surrender
第一音節の /sə/ は、曖昧母音(シュワー)です。口を軽く開け、力を抜いて「ア」に近い音を出します。第二音節の「レ」にアクセント(ˈ)があります。最後の /ər/ は、舌を巻くか、または舌の根元を少し上げるようにして発音します。日本語の「アー」よりも口の中の空間が広がるイメージです。アメリカ英語では特に、この巻き舌の有無が重要になります。
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明け渡す
戦いや議論、権利など、抵抗をやめて相手に渡すこと。負けを認める、降伏するというニュアンスを含む。例文: Surrender the castle to the enemy. (城を敵に明け渡す)
After a long battle, the soldiers had to surrender their weapons.
長い戦いの後、兵士たちは武器を明け渡さなければなりませんでした。
※ この例文は、戦争や紛争で「もう戦えない」と判断した兵士が、敵に武器を差し出す場面を描写しています。「surrender」が最もよく使われる典型的な状況の一つで、「降伏する」という強い意味合いがあります。動詞の後に「何を」明け渡すのかを続けます。ここでは「彼らの武器(their weapons)」です。
When she moved out, she had to surrender the apartment keys.
彼女が引っ越す時、アパートの鍵を明け渡さなければなりませんでした。
※ この例文は、引っ越しをする際に、借りていた部屋の鍵を大家さんや不動産会社に返す場面です。物理的な所有物(この場合は鍵)を別の誰かに「引き渡す」という、日常的で具体的な状況を表しています。「鍵を明け渡す」は "surrender the keys" と言います。「誰に」明け渡すかを言いたい場合は "surrender the keys to someone" のように "to" を使います。
Facing strong public demand, the prime minister decided to surrender his power.
強い国民の要求に直面し、首相は権力を明け渡すことを決意しました。
※ この例文は、国民からの強い要求に直面し、首相がその地位や権力を手放す決断をする、政治的な場面です。「surrender」は、このように「権力や地位を譲り渡す」という意味でも使われます。「権力を明け渡す」は "surrender power" と表現します。文頭の "Facing strong public demand" は「強い国民の要求に直面して」と、状況を説明しています。
委ねる
自分の意志や判断を手放し、相手の判断や管理に任せること。例文: Surrender yourself to the music. (身を音楽に委ねる)
She closed her eyes and surrendered to the warm, comforting water.
彼女は目を閉じ、温かく心地よい水に身を委ねた。
※ 温泉やプールなどで、体がふっと軽くなり、心地よさに「身を任せる」ような場面です。自分の抵抗を手放し、その場の状況や感覚に体をゆだねる様子が伝わります。このように、良いものや心地よいものに「身を委ねる」という使い方をします。
He tried to stay awake, but finally surrendered to sleep.
彼は起き続けようとしたが、ついに眠気に身を委ねた。
※ 強い眠気や疲れなど、抗いがたいものに「屈する」「抗うのをやめて受け入れる」場面です。自分の意志でコントロールしようとするのをやめ、自然な流れや生理現象に身を任せるニュアンスがあります。よくある日常の状況で「抗えないものに降参する」感覚です。
The tired hiker had to surrender to the steep mountain path.
疲れたハイカーは、険しい山道に身を任せるしかなかった。
※ ここでは、自分の体力や意志だけではどうにもならない困難な状況に「抗うのをやめて受け入れる」「従う」という意味で使われています。疲れ果てて、もう自分のペースで進むことを諦め、道の厳しさに従わざるを得ない状況を表します。困難な状況を受け入れる際に使われます。
降伏
戦い、要求、誘惑などに対する抵抗をやめること。例文: The surrender of the army. (軍の降伏)
Surrounded by the enemy, the soldiers had no choice but to make a surrender.
敵に囲まれ、兵士たちは降伏するより他に道はありませんでした。
※ この例文は、敵に完全に囲まれてしまい、これ以上戦い続けることができない状況で、兵士たちが「降伏」するしかない場面を描いています。 "make a surrender" は「降伏する」という典型的な言い方で、追い詰められた切迫した状況が伝わります。
The leaders discussed the terms of surrender to end the long war.
指導者たちは、長い戦争を終わらせるために降伏の条件について話し合いました。
※ この例文は、戦争を終結させるために、両国の指導者たちが「降伏の条件」について話し合っている様子を描いています。緊迫した交渉の場面が想像できます。 "terms of surrender" は「降伏の条件」という意味で、ニュースや歴史の文脈で非常によく使われる、典型的な表現です。
The defeated nation accepted the unconditional surrender after the war.
敗戦国は、戦争後に無条件降伏を受け入れました。
※ この例文は、敗れた国が、いかなる条件もつけずに完全に「降伏」を受け入れる、という歴史的な決断の瞬間を想像させます。これは、非常に大きな出来事です。 "unconditional surrender" は「無条件降伏」という意味で、国際関係や歴史のニュースなどでよく耳にする、非常に重要な表現です。
コロケーション
無条件降伏
※ 戦争や紛争において、相手に一切の条件をつけずに降伏すること。特に第二次世界大戦中に連合国が枢軸国に対して要求したことで知られています。このフレーズは、単なる降伏以上の意味を持ち、完全に支配を受け入れることを示唆します。ビジネスシーンでは、交渉において一切の譲歩をしない姿勢を比喩的に表すこともあります。
誘惑に負ける
※ 欲望や誘惑に抵抗することを諦め、それに屈することを意味します。主に悪いことや良くないとわかっていることに手を出す状況で使われます。例えば、ダイエット中にケーキを食べる、ギャンブルに手を出す、といった場面です。宗教的な文脈では、罪に屈することを指すこともあります。類似の表現に 'give in to temptation' があります。
権利を放棄する
※ 法的、倫理的な権利や特権を自発的に放棄すること。契約書や合意書などでよく見られる表現で、特定の権利を主張しないことを誓約する際に使われます。例えば、肖像権の放棄や、訴訟を起こす権利の放棄などがあります。日常会話よりも、法律やビジネスの文脈でよく使われるフォーマルな表現です。
支配権を譲る、管理を手放す
※ 組織、プロジェクト、あるいは自分自身の行動に対する支配権を放棄すること。ビジネスにおいては、経営権を譲渡したり、プロジェクトの主導権を他の人に委ねる状況を指します。個人的なレベルでは、例えば、アルコール依存症の人が自分の衝動に対するコントロールを手放すことを意味する場合があります。この表現は、しばしば責任や権限の委譲を伴います。
眠りに身を任せる
※ 眠気を感じ、抵抗せずに眠りにつくこと。詩的な表現で、深い眠りに落ちていく様子を美しく描写する際に用いられます。日常会話ではあまり使われませんが、文学作品や映画などで、疲労困憊した人物が安らかな眠りにつくシーンなどで見られます。より一般的な表現としては 'fall asleep' があります。
降伏の白旗
※ 紛争や戦闘において、降伏の意思を示すために掲げられる白い旗。比喩的に、議論や競争において敗北を認めることを意味します。この表現は、単に負けを認めるだけでなく、相手に敵意がないことを示すニュアンスを含みます。例えば、議論で相手に反論できなくなった場合、「私は白旗を上げるよ」と言うことがあります。
当局に出頭する、自首する
※ 犯罪者や容疑者が警察や裁判所などの法執行機関に自発的に出頭すること。逃亡を諦め、法の裁きを受ける意思を示す行為です。ニュース記事や犯罪ドラマなどでよく使われる表現です。より口語的な表現としては 'turn oneself in' があります。
使用シーン
学術論文や専門書で、「降伏」「放棄」「委ねる」といった意味で使用されます。例えば、歴史学の研究で「〜は敵に降伏した」という文脈や、社会学の研究で「〜は既存の理論に委ねている」という文脈で見られます。また、心理学の分野では「衝動に身を委ねる」といった意味合いで使われることもあります。
ビジネスシーンでは、交渉や契約などの文脈で「権利を放棄する」「要求を諦める」といった意味合いで使われることがあります。例えば、契約交渉で「〜の要求を放棄する」という場合や、市場調査の報告書で「競合他社に市場を明け渡した」という表現が用いられることがあります。ただし、日常的なビジネス会話では、より口語的な表現が好まれる傾向があります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで「降伏」「身を委ねる」といった意味合いで使用されることがあります。例えば、「テロリストが当局に投降した」というニュースや、「自然の力に身を委ねる」というドキュメンタリーのナレーションなどで見かけることがあります。また、比喩的な表現として、「眠気に身を委ねる」といった言い方をすることもあります。
関連語
類義語
『(力や圧力に)屈する』、『譲歩する』という意味。物理的な力関係だけでなく、議論や交渉など抽象的な状況でも使われる。農業においては『収穫する』という意味もある。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、抵抗する意思が弱く、徐々に屈していくニュアンスがある。また、『yield』は『(利益などを)生み出す』という意味もあり、文脈によって意味が大きく異なる点に注意が必要。 【混同しやすい点】『surrender』は通常、完全な降伏を意味するが、『yield』は部分的な譲歩や抵抗の弱まりを表すことが多い。また、『yield to temptation(誘惑に負ける)』のように、抽象的な対象に対しても使える。
『(権力や支配に)服従する』、『提出する』という意味。フォーマルな場面や、組織における上下関係を意識した状況で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、相手の権威や立場を認めた上で、自らの意思で服従するというニュアンスが強い。また、『submit a report(報告書を提出する)』のように、物理的な対象を提出する意味でも使われる。 【混同しやすい点】『surrender』は多くの場合、敗北や強制的な降伏を伴うが、『submit』は自発的な服従や従順さを表すことが多い。また、『submit』は他動詞として『提出する』という意味で非常によく使われる。
『(条件付きで)降伏する』という意味。主に軍事的な文脈や、それに準ずる状況で使われる。交渉の末に条件を受け入れて降伏するニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、交渉や議論の末に降伏するという意味合いが強い。また、相手に何らかの譲歩を求めるニュアンスも含まれる。 【混同しやすい点】『surrender』は無条件降伏も含むが、『capitulate』は通常、条件付き降伏を意味する。日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文脈で使用される。
『(圧力に)屈する』、『崩れ落ちる』という意味。物理的な圧力だけでなく、精神的な圧力にも使われる。日常会話でよく使われる口語的な表現。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、抵抗する意思はあるものの、最終的に圧力に負けてしまうというニュアンスが強い。また、『cave in to pressure(圧力に屈する)』のように、具体的な対象だけでなく、抽象的な圧力にも使える。 【混同しやすい点】『surrender』は、ある程度の期間抵抗した後に降伏するイメージだが、『cave in』は、より短期間で、または突然屈してしまうイメージ。また、物理的に崩れ落ちるという意味もある。
『(誘惑、病気、圧力などに)屈する』、『負ける』という意味。多くの場合、ネガティブな状況で使われる。フォーマルな文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、抵抗する努力をしたものの、最終的に負けてしまうというニュアンスが強い。また、病気や誘惑など、避けられない力に屈するイメージがある。 【混同しやすい点】『surrender』は、自らの意思で降伏する場合もあるが、『succumb』は、多くの場合、外部からの力によって屈してしまうというニュアンスが強い。また、『succumb to temptation(誘惑に負ける)』のように、抽象的な対象に対しても使える。
『(要求などに)屈する』、『譲歩する』という意味。日常会話でよく使われる口語的な表現。 【ニュアンスの違い】『surrender』よりも、抵抗する意思が弱く、比較的簡単に相手の要求を受け入れてしまうというニュアンスが強い。また、子供が親にねだって何かを買ってもらうような状況でよく使われる。 【混同しやすい点】『surrender』は、ある程度の期間抵抗した後に降伏するイメージだが、『give in』は、より簡単に、または諦めて譲歩するイメージ。フォーマルな場面ではあまり使われない。
派生語
- surrendering
『降伏している』という意味の現在分詞または動名詞。名詞『surrender』に進行形・能動態を表す接尾辞『-ing』が付加。軍事的な文脈はもちろん、比喩的に『諦めている状態』を表す場合にも用いられる。日常会話でも使用頻度が高い。
- surrendered
『降伏した』という意味の過去分詞または過去形。受動態や完了形を作る際に使用され、ニュース記事や歴史的な記述で頻繁に見られる。比喩的な意味合いでも『諦めざるを得なかった』状況を表す。
- surrenderer
『降伏者』という意味の名詞。動詞『surrender』に人を表す接尾辞『-er』が付加。主に戦争や紛争の文脈で使用されるが、比喩的に『屈服した人』を指すこともある。ややフォーマルな響きを持つ。
語源
"surrender」は、古フランス語の「surrendre」(明け渡す、引き渡す)に由来します。これはさらに、「sur-」(上に、超えて)と「rendre」(返す、与える)という二つの要素から成り立っています。「rendre」自体はラテン語の「reddere」(再び与える、返す)から派生しており、「re-」(再び)と「dare」(与える)が組み合わさったものです。つまり、「surrender」は文字通りには「(抵抗を)超えて与える」という意味合いを持ち、比喩的に「降伏する」「明け渡す」という意味になったと考えられます。日本語で例えるなら、「お手上げ」の状態をイメージすると理解しやすいでしょう。相手に完全に委ね、抵抗をやめる様子を表しています。
暗記法
「surrender」は単なる降伏にあらず。中世騎士道の忠誠、愛における心の委ね、国家の主権放棄…西洋文化では、権力、倫理、尊厳の象徴として深く根付く。敗北、服従、自己犠牲、そして新たな始まり。歴史、文学、社会…様々な文脈で、人間の葛藤と希望を映し出す言葉。その背景を知れば、語彙は教養へと昇華する。
混同しやすい単語
スペルミスとして最も一般的なのがこの形。'r' が一つ少ないだけで 'surrender' と認識されやすい。意味は存在しないため、スペルチェックで気づく必要がある。発音も 'surrender' とほぼ同じになる可能性があるため、注意が必要。
語尾が '-der' で共通しており、発音も似ているため、文脈によっては混同しやすい。『送信者』という意味で、'surrender' (降伏) とは全く異なる。特にメールや通信関連の話題で登場しやすい単語。
こちらも語尾が '-der' で発音が似ている。意味は『より健全な』『より深い』など、比較級の形容詞。'surrender' (降伏) とは意味が大きく異なるため、文脈で判断する必要がある。また、音響機器の『測深器』という意味もある。
スペルが長く、'surrender' と共通の文字もいくつか含まれるため、視覚的に混同しやすい。発音も強勢の位置が異なるものの、似た音を含む。意味は『円柱』であり、数学や工学の文脈でよく使われる。
先頭の 'sla-' の部分と語尾の '-der' が共通しており、発音も一部似ているため、聞き間違いやスペルミスに繋がりやすい。『中傷』という意味で、法律や倫理に関する文脈で使われる。
'surrender' の一部である 'under' (下) は、前置詞として非常に一般的な単語。意味も品詞も全く異なるが、'surrender' の意味を誤って '下' に関連付けてしまう可能性がある。'surrender' は 'under' に 'sur-' (上から) が付いたと考えると、イメージが湧きやすい。
誤用例
『surrender』は『降伏する』という意味合いが強く、意見の相違において使うと、相手に屈服するようなニュアンスを与えてしまいます。ビジネスシーンやフォーマルな場面では、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を一旦保留するという意味合いの『defer』を使う方が適切です。日本人が『surrender』を選んでしまう背景には、日本語の『譲歩する』という言葉が、英語の『surrender』と『defer』の両方の意味合いを含んでいるため、語感のずれに気づきにくいという点があります。また、集団主義的な文化の中で、自分の意見を控えめに表現する意図が、過剰に『降伏』という強い言葉を選ばせてしまうこともあります。
『surrender』は軍事的な意味合いが強く、無条件降伏や全面的な敗北を意味します。抗議者の要求に対して政府が対応する場合、一部の要求を受け入れたり、譲歩したりするニュアンスが一般的であり、この場合は『yield』を使う方が適切です。日本語の『屈する』という言葉が、英語の『surrender』と『yield』の両方の意味合いを持ち得るため、誤用が生じやすいと考えられます。政治的な文脈では、政府が完全に屈服するという状況は稀であり、『yield』はより現実的なニュアンスを持ちます。また、日本語で「〜に屈する」という表現を直訳しようとして、無意識に強い意味を持つ『surrender』を選んでしまう傾向があります。
『surrender』は、より重大な犯罪や、長期間逃亡していた人物が自首するような状況で使われることが多いです。スピード違反のような軽微な違反で自首する場合は、『turn oneself in』を使う方が自然です。『surrender』は、自己の主体性を放棄するようなニュアンスを含むため、スピード違反のような状況には大げさすぎる印象を与えます。日本人が『surrender oneself to...』という表現を直訳的に捉え、『身を委ねる』というニュアンスで使ってしまうことがありますが、英語ではより深刻な状況を想定した表現であることを理解する必要があります。また、日本語の『出頭する』という言葉が、英語の『surrender』と『turn oneself in』の両方の意味合いを含み得るため、誤用が生じやすいと考えられます。
文化的背景
「surrender(降伏)」という言葉は、単なる戦闘の終結を意味するだけでなく、西洋文化においては、個人の意志の放棄、権威への服従、そして時には自己犠牲という、より深い意味合いを帯びてきました。中世の騎士道物語から現代の法廷ドラマまで、「surrender」は常に力関係、倫理的葛藤、そして人間の尊厳というテーマと結びついて語られてきたのです。
中世ヨーロッパにおいて、城の「surrender」は、単に城壁を明け渡す以上の意味を持っていました。それは領主への忠誠の誓いを新たにし、封建制度における身分秩序を再確認する行為でした。敗北した騎士は、武器を置き、膝を屈して勝者に臣従を誓うことで、自らの名誉と地位を保つことができました。この「surrender」は、単なる敗北ではなく、新たな契約の始まりであり、社会秩序の維持に不可欠な儀式だったのです。文学作品においても、「surrender」はしばしば愛の文脈で用いられます。恋に落ちることは、自らの心を相手に「surrender」することであり、理性や自制心を放棄し、感情の奔流に身を任せることを意味します。この文脈における「surrender」は、弱さではなく、むしろ相手への信頼と愛情の深さを示すものであり、ロマンティックな理想として描かれてきました。
しかし、「surrender」は常に肯定的な意味合いを持つわけではありません。政治的な文脈においては、国家の「surrender」は、主権の放棄、自由の喪失、そして国民の未来を他者に委ねることを意味します。第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの無条件降伏は、その象徴的な例です。また、現代社会においては、個人がアルコールや薬物依存症から「surrender」することは、自らの無力さを認め、専門家の助けを求める第一歩となります。この文脈における「surrender」は、絶望的な状況からの脱却を意味し、新たな人生の始まりを象徴するものとして捉えられています。
このように、「surrender」という言葉は、歴史、文学、そして現代社会において、様々な意味合いを帯びてきました。それは単なる敗北や服従ではなく、新たな始まり、自己犠牲、そして人間性の深さを象徴する言葉として、私たちの文化に深く根付いているのです。この言葉を理解することは、西洋文化における権力、倫理、そして人間の尊厳というテーマを理解することに繋がると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文補充)と長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会問題、科学など幅広いテーマ。やや硬い文章で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「降伏する」の他、「譲る」「放棄する」の意味も重要。名詞形(surrender)も合わせて覚えること。動詞の自動詞・他動詞の用法に注意。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)とPart 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも難易度高めの問題で出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(交渉、契約など)で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(権利などを)放棄する」という意味で使われることが多い。類似語(give up, abandon)とのニュアンスの違いを理解すること。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 歴史、政治、社会学などの学術的な文脈で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や比喩表現として使われる場合もあるため、文脈全体の理解が重要。名詞形(surrender)と動詞形両方の意味を理解しておくこと。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、国際関係、歴史など、幅広いテーマで出題される
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。「降伏する」だけでなく、「明け渡す」「放棄する」などの意味も覚えておくこと。類義語(yield, concede)との使い分けも意識すること。