fend off
「fend」の /ɛ/ は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いた音です。語尾の「d」は、次の「off」とつながるため、軽く発音するか、ほとんど発音しない程度でOKです。「off」の /ɔ/ は日本語の「オ」よりも唇を丸めて発音します。全体として、リズムを意識して、各音を区切らずに滑らかにつなげるように発音すると、より自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
防御する
攻撃や批判など、好ましくないものを何らかの行動によって防ぎ止めることを意味します。物理的な攻撃だけでなく、抽象的な攻撃(非難、質問など)にも使えます。
She waved her hands to fend off the annoying mosquitoes during the barbecue.
彼女はバーベキュー中、厄介な蚊を追い払うために手を振った。
※ この例文は、夏のバーベキューで蚊を「追い払う」という、誰もが経験しそうな具体的な行動を描いています。「fend off」は、このように物理的に何かを遠ざける際に非常によく使われます。蚊や虫だけでなく、小さな動物などを追い払う場面でも使えます。
He worked extra hours to fend off the financial difficulties for his family.
彼は家族の経済的な困難を乗り越えるため、残業して働いた。
※ ここでは「fend off」が、目に見えない「困難」や「問題」から自分や大切な人を「守る」「乗り越える」という比喩的な意味で使われています。大人の学習者が共感しやすい、生活の中での頑張りを表すシーンです。単に「防ぐ」だけでなく、「何とかして対処する」というニュアンスも含まれます。
The company CEO tried to fend off tough questions from reporters about the scandal.
その会社のCEOは、スキャンダルに関する記者からの厳しい質問をかわそうとした。
※ この例文では、「fend off」が言葉による「攻撃」や「追及」を「かわす」「受け流す」という意味で使われています。ニュースなどでよく見る、記者会見の場面を想像できますね。物理的な防御だけでなく、精神的・社会的なプレッシャーから身を守る際にも使われる典型的な例です。
かわす
巧みな動きや言い訳によって、直接的な影響や接触を避けることを意味します。ボクシングでパンチをかわす、質問をはぐらかす、などの場面で使われます。
She quickly raised her arm to fend off the sudden splash.
彼女は突然の水しぶきをかわすために、素早く腕を上げた。
※ 【情景】夏の暑い日、誰かが水を跳ね上げた時、顔にかかるのを避けるためにサッと腕を出す。そんな一瞬の防御の動きが目に浮かびますね。「fend off」は、このように物理的に迫ってくる「何か」を「身を守るようにかわす」ときに使われる、最も基本的で中心的な使い方です。
The speaker tried to fend off tricky questions from the audience.
その講演者は、聴衆からのやっかいな質問をかわそうとした。
※ 【情景】講演会で、聴衆から鋭い、あるいは答えにくい質問が飛んできた時、言葉巧みにはぐらかしたり、うまく受け流したりする様子が伝わってきます。「fend off」は、物理的なものだけでなく、このように「言葉の攻撃」や「批判、質問」などを「うまく避ける、受け流す」という比喩的な意味でも非常によく使われます。
The small shop worked hard to fend off strong competition from big stores.
その小さな店は、大手店からの激しい競争をかわすために懸命に努力した。
※ 【情景】小さな店が、資金力のある大きな店に顧客を奪われまいと、必死に工夫して対抗している姿が想像できますね。ここでは、「競争」という目に見えない「困難」や「脅威」を「なんとか乗り切る、食い止める」という意味で「fend off」が使われています。ビジネスやニュースで、困難な状況を切り抜ける文脈でよく登場します。
コロケーション
攻撃を防御する、撃退する
※ 物理的な攻撃だけでなく、比喩的な攻撃(批判、非難、競争など)に対しても使われます。軍事的な文脈からビジネスシーンまで幅広く用いられ、具体的な攻撃手段(ミサイル攻撃、ハッキング攻撃、訴訟など)を目的語にとることが多いです。単に『防ぐ』だけでなく、『積極的に対処して防ぐ』ニュアンスを含みます。例文:『The company managed to fend off a hostile takeover bid.(その会社は敵対的買収提案をなんとか撃退した)』
批判をかわす、言い訳をする
※ 批判や非難に対して、正面から反論するのではなく、巧みに話題をそらしたり、言い訳をしたりして、直接的な影響を避けることを意味します。政治家や企業広報担当者がよく使う表現で、しばしば『責任逃れ』のニュアンスを伴います。例文:『The politician tried to fend off criticism regarding his controversial remarks.(その政治家は、物議を醸す発言に関する批判をかわそうとした)』
(性的、または好意的な)接近を拒む、かわす
※ 誰かからの好意的な接近、特に恋愛感情や性的アプローチを拒絶することを意味します。直接的な拒否だけでなく、曖昧な態度や遠回しな言動で相手を遠ざけるニュアンスを含みます。フォーマルな場面でも使用されますが、やや婉曲的な表現であるため、状況によっては誤解を招く可能性もあります。例文:『She politely fended off his advances.(彼女は丁寧に彼の接近を拒んだ)』
質問をはぐらかす、質問攻めをかわす
※ 特に答えにくい質問や、個人的な質問に対して、正直に答えることを避け、曖昧な返事をしたり、話題を変えたりして、質問から逃れることを意味します。記者会見やインタビューなどで、政治家や有名人がよく使う表現です。例文:『The CEO skillfully fended off questions about the company's declining profits.(CEOは、会社の利益減少に関する質問を巧みにはぐらかした)』
寒さをしのぐ、寒さ対策をする
※ 寒さから身を守るために、衣服を重ね着したり、暖房器具を使用したり、暖かい飲み物を飲んだりすることを意味します。直接的な攻撃ではないものの、寒さを『敵』と見立てて、それに対抗するイメージです。日常会話でよく使われる表現で、特に冬の寒い時期に頻繁に耳にします。例文:『I need to fend off the cold by wearing a thick coat.(厚手のコートを着て寒さをしのぐ必要がある)』
眠気を覚ます、眠気と闘う
※ 眠気に抵抗し、意識を保とうとすることを意味します。コーヒーを飲んだり、顔を洗ったり、体を動かしたりするなど、眠気を覚ますための行動全般を指します。長時間の運転中や、重要な会議中など、眠ってはいけない状況でよく使われる表現です。例文:『I had to fend off sleep during the long lecture.(長い講義の間、眠気を覚ます必要があった)』
害虫を駆除する、害虫から守る
※ 庭や畑、家の中などで、植物や人間にとって有害な昆虫や動物(ネズミ、ゴキブリ、蚊など)を駆除したり、侵入を防いだりすることを意味します。殺虫剤を使用したり、防虫ネットを張ったり、猫を飼ったりするなどの対策が含まれます。農業や園芸の分野でよく使われる表現です。例文:『We need to fend off pests from eating our vegetables.(野菜を害虫から守る必要がある)』
使用シーン
学術論文や研究発表で、批判や反論、あるいは影響などを「かわす」「防御する」という意味で使用されます。例えば、先行研究の弱点を指摘し、自身の研究がそれらをどのように「fend off(かわす)」しているかを説明する際に使われます。また、ある仮説に対する反証を「fend off(防御する)」ために、追加のデータや分析を示すといった文脈も考えられます。
ビジネス文書や会議において、競争やリスク、あるいは批判などを「かわす」「防御する」という意味で使用されます。例えば、競合他社の攻勢を「fend off(かわす)」ために新たなマーケティング戦略を実施したり、プロジェクトのリスクを「fend off(防御する)」ために予防措置を講じたりする状況で使われます。ただし、より直接的な表現が好まれる場面も多く、頻度は高くありません。
日常会話では、物理的な攻撃や迷惑な行為を「かわす」「防御する」という意味で使われることがあります。例えば、喧嘩を売られた際に「fend off(かわす)」、あるいはしつこいセールスマンを「fend off(追い払う)」といった状況です。しかし、より口語的な表現(e.g., ward off, fight off, deflect)が好まれる傾向があり、頻度は高くありません。ニュース記事やノンフィクション作品で、比喩的に困難や問題に対処する様子を描写する際に使われることもあります。
関連語
類義語
『(攻撃、危険、病気などを)防ぐ、避ける』という意味で、より深刻な脅威や危険に対して用いられる。フォーマルな響きを持つ。 【ニュアンスの違い】「fend off」よりも深刻な脅威や危険を連想させ、より意識的、戦略的な防御行動を指すことが多い。例えば、病気の蔓延や深刻な攻撃などを防ぐ際に適している。また、文章語として使われる傾向が強い。 【混同しやすい点】「fend off」と同様に他動詞であるが、「ward off」はより深刻な事態や抽象的な脅威に対して使われる点に注意。日常会話よりも、報道や学術的な文脈でよく見られる。
『(攻撃、侵入者などを)撃退する、追い払う』という意味で、物理的な攻撃や侵入に対して使われることが多い。強い反発のニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】「fend off」よりも強い抵抗や反発のニュアンスを持ち、相手を積極的に押し返すイメージが強い。感情的な反発や嫌悪感を表す際にも用いられる。 【混同しやすい点】「repel」は物理的な力や強い感情を伴う反発を表すため、「fend off」のように単に防御するだけでなく、積極的に相手を退ける意味合いが強い。磁石の反発のように、物理的な現象にも使える。
『(攻撃、批判などを)そらす、かわす』という意味で、直接的な影響を避けるために方向を変えるイメージ。物理的なものだけでなく、抽象的なものにも使える。 【ニュアンスの違い】「fend off」が直接的な防御であるのに対し、「deflect」は間接的に影響を避けるニュアンスが強い。批判や責任をかわす、議論の矛先を変えるといった状況でよく使われる。 【混同しやすい点】「deflect」は物理的な意味(ボールをそらすなど)と抽象的な意味(批判をかわすなど)の両方で使われるため、文脈によって意味合いが異なる。「fend off」よりも巧みな回避行動を表すことが多い。
『(誘惑、圧力などに)抵抗する、反抗する』という意味で、内面的な抵抗や持続的な努力を伴う場合に使われる。道徳的な意味合いを含むこともある。 【ニュアンスの違い】「fend off」が一時的な防御であるのに対し、「resist」はより強い意志を持って継続的に抵抗するニュアンスが強い。誘惑や不正な圧力など、内面的な葛藤を伴う状況で用いられる。 【混同しやすい点】「resist」は他動詞としても自動詞としても使えるが、「fend off」は基本的に他動詞。「resist the temptation」(誘惑に抵抗する)のように、具体的な対象に対して抵抗する場合が多い。
『(困難、圧力などに)耐える、持ちこたえる』という意味で、長期的な困難や試練に耐え忍ぶイメージ。強い精神力や耐久力を連想させる。 【ニュアンスの違い】「fend off」が一時的な防御であるのに対し、「withstand」はより長期的な困難に耐え忍ぶニュアンスが強い。嵐や経済危機など、長期にわたる困難な状況で用いられる。 【混同しやすい点】「withstand」は主に困難や試練に『耐える』という意味合いが強く、積極的に防御するという意味合いは薄い。「fend off」のように具体的な攻撃を防ぐというよりも、困難な状況に屈しない精神力を表す。
派生語
『守る』という意味の動詞。『fend off』の『fend』に、分離・除去を表す接頭辞『de-』が付いて、攻撃を『そらす』というニュアンスから『守る』という意味に発展。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。
『防衛』『防御』という意味の名詞。『defend』から派生し、抽象的な概念を表す。軍事、スポーツ、法廷など、広範な文脈で使用される。語尾の『-se』は名詞化を示す。
『被告』という意味の名詞。『defend』に、『~される人』を表す接尾辞『-ant』が付いた形。法廷で訴えられた人を指す法律用語。日常会話ではまれだが、ニュースや法律関連文書で頻出。
反意語
『屈する』『負ける』という意味の動詞。『fend off』が攻撃や誘惑を『かわす』のに対し、『succumb』はそれらに抵抗できずに『屈する』状態を表す。病気、圧力、誘惑など、様々な文脈で使用される。
『譲る』『屈する』という意味の動詞。『fend off』が積極的に防御するのに対し、『yield』は抵抗をやめて相手に『譲る』ニュアンス。交渉、運転、物理的な力など、幅広い場面で使用される。
『降伏する』という意味の動詞。『fend off』が抵抗を続けるのに対し、『surrender』は戦いや抵抗を放棄し、相手に全面的に『降伏する』状況を表す。軍事的な文脈や、比喩的に困難な状況に諦める場合にも使われる。
語源
"Fend off"は、中英語の"fenden"(守る、保護する)に由来し、これは古フランス語の"defendre"(防御する)から来ています。さらに遡ると、ラテン語の"defendere"に行き着きます。"De-"は「離れて、遠ざけて」という意味の接頭辞で、日本語の「退ける」のニュアンスに近いです。"-fendere"は「打つ、攻撃する」という意味の動詞に関連しています。つまり、"defendere"は元々「攻撃を遠ざける」という意味合いを持っていました。この語源を考えると、"fend off"が単に「防御する」だけでなく、「積極的に何かを押し返す、かわす」という意味合いを含むことが理解できます。例えば、剣で敵の攻撃を「打ち払う」イメージです。日々の生活では、迷惑な勧誘を「かわす」といった状況で使われることが多いでしょう。
暗記法
「fend off」は、騎士が盾で敵を防ぐ姿から、見えない脅威からも身を守る意味へ発展しました。小説では陰謀や誘惑から身を守る知恵として描かれ、独立戦争では弱者が強大な敵に立ち向かう象徴に。現代では、企業が買収をかわし、政治家がスキャンダルを退け、個人がストレスをはね返す。自己防衛の精神と勇気が、この言葉に込められています。
混同しやすい単語
『fend off』と『defend』はどちらも『守る』という意味ですが、『defend』はより一般的な防御行為を指します。『fend off』は攻撃を『かわす』『撃退する』というニュアンスが強いです。発音も似ており、特に語頭の 'de-' と 'fe-' は混同されやすいでしょう。品詞はどちらも動詞ですが、自動詞/他動詞としての用法が異なる場合があります。例えば、『defend oneself』のように再帰的に使われることもあります。注意点として、文脈によって適切な単語を選ぶ必要があります。
『fend』と『find』はスペルが似ており、特に手書きの場合など、誤って認識しやすいことがあります。発音も母音部分が曖昧なため、聞き取りにくい場合があります。『find』は『見つける』という意味で、全く異なる意味を持ちます。過去形も『found』となり、発音も大きく変わるので注意が必要です。語源的には、『find』はゲルマン祖語の *finþanan に由来し、『fend』は『defend』の短縮形と考えることもできます。この語源の違いを意識すると、混同を防ぐのに役立ちます。
語尾の '-end' のスペルが共通しているため、視覚的に混同しやすい可能性があります。『endow』は『(才能などを)授ける』『寄付する』という意味で、『fend off』とは意味が大きく異なります。発音も異なりますが、早口で話されると聞き間違える可能性があります。特に、ビジネスシーンなどで『endow』が使われる場合、文脈から意味を判断することが重要です。
『fend』と『feign』は発音が似ており、特にアメリカ英語では母音が似た音になることがあります。『feign』は『ふりをする』という意味で、意味も全く異なります。スペルも似ているため、注意が必要です。例えば、『feign illness』(病気のふりをする) のように使われます。語源的には、『feign』はラテン語の fingere(作り上げる)に由来し、『fend』とは全く異なるルーツを持ちます。
『fend』と『friend』は、スペルの一部が似ており、特に 'end' の部分が共通しています。発音も、母音と子音の組み合わせが似ているため、発音練習の初期段階では混同しやすいかもしれません。『friend』は『友人』という意味で、品詞も名詞であり、『fend off』とは全く異なります。ただし、『fend』という単語自体が単独で使用される頻度が低いため、文脈から判断しやすいとも言えます。
『fend』と『offend』は、どちらも接頭辞がついて動詞を形成している点で構造が似ています。『offend』は『気分を害する』という意味で使われ、『fend off』とは意味が異なります。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なるため、注意深く聞けば区別できます。例えば、『offend someone』(誰かの気分を害する) のように使われます。語源的には、『offend』はラテン語の offendere(ぶつかる、不快にする)に由来します。
誤用例
『fend off』は物理的な攻撃や直接的な脅威を『かわす』イメージが強く、抽象的な『批判』に対して使うと、どこか場当たり的な印象を与えます。より戦略的に『かわす、そらす』ニュアンスを出すには『deflect』が適切です。日本人が『〜をかわす』を直訳するとfend offを選びがちですが、英語では批判や責任など抽象的なものをかわす場合はdeflect, evade, sidestepなどがより自然です。
『fend off』は外からの攻撃を防ぐニュアンスが強く、内面から湧き上がる感情に対して使うのは不自然です。悲しみなどの感情に対処する場合は『cope with』や『deal with』を使うのが適切です。日本人が『(感情を)やり過ごす』というニュアンスでfend offを選びがちですが、英語では感情はattackしてくるものではないため、この使い方は不適切です。感情はmanage, handle, cope with するものと考えます。
『fend off』は、相手の攻撃を単純に押し返す、あるいは、物理的に防御するイメージが強い言葉です。政治家のスキャンダルに関する質問のように、言葉巧みに質問をかわす、論点をずらすといったニュアンスを出すには、剣術の用語である『parry』がより適切です。日本語の『かわす』は、状況によっては『ごまかす』に近い意味合いを持ちますが、英語のfend offにはそのようなニュアンスは薄いため、注意が必要です。parryは、相手の攻撃をそらし、受け流すイメージで、知的で洗練された印象を与えます。
文化的背景
「fend off」は、物理的な攻撃だけでなく、言葉や策略、困難な状況など、目に見えない脅威から身を守る、あるいは防御する行為を指し、自己防衛の精神や困難に立ち向かう勇気を象徴します。中世の騎士が盾で敵の攻撃を防ぐイメージから派生し、現代ではビジネスシーンにおける競争や、個人のメンタルヘルスを守る場面など、より抽象的な文脈で使用されます。
騎士道精神が衰退した後も、「fend off」は自己防衛の必要性を物語る言葉として生き残りました。例えば、18世紀の小説では、主人公が陰謀や誘惑から身を守るために知恵と勇気を駆使する様子が「fend off」を使って描写されることがあります。これは単なる物理的な防御ではなく、社会的な圧力や道徳的な危機から自己の信念や尊厳を守るという、より高度な自己防衛の概念を示唆しています。また、アメリカ独立戦争のような歴史的出来事においては、弱小な植民地軍が強大なイギリス軍の攻撃を「fend off」する様子が、自由と独立を守るための不屈の精神の象徴として語り継がれています。
現代社会においては、「fend off」はさらに多様な意味合いを持つようになりました。企業が競争相手の買収提案を「fend off」する、政治家がスキャンダル報道を「fend off」する、個人がストレスやプレッシャーを「fend off」するなど、様々な状況で使用されます。これらの例に共通するのは、何らかの脅威や攻撃から自己を守り、現状を維持しようとする意志です。特に、メンタルヘルスの分野では、ネガティブな感情や思考を「fend off」することが、自己肯定感を高め、精神的なバランスを保つために重要であると認識されています。
このように、「fend off」は時代とともにその意味を広げ、物理的な防御から精神的な防衛まで、幅広い状況で使用されるようになりました。しかし、その根底には、自己を守り、困難に立ち向かうという普遍的な人間の欲求が存在します。この言葉を使う際には、単に防御するという行為だけでなく、その背後にある自己防衛の精神や勇気を意識することで、より深い理解と共感を得ることができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など幅広いテーマで出題。やや硬めの文章。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(攻撃などを)かわす、防御する」という意味を基本とし、対象が具体的なもの(攻撃、批判)か抽象的なもの(困難、問題)かを意識。類似表現(ward off, stave off)との使い分けも重要。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)
- 頻度と級・パート: 比較的まれ。しかし、ビジネスシーンを扱った長文読解で出題される可能性はある。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連のニュース記事、報告書、Eメールなど。敵対的な買収や競争など、ネガティブな状況で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「防御」というニュアンスを理解しておく。同意語・類義語(repel, resist)との区別も重要。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: やや頻出。アカデミックな文章で登場する。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学など、アカデミックなテーマの文章で、抽象的な概念や議論を防御するという文脈で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念(批判、反論、影響)などを「かわす、防御する」という意味で使われることを理解する。文脈から意味を推測する練習が重要。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。標準的なレベルの大学では出題頻度は低い。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史、科学など、幅広いテーマで出題。論説文や評論文で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な意味合いで使われることもあるため、文脈全体を理解する必要がある。類義語(defend, protect)との違いを意識する。