defendant
強勢は2番目の音節 "fen" にあります。"de" の部分は、日本語の『デ』よりも曖昧な母音 /ɪ/ で発音され、口をあまり開けずに発音します。最後の "-ant" は、日本語の『アント』に近いですが、/ə/ の部分はさらに弱く、ほとんど聞こえないくらいで良いでしょう。全体として、各音節の長さと強弱に注意して発音すると、より自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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被告人
訴訟や刑事事件において、訴えられた側の人。無罪を主張する権利を持つ。日本語の『被告』とほぼ同じ意味で、法律用語として用いられる。
The defendant stood quietly in front of the judge.
被告人は裁判官の前に静かに立っていました。
※ この例文は、法廷での緊張した場面を描写しています。静まり返った法廷で、被告人が裁判官の前に立つ様子が目に浮かぶでしょう。「defendant」は裁判の場で使われる、非常に典型的な単語です。「in front of ~」で「~の前に」という位置関係を表します。
News reported that the defendant denied the charges.
ニュースは、被告人が容疑を否認したと報じました。
※ テレビや新聞で裁判の進捗が報道される際の、よくある一場面です。「被告人が容疑(charges)を否認する(denied)」という状況は、裁判ニュースで頻繁に耳にする典型的な表現です。「reported that S V」は「SがVしたと報じた」という形で、報道によく使われます。
The lawyer tried hard to protect the defendant.
弁護士は被告人を守るために懸命に努力しました。
※ この例文は、弁護士が被告人のために尽力する姿を描写しています。法廷ドラマや映画でよく見る、弁護士と被告人の関係性を示す典型的なシーンです。「tried hard to ~」で「~するために懸命に努力した」という行動を表し、「protect」は「守る」という意味です。
コロケーション
被告が答弁する
※ 法廷で被告が罪状に対して「有罪 (guilty)」または「無罪 (not guilty)」を申し立てる行為を指します。'pleads' は法律用語で、日常会話ではあまり使いません。'The defendant entered a plea of not guilty'(被告は無罪を主張した)のように使われます。フォーマルな場面、特に法廷や報道でよく用いられます。
被告側が立証を終える
※ 裁判において、被告側が証拠の提示や証人喚問を終え、それ以上の立証を行わないことを宣言する際に使われます。これは、被告側が十分に自己の主張を立証したと判断した場合や、検察側の立証の弱点を突く戦略として用いられます。ドラマや映画の法廷シーンで頻繁に登場する表現です。
被告は〜の罪で起訴されている
※ 被告が特定の犯罪行為で正式に告発されている状態を表します。'charged with' の後には、具体的な罪状(murder, theft, fraudなど)が続きます。ニュース記事や法律文書で頻繁に見られる表現で、単に 'accused of' よりも公式なニュアンスがあります。
(疑惑の)被告
※ 'alleged' は「申し立てられた」「疑惑の」という意味で、被告がまだ有罪判決を受けていない段階で使用することで、報道機関などが法的責任を回避するために用います。無罪推定の原則に基づき、有罪が確定するまでは 'alleged' を付けることが推奨されます。ニュース記事などで頻繁に見かける表現です。
被告側の弁護人
※ 'counsel' は弁護士を指すフォーマルな言葉です。特に法廷や法律文書で使われます。'the defendant's attorney' とほぼ同義ですが、'counsel' の方がより専門的で格式高い印象を与えます。ビジネスシーンや報道でも使用されます。
共同被告
※ 複数の被告が同じ事件で訴えられている場合に、それぞれの被告を指す言葉です。犯罪組織の事件などでよく見られます。ニュース記事や法律文書で頻繁に使用されます。
被告が証言する
※ 被告が法廷で証人として証言台に立ち、事件について証言することを指します。被告自身の証言は、裁判の結果に大きな影響を与える可能性があります。法廷ドラマなどでよく見られる場面です。
使用シーン
法学、社会学、犯罪学などの分野の論文や教科書で頻繁に使用されます。例えば、「被告人の権利」や「被告側の弁護戦略」といったテーマを扱う際に、専門用語として不可欠です。また、模擬裁判などの教育活動でも、役割名として登場します。
ビジネスの文脈では、契約訴訟や知的財産権侵害訴訟など、法的な問題が関わる場合に限って使用されます。例えば、企業法務部門が作成する報告書や、顧問弁護士とのメールのやり取りで、「被告側企業の主張」といった形で登場することがあります。
ニュース報道やドキュメンタリー番組などで、犯罪事件や裁判に関する話題を取り扱う際に使用されます。例えば、「被告人が無罪を主張」といった形で報道されることがあります。日常会話では、これらの報道を通じて間接的に耳にする程度でしょう。
関連語
類義語
- accused
告発された人、被告人とほぼ同義だが、まだ裁判で有罪が確定していない段階の人を指すことが多い。報道や法廷で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"defendant"よりもややインフォーマルで、報道などで使われる頻度が高い。ただし、法的責任の所在が確定していない段階であることを強調する。 【混同しやすい点】"accused"は名詞だけでなく、過去分詞として形容詞的に使われることも多い(例: the accused person)。"defendant"は基本的に名詞としてのみ用いられる。
訴訟や法的手続きにおいて、訴えに対して答弁する側を指す。特に離婚訴訟や行政訴訟などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"defendant"が刑事訴訟で使われることが多いのに対し、"respondent"は民事訴訟や行政訴訟で使われる傾向がある。より形式ばった、法律用語としてのニュアンスが強い。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも「被告」と訳されることが多いが、"respondent"は訴訟の種類によって意味合いが異なるため、文脈を考慮する必要がある。
- litigant
訴訟当事者全般を指す言葉で、原告と被告の両方を含む。より一般的な用語で、法的な紛争に関わる人を指す。 【ニュアンスの違い】"defendant"は訴えられた側のみを指すのに対し、"litigant"は訴訟に関わるすべての当事者を指す。より包括的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】"litigant"は単独で被告を指すことはなく、常に訴訟全体の文脈で使われる。被告のみを指したい場合は、"defendant"を用いる必要がある。
容疑者。犯罪を犯した疑いがある人物を指す。警察の捜査段階で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"defendant"は起訴された後の被告人を指すのに対し、"suspect"は起訴される前の容疑者を指す。法的責任の有無が確定していない段階で使われる。 【混同しやすい点】"suspect"は動詞としても使われる(~を疑う)が、"defendant"は名詞としてのみ用いられる。また、"suspect"は無罪推定の原則に基づき、有罪が確定するまでは容疑者として扱われる。
- the accused party
告発された側、被告側という意味のフレーズ。フォーマルな文脈や、より客観的に状況を説明したい場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】"defendant"とほぼ同義だが、より客観的な言い方で、感情的なニュアンスを避けたい場合に適している。報道や法律文書で使われる。 【混同しやすい点】単なる名詞"defendant"と異なり、フレーズであるため、文法的な構造が異なる。例えば、所有格を作る場合は、"the accused party's rights"のように表現する必要がある。
- alleged offender
申し立てられた犯罪者、とされる犯罪者。まだ有罪が確定していない犯罪者を指す。報道などで、法的責任が確定していないことを強調するために用いられる。 【ニュアンスの違い】"defendant"よりもさらに無罪推定の原則を強調するニュアンスがある。法的責任の有無について、まだ判断が下されていない段階であることを明確に示す。 【混同しやすい点】"alleged"(申し立てられた)という形容詞がついているため、名詞として単独で使用することはできない。常に"alleged offender"のように、修飾語を伴って使われる。
派生語
『守る』『弁護する』という意味の動詞。「defendant」の直接の語源。元々は『〜から遠ざける』という意味合いがあり、そこから転じて守る、弁護するという意味になった。日常会話から法廷まで幅広く使われる基本的な語彙。
『防御』『弁護』という意味の名詞。「defend」から派生し、行為や体制を指す。スポーツ(ディフェンス)や軍事、法廷など、幅広い文脈で使用される。抽象的な意味合いも持ち、議論や意見に対する『擁護』としても使われる。
『防御的な』『自己防衛の』という意味の形容詞。「defense」に形容詞化の接尾辞『-ive』が付いた形。態度や戦略を表す際に用いられ、ビジネスシーンや人間関係の描写など、幅広い文脈で使われる。単に物理的な防御だけでなく、心理的な防御を表すこともある。
反意語
『原告』という意味。法廷において『defendant(被告)』と対立する立場を表す。法律用語であり、日常会話での使用頻度は低いものの、法的な文脈では不可欠な語彙。訴訟を起こす側を指し、被告の反論や弁護に対抗する。
『検察官』という意味。刑事裁判において、被告を起訴し、有罪を立証する役割を担う。『plaintiff』が民事訴訟における原告であるのに対し、『prosecutor』は刑事訴訟における告発者という点で対比される。法廷での役割が被告と明確に対立する。
語源
「defendant」は、中英語の「defendaunt」(擁護する者)に由来し、古フランス語の「defendant」(防御する者、答弁する者)から来ています。さらに遡ると、ラテン語の「defendere」(防御する、守る)にたどり着きます。この「defendere」は、「de-」(分離、除去)と「fendere」(打つ、攻撃する)という二つの要素から構成されています。つまり、元々は「攻撃をそらす」や「打ち払う」といった意味合いがありました。日本語で例えるなら、「弁護士」が被告人を『守る』役割を担うように、被告人は自らを『防御』する立場にあることから、この単語が『被告人』という意味を持つようになったと考えられます。このように、言葉のルーツを辿ることで、単語の意味がより深く理解できます。
暗記法
「被告」は法廷の当事者であると同時に、社会規範への挑戦者、あるいは権力構造の犠牲者という象徴性を帯びます。魔女狩りや異端審問の歴史では、社会の不安や宗教的権威への脅威の象徴として扱われました。文学作品では、カフカの『審判』や『アラバマ物語』のように、不条理な権力や社会の矛盾に翻弄される存在として描かれます。「被告」というレッテルは、時に人権侵害や偏見を生む温床となり、社会的な重みを持つ言葉として、記憶に刻まれます。
混同しやすい単語
発音とスペルが非常に似ているため、混同しやすい。意味は『擁護者、弁護者』だが、法律用語としては『被告』を指す。品詞は名詞。defendant は法律の文脈でしか使われないため、日常会話で使うことは稀。スペルの『-ant』と『-ent』の違いに注意。
発音が非常に似ており、スペルも 'a' と 'e' の違いしかないため、混同しやすい。意味は『依存している、頼っている』で、形容詞。名詞としては『扶養家族』。defendant と dependent は文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要。語源的には、'depend'(頼る)という動詞から派生している。
語幹部分の綴りが似ており、発音も共通部分が多いため、混同しやすい。意味は『定義する、明確にする』で、動詞。defendant とは品詞が異なるため、文法的な役割も異なる。define は、limit (境界) を意味するラテン語 finis に由来し、境界線を引いて明確にすることを意味する。
defendant の動詞形であり、意味も『守る、弁護する』と関連性が高いため、混同しやすい。品詞は動詞。defendant は defend する人、という関係。発音も似ているため、聞き間違いに注意。語源は、ラテン語の 'defendere'(防ぐ)に由来する。
語幹部分の綴りが似ており、発音も共通部分が多いため、混同しやすい。意味は『明確な、確定的な』で、形容詞。名詞形の definition(定義)と合わせて覚えると良い。defendant とは品詞が異なるため、文法的な役割も異なる。definite は、limit (境界) を意味するラテン語 finis に由来し、境界線が引かれた明確な状態を意味する。
法律用語であり、defendant と対になる言葉。意味は『原告』。裁判において訴えを起こす側を指す。発音も末尾が似ているため、混同しやすい。defendant は defend される側(被告)、plaintiff は complain する側(原告)と考えると覚えやすい。
誤用例
日本語の『かわいそう』という感情は、英語では状況によって様々な表現に置き換えられます。ここでは『defendant(被告)』というフォーマルな文脈なので、感情を表に出す『cried a lot』は不適切です。『remorse(後悔)』という言葉を選び、客観的に『visibly distressed(目に見えて苦悩している)』と描写することで、より適切かつ客観的な表現になります。日本人は感情をストレートに表現することを避ける傾向がありますが、法廷のような場では、特に感情の表現は慎重に行う必要があります。
『say』は口語的な表現であり、証拠が何かを『言う』という擬人化表現は、法的な文脈には不向きです。『evidence says no』は、直訳的で不自然な英語です。よりフォーマルな『evidence to the contrary(反証)』という表現を用いることで、文全体の格調を高めることができます。また、日本人は『〜と言う』を安易に『say』と訳しがちですが、文脈に応じて『maintain』『assert』『contend』など、より適切な動詞を選ぶ必要があります。
『bored』は口語的な表現であり、裁判官に対して使うには不適切です。より丁寧で間接的な表現として、『tested the judge's patience(裁判官の忍耐を試した)』という婉曲的な言い回しを用いることで、フォーマルな場面にふさわしい表現になります。日本人は直接的な表現を避けがちですが、英語でも同様に、特に上位者に対しては、より丁寧で間接的な表現を選ぶことが重要です。また、『speech』よりも『statement』の方が、公式な場面での発言に適しています。
文化的背景
「defendant」(被告)という言葉は、単に法廷で罪を問われる立場の人を指すだけでなく、社会の規範や権力構造に挑戦する存在、あるいはその犠牲者としての象徴的な意味合いを帯びることがあります。それは、個人と国家、弱者と強者という構図の中で、常に監視され、裁かれる立場を可視化する言葉なのです。
歴史を振り返ると、被告という存在は、時代や社会の価値観を映し出す鏡のような役割を果たしてきました。魔女狩りの時代には、被告は社会の不安や恐怖のスケープゴートとなり、異端審問の時代には、被告は宗教的権威への挑戦者とみなされました。現代においても、政治的な裁判や人権に関わる裁判では、被告は国家権力や社会の不条理を告発する存在として、注目を集めることがあります。文学作品や映画においても、「被告」はしばしば、不当な権力によって抑圧された個人、あるいは社会の矛盾を体現する存在として描かれます。例えば、フランツ・カフカの『審判』の主人公ヨーゼフ・Kは、理由もわからぬまま逮捕され、裁判にかけられることで、不条理な権力構造に翻弄される人間の姿を象徴的に示しています。また、ハーパー・リーの『アラバマ物語』では、無実の黒人男性が白人女性への暴行容疑で告発されることで、人種差別という社会の根深い問題が浮き彫りになります。
「被告」という言葉は、単に法律用語としてだけでなく、社会的なレッテルとしても機能することがあります。一度「被告」というレッテルを貼られると、その人の名誉や信用は大きく傷つき、社会的な偏見や差別にさらされる可能性があります。特に、メディアによる報道が過熱すると、被告は有罪であるかのように扱われ、プライバシーや人権が侵害されることもあります。このような状況は、冤罪を生み出す温床となり、無実の人が不当な扱いを受ける原因となることもあります。
このように、「defendant」という言葉は、法的な意味合いを超えて、社会的な権力構造、人権、そして人間の尊厳といった、より深い文化的テーマと結びついています。学習者はこの言葉を学ぶ際に、単にその定義を覚えるだけでなく、その背後にある社会的な文脈や歴史的な背景を理解することで、より深く、多角的にこの言葉の意味を捉えることができるでしょう。
試験傾向
この単語は英検では出題頻度は低めです。法律や社会問題に関するテーマの長文読解で稀に出題される可能性がありますが、語彙問題で直接問われることは少ないでしょう。準1級以上で、社会的なテーマを扱った文章を読む際に、文脈から意味を推測できるようにしておくと良いでしょう。
TOEICでは、法律関連の文書や、契約、訴訟などを扱った長文読解問題(Part 7)で稀に出題される可能性があります。しかし、頻度は高くありません。ビジネスの文脈で、契約書や訴訟に関する記事などを読む際に、文脈から意味を推測できるようにしておくと良いでしょう。
TOEFLでは、社会科学系の学術的文章で出題される可能性があります。特に、法律、政治学、社会学などの分野で、訴訟や裁判に関する議論の中で使われることがあります。アカデミックな文脈における使用法を理解しておく必要があります。
大学受験では、法律や社会問題に関する長文読解問題で出題される可能性があります。難関大学ほど出題される可能性が高くなります。文脈から意味を推測する能力と、関連語句(plaintiff, lawsuitなど)との関連性を理解しておくことが重要です。