endow
強勢は2音節目の 'daʊ' にあります。最初の音節 'ɪn' は、日本語の『イ』よりも口を少し横に引いて短く発音します。二重母音の 'aʊ' は、日本語の『ア』と『ウ』を繋げたような音ですが、よりダイナミックに口の形を変えることを意識しましょう。最後に口をしっかりすぼめるのがポイントです。
授ける
才能、資質、能力などを生まれつき、または後天的に与える意味合い。神様や自然が人間に与えるイメージ。
Nature often seems to endow artists with a special way of seeing the world.
自然はしばしば、芸術家たちに世界を見る特別な方法を授けるように思える。
※ この例文は、生まれつきの才能や性質が「授けられる」という状況を描写しています。アーティストが日常の風景を特別な視点で見つめている情景を想像してみてください。endowは「(生まれつきの能力や性質を)与える」という文脈でよく使われます。「endow A with B」(AにBを授ける)の形で使われることが多いです。
The generous foundation decided to endow the local library with new books and computers.
その寛大な財団は、地元の図書館に新しい本とコンピューターを寄贈することにしました。
※ ここでは、組織や団体が公共の目的のために資金や物品を「寄付する」「提供する」という文脈でendowが使われています。図書館が新しくなったことで、子供たちが目を輝かせながら本を読んだり、コンピューターを使ったりしている様子を思い描くと、この単語の持つ「与える」という温かい意味合いが伝わります。
Many people believe that a good education can endow children with the power to change their future.
多くの人々は、良い教育が子供たちに未来を変える力を授けることができると信じています。
※ この例文は、教育が子供たちに「能力や機会を与える」という、より抽象的な意味合いでendowを使っています。未来に向かって希望に満ちた子供たちの姿を想像してみてください。endowは、このように、物理的なものだけでなく、知恵や力、権利など、目に見えない価値を「与える」際にも非常に自然に使われます。
寄付する
学校、病院、慈善団体などに対して、資金や資産を寄贈する意味合い。永続的な運営を支援するニュアンスを含む。
A kind old man decided to endow the local library with a large sum of money for new books.
親切な老人が、新しい本のために地元の図書館に多額のお金を寄付することに決めました。
※ この例文は、「親切な老人が、子どもたちのために新しい本を増やしたいという温かい気持ちで、図書館に大きな寄付をした場面」を描いています。「endow A with B」の形で、「A(図書館)にB(お金)を寄付する」という、endowの最も典型的な使い方です。特に、永続的な目的のために資金を提供するニュアンスが伝わります。
The university plans to endow a new scholarship fund for bright students.
その大学は、優秀な学生のために新しい奨学金基金を設立する計画です。
※ この例文は、「大学が未来の優秀な学生を支援するため、長期的な視点で奨学金制度を新設する場面」をイメージできます。ここでは「endow a fund」という形で、基金そのものを「寄付・設立する」という意味で使われています。これにより、その基金が将来にわたって学生を助け続けるという継続的な意味合いが強調されます。
She will endow her hometown hospital with modern medical equipment.
彼女は故郷の病院に最新の医療機器を寄付するでしょう。
※ この例文は、「故郷への深い愛情を持つ女性が、病院に最新の医療機器を寄贈し、地域医療の発展に貢献する場面」を描いています。ここでも「endow A with B」の形が使われ、「A(病院)にB(医療機器)を寄付する」ことを表します。単なる金銭だけでなく、具体的な物品を寄付する際にも使われることがあります。未来の計画を伝える「will」も自然です。
恵まれる
才能や美貌、財産などに恵まれている状態を表す。受動態で使われることが多い。
She was truly endowed with a beautiful singing voice.
彼女は本当に美しい歌声に恵まれていました。
※ この例文は、人が生まれつき持っている素晴らしい才能や特性について話すときに「endow」が使われる典型的な例です。彼女が歌っている姿を想像してみてください。その声は、聞く人の心を奪うほど美しいでしょう。まるで神様からの贈り物のように、特別な才能が与えられている様子が伝わります。
This island is richly endowed with natural beauty.
この島は豊かな自然の美しさに恵まれています。
※ ここでは、場所や地域が持つ「恵まれた特性」を表す際に「endow」が使われています。目を閉じれば、青い海、緑豊かな森、澄んだ空が広がる美しい島の景色が目に浮かびませんか?「richly」(豊かに)という言葉が加わることで、その恵みがどれほど大きいかが強調され、より鮮やかな情景が描かれています。
The old king was endowed with great wisdom and kindness.
その老いた王は、素晴らしい知恵と優しさに恵まれていました。
※ この例文は、人や組織が持つ、目には見えないけれど非常に価値のある資質や特性について「endow」を使う例です。この王様は、ただ権力があるだけでなく、多くの人々を導く知恵と、皆に寄り添う優しさを持っていたことが伝わります。彼の決断が民を幸せにし、人々から深く尊敬されていた様子を想像できますね。
コロケーション
(人)に(資質・能力など)を授ける、恵む
※ この構文は、人が生まれつき持っている才能や資質、あるいは後天的に与えられた能力について述べる際に使われます。例えば、"Nature endowed him with a brilliant mind."(自然は彼に素晴らしい知性を授けた)のように使います。ポイントは、"with"という前置詞が、授けられたものが何であるかを示す点です。"bestow"も似た意味ですが、"endow"はより永続的な性質や能力を指すニュアンスがあります。また、"endow"はしばしば受動態で使われ、"be endowed with"の形で「〜を授けられている」という意味になります。ビジネスシーンやアカデミックな文脈でよく見られます。
大学に寄付する、基金を設立する
※ "endow"は、慈善団体や教育機関などへの寄付行為を指す場合にも使われます。特に、大学などの教育機関に対して長期的な財政支援を行う場合に用いられることが多いです。"endow a chair"(講座を寄付する)のように、特定の目的のために資金を提供する場合もあります。この用法は、口語よりもフォーマルな文脈、特に大学の広報資料やニュース記事などでよく見られます。単に"donate"(寄付する)と言うよりも、長期的な視野で組織の発展を支えるというニュアンスが強くなります。
(資源・才能などに)恵まれている
※ この表現は、ある場所や人が豊富な資源や才能を持っていることを強調する際に用いられます。例えば、"The region is richly endowed with natural resources."(その地域は天然資源に恵まれている)のように使います。"richly"という副詞が、その恵みが非常に豊富であることを示しています。この表現は、資源だけでなく、人の才能や能力に対しても使うことができます。例えば、"She is richly endowed with musical talent."(彼女は音楽の才能に恵まれている)のように使います。ややフォーマルな言い方で、文学的な表現としても用いられます。
法的権利を付与する
※ 法律や政府が、個人や団体に特定の法的権利を与えることを意味します。例えば、"The new law endows citizens with the right to free speech."(新しい法律は国民に言論の自由の権利を付与する)のように使われます。この表現は、権利の付与が公式な手続きを経て行われることを強調します。"grant"(与える)も似た意味ですが、"endow"はより公式で永続的な権利の付与を指す傾向があります。法律文書や政治的な議論でよく用いられる表現です。
権力を授ける、権限を与える
※ 誰かに権力や権限を与えることを意味します。この表現は、しばしば神や運命といった超越的な存在が人々に特別な力を与えるという文脈で使用されます。例えば、"Fate endowed him with the power to change the world."(運命は彼に世界を変える力を授けた)のように使われます。"bestow"も似た意味ですが、"endow"はより根源的で、その人の本質的な能力に関わる権力の付与を指すニュアンスがあります。文学作品や神話的な物語でよく見られる表現です。
図書館に寄付する、図書館の基金を設立する
※ 大学を寄付する、と同様に、図書館に対して長期的な財政支援を行う場合に用いられる表現です。特定の蔵書や設備のために資金を提供する場合もあります。この用法は、口語よりもフォーマルな文脈、特に図書館の広報資料やニュース記事などでよく見られます。単に"donate to a library"(図書館に寄付する)と言うよりも、長期的な視野で図書館の発展を支えるというニュアンスが強くなります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特定の才能や性質が与えられていることを述べる際に使用されます。例えば、生物学の研究で「特定の遺伝子によって、ある生物が特定の能力を授けられている」という文脈や、社会科学で「ある社会集団が特定の文化的価値観を授けられている」という文脈で使われます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、企業や組織が特定の資源や権限を与えられていることを示すフォーマルな文脈で使用されます。例えば、「その会社は政府から特別な権限を授けられている」というように、公式な文書やプレゼンテーションなどで見られます。日常的な会話ではあまり使いません。
日常生活では、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、特定の人物が才能や富を授けられていることを説明する際に使われることがあります。例えば、「彼は生まれながらに音楽の才能を授けられている」というように、やや硬い言い方で使われます。日常会話ではほとんど使用しません。
関連語
類義語
『授ける』『与える』という意味で、名誉・称号・才能・贈り物などを公式または儀式的に与える際に使われる。ややフォーマルな場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『endow』が才能や資質などを生まれつき与えるという意味合いが強いのに対し、『bestow』は努力や功績に対して後から与えるという意味合いが強い。また、『bestow』はより意識的な行為であり、権威ある立場からの授与を連想させる。 【混同しやすい点】『bestow』は通常、具体的な物や抽象的な概念(名誉、賞など)に対して使われ、生まれつきの資質に対しては使いにくい。また、『endow』が基金や資金を寄付するという意味を持つ場合、『bestow』は使えない。
『与える』『許可する』という意味で、要求や願いに対して許可を与えたり、権利や特権を公式に与えたりする際に使われる。政府や機関が資金援助を行う場合にも使われる。 【ニュアンスの違い】『endow』が生まれつきの資質や才能を与えるという意味合いが強いのに対し、『grant』は許可や権利、資金援助など、後天的に与えるものに対して使われる。また、『grant』は申請や要求に基づいて与えられるというニュアンスがある。 【混同しやすい点】『grant』は通常、具体的な許可や権利、資金援助などに対して使われ、生まれつきの才能や資質に対しては使いにくい。また、『endow』が永続的な性質を持つ場合があるのに対し、『grant』は一時的な許可や援助を意味することがある。
『供給する』『備え付ける』という意味で、必要なもの(家具、設備、情報など)を提供する際に使われる。ビジネスや技術的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『endow』が才能や資質などを与えるという意味合いが強いのに対し、『furnish』は物理的なものや情報を提供するという意味合いが強い。また、『furnish』は必要に応じて提供するというニュアンスがある。 【混同しやすい点】『furnish』は通常、具体的な物や情報に対して使われ、生まれつきの才能や資質に対しては使いにくい。また、『furnish』はしばしば『with』を伴い、『furnish A with B』の形で『AにBを提供する』という意味になる。
『装備する』『備え付ける』という意味で、特定の目的のために必要なものを与える際に使われる。軍事、スポーツ、技術的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『endow』が才能や資質などを与えるという意味合いが強いのに対し、『equip』は特定の目的を達成するために必要な道具や技能を与えるという意味合いが強い。また、『equip』は準備を整えるというニュアンスがある。 【混同しやすい点】『equip』は通常、具体的な物や技能に対して使われ、生まれつきの才能や資質に対しては使いにくい。また、『equip』はしばしば『with』を伴い、『equip A with B』の形で『AにBを装備させる』という意味になる。
『投資する』という意味で、時間、お金、労力などを将来の利益のために投入する際に使われる。ビジネス、金融、自己啓発の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『endow』が才能や資質などを生まれつき与えるという意味合いが強いのに対し、『invest』は意図的に資源を投入するという意味合いが強い。また、『invest』は将来のリターンを期待するというニュアンスがある。 【混同しやすい点】『invest』は通常、時間、お金、労力などに対して使われ、生まれつきの才能や資質に対しては使いにくい。ただし、「invest someone with authority」のように、権限を誰かに与えるという意味で使われる場合もある。
『遺贈する』という意味で、遺言によって財産や権利などを譲り渡す際に使われる。法律や相続に関する文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】『endow』が才能や資質などを与えるという意味合いが強いのに対し、『bequeath』は遺産や財産を譲り渡すという意味合いが強い。また、『bequeath』は死後に効力が発生するというニュアンスがある。 【混同しやすい点】『bequeath』は通常、財産や権利に対して使われ、生まれつきの才能や資質に対しては使いにくい。また、『bequeath』は遺言という法的な手続きを伴うことが前提となる。
派生語
名詞で「寄付(行為)」「(天賦の)才能」。動詞endowの行為・結果を表す名詞形。大学への寄付金や、生まれつき備わった能力を指す場合に使われる。日常会話よりは、フォーマルな場面や学術的な文脈で用いられることが多い。
「持参金」。endowの語源である「dōt- (与える)」に関連し、結婚の際に女性が持参する財産を指す。現代では、歴史的な文脈や文化人類学的な議論で見られることが多い。
反意語
- divest
「(権利・財産などを)剥奪する」。endowが「与える」という意味合いなのに対し、divestは「奪う」という意味で対立する。特に、経済や法律の文脈で、企業が資産を売却したり、個人の権利を剥奪される状況を表す。
「奪う、剥奪する」。endowが「授ける」という意味合いに対し、depriveは「奪い取る」という意味で対立する。特に、自由、権利、財産など、重要なものを奪う際に用いられる。日常会話でも使われる。
語源
「endow」は、古フランス語の「endouer」(与える、恵む)に由来し、さらに遡るとラテン語の「indotare」(花嫁に持参金を与える)から来ています。ここで重要なのは、「in-」という接頭辞が「中に、〜へ」という意味を持ち、「dotare」が「dowry(持参金)を与える」という意味を持つことです。つまり、「endow」は元々、花嫁に持参金を与える行為、すなわち何かを人に備えさせる、恵むという意味合いを含んでいました。これが転じて、現代英語では才能や資質を「授ける」、資金や財産を「寄付する」という意味で使われるようになりました。日本語で例えるなら、親が子供に将来のために資産を「仕送り」するイメージに近いかもしれません。この語源を知ることで、「endow」が単なる「与える」以上の、特別な意味合いを持つ単語であることが理解できます。
暗記法
「endow」は単なる付与を超え、未来への投資を意味します。中世の教会への寄進は、神の恩寵と救済を願う行為でした。貴族や富豪は大学や病院をendowし、後世に名を残しました。現代では、大学基金や環境保護への寄付もendowの一環です。社会貢献と未来への希望を結びつける、人類の知恵と善意の証。endowは未来を創造する行為なのです。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語頭の母音と 'nd' の子音連結が共通しているため混同しやすい。意味は『(人に)~を着せる』『(性質などを)与える』と、直接的な意味の関連性はないが、どちらも『与える』という意味合いを含む点で誤解を生む可能性がある。 'indue' はやや古風な表現。
'en-' で始まる語であるため、発音の最初の部分が似ており、スペルも 'en' が共通しているため混同しやすい。『確実にする』という意味で、'endow' の『(人に才能などを)授ける』とは意味が異なる。'ensure' は、結果を保証するというニュアンスが強い。
語幹の 'dorse' の部分が 'dow' と視覚的に似ており、発音も一部共通する。意味は『(意見などを)支持する』『(小切手などに)裏書きする』であり、'endow' とは全く異なる。語源的には、'endorse' は背中(dorsum)に書くことに由来し、'endow' は与える(dowry)に由来するため、関連性はない。
語尾の 'dow' の音が共通しており、スペルも一部似ているため、発音を聞き間違えやすい。意味は『窓』であり、'endow' とは全く異なる。ただし、'window' の語源は古ノルド語の 'vindauga' (風の目)であり、'endow' とは無関係。
語頭に否定の接頭辞 'un-' がついているため、発音が似ているように聞こえることがある。意味は『元に戻す』『取り消す』であり、'endow' の『授ける』とは反対の意味合いを持つ。 'undo' は、文字通り 'do' (行う) の逆、つまり『行わない』という意味。
最初の音節が似ており、特に母音と鼻音 (en-) の組み合わせが共通しているため、発音を聞き間違えやすい。意味は『使節』であり、'endow' とは全く異なる。'envoy' はフランス語由来で、『送り出す』という意味合いを持つ。
誤用例
日本語の「〜に寄付する」という発想から、つい受動態で「endow to 人」という形を作りやすいですが、endowは基本的に「endow 目的語 with/for 〜」または「endow 目的語」の形で使われます。ここでは「祖父が大学に資金を寄付した」という能動的な行為に焦点を当てるべきであり、endowの対象は大学そのものです。日本人が目的語と前置詞の組み合わせを誤りやすい典型例です。英語では、誰が何をしたかを明確にする能動態が好まれる傾向があります。
「endow」は、良い意味でも悪い意味でも使える言葉ですが、特に才能や資質について述べる場合、「bless」の方がより自然で一般的な表現です。「endow」は、よりフォーマルで、公式な文脈や文書で使われることが多いです。また、皮肉を込めて使う場合でも、「bless」の方が語感が柔らかく、相手を傷つけにくいニュアンスがあります。日本人は、言葉の持つニュアンスの違いに気づきにくいことがありますが、英語では、言葉の選択によって、相手への印象が大きく変わることがあります。「endow」は、神や運命が与えたというニュアンスよりも、制度や組織が与えたというニュアンスが強いため、個人の資質を述べるには不自然に聞こえることがあります。
「endow」が持つ権利や能力は、多くの場合、生来のもの、あるいは非常に重要なものとして認識されます。幸福追求権は重要な権利ですが、その権利を行使する場面として「買い物に行く」というのは、やや軽率な印象を与えます。「exercise our freedom of choice(選択の自由を行使する)」のような、より抽象的で知的な表現の方が、文脈に合っています。日本人は、権利という言葉を安易に使いがちですが、英語では、権利を行使する際には、その権利の重要性を意識する必要があります。また、権利を行使する行為も、権利に見合った重みを持つものであるべきです。
文化的背景
「endow」は、単に「与える」という行為を超え、永続的な価値や能力、特権を授けるという、深い文化的意味合いを持ちます。それは、神から人への才能の授与、富豪による慈善事業、あるいは国家による権利の保障など、社会の根幹を支える「未来への投資」という概念と強く結びついています。
中世ヨーロッパにおける教会や修道院への土地や財産の寄進は、「endow」の語源的な意味合いを色濃く反映しています。当時の人々は、寄進によって神の恩寵を得て、来世での救済を願いました。つまり、「endow」は単なる財産の譲渡ではなく、精神的な価値、永遠の繁栄への願いを込めた行為だったのです。貴族や富豪たちは、自らの名前を後世に残し、社会的な影響力を維持するために、大学や病院を「endow」しました。これらの施設は、寄進者の意向を反映し、特定の分野の研究や教育を推進することで、社会全体の発展に貢献しました。
現代社会においても、「endow」は単なる寄付とは一線を画します。大学の基金(endowment fund)が良い例でしょう。これは、寄付された資金を運用し、その収益を教育や研究活動に充てるためのものです。大学は、この基金によって長期的な視点での活動が可能となり、社会に貢献できる人材育成や革新的な研究を継続的に行うことができます。また、近年では、環境保護や社会正義といった分野への「endow」も増加しており、企業の社会的責任(CSR)の一環として、あるいは個人の価値観を反映した行動として注目されています。
「endow」という言葉は、未来への希望と社会への貢献を結びつける、力強いメッセージを内包しています。それは、過去から現在、そして未来へと受け継がれる、人類の知恵と善意の証なのです。私たちが何かを「endow」するとき、それは単に何かを与えるだけでなく、未来を創造する行為そのものと言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で出題される可能性あり。特に準1級で頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな話題、社会問題など。やや硬い文章で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「授ける」「与える」という意味の他に、「(才能などを)恵む」という意味があることを理解する。類義語であるaward, grant, bestowとのニュアンスの違いを理解することも重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rでは、それほど頻繁には出題されない。TOEIC S&Wでの使用頻度も高くない
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの使用は稀。どちらかというと、アカデミックな内容や社会的な話題で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては、優先順位は高くない。もし出題された場合は、文脈から意味を推測する能力が重要。acquire, provideなど、より一般的な語彙を優先して学習するのが効率的。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、科学、歴史などのテーマ。抽象的な概念や理論の説明で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 類義語であるbestow, confer, grantとの違いを理解することが重要。文脈によって最適な語を選ぶ必要がある。名詞形 endowment も重要。
- 出題形式: 長文読解、和訳、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。標準的なレベルの大学では、頻出とは言えない
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、幅広いテーマで使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。単語帳だけでなく、実際に文章の中でどのように使われているかを確認することが大切。