accuse
第2音節にアクセントがあります。最初の 'a' は曖昧母音 /ə/ で、弱く短く発音します。/kjuː/ の部分は日本語の『キュー』よりも少し喉の奥から発音し、口をしっかりすぼめるイメージです。最後の 'z' は有声音なので、しっかり震わせて発音しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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訴える
(人)を(罪で)訴える。法的な告発だけでなく、非難するニュアンスも含む。accuse A of B(AをBで訴える/非難する)の形でよく使われる。
My little brother accused me of breaking his favorite toy.
私の幼い弟は、私がお気に入りのオモチャを壊したと非難しました。
※ この例文は、子供部屋で弟が「お兄ちゃんが壊した!」と泣きながら指をさしている情景を思い浮かべさせます。自分は身に覚えがなく、「違うよ!」と焦っているかもしれません。誰かが何か悪いことをしたと決めつけ、その責任を負わせようとする、日常的で身近な場面です。 **ポイント:** 「accuse + 人 + of + 動名詞(-ing形)」で「(人)が~したと非難する」という最も典型的な形です。この「of」の後には、何をしたのかを示す動名詞が続きます。
The boss accused him of missing the important deadline.
上司は彼が重要な締め切りを守らなかったと非難しました。
※ この例文からは、オフィスで上司が険しい顔で彼を問い詰めている会議室の情景が目に浮かびます。彼は肩を落とし、うつむいているかもしれません。仕事のミスや責任問題で、特定の人物を名指しで非難する、ビジネスシーンでよくある状況です。 **ポイント:** ここでも「accuse + 人 + of + 動名詞(-ing形)」の形が使われています。`missing`(逃したこと)が動名詞として「of」の後に来ていますね。`accuse`は、公式な場や深刻な状況で使われることが多い単語です。
The police accused the man of robbing the bank.
警察はその男性が銀行を強盗したと告発しました。
※ この例文は、薄暗い取調室で刑事が鋭い眼差しで男性に質問を投げかけている、あるいはテレビのニュース速報で「〇〇容疑者を逮捕」と報じられている情景が目に浮かびます。これは、犯罪や不正行為に関して、公式に誰かを「告発する」という、法的な文脈で非常に典型的な使い方です。 **ポイント:** 「accuse A of B」は「AをBの罪で告発する」という意味でも使われます。`robbing`(強盗すること)は動名詞です。`accuse`は、単に不満を言うのではなく、具体的に「~した」と断定して責任を問う、強いニュアンスを持つ言葉です。
責める
(人)を(何かについて)責める。必ずしも法的な意味合いは持たず、道徳的な責任や過失を問う場合にも用いられる。
My younger sister suddenly accused me of hiding her favorite toy car.
私の幼い妹が突然、私がお気に入りのミニカーを隠したと責めました。
※ これは、身近な人が何かをしたと「非難する」日常の場面です。妹が本気で怒っている様子が目に浮かびますね。「accuse A of B」で「AをBのことで責める」という、この単語の最も典型的な使い方です。
The angry crowd unfairly accused the innocent man of causing the accident.
怒った群衆は、罪のない男性が事故の原因だと不当に責めました。
※ この例文は、誰かが根拠なく、あるいは誤解から「非難される」状況を描いています。男性が困惑し、悲しんでいる様子が想像できますね。ニュースなどで「〜の罪で非難される」といった、少し重い文脈で使われることも多いです。
During the meeting, the manager accused a team member of leaking confidential information.
会議中、部長はチームメンバーの一人が機密情報を漏らしたと非難しました。
※ この例文は、ビジネスの場で、具体的な不正行為や過失について「責める」場面を示しています。会議室の緊張感が伝わってくるようです。accuseは、このようにある行動や結果に対して責任を追及する際に使われます。
コロケーション
人を犯罪で告発する
※ これは最も直接的で一般的なコロケーションです。 'accuse' は、誰かが法を犯したと正式または非公式に主張することを意味します。文法的には 'accuse + 人 + of + 犯罪' という構造を取り、法律や報道の文脈で頻繁に使用されます。単に 'blame' (責める) とは異なり、より深刻な告発であり、法的責任を伴う可能性があります。
不当に告発する、濡れ衣を着せる
※ 'falsely' は 'accuse' を修飾し、告発が真実ではないことを強調します。これは、名誉毀損や法的責任を伴う可能性があるため、非常に深刻な状況を示します。例えば、 'He was falsely accused of theft.' (彼は窃盗の濡れ衣を着せられた) のように使われます。 'wrongly accuse' も同様の意味ですが、 'falsely' は意図的な虚偽を示唆することがあります。
率直に告発する、単刀直入に非難する
※ 'point-blank' は副詞句で、非常に直接的で遠慮のない方法で告発することを意味します。比喩的に、銃を至近距離から発砲するイメージから来ており、告発の衝撃を強調します。ビジネスや政治など、議論が白熱する場面で使われることがあります。例えば、 'She accused him point-blank of lying.' (彼女は彼が嘘をついていると単刀直入に非難した)。
告発を行う、非難を浴びせる
※ 'level' は動詞で、告発を「発射する」「向ける」というイメージです。これは、公式な告発や公的な非難を指すことが多いです。例えば、 'The opposition party leveled accusations of corruption against the government.' (野党は政府に対して汚職の告発を行った)。 'make an accusation' とほぼ同義ですが、 'level' はより攻撃的なニュアンスを持つことがあります。
陰で告発する、影で非難する
※ 'behind someone's back' は、その人がいないところで、こっそりと告発することを意味します。これは、不誠実さや卑怯さを示唆する表現です。例えば、 'They accused him of incompetence behind his back.' (彼らは彼のいないところで、彼が無能だと非難した)。ゴシップや陰謀に関連する文脈でよく使用されます。
言いがかりをつけて告発する、でっち上げの罪で訴える
※ 'trumped-up charges' は、根拠のない、または捏造された告発を意味します。これは、政治的な陰謀や個人的な復讐など、不正な動機による告発を示唆します。例えば、 'He was accused on trumped-up charges of treason.' (彼はでっち上げの反逆罪で告発された)。法律や政治に関する報道でよく見られる表現です。
~の告発に直面する
※ 誰かが告発の対象となっている状況を表します。'face' は「直面する」という意味で、告発された人がその問題に対処しなければならないことを示唆します。例えば、 'The company is facing accusations of environmental pollution.' (その企業は環境汚染の告発に直面している)。ビジネスやニュース記事でよく使用されます。
使用シーン
学術論文や研究発表において、不正行為や誤りの指摘、あるいは仮説の検証における反証として用いられる。「~は捏造をaccuseされた」「~の実験結果は誤りをaccuseできる」のように、客観的な証拠に基づいた批判や論争の文脈で使用される。
ビジネス文書や会議において、法的な問題や倫理的な違反、契約不履行などを指摘する際に使用される。「~社は不正競争防止法違反でaccuseされた」「~氏は職務怠慢をaccuseされた」のように、責任追及や問題提起の文脈で、やや硬い表現として用いられる。
日常会話では、比較的フォーマルな場面やニュース報道などで使用される。「~容疑者は傷害罪でaccuseされた」「~選手はドーピング違反でaccuseされた」のように、事件や事故に関する報道で、客観的な事実を伝える際に用いられる。親しい間柄では、直接的な非難を避けるため、より穏やかな表現が好まれる傾向がある。
関連語
類義語
法的な文脈で『告訴する』という意味合いが強い。警察や検察が容疑者を正式に告発する場合に用いられる。また、クレジットカードの請求や電池の充電など、『料金を請求する』『充電する』という意味も持つ。ビジネスシーンでも頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『accuse』よりも公式な手続きや法的な責任を伴うニュアンスが強い。感情的な非難というよりも、事実に基づいた告発という印象を与える。『charge』は名詞としても使われ、『容疑』『料金』などの意味を持つ。 【混同しやすい点】『charge』は他動詞であり、直接目的語を取る必要がある。また、前置詞『with』を伴って、『~の罪で告発する』という構文で使用されることが多い。日常会話では『クレジットカードで支払う』という意味で頻繁に使用されるため、文脈によって意味を判断する必要がある。
証拠はないものの、事実であると主張するという意味合い。『申し立てる』『主張する』と訳されることが多い。報道記事や法的な文書でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『accuse』よりも証拠が不十分であることを示唆する。責任の所在を明確にするのではなく、あくまで主張として述べる場合に用いられる。中立的な立場を保ちたい場合や、法的責任を回避したい場合に適している。 【混同しやすい点】『allege』は他動詞であり、後にthat節を伴うことが多い(例:He alleged that he was innocent)。『accuse』のように直接人を目的語に取ることもできるが、その場合は前置詞『of』が必要になる(例:He was alleged of the crime)。
間接的に事件や犯罪に関与していることを示唆する。『巻き込む』『関与させる』と訳されることが多い。報道記事や捜査報告書などで使用される。 【ニュアンスの違い】『accuse』よりも間接的な関与を示唆する。直接的な告発というよりも、状況証拠などから関与が疑われる場合に用いられる。責任の所在を曖昧にしたい場合や、慎重な表現をしたい場合に適している。 【混同しやすい点】『implicate』は他動詞であり、前置詞『in』を伴って、『~に関与させる』という構文で使用される(例:He was implicated in the scandal)。『accuse』のように直接的な告発の意味合いは薄いため、文脈によって使い分ける必要がある。
非難する、責任を負わせるという意味。日常会話でよく使われ、誰かの過ちや失敗に対して責任を問う場合に用いる。 【ニュアンスの違い】『accuse』よりも感情的なニュアンスが強く、個人的な非難や責任追及の意味合いが強い。法的な告発というよりも、日常的な場面での責任追及に使われる。 【混同しやすい点】『blame』は他動詞であり、前置詞『for』を伴って、『~のことで非難する』という構文で使用される(例:He blamed me for the accident)。『accuse』のように法的な責任を問う意味合いは薄いため、文脈によって使い分ける必要がある。
公然と非難する、糾弾するという意味。政治的な演説や声明などでよく使われ、不正や悪行を強く非難する場合に用いる。 【ニュアンスの違い】『accuse』よりも公的な場で強く非難するというニュアンスが強い。個人的な感情というよりも、正義感や倫理観に基づいて非難する場合に用いられる。強い言葉遣いが伴うことが多い。 【混同しやすい点】『denounce』は他動詞であり、後に直接目的語を取る。また、前置詞『as』を伴って、『~として非難する』という構文で使用される(例:He denounced the policy as unfair)。『accuse』のように法的な告発という意味合いは薄いが、強い非難の意を示す。
- indict
(大陪審が)起訴するという意味。法的な文脈で、大陪審が犯罪の疑いがある人物を正式に起訴する場合に用いられる。非常にフォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】『accuse』や『charge』よりもさらに公式な手続きを経て起訴されることを意味する。大陪審という法的な機関が関与している点が特徴。 【混同しやすい点】『indict』は他動詞であり、直接目的語を取る。また、前置詞『on』を伴って、『~の罪で起訴する』という構文で使用される(例:He was indicted on charges of fraud)。日常会話ではほとんど使われず、法的な文脈でのみ使用される。
派生語
『告発』『非難』という意味の名詞。動詞『accuse』から派生し、行為やその結果を指す。日常会話から法廷、ニュース記事まで幅広く使われる。抽象的な概念を扱うため、学術論文にも登場する。動詞が名詞化することで、具体的な行為や事実を指し示す点が重要。
- accuser
『告発者』『非難する人』という意味の名詞。動詞『accuse』に『~する人』という意味の接尾辞『-er』が付いた形。主に法廷や紛争の文脈で使用される。単に告発する行為だけでなく、誰が告発しているのか、という点に焦点を当てる。
- accusatory
『非難がましい』『告発的な』という意味の形容詞。名詞『accusation』に形容詞化の接尾辞『-ory』が付いた形。人の態度や言葉の調子など、非難の性質を持つものを表現する際に用いられる。日常会話や文学作品で、感情や状況を描写する際に役立つ。
反意語
『潔白を証明する』『無罪とする』という意味の動詞。『accuse』が罪を『着せる』のに対し、『exonerate』は罪を『取り除く』という対義関係にある。法的な文脈で頻繁に使用され、容疑者の権利を擁護する際に重要な語彙となる。より日常的な文脈では、『責任を免除する』という意味合いでも用いられる。
『潔白を証明する』『正当性を立証する』という意味の動詞。『accuse』が非難によって名誉を傷つけるのに対し、『vindicate』は証拠や議論によって名誉を回復させる。法的な文脈のほか、意見や行動の正当性を主張する際にも使用される。単に無罪とするだけでなく、非難が誤りであったことを示すニュアンスを含む。
『(罪などを)赦免する』『免除する』という意味の動詞。『accuse』が罪に問うのに対し、『absolve』は罪を許し、責任を免除する。宗教的な文脈で、罪の赦しを意味することがある。日常的な文脈では、義務や責任から解放することを指す。
語源
「accuse」は、ラテン語の「accusare」(訴える、告発する)に由来します。これは「ad-」(〜へ)と「causa」(原因、訴訟、理由)が組み合わさった言葉です。つまり、文字通りには「原因に向ける」という意味合いになります。日本語で考えると、「責任を向ける」というニュアンスに近いでしょう。「causa」は、英語の「cause」(原因)と同語源であり、何か問題や事件の「原因」を特定し、それを「向ける」行為が「訴える」という意味に発展したと考えられます。現代英語でも「accuse」は、誰かを非難したり、不正行為を告発したりする際に用いられます。語源を知ることで、「accuse」が単に「訴える」だけでなく、背後にある「原因」や「責任」を明確にする行為を含むことを理解できます。
暗記法
「告発」は単なる非難に非ず。中世魔女狩りでは、無根拠な告発が社会不安を煽り、多くの命を奪った。現代でも、告発は個人や組織の評判を左右し、社会正義の実現と抑圧の道具、両面を持つ。#MeToo運動は、告発が抵抗の手段となることを示した。言葉の重みを理解し、慎重に扱うべし。告発は、社会の鏡であり、権力構造を映し出す。
混同しやすい単語
『accuse』と『excuse』は、語頭の母音が異なるだけで、発音が非常に似ています。スペルも似ているため、特にリスニング時に混同しやすいです。『excuse』は『言い訳をする』や『許す』という意味で使われます。動詞としても名詞としても使われる点が『accuse』と異なります。アクセントの位置も異なります。『accuse』は語尾にアクセントがありますが、『excuse』は動詞の場合は語尾、名詞の場合は語頭にアクセントがあります。注意すべきは、文脈によって意味が大きく変わることです。
『accuse』と『abuse』も、語頭の母音が異なるだけで、発音が似ています。スペルも似ているため、混同しやすいです。『abuse』は『虐待する』や『乱用する』という意味で使われます。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。また、『abuse』は名詞としても使われます。『ab-』は『離れて』という意味合いを持つ接頭辞で、『use』を『通常の使い方から離れて』使う、つまり『乱用する』という意味に繋がります。この接頭辞の意味を知っておくと、他の単語の理解にも役立ちます。
『refuse』は『拒否する』という意味ですが、『accuse』と発音が似ているため、特にリスニング時に混同しやすいです。綴りも似ています。ただし、『refuse』は名詞として『ごみ』という意味も持ち、この場合は発音が異なります(語頭にアクセント)。動詞と名詞で発音が変わる点に注意が必要です。また、『re-』は『後ろへ』という意味合いを持つ接頭辞で、『fuse』(溶ける、融合する)を『後ろへ』下げる、つまり『拒否する』という意味に繋がると考えると、語源的に理解しやすくなります。
『access』は『アクセス』という意味で、カタカナ語としても使われるため、意味は理解しやすいですが、発音が似ているため混同しやすいです。スペルも一部共通しています。『accuse』が動詞であるのに対し、『access』は名詞としても動詞としても使われます。発音記号も似ているため、注意が必要です。特に、IT関連の文脈では頻繁に使われる単語なので、しっかりと区別できるようにしましょう。
『acute』は『鋭い』や『深刻な』という意味で、『accuse』とは意味が全く異なりますが、語頭の母音と子音の組み合わせが似ているため、特に発音時に混同しやすいです。また、スペルも一部共通しています。『acute』は形容詞であり、名詞を修飾する役割を持ちます。医療用語としても使われることがあり、『急性』という意味で使われます。例えば、『acute pain』(激痛)のように使われます。
『because』は『なぜなら』という意味で、接続詞として使われます。発音は全く異なりますが、スペルの一部('cause')が共通しているため、視覚的に混同しやすい場合があります。特に、文章を早く読もうとするときに、誤読してしまう可能性があります。接続詞としての役割を理解し、文脈の中で正しく判断することが重要です。
誤用例
『accuse』は非常に強い非難のニュアンスを含み、法的な告発や重大な不正行為を指摘する際に用いられます。日本語の『遅刻したことを指摘する』という意図で安易に使うと、相手に強い不快感を与える可能性があります。英語では、単に遅刻に言及するだけであれば、より穏やかな表現(aware of, note, mention)が適切です。日本人が『〜を責める』という日本語につられて直訳的に『accuse』を選んでしまうのは、語感の強さを理解していないためです。英語では、相手への配慮や婉曲表現を重視する文化があり、特にビジネスやフォーマルな場面では、直接的な非難は避けるべきです。
『accuse』は、犯罪や不正行為など、重大な過ちに対して用いられることが一般的です。些細なミスに対して『accuse』を使うと、大げさで不自然な印象を与えます。ここでは『criticize(批判する)』や『point out(指摘する)』の方が適切です。日本人は、日本語の『非難する』という言葉の範囲が広いため、『accuse』を過剰に使用しがちです。英語では、過ちの重大さによって使うべき単語が異なり、適切な語彙選択が重要になります。また、報道機関が些細なミスを大々的に『accuse』することは、報道倫理上も問題視される可能性があります。
『accuse』は、通常『accuse someone of something』という構文で使用されます。『accuse someone for something』は文法的に誤りです。日本人は、前置詞の選択において、母語である日本語の『〜に対して』という表現に引きずられ、『for』を選んでしまうことがあります。しかし、英語では『of』が正しい前置詞です。この構文は、法的な文脈だけでなく、比喩的な表現にも使用できますが、常に『of』を使用することを覚えておく必要があります。また、steal someone's heart (心を奪う)という表現は、軽いジョークや愛情表現としても使われます。
文化的背景
「accuse」(告発する)という言葉は、単に法的な手続きを指すだけでなく、社会的な非難や糾弾といった、より広範な文化的意味合いを帯びています。歴史的に見ると、告発は権力構造と密接に結びつき、弱者を抑圧したり、社会秩序を維持したりするための道具として用いられてきました。
中世ヨーロッパにおける魔女狩りは、「accuse」という言葉の暗い側面を象徴する出来事です。無実の人々が、しばしば根拠のない告発によって魔女として断罪され、処刑されました。この時代、告発は個人的な恨みや社会的な不安の捌け口となり、集団心理によって増幅された恐怖が、無数の人々の命を奪いました。魔女狩りの背景には、キリスト教的な善悪二元論や、女性に対する偏見といった、当時の社会構造が深く関わっています。告発された者は、社会から疎外され、弁明の機会もほとんど与えられず、一方的な裁きによって人生を奪われたのです。
現代においても、「accuse」は単なる事実の指摘を超えた、強い感情を伴う言葉として使われます。政治的なスキャンダルやセクシャルハラスメントの告発など、社会的な注目を集める事件においては、「accuse」は個人や組織の評判を大きく左右する力を持つことがあります。メディアによる報道やSNSでの拡散によって、告発は瞬く間に広まり、告発された者は社会的な制裁を受けることになります。近年では、#MeToo運動のように、これまで沈黙を強いられてきた人々が声を上げ、権力者による不正行為を告発する動きが活発化しています。これは、告発が抑圧された人々の抵抗の手段となり得ることを示しています。
「accuse」という言葉は、単に誰かを非難する行為を指すだけでなく、その背後にある権力構造や社会的な背景を反映しています。告発は、真実を明らかにするための手段であると同時に、誤った情報や偏見によって、無実の人々を傷つける可能性も秘めています。したがって、「accuse」という言葉を使う際には、その言葉が持つ重みを十分に理解し、慎重に扱う必要があります。この言葉は、社会正義の実現に貢献する力を持つ一方で、不当な抑圧の道具にもなり得る、両義的な性質を帯びているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、事件、ニュース記事など、やや硬めの文脈で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「accuse A of B」(AをBで告発する)の形を確実に覚える。名詞形 accusation とセットで覚えること。間違えやすい単語として「suspect」があるが、accuse は「告発する」、suspect は「疑う」という意味の違いを理解する。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC全体では中程度の頻度。Part 7で比較的多く見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の不正行為、契約違反、品質問題などに関する文章で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「告発」や「非難」のニュアンスで使われることが多い。accuse A of B の形を覚えて、of の後ろには告発の内容が来ることを理解する。関連語として allegation (申し立て) も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に社会科学系のテーマでよく見られる
- 文脈・例題の特徴: 研究不正、歴史的な事件、政治的な陰謀など、論争や議論を呼ぶテーマで使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 非常にフォーマルな単語であり、日常会話ではあまり使われない。学術的な文脈における「告発」や「非難」のニュアンスを理解する。同義語の indict との違い(indict は法的な告発の意味合いが強い)も理解しておくと良い。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性はある
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、国際問題、歴史、科学など、幅広いテーマで使われる可能性がある
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。accuse A of B の形だけでなく、受動態 (A is accused of B) の形でも理解できるようにする。また、名詞形の accusation が使われる場合もあるので、注意が必要。