withstand
最初の 'wi' は、日本語の『ウィ』よりも唇を左右に引き、短く発音します。th の音は、舌先を上下の歯で軽く挟んで息を出す有声音です。『ザ』に近い音になります。'stand' の 'a' は、日本語の『ア』よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。強勢は 'stand' に置かれるため、そこを意識して発音するとより自然になります。
耐え抜く
困難や試練、圧力などに屈せず、最後まで持ちこたえるニュアンス。物理的な力だけでなく、精神的な苦痛にも使われる。例文: withstand the pressure (プレッシャーに耐え抜く)
The small tree had to withstand the strong wind all night long.
その小さな木は、一晩中ずっと強い風に耐え抜かなければなりませんでした。
※ この例文では、小さな木が嵐のような強い風にじっと耐えている情景が目に浮かびますね。「withstand」は、このように自然の力や物理的な攻撃に「持ちこたえる」「耐える」という状況で非常によく使われます。必死に頑張る姿が伝わる典型的な使い方です。
She learned how to withstand the pressure of exams and stay calm.
彼女は試験のプレッシャーに耐え、落ち着いていられる方法を学びました。
※ ここでは、試験という精神的な「プレッシャー」に「耐える」という文脈で「withstand」が使われています。心の強さや成長を表す際にぴったりです。勉強や仕事で感じるストレスや困難に打ち勝つイメージで使われることが多いですよ。
Our old friendship has managed to withstand many ups and downs over the years.
私たちの古い友情は、長年にわたる多くの浮き沈みに耐え抜いてきました。
※ この例文は、長年の間に経験する様々な良いことや悪いこと(ups and downs)に「友情」が「耐え抜いてきた」ことを示しています。このように、人間関係や組織、物事が時間の経過や困難な状況に耐え、存続していく様子を描写する際にも「withstand」は自然に使われます。「manage to do」は「なんとか~する」という意味で、困難を乗り越えたニュアンスが出ます。
持ちこたえる
何かが崩れたり、壊れたりするのを防ぎ、維持する意味合い。建物や構造物が自然災害や時間の経過に耐える状況などに使われる。例文: withstand earthquakes (地震に持ちこたえる)
The old tree amazingly withstood the strong wind during the typhoon.
その古い木は、台風の間、ものすごい強風によく持ちこたえた。
※ 台風の夜、窓の外で木が激しく揺れているのが見えます。倒れてしまうのではないかと心配しましたが、朝になって見ると、その木はしっかりと立っていました。この例文は、自然の猛威に「耐え抜く」様子を描いています。「withstand」は、このように物理的な力に「持ちこたえる」ときによく使われます。
She had to withstand a lot of pressure to finish the project on time.
彼女はプロジェクトを期限までに終わらせるため、たくさんのプレッシャーに耐えなければならなかった。
※ 重要なプロジェクトの締め切りが迫り、彼女は連日遅くまで残業していました。上司からの期待やチームの責任が重くのしかかり、精神的にも肉体的にも大変な状態。しかし、彼女は弱音を吐かず、その重圧に必死で耐え、ついにプロジェクトを完成させました。このように、「withstand」は物理的な力だけでなく、「プレッシャー」や「困難」といった目に見えないものに「耐える」際にも使われます。
These outdoor chairs are designed to withstand years of harsh weather.
これらの屋外用の椅子は、何年もの厳しい天候に耐えられるように設計されています。
※ お店で丈夫そうな屋外用の椅子を見つけました。店員さんが「この椅子は、雨や雪、強い日差しに何年もさらされても大丈夫ですよ」と説明してくれます。まるで、どんなに天気が荒れても、庭にどっしりと置かれたまま、色あせることなく形を保っている椅子の姿が目に浮かびます。「be designed to withstand...」は「~に耐えるように設計されている」という意味で、製品の耐久性を説明する際によく使われる表現です。
抵抗する
攻撃や影響力に対して、積極的に立ち向かうニュアンス。相手の行動や意見に反対し、自分の立場を守る際に使われる。例文: withstand an invasion (侵略に抵抗する)
The old tree surprisingly managed to withstand the strong wind during the big storm.
その古い木は、大きな嵐の強い風に驚くほど耐え抜きました。
※ この例文では、強い風という物理的な力に対して、木が「持ちこたえる」「耐え抜く」様子を描いています。嵐の中で、木が折れずに必死に踏ん張っている姿が目に浮かびますね。「manage to」は「なんとか~する」というニュアンスで、困難な状況でも頑張って耐えた気持ちが伝わります。
She had to withstand a lot of criticism when she decided to pursue her dream.
彼女は自分の夢を追いかけると決めた時、多くの批判に耐えなければなりませんでした。
※ ここでは、精神的な圧力や周囲からの批判に「耐える」という「withstand」の使い方です。新しいことに挑戦する時、反対意見や厳しい言葉に心が折れそうになることがありますよね。それでも負けずに耐え続ける、という強い意志が感じられます。「had to」は「~しなければならなかった」という、避けられない状況での必要性を示します。
This new smartphone is designed to withstand accidental drops and splashes of water.
この新しいスマートフォンは、不意の落下や水の飛び散りに耐えるように設計されています。
※ この例文では、製品が外部からの衝撃や水濡れといったダメージに「耐える」という文脈で使われています。うっかりスマホを落としてしまったり、水がかかってしまったりしても壊れない、という耐久性の高さが伝わりますね。「designed to」は「~するように設計されている」という意味で、その製品が持つ特徴を説明する際によく使われます。
コロケーション
圧力に耐える、プレッシャーに屈しない
※ 物理的な圧力だけでなく、精神的なプレッシャーや社会的圧力など、広範囲な状況で用いられます。ビジネスシーンでは、納期や目標達成のプレッシャーに耐える状況、政治的な文脈では、世論や反対勢力の圧力に屈しない姿勢などを指します。'stand up to pressure'よりも、より持続的な抵抗や耐久性を強調するニュアンスがあります。
精査に耐える、厳しい目で見ても問題ない
※ 詳細な調査や厳しい検査を受けても、欠陥や不正が見つからないことを意味します。製品の品質、研究結果の妥当性、法律の正当性など、様々な対象に対して使われます。'scrutiny'は綿密な調査を意味するため、このコロケーションは信頼性や透明性をアピールする際に効果的です。例えば、企業の財務諸表が監査法人の精査に耐える、といった文脈で使用されます。
時の試練に耐える、長年にわたって価値を保つ
※ 長い年月を経ても品質や価値が損なわれないことを表す表現です。芸術作品、建築物、アイデア、理論など、抽象的なものから具体的なものまで幅広く使われます。単に時間が経過するだけでなく、その間に様々な変化や挑戦があったにも関わらず、価値を維持している点が重要です。例えば、「この小説は時の試練に耐え、今も多くの読者に愛されている」のように使われます。
損傷に耐える、ダメージを受けても壊れない
※ 物理的な損傷に対する耐久性を指す表現です。建物、機械、製品などが、衝撃、熱、水などによる損傷に耐えられることを意味します。'resist damage'と似ていますが、'withstand'はより積極的にダメージに抵抗し、影響を最小限に抑えるニュアンスがあります。例えば、耐震構造の建物が地震による損傷に耐える、といった状況で使用されます。
誘惑に耐える、誘惑に負けない
※ 魅力的な誘惑や衝動に打ち勝つことを意味します。ダイエット中の人が食べ物の誘惑に耐える、ギャンブル依存症の人が賭け事の誘惑に耐える、といった状況で使われます。道徳的な文脈で用いられることが多く、自己制御の強さを示す表現です。'resist temptation'とほぼ同義ですが、'withstand'はより強い意志の力を感じさせます。
悪天候に耐える、自然の猛威に耐える
※ 雨、風、雪、暑さ、寒さなどの厳しい自然環境に耐えることを意味します。建物、衣服、アウトドア用品などが、悪天候下でも機能を維持できることを指します。'elements'は自然の力を擬人化した表現で、このコロケーションは自然に対する強靭さを強調します。例えば、登山用のテントが厳しい気象条件に耐える、といった文脈で使用されます。
攻撃に耐える、攻撃を防ぐ
※ 物理的な攻撃だけでなく、言葉による攻撃やサイバー攻撃など、様々な種類の攻撃に対して用いられます。軍事的な文脈では、敵の攻撃に耐え抜くことを意味し、ビジネスシーンでは、競合他社の攻撃的な戦略に対抗することを指します。'fend off an attack'よりも、より強固な防御体制を築き、攻撃を阻止するニュアンスがあります。
使用シーン
学術論文や専門書で、困難や圧力に耐える状況を説明する際に使われます。例えば、材料科学の論文で「この素材は極端な温度変化に耐えうる(withstand)」と記述したり、歴史学の論文で「その国は長年の経済制裁に耐え抜いた(withstand)」と記述したりする場合に使われます。フォーマルな文体で使用され、客観的な事実を述べる際に適しています。
ビジネスシーンでは、主に報告書やプレゼンテーションなどのフォーマルな文書で使用されます。例えば、「このプロジェクトは厳しい市場競争に耐えなければならない(withstand)」と述べたり、「当社のシステムは大規模なデータ処理に耐えられる(withstand)」と説明したりする際に使われます。日常会話よりは、書面でのコミュニケーションで使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、困難な状況や試練に耐える様子を伝える際に使われることがあります。例えば、「その家族は困難な時期を耐え抜いた(withstand)」というように、比較的深刻な状況を描写する際に用いられます。よりカジュアルな言い方としては、'get through' や 'cope with' などが使われることが多いです。
関連語
類義語
困難や苦痛などを耐え忍ぶ、という意味。持続的な苦難に対する忍耐力を表し、精神的、肉体的な苦痛、試練、困難な状況など、幅広い対象に使われる。日常会話、文学、学術的な文脈でも使用される。 【ニュアンスの違い】『withstand』よりも、より受動的に耐え忍ぶニュアンスが強い。『withstand』は積極的に抵抗し持ちこたえるイメージ。『endure』は、苦しみや困難を経験し、それを乗り越えるプロセスに重点がある。 【混同しやすい点】『endure』は自動詞としても他動詞としても使えるが、目的語を取る場合は苦痛や困難な状況などを指すことが多い。また、『endure』はしばしば感情的な苦痛や長期的な試練を伴う状況で使われる。
何かに対して抵抗する、反抗するという意味。物理的な力、誘惑、圧力、変化など、様々な対象に対して使われる。政治的な抵抗運動や、病気に対する抵抗力など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『withstand』は外部からの圧力に耐えることに重点があるのに対し、『resist』は積極的に反抗し、その影響を受けないようにする意志を表す。抵抗の主体が明確であることが多い。 【混同しやすい点】『resist』は他動詞であり、必ず目的語を伴う。また、『resist』はしばしば、何かを拒否する、または受け入れないというニュアンスを含む。例えば、『resist temptation(誘惑に抵抗する)』など。
重さや苦痛などを『耐える』『我慢する』という意味に加え、『(子供を)産む』という意味も持つ。日常会話で広く使われるが、フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】『withstand』よりも、より強い苦痛や困難に対する忍耐を意味することが多い。また、負担や責任を『負う』という意味合いも含まれる。『withstand』が客観的な抵抗を意味するのに対し、『bear』は主観的な苦痛の感情を伴うことが多い。 【混同しやすい点】『bear』は多義語であり、文脈によって意味が大きく異なる点に注意が必要。『withstand』のように物理的な力に耐えるという意味だけでなく、感情的な苦痛や責任を負うという意味も持つため、文脈を考慮する必要がある。
好ましくないことや不快なことを許容する、という意味。他人の行動、意見、環境など、様々な対象に対して使われる。ビジネスや政治的な文脈でも使用される。 【ニュアンスの違い】『withstand』が積極的に抵抗し、持ちこたえるイメージなのに対し、『tolerate』は受け入れざるを得ない状況を受け入れる、というニュアンスが強い。必ずしも好ましい状況ではないことを前提とする。 【混同しやすい点】『tolerate』は他動詞であり、必ず目的語を伴う。『withstand』が物理的な圧力や困難に耐えることを意味するのに対し、『tolerate』は精神的な不快感や不満を抑えて許容することを意味する。
- hold out
困難な状況や攻撃に対して持ちこたえる、という意味。特に、時間的な持続性や、困難な状況下での粘り強さを強調する。軍事的な文脈やスポーツなど、競争的な状況でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『withstand』と同様に、外部からの圧力に耐えることを意味するが、『hold out』はより積極的に抵抗し、最後まで諦めないというニュアンスが強い。また、時間的な要素が重要であり、どれだけ長く持ちこたえられるか、という点に焦点が当てられる。 【混同しやすい点】『hold out』は句動詞であり、しばしば前置詞や副詞を伴う。『withstand』のように単独で使用されることは少ない。また、『hold out』はしばしば、希望を持ち続ける、または何かを期待するという意味合いも含む。
戦う、という意味。物理的な戦闘だけでなく、問題や困難と闘うという意味でも使われる。病気、犯罪、貧困など、抽象的な対象に対しても使用される。 【ニュアンスの違い】『withstand』が圧力に耐えることを意味するのに対し、『combat』は積極的に攻撃し、打ち負かそうとするニュアンスが強い。より積極的で攻撃的な抵抗を意味する。 【混同しやすい点】『combat』は他動詞としても自動詞としても使える。他動詞として使う場合は、戦う対象を目的語として取る。また、『combat』はしばしば、公式な、または組織的な闘争を意味することが多い。
派生語
『立場』や『観点』を意味する名詞。『stand(立つ)』と『point(点)』が組み合わさり、文字通り『立つ点』から、意見や見解の基盤となる立場を示す。日常会話からビジネスシーン、学術論文まで幅広く使用される。
『地位』、『評判』、『存続』などを意味する名詞または形容詞。動詞『stand』の現在分詞形に由来し、『立っている状態』から、社会的な地位や評価、物事が存続している状態を表す。ビジネスや法律、スポーツなどの文脈で頻繁に見られる。
『傑出した』、『未払いの』を意味する形容詞。『out-(外へ)』と『standing(立っている)』が組み合わさり、『他よりも外に立って目立つ』状態から、優れた品質や未解決の状態を示す。ビジネスや教育、日常会話で使用頻度が高い。
反意語
『屈する』、『負ける』を意味する動詞。『withstand』が物理的・精神的な抵抗に耐えるのに対し、『succumb』は圧力や誘惑に抵抗できずに降伏する状況を表す。日常会話よりも、ややフォーマルな文脈や文学作品で用いられることが多い。
『屈する』、『譲歩する』、『産出する』を意味する動詞。『withstand』が抵抗するのに対し、『yield』は相手の要求や圧力に屈したり、自分の権利や立場を譲ったりする状況を示す。また、『産出する』という意味では、抵抗する対象がないため、反意語とは言えない場合もある。ビジネスや交渉、農業などの文脈で使用される。
『崩壊する』、『倒壊する』を意味する動詞。『withstand』がある程度の負荷に耐えるのに対し、『collapse』は耐えきれずに崩れ落ちる状態を表す。物理的な構造物だけでなく、組織や計画が失敗に終わる場合にも使用される。ニュースや災害報道、ビジネスシーンでよく使われる。
語源
"withstand」は、古英語の「wiþstandan」に由来します。「wiþ-」は「反対に、対抗して」という意味の接頭辞で、現代英語の「with」に相当します。一方、「standan」は「立つ、耐える」という意味です。つまり、「withstand」は文字通りには「反対に立つ」、そこから「抵抗する、持ちこたえる、耐え抜く」という意味に発展しました。日本語で例えるなら、「立ち向かう」という言葉が近いかもしれません。「困難に立ち向かう」「試練に立ち向かう」といった表現が、「withstand」の持つ抵抗や忍耐のニュアンスを捉えています。この単語は、困難や圧力に対して物理的、精神的に持ちこたえるイメージを想起させます。
暗記法
「withstand」は、城壁が敵の攻撃に耐えるように、目に見えぬ強靭さを表す言葉。国家、信仰、共同体の存続をかけた闘いを象徴し、人々の記憶に深く刻まれています。文学では、主人公が苦難に耐え、信念を貫く姿を描写。サタンが地獄の苦しみに耐える姿は、逆境に立ち向かう精神の象徴です。現代では、個人の内面的強さ、組織の危機管理能力を表し、時代を超え、困難に立ち向かう人間の普遍的な精神を象徴します。
混同しやすい単語
『withstand』と『withhold』は、どちらも『with-』で始まるため、スペルが非常に似ており、意味も『抑える』という点で共通認識があるため混同しやすい。しかし、『withstand』は『耐える』、『withhold』は『保留する、差し控える』という意味で、ニュアンスが異なる。特にビジネスシーンでは、意図しない誤解を避けるため、使い分けに注意が必要。
『withstand』と『understand』は、語尾の『-stand』が共通しているため、スペルの一部が似ている。また、どちらも日常会話で頻繁に使われる単語であるため、混同しやすい。意味は全く異なり、『understand』は『理解する』。発音も異なるため、注意して聞く必要がある。
『withstand』の現在分詞形である『withstanding』は、スペルが非常に似ており、文法的な知識がないと区別が難しい。意味は『withstand』と同じ『耐える』だが、文脈によって使い分ける必要がある。例えば、『withstanding the pressure』のように使用する。
『withstand』と『resist』は、どちらも『抵抗する』という意味を持つため、意味が混同しやすい。しかし、『withstand』は『困難や攻撃に耐える』という意味合いが強く、『resist』は『積極的に抵抗する』という意味合いが強い。例えば、物理的な攻撃に『withstand』は使いにくい。
『withstand』の語源である『stand』は、スペルの一部が共通しているため、混同しやすい。『stand』は『立つ』という意味の基本的な単語だが、『withstand』は『耐える』という意味に変化している。接頭辞『with-』が加わることで意味が大きく変わることを理解することが重要。
『withdrawn』は、動詞『withdraw』の過去分詞形で、スペルの先頭部分が『with-』で共通しているため、『withstand』と混同しやすい。『withdraw』は『引き出す、撤回する』という意味であり、『withstand』とは意味が異なる。特に、心理的な状況を表す際に『引きこもった』という意味で使われることがあるため、文脈に注意する必要がある。
誤用例
『withstand』は、日本語の『耐える』という言葉から連想されがちですが、より強い力や圧力、困難に『抵抗して耐える』ニュアンスが強く、物理的な力や精神的な攻撃に対して使われることが多いです。日常的な不快な状況、例えば相手のつまらないジョークに『耐える』場合には、より口語的で一般的な『put up with』を使う方が自然です。日本語の『耐える』は、英語では状況によって『endure』『bear』『tolerate』など様々な表現に置き換わるため、文脈に合わせた適切な選択が必要です。
『withstand』は他動詞であり、前置詞を伴いません。『〜に耐える』という日本語の表現に引きずられて、つい『to』などの前置詞を付けてしまいがちですが、これは誤りです。『withstand』は直接目的語を取り、『The company withstood the pressure』のように表現します。日本語の『〜に』という表現は、英語では常に前置詞が必要というわけではないことを理解することが重要です。例えば、『影響を与える』は『affect』であり、『affect to』とは言いません。
『withstand』は、ある特定の瞬間や期間における試練や圧力に耐えることを意味することが多いです。一方、『stand the test of time』は、長期にわたる耐久性や価値を証明するという意味合いが強く、時の試練に耐えて現在も存在している、というニュアンスを表す場合には、現在完了形の『has stood the test of time』がより適切です。また、『withstand』はややフォーマルな印象を与えるため、日常会話では『survive』や『hold up』などがより自然な選択肢となることもあります。この誤用は、日本語の『時の試練に耐える』という表現を直訳しようとする際に起こりやすいです。
文化的背景
「withstand」は、単に物理的な抵抗だけでなく、困難や試練、そして時間そのものに耐え抜く不屈の精神を象徴する言葉です。それは、城壁が敵の攻撃に耐えるように、あるいは人間の精神が絶望に屈しないように、目に見えない力強さを表します。
この単語は、しばしば歴史的な文脈において、国家や信念が脅威にさらされた状況で用いられてきました。例えば、ローマ帝国の崩壊後、キリスト教は様々な迫害に「withstand(耐え)」、その教えを広めていきました。また、中世の城塞都市は、侵略者の包囲に「withstand(抵抗)」し、市民の生活を守りました。このように、「withstand」は、単なる防衛以上の意味を持ち、文化や信仰、共同体の存続をかけた闘いを表す言葉として、人々の記憶に深く刻まれています。
文学作品においても、「withstand」は、主人公の精神的な強さや、運命に立ち向かう姿勢を描写するために用いられます。例えば、シェイクスピアの悲劇では、主人公が様々な苦難に「withstand(耐え)」ながらも、最終的には自己の信念を貫き通す姿が描かれます。また、ミルトンの『失楽園』では、サタンが神に反逆し、地獄の苦しみに「withstand(耐える)」姿が、逆境に立ち向かう不屈の精神の象徴として描かれています。これらの作品を通して、「withstand」は、単なる忍耐ではなく、困難に打ち勝つための意志の力、そして人間性の尊厳を象徴する言葉として、文学の世界で重要な役割を果たしています。
現代社会においても、「withstand」は、個人の内面的な強さや、組織の危機管理能力を表す言葉として、広く用いられています。例えば、企業が経済的な不況に「withstand(耐え)」、事業を継続していくことは、その組織の強靭さを示すものです。また、個人が病気や困難に「withstand(耐え)」、希望を失わずに生きていくことは、人間の精神的な強さを示すものです。このように、「withstand」は、時代を超えて、困難に立ち向かう人間の普遍的な精神を象徴する言葉として、私たちの文化に深く根付いています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな話題、社会問題、環境問題など。やや硬めの文章。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「耐える」「抵抗する」の意味に加え、「立証する」の意味もあることを覚えておく。類義語の「endure」「tolerate」とのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも時々見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン、契約、経済状況など。困難な状況に耐える、という意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 主に困難な状況や圧力に「耐える」という意味で使われる。類義語の「bear」「sustain」との使い分けを意識する。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章、科学、歴史、社会学など。抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の中で、困難な状況や圧力に耐える、という意味で使われることが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。
- 出題形式: 長文読解、和訳、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術、歴史など。論説文や評論文でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈における意味を正確に把握することが重要。和訳問題では、適切な日本語に置き換える必要がある。英作文では、類義語との使い分けを意識して、より適切な表現を選ぶ。