英単語学習ラボ

yield

/jiːld/(イィーゥルド)

最初の /j/ は日本語の「ヤ」行の子音に近い音ですが、より意識的に舌を上あごに近づけて発音します。/iː/ は長めの『イ』の音で、口を少し横に引いて発音しましょう。最後の /ld/ は舌先を上の歯の裏につけて発音する /l/ の後に、有声歯茎破裂音 /d/ が続きます。/d/ は日本語の『ド』よりも、舌をはじくように発音するとよりネイティブに近い響きになります。

専門的な内容に関するご注意

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動詞

明け渡す

権利や地位、場所などを手放す、譲るという意味合い。交渉や合意に基づいて、何かを相手に引き渡す状況で使われることが多い。(例:土地を明け渡す、席を譲る)

The young driver carefully yielded to oncoming traffic at the busy intersection.

若い運転手は、混み合った交差点で慎重に対向車に道を譲った。

この文は、交通ルールで「優先権を譲る」という、`yield`の最も一般的な使い方の一つを表しています。運転免許を取り立ての若者が、交通量の多い交差点で緊張しながら、安全のために一時停止して道を譲る、という具体的な場面を想像できますね。道路標識の「YIELD」は「ゆずれ」という意味です。

Tired of arguing, she finally yielded to their demands.

議論に疲れて、彼女はついに彼らの要求に屈した。

ここでは、長い議論や対立の末に、自分の意見や抵抗を「諦めて受け入れる」「屈する」という`yield`の使い方です。もうこれ以上争うのは嫌だ、という感情が伝わってくるシーンですね。物理的なものを明け渡すだけでなく、精神的な抵抗をやめて相手の主張を受け入れる際にも使われます。

Surrounded by police, he finally yielded his gun.

警察に囲まれ、彼はようやく銃を明け渡した。

この例文は、より強い力や権威に対して、抵抗をやめて物理的なもの(この場合は銃)を「引き渡す」「明け渡す」という`yield`の用法です。警察に追い詰められ、抵抗しても無駄だと悟った人物が、武器を手放して投降する緊迫した瞬間を描写しています。ニュースなどで見かけるような、具体的な行動が伴う場面です。

動詞

生み出す

農作物や利益、結果などを生産する、もたらすという意味合い。自然の恵みや努力の結果として何かを得る状況で使われる。(例:作物を収穫する、利益を生む)

The fertile land always yields a rich harvest for the farmers.

肥沃な土地は、農家の人々にいつも豊かな収穫をもたらします。

【情景】広々とした畑で、農家の人々が豊かな作物の実りを見て、安堵と喜びを感じている場面です。「yield」は、自然が作物などを「生み出す、産出する」という意味でよく使われます。 【ポイント】「yield A for B」で「BにAをもたらす」という形です。土地や植物が物理的な成果を生み出す、最も代表的な使い方のひとつです。

If you work hard, your efforts will surely yield great results.

一生懸命努力すれば、その努力はきっと素晴らしい結果を生み出すでしょう。

【情景】試験勉強や新しいプロジェクトに取り組んでいる人が、目標に向かって真剣に努力している姿を想像してください。その努力が実を結ぶことを信じている、前向きな気持ちが込められています。 【ポイント】「yield results」は「結果を生み出す」という非常に一般的な表現です。努力や行動が具体的な成果につながる場合によく使われます。未来を表す"will"と一緒に使うと、「〜だろう」という予測を表現できます。

This new project is expected to yield significant profits for our company.

この新しいプロジェクトは、私たちの会社に大きな利益をもたらすと期待されています。

【情景】会議室で、ビジネスパーソンが新しいプロジェクトの計画を説明し、それが会社にもたらす大きな利益について熱く語っている様子です。期待感と自信が伝わります。 【ポイント】「yield profits」は「利益を生み出す」という意味で、ビジネスや投資の文脈で非常によく使われる表現です。「be expected to ~」は「~すると期待されている」という丁寧な言い方です。

名詞

収穫量

特定の期間や土地から得られる生産物の量。農業や投資の文脈で、成果を示す指標として使われる。(例:今年の収穫量、投資の利回り)

The farmer smiled happily at the good yield from his field this year.

農家のおじいさんは、今年の畑からの良い収穫量ににっこり微笑んだ。

太陽の下、農家のおじいさんが、たくさんの作物を見て安心している様子が目に浮かびますね。「yield」は、このように農業で得られる「収穫量」を表すときに非常によく使われます。「good yield」で「良い収穫量」、つまり豊作を意味します。

The new fertilizer helped increase the potato yield this year.

新しい肥料のおかげで、今年のジャガイモの収穫量が増えました。

これは、新しい技術や方法が収穫量に良い影響を与えた場面です。農家や研究者が、努力の結果として良い成果を得たことに満足している様子が伝わりますね。「increase the yield」は「収穫量を増やす」という意味で、改善や進歩の文脈でよく使われる表現です。

Bad weather last month might affect the rice yield this harvest season.

先月の悪天候が、今年の収穫期の米の収穫量に影響するかもしれません。

雨や曇り空の下、農家が心配そうに畑を見つめている様子が想像できますね。天候は作物の収穫量に大きく影響するため、「yield」が自然条件によって変動する量として使われる典型的な例です。「affect the yield」は「収穫量に影響する」という意味で、懸念や予測を表す際によく使われます。

コロケーション

yield a profit/return

利益/収益を生み出す

投資や事業などが経済的な利益をもたらすことを表します。ビジネスシーンで頻繁に使われ、『The investment yielded a substantial profit.(その投資は大きな利益を生み出した)』のように使われます。類似表現に『generate profit』がありますが、『yield』は、種をまいて実がなるイメージで、時間経過を経て自然に結果が出るニュアンスがより強く、フォーマルな響きがあります。

yield to pressure

圧力に屈する、抵抗をやめる

外部からの圧力や要求に対して、最終的に同意または降伏することを意味します。『The company yielded to public pressure and changed its policy.(会社は世論の圧力に屈し、方針を変更した)』のように使われます。ここでの『pressure』は、政治的、経済的、社会的な圧力を指すことが多いです。単に『降伏する』という意味の『surrender』よりも、抵抗の末に仕方なく受け入れるニュアンスを含みます。

yield results

結果をもたらす、成果をあげる

努力や行動が具体的な成果や結果を生み出すことを指します。『The new marketing strategy yielded positive results.(新しいマーケティング戦略は良い結果をもたらした)』のように使われます。『produce results』と似ていますが、『yield』は、種をまいて収穫を得るような、より自然なプロセスを経て結果が出るイメージです。ビジネスや科学研究の文脈でよく用いられます。

yield ground

陣地を明け渡す、譲歩する

文字通りには、戦場で陣地を失うことを意味しますが、比喩的には議論や交渉の場で自分の立場を譲る、または後退することを指します。『Neither side was willing to yield ground in the negotiations.(交渉ではどちらの側も譲歩しようとしなかった)』のように使われます。『give way』と似た意味ですが、『yield ground』は、より戦略的な撤退、または戦術的な譲歩のニュアンスがあります。歴史的な文脈や政治的な議論で使われることが多いです。

yield insight

洞察を与える、知見をもたらす

調査、研究、または経験が新しい理解や洞察をもたらすことを意味します。『The study yielded valuable insights into consumer behavior.(その研究は、消費者行動に関する貴重な洞察をもたらした)』のように使われます。『provide insight』と似ていますが、『yield』は、努力や探求の結果として自然に洞察が得られるニュアンスが強いです。学術的な文脈やビジネス分析でよく用いられます。

yield obedience

服従する、従順を示す

命令や規則に従うことを意味します。やや古風な表現で、現代ではあまり一般的ではありませんが、文学作品や歴史的な文脈で見られます。『The soldiers were expected to yield unquestioning obedience to their commander.(兵士たちは司令官に絶対的な服従を示すことが期待された)』のように使われます。『obey』と似た意味ですが、『yield obedience』は、より形式的で、権威に対する服従のニュアンスが強調されます。

yield place to

~に取って代わられる、~に道を譲る

あるものが他のものに取って代わられる、または重要性や優位性を失うことを意味します。『The old traditions are yielding place to new customs.(古い伝統は新しい習慣に取って代わられつつある)』のように使われます。『give way to』と似た意味ですが、『yield place to』は、より緩やかな変化、または時代の流れによる自然な交代のニュアンスがあります。文化、技術、社会の変化を語る際に用いられることがあります。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、実験結果や統計データの説明において、「~という結果が得られた」「~という傾向を示した」という意味で使われます。例:『この実験では、サンプルAはサンプルBよりも高い反応速度をyieldした(生み出した)』。理系の論文では必須の単語と言えるでしょう。

ビジネス

ビジネス文書や会議で、投資や努力がもたらす成果や利益について言及する際に用いられます。「~という結果をもたらす」「~という利益を生み出す」という意味合いです。例:『このマーケティング戦略は、予測を上回る収益をyieldした(生み出した)』。フォーマルな文脈で使われることが多いです。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、農作物の収穫量や、土地が生み出す資源について言及する際に使われることがあります。例:『今年のブドウ畑は、良質なワインをyieldする(生み出す)ことが期待されている』。やや硬い表現なので、日常会話では別の言い回しが好まれます。

関連語

類義語

  • 『降伏する』『明け渡す』という意味。戦闘や議論において、相手に屈する状況で使われることが多い。比喩的に、抵抗をやめて受け入れる場合にも使う。 【ニュアンスの違い】『yield』は物理的な抵抗や譲歩、あるいは結果として生じる譲歩を含むが、『surrender』はより積極的な意志表示としての降伏を意味する。よりフォーマルな響きを持つ。 【混同しやすい点】『surrender』は相手に完全に屈服するニュアンスが強く、部分的な譲歩である『yield』とは異なる。また、自動詞としても他動詞としても使えるが、他動詞の場合は目的語が必要。

  • 『服従する』『提出する』という意味。『submit』は、権威やルールに従う、あるいは書類などを提出する際に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『yield』は物理的な圧力や状況によって屈するニュアンスがあるのに対し、『submit』は自発的に、または義務として従うニュアンスが強い。また、提出するという意味合いは『yield』にはない。 【混同しやすい点】『submit』は『提出する』という意味があるため、『yield』の『産出する』という意味と混同しやすい。また、『submit to』の形で使われることが多い。

  • 『生産する』『産出する』という意味。工場での生産活動や、農作物を収穫する場面などで使われる。 【ニュアンスの違い】『yield』は自然な結果として産出されるニュアンスが強いのに対し、『produce』は意図的な生産活動を指すことが多い。ビジネスや経済の文脈で頻繁に使われる。 【混同しやすい点】『produce』は具体的な製品や成果物を産出するのに対し、『yield』は抽象的な結果や利益を生み出す場合にも使われる。『yield』は投資の利回りなど、割合を示す場合にも使われる。

  • 『生み出す』『発生させる』という意味。エネルギー、アイデア、利益など、抽象的なものを生み出す場合に使われる。 【ニュアンスの違い】『yield』は自然な結果として生じるニュアンスがあるのに対し、『generate』はより積極的、または意図的に何かを生み出すニュアンスが強い。技術的な文脈やビジネスシーンでよく使われる。 【混同しやすい点】『generate』は新しいものを創造するニュアンスが強く、既存のものから何かを生み出す『yield』とは異なる。また、電気や熱などを『発生させる』という意味は『yield』にはない。

  • relent

    『和らぐ』『折れる』という意味。人の態度や天候などが穏やかになる状況で使われる。 【ニュアンスの違い】『yield』は圧力や要求に対して譲歩するニュアンスがあるのに対し、『relent』は自身の態度や感情が変化して穏やかになるニュアンスが強い。フォーマルな場面で使われることが多い。 【混同しやすい点】『relent』は人が主語になることが多く、物理的な圧力に対して『折れる』という意味合いは薄い。また、天候が『和らぐ』という意味は『yield』にはない。

  • give way

    『崩れる』『譲歩する』という意味。物理的な構造物が崩れたり、意見の対立で譲歩したりする場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『yield』は徐々に譲歩するニュアンスがあるのに対し、『give way』は急に崩れたり、完全に譲歩したりするニュアンスが強い。日常会話でも使われる。 【混同しやすい点】『give way』は物理的な崩壊を意味することがあり、『yield』の持つ、徐々に譲歩するニュアンスとは異なる。また、『give way to』の形で使われることが多い。

派生語

  • yielding

    『yield』の現在分詞形であり、形容詞としても機能する。『降伏するような』『柔軟な』といった意味合いを持ち、人柄や交渉の場面で用いられることが多い。原義の『産出する』から派生し、『相手に何かを譲り渡す』イメージを含む。例えば、『yielding personality(従順な性格)』のように使う。

  • yielded

    『yield』の過去形・過去分詞形。過去分詞として形容詞的に用いられる場合、『産出された』『もたらされた』という意味合いを持つ。例えば、『the yielded results(得られた結果)』のように使い、研究論文や報告書などで頻繁に見られる。受動的なニュアンスを含む点が特徴。

  • overyield

    『yield』に接頭辞『over-(過剰な)』が付いた動詞で、『過剰に産出する』『過剰に譲歩する』という意味合いを持つ。農業分野や経済学で用いられることがあり、『overyielded crops(過剰に収穫された作物)』のように使う。比喩的に、『overyield to pressure(圧力に屈しすぎる)』のように用いられることもある。

反意語

  • 『抵抗する』という意味の動詞。『yield(屈する、譲歩する)』とは正反対の行為を表す。物理的な抵抗だけでなく、圧力や誘惑に対する抵抗など、幅広い文脈で使用される。例えば、『resist temptation(誘惑に抵抗する)』のように使う。日常会話から学術論文まで、あらゆる場面で頻出。

  • 『耐える』『持ちこたえる』という意味の動詞。『yield』が外からの力に屈することを意味するのに対し、『withstand』は外からの力に耐え、持ちこたえることを意味する。困難や試練に立ち向かう状況で用いられることが多い。例えば、『withstand the pressure(圧力に耐える)』のように使う。ビジネスや政治の文脈でよく見られる。

  • 『反対する』という意味の動詞。『yield』が相手の意見や要求を受け入れるのに対し、『oppose』は相手の意見や要求に反対し、対立することを意味する。政治的な議論や交渉の場面でよく用いられる。例えば、『oppose the plan(その計画に反対する)』のように使う。意見の対立を明確に示す場合に適している。

語源

「yield」は、古英語の「gieldan」(支払う、報いる、明け渡す)に由来し、さらに遡るとゲルマン祖語の「geldaną」(報いる、支払う)にたどり着きます。これは、インド・ヨーロッパ祖語の語根「*gheldh-」(支払う、価値がある)に関連しています。「geldaną」は、義務や対価として何かを『与える』という根本的な意味合いを持っていました。英語の「guild」(ギルド、組合)やドイツ語の「Geld」(お金)も同じ語源を持ちます。つまり、「yield」は元々、義務を果たす、対価を支払うといった意味から、徐々に「明け渡す」、そして土地や努力が「生み出す」という意味へと発展していったのです。現代英語における「収穫量」という意味は、土地が『与える』もの、つまり生産性や豊かさを示しています。

暗記法

「yield」は、服従と収穫、相反する意味を宿す言葉。中世封建制では、臣下の服従が土地の収穫をもたらした。文学では、運命への屈服から神への服従まで、葛藤と決断の象徴に。現代では、投資の利回りや交渉の譲歩を意味する。道路標識の「Yield」は、単に道を譲るだけでなく、他者への配慮と社会秩序を重んじる文化の表れ。西洋文化の権力構造、倫理観、人間関係を映す、奥深い背景を持つ言葉なのだ。

混同しやすい単語

発音が似ており、特に語尾の 'ld' の発音に注意が必要です。 'yield' は 'イールド' に近い発音ですが、'field' は 'フィールド' となります。意味は '野原、分野' であり、全く異なる概念を表します。スペルも似ているため、文脈で判断する必要があります。語源的には、'field' はゲルマン祖語の 'felthuz'(平らな土地)に由来し、'yield' は古英語の 'gieldan'(支払う、与える)に由来します。

発音が非常に似ており、特に早口の場合や、ネイティブの発音を聞き慣れていない場合は聞き間違えやすいです。'yield' は '産出する、譲る' などの意味ですが、'yell' は '叫ぶ' という意味です。スペルも 'i' と 'e' の違いのみで、視覚的にも混同しやすいです。'yell' は感情的な表現に使われることが多いのに対し、'yield' はより客観的な状況を表すことが多いです。

スペルが 'ie' と 'ei' の違いのみで非常に似ており、視覚的に混同しやすいです。発音も 'wield' は 'ウィールド' に近い発音で、語尾が似ています。意味は '(武器などを)振るう、操る' であり、'yield' とは全く異なります。'wield' は、権力や影響力を行使するという意味合いで使われることもあります。語源的には、'wield' は古英語の 'wealdan'(支配する)に由来します。

発音の最初の部分が似ており、特に 'ye' の部分が共通しています。'yearn' は '切望する、憧れる' という意味で、感情的な欲求を表します。スペルは異なりますが、発音の類似性から、意味を誤解する可能性があります。'yield' が客観的な結果や行動を表すのに対し、'yearn' は主観的な感情を表すため、文脈で判断することが重要です。

eld

古風な単語ですが、スペルが似ており、特に 'ld' の部分が共通しています。 'eld' は '高齢、昔' という意味で、現代英語ではあまり使われませんが、文学作品などで見かけることがあります。発音も 'eld' は 'エルド' に近く、'yield' と区別する必要があります。'yield' が現代的な状況を表すのに対し、'eld' は過去や歴史的な文脈で使われることが多いです。

Yule

'Yule'は古英語に由来する言葉で、クリスマス、特に冬至の頃を指します。発音は「ユール」に近く、語頭の音は似ていますが、全体的な発音は異なります。スペルも一部似ているため、混同する可能性があります。意味は全く異なり、文脈から判断することが重要です。現代では、主に伝統的なクリスマス行事や、異教的な冬至祭に関連して使われます。

誤用例

✖ 誤用: I yielded my opinion to him because he is older.
✅ 正用: I deferred to him because he is older.

日本語の『譲る』という言葉につられて、自分の意見を物理的に譲渡するようなイメージで"yield"を使ってしまう誤用です。"Yield"は、"give way"や"surrender"のように、相手に抵抗せず道を譲るニュアンスが強く、意見に対して使うと、まるで自分の意見に自信がないか、あるいは議論を放棄したような印象を与えます。年長者への敬意を表したい場合は、"defer to"(相手の意見を尊重し、従う)を使う方が適切です。これは、日本の『年功序列』文化を背景に、意見の相違を避け、調和を重んじる心理が影響していると考えられます。英語では、単に年齢だけでなく、専門性や経験に基づいて意見を尊重するニュアンスがより強く、"defer to"はそうした背景を反映した表現です。

✖ 誤用: The company yielded a lot of pressure from the stakeholders.
✅ 正用: The company succumbed to pressure from the stakeholders.

"Yield"は『産出する』という意味でよく知られていますが、『屈する、降伏する』という意味もあります。しかし、この意味で使う場合、"yield to"という形が一般的で、目的語の前に直接"pressure"のような抽象名詞を置くのは不自然です。より適切な表現は、"succumb to"(~に屈する)です。"Yield to"は、例えば、"The bridge yielded to the weight of the truck."(橋はトラックの重さに耐えられなかった)のように、物理的な力や圧力に対して使われることが多いです。一方、"succumb to"は、精神的な圧力や誘惑に対して使われることが多いです。この誤用は、日本語の『~に屈する』という表現を直訳しようとする際に、適切な前置詞の選択を誤ることが原因と考えられます。英語では、動詞と前置詞の組み合わせによって意味が大きく変わるため、注意が必要です。

✖ 誤用: The negotiations yielded nothing.
✅ 正用: The negotiations proved fruitless.

"Yield"は、交渉や努力の結果として何か良いものが『生まれる』というニュアンスで使われることが多いですが、文脈によっては不適切になる場合があります。例えば、交渉が全く成果を生まなかったことを強調したい場合、"yield nothing"はやや弱く、期待外れだったという印象が薄れてしまいます。より強い表現としては、"proved fruitless"(実を結ばなかった)や"came to naught"(無に帰した)などが適切です。この誤用は、日本語の『何も生まなかった』という表現を直訳的に"yield nothing"としてしまうことに起因します。英語では、否定的な結果を強調する場合、より強い否定語や表現を用いることが一般的です。また、"yield nothing"は、例えば、"The land yields nothing."(その土地は何も産出しない)のように、潜在的な可能性はあるものの、現状では何も生み出していないというニュアンスを含むことがあります。

文化的背景

「yield」は、服従、譲歩、そして自然の恵みとしての収穫という、一見相反する複数の意味を内包する言葉です。この多義性こそが、「yield」が西洋文化において持つ独特な位置づけを物語っています。中世の封建制度においては、臣下が領主に「yield(服従)」することは、土地からの「yield(収穫)」を享受するための条件でした。この関係性は、「yield」という言葉が持つ「与える」と「受け取る」という二面性を象徴しています。

文学作品における「yield」は、しばしば登場人物の葛藤や決断を象徴する言葉として用いられます。例えば、シェイクスピアの悲劇では、主人公が運命や圧力に「yield(屈服)」する場面が描かれます。これは、個人の意志と社会的な力との間で揺れ動く人間の姿を浮き彫りにします。一方で、ミルトンの『失楽園』では、神の意志に「yield(従う)」ことが、最終的な救済へと繋がる道として示唆されています。このように、「yield」は、文学作品において、ネガティブな意味合いとポジティブな意味合いの両方を持ち合わせています。

現代社会においては、「yield」は、ビジネスや政治の場でも頻繁に用いられる言葉です。株式市場における「yield(利回り)」は、投資家が資本を「yield(投じる)」ことによって得られる「yield(収益)」を意味します。また、交渉の場において相手に「yield(譲歩)」することは、合意形成への重要なステップとなります。しかし、過度な譲歩は、自らの立場を弱めることにも繋がりかねません。このように、「yield」は、常にバランス感覚が求められる言葉なのです。

「yield」は、単なる英単語ではなく、西洋文化における権力構造、倫理観、そして人間関係を反映した、奥深い文化的背景を持つ言葉です。この言葉を理解することは、英語圏の文化をより深く理解するための鍵となるでしょう。たとえば、道路標識の「Yield」は、文字通り「道を譲る」ことを意味しますが、その背景には、他者への配慮と社会秩序を尊重するという文化的価値観が込められています。このように、「yield」は、日々の生活の中に潜む文化的なメッセージを読み解くための、格好の材料となるのです。

試験傾向

英検

準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。動詞としての「yield」の意味(譲る、屈する、産出する)の使い分けが問われやすいです。特に長文読解では、文脈から適切な意味を判断する必要があります。出題頻度は比較的高めです。

TOEIC

Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)で登場する可能性があります。ビジネスシーンでの「yield」の意味(もたらす、生み出す)が問われやすいです。投資や財務関連の文脈で使われることもあります。選択肢に類似語が含まれている場合があるので注意が必要です。出題頻度は中程度です。

TOEFL

リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章(科学、経済、社会学など)で、「yield」が「産出する、もたらす」という意味で使われることが多いです。名詞としての「yield」(収穫、生産量)も重要です。文脈から適切な意味を判断する能力が求められます。出題頻度は高めです。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈によって意味が異なるため、文脈全体を理解する必要があります。「yield」を含む複雑な構文が出題されることもあります。語彙力だけでなく、読解力も重要です。出題頻度は大学によって異なります。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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