一方、『instruct』は、必ずしも上下関係を伴わない場合もあり、より教育的なニュアンスを含む。

  • 『コーチする』という意味で、個人の能力開発や目標達成をサポートするために、助言や指導を行うことを指す。スポーツ、ビジネス、キャリアなど、特定の分野で個人の成長を促すために用いられる。 【ニュアンスの違い】『instruct』よりも個別指導の色合いが強く、相手の個性や状況に合わせて指導方法を調整する。『coach』は、相手が自ら考え、行動することを促すことを重視する。 【混同しやすい点】『coach』は、単に知識やスキルを教えるだけでなく、モチベーションを高めたり、自信をつけさせたりすることも目的とする。一方、『instruct』は、特定の知識やスキルを習得させることに重点が置かれる。

派生語

  • 『指示』『教育』を意味する名詞。動詞『instruct』に名詞化の接尾辞『-ion』が付加され、行為やその結果(指示内容、教育内容)を表す。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く用いられる。Instruct(教える)という行為から、具体的な指示や教育内容という名詞に発展したイメージ。

  • 『指導者』『教官』を意味する名詞。動詞『instruct』に人を表す接尾辞『-or』が付加され、『教える人』を示す。大学、専門学校、企業研修など、教育現場で頻繁に使われる。Instruct(教える)という行為を行う人を指す、直接的な派生語。

  • 『有益な』『教育的な』という意味の形容詞。動詞『instruct』に形容詞化の接尾辞『-ive』が付加され、『教える』という行為が持つ性質を表す。教科書、解説記事、講演など、何かを学ぶ際に役立つものを指す際に用いられる。Instruct(教える)という行為が持つ、有益性・教育的性質を強調する語。

反意語

  • 『誤解させる』『欺く』という意味。接頭辞『mis-(誤った)』が『lead(導く)』に付いており、『instruct(正しく導く)』とは反対に、誤った方向に導くことを意味する。日常会話やニュース記事などで、意図的な誤情報の伝達を指す場合に使われる。Instructが正しい知識や方法を伝えるのに対し、misleadは誤った情報を与えるという対比。

  • 『学ぶ』という意味。instructが『教える』という能動的な行為であるのに対し、learnは『学ぶ』という受動的な行為を表す。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使用される。Instructは知識やスキルを『与える』行為、learnはそれらを『受け取る』行為として対比できる。

  • 『怠る』『無視する』という意味。Instructが注意深く指示・教育することを意味するのに対し、neglectは注意を払わず放置することを意味する。特に、義務や責任を怠る場合に用いられる。Instructが積極的に関与する行為であるのに対し、neglectは関与を避ける行為として対比される。

語源

"Instruct"は、ラテン語の"instruere"(築き上げる、配置する、教える)に由来します。この"instruere"は、さらに"in-"(中に、上に)と"struere"(築く、積み重ねる)という二つの要素に分解できます。つまり、文字通りには「内側に築き上げる」という意味合いを持ちます。これは、知識や技術を心の中に築き上げる、つまり教え込むという概念につながります。建物を建てるように、段階的に知識を積み重ねていくイメージを持つと覚えやすいでしょう。日本語の「教える」という言葉も、「教え」を「得る」と解釈でき、知識を内面に取り込むという点で共通するニュアンスがあります。"struere"は、"structure"(構造)という単語にも繋がっており、教えることは、しっかりとした知識の構造を築き上げる行為であると捉えられます。

暗記法

「instruct」は、古代ローマの戦略家が戦術を授け、中世の聖職者が信徒を導いたように、権威ある者が方向性を示す言葉。単なる知識伝達ではなく、指導し、行動を促すニュアンスが込められています。現代では専門家が助言する際にも使われますが、一方的な印象を与える可能性も。歴史と文化が染み込んだこの言葉を使う際は、相手との関係性を考慮し、慎重に選びたいものです。

混同しやすい単語

『instruct』の派生語で、名詞形。スペルが非常に似ており、意味も『指示』『教育』と関連するため混同しやすい。品詞が異なる点(動詞 vs. 名詞)と、文脈での使い分けに注意が必要です。日本語の『インストラクション』というカタカナ語の影響もあり、意味を誤解しやすい。

語頭の 'ob-' が異なるものの、'-struct' の部分が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。『妨害する』という意味で、instruct(指示する)とは反対の意味合いを持ちます。語源的に、'ob-' は『〜に向かって』という意味で、構造(struct)を妨げるイメージです。

こちらも '-struct' の部分が共通しており、スペルが類似しています。『建設する』『構成する』という意味で、instruct(指示する)とは直接的な意味の関連はありません。ただし、何かを『構成する』際に『指示』が必要となる場合もあり、文脈によっては意味が曖昧になる可能性があります。語源的には、'con-' は『共に』という意味で、構造(struct)を共に作り上げるイメージです。

語頭の 'inst-' が共通しており、発音も似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。『本能』という意味で、instruct(指示する)とは全く異なる概念です。スペルも似ていますが、'inct' と 'ruct' の違いに注意が必要です。ラテン語の『刺激する(instinguere)』が語源で、内側から突き動かすようなイメージです。

語頭の 'ins-' が共通しており、発音もやや似ているため、混同しやすい場合があります。『検査する』『視察する』という意味で、instruct(指示する)とは意味が異なります。スペルも似ていますが、'spect' の部分が異なり、『見る』という意味合いが含まれています。instruct は『構造を与える』イメージであるのに対し、inspect は『内部を見る』イメージです。

語頭の 'in-' が共通していること、および、ストレスの位置によっては発音が似て聞こえる可能性があるため、混同されることがあります。『興味』『利子』といった意味を持ち、instruct(指示する)とは意味が大きく異なります。ただし、学習者の『興味』を引くような『指示』は効果的である、というように、文脈によっては関連性が見られる場合もあります。

誤用例

✖ 誤用: The manual instructed me to assemble the device, but I found it quite instructional.
✅ 正用: The manual instructed me to assemble the device, but I found it quite informative.

多くの日本人学習者は『instruct』と『instructional』の語源的なつながりから、後者を『指示的』『指導的』な意味合いで捉えがちです。しかし、『instructional』は『教育的』『有益』という意味合いが強く、今回の文脈では『manual (説明書)』の内容が『有益だった』と述べるのが自然です。日本語の『〜的』という安易な翻訳が、英語のニュアンスを損なう典型例と言えるでしょう。 "instructional video" のように教材の内容を指す場合は適切ですが、個人の感想にはそぐわない場合があります。

✖ 誤用: I instructed him that he should complete the task by Friday.
✅ 正用: I instructed him to complete the task by Friday.

『instruct』は『that節』を直接伴うことは稀です。これは、日本語の『〜するように指示した』という構文を直訳しようとする際に起こりやすい誤りです。英語では『instruct someone to do something』という形が一般的であり、より直接的な命令や指示を表します。背景には、英語が日本語よりも直接的な表現を好む傾向があるという文化的な違いがあります。控えめな表現を好む日本人が、直接的な命令形を避けて遠回しな表現を選ぼうとする心理が、この誤用を生む一因と考えられます。

✖ 誤用: The general instructed the troops with bravery.
✅ 正用: The general instructed the troops with precision.

『instruct』は、単に何かを教えるだけでなく、具体的な指示や命令を与える意味合いが強い単語です。『bravery(勇敢さ)』は、指示の『方法』としては不自然であり、むしろ指示の『質』を表す言葉(例えば『precision(正確さ)』)が適切です。日本人が『〜で』という表現を安易に前置詞『with』に置き換える傾向が、文脈にそぐわない表現を生み出す原因の一つです。この背景には、英語の語彙選択において、文脈との整合性が非常に重要視されるという原則があります。

文化的背景

「instruct」は、単に知識や技能を伝えるだけでなく、権威ある立場から方向性を示し、行動を導くというニュアンスを強く含みます。これは、古代ローマにおける「インストラクター(instructor)」が、競技者や軍隊を訓練し、戦術を授ける役割を担っていたことに由来します。彼らは単なる教師ではなく、勝利へと導く戦略家であり、その言葉には絶対的な信頼が置かれていました。

中世ヨーロッパにおいては、「instruct」は主に聖職者が信徒を教え導く場面で使用されました。聖書や教義を解釈し、人々の信仰生活を「instruct」することは、魂を救済するための重要な行為とみなされました。この文脈では、「instruct」は単なる知識伝達を超え、道徳的な指針を与え、正しい行動へと導くという意味合いを帯びています。そのため、「instruct」には、教師と生徒、聖職者と信徒という、明確な上下関係を前提とした権威的な響きが込められています。

現代社会においても、「instruct」は、専門家が素人に対して、あるいは上司が部下に対して指示を与える場面でよく用いられます。例えば、医師が患者に治療法を「instruct」する場合、弁護士が依頼人に法的戦略を「instruct」する場合などが挙げられます。これらの状況では、「instruct」は、専門的な知識や経験に基づいたアドバイスであり、従うことが最善であるという含意を持ちます。しかし、同時に、一方的な指示や押し付けがましい印象を与える可能性もあるため、注意が必要です。より対等な関係性においては、「guide」や「advise」といった言葉を選ぶ方が適切でしょう。

このように、「instruct」は、歴史的な背景や社会的な文脈を通じて、単なる知識伝達を超えた、権威、指導、方向性といった意味合いを内包する言葉として発展してきました。この言葉を使う際には、その背後にある文化的ニュアンスを理解し、相手との関係性や状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 語彙問題、長文読解

2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり

3. 文脈・例題の特徴: 説明書、教育、法律など、指示・指導に関するアカデミックな文脈が多い

4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としてのinstructに加え、instruction(指示、指導)という名詞形も重要。同義語のguide, directなどとのニュアンスの違いを理解する

TOEIC

1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)

2. 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7で契約書や業務マニュアルなどのビジネス文書に登場しやすい

3. 文脈・例題の特徴: 業務指示、操作説明、安全指導など、ビジネスシーンでの指示・指導に関する文脈が多い

4. 学習者への注意点・アドバイス: instruction(指示)という名詞形が重要。また、be instructed to do(~するように指示される)という受動態の形も頻出。advise, informなどとの使い分けを意識する

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクション

2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出

3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、歴史的文書、科学的な説明など、学術的な文脈で使われることが多い

4. 学習者への注意点・アドバイス: instructの語源や、派生語のinstruction, instructiveなどを理解することで、より深い文脈理解につながる。また、抽象的な概念をinstruct(教える)という形で表現することがある

大学受験

1. 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文

2. 頻度と級・パート: 標準的な語彙レベル。難関大学ではinstructを含む複雑な構文が出題される可能性あり

3. 文脈・例題の特徴: 説明文、論説文など、アカデミックな文脈が多い

4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中でinstructがどのような意味で使われているかを正確に把握することが重要。特に、抽象的な概念を「教える」「指示する」という意味で使っている場合に注意。instruction, instructorなどの派生語も覚えておく

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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