responsive
第2音節にアクセントがあります(ˈ)。母音 /ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し開いて発音します。/ɑː/ は日本語の「アー」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。最後の /v/ は有声の唇歯摩擦音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を出しながら「ヴ」と発音します。無声音の /f/ ではなく、しっかり声帯を震わせるのがポイントです。
即応できる
状況の変化や要求に対して、迅速かつ適切に対応できる状態を表す。ビジネスシーンで「変化に即応できる組織」や「顧客の要望に即応できるサービス」のように使われる。
He was very responsive to my questions, which helped me a lot.
彼は私の質問にとても素早く対応してくれたので、本当に助かりました。
※ 何か困ったことがあって質問した時に、相手がすぐに、そして的確に答えてくれた場面です。例えば、お店の店員さんがすぐに来てくれたり、困っている時に友達がすぐにアドバイスをくれたりするような状況です。「responsive to 〜」で「〜に即応できる、〜に素早く反応する」という意味になります。日常会話で「あの人、対応が早いね!」と言いたい時などに使えます。
This new smartphone is very responsive to touch, making it fun to use.
この新しいスマートフォンはタッチ操作にとても反応が良いので、使うのが楽しいです。
※ 新しく買ったスマートフォンやパソコンが、自分の指の動きやクリックに遅れることなく、サクサクと動く様子です。ストレスなく快適に使える喜びが伝わります。機械やシステムが、ユーザーの操作に対して速く正確に「反応する」ときに使われます。「responsive」は、機械の性能を説明する際によく使われます。例えば、「a responsive website (反応が速いウェブサイト)」など。
The firefighters were very responsive to the alarm and arrived quickly.
消防士たちは通報に素早く対応し、すぐに現場に到着しました。
※ 火事や災害など、緊急事態が発生した際に、救助隊や警察などが、通報を受けてすぐに動き出す様子です。一刻を争う状況で、迅速な対応が求められる場面で使われます。彼らのプロフェッショナルな対応力が伝わります。組織やチームが、緊急の呼びかけや状況変化に対して迅速に行動する様子を表すのに適しています。
感じやすい
刺激や影響を受けやすく、敏感に反応する様子。人の感情や、機械の感度について言う場合もある。「人の気持ちにresponsiveな人」のように使われる。
The little boy was very responsive to his mother's gentle voice.
その小さな男の子は、母親の優しい声にとてもよく反応した。
※ お母さんが優しく話しかけたら、すぐに返事をしたり、指示に従ったりする、素直な子供の様子が目に浮かびますね。「responsive」は、人や動物が外部からの刺激(声、指示など)に対して素早く、適切に反応する様子を表すときによく使われます。「be responsive to 〜」で「〜によく反応する」「〜に敏感である」という形で使われます。
This new smartphone screen is very responsive to my light touch.
この新しいスマートフォンの画面は、私の軽いタッチにとてもよく反応する。
※ 新しいスマホを触ってみたら、指で軽く触れただけでサッと画面が動く、そんな快適な使い心地が伝わってきますね。「responsive」は、機械やシステムがユーザーの操作や入力に対して、迅速かつ正確に反応する性能を表す際によく用いられます。ここでも「be responsive to 〜」の形です。「light touch」は「軽いタッチ、そっと触れること」という意味です。
The customer service team was very responsive to our urgent questions.
そのカスタマーサービスチームは、私たちの緊急の質問にとても迅速に対応してくれた。
※ 何か困ったことがあって問い合わせた時、すぐに担当者が返事をくれて、問題解決に向けて動いてくれる様子が目に浮かびますね。安心しましたね。「responsive」は、企業や組織が顧客のニーズや市場の変化、緊急事態などに対して、素早く、効果的に対応する能力を説明する際によく使われます。ここでも「be responsive to 〜」の形です。「urgent questions」は「緊急の質問」という意味で、緊急性がある場面で使われます。
反響する
(建物、部屋などが)音や光を反射・反響しやすい状態を表す。または、(機械などが)操作に対してスムーズに反応する状態を指す。「responsiveなキーボード」のように使われる。
The online shop's customer service was very responsive to my urgent request, solving my issue quickly.
そのオンラインショップのカスタマーサービスは、私の緊急の要望にとても迅速に対応し、問題をすぐに解決してくれました。
※ オンラインで何かを注文して困った時、お店の担当者が素早く、そして適切に質問に答えたり、問題を解決してくれたりする様子を表します。「responsive to + 何か」で、「〜に素早く反応する、対応する」という典型的な使い方です。
This new tablet is very responsive; its screen reacts quickly to every touch.
この新しいタブレットはとても反応が良いです。画面が指のどの動きにも素早く反応します。
※ 新しい電子機器やシステムが、操作に対してスムーズに、そして遅れなく動く様子を表します。指で画面を触るとすぐに反応するような、快適な使用感をイメージしてください。
My friend was very responsive to my worries, listening carefully and offering kind advice.
私の友達は私の心配事にとても親身になって反応し、注意深く耳を傾け、優しいアドバイスをくれました。
※ 人が他者の感情や状況に気づき、それに対して適切に、そして共感的に反応する様子を表します。困っている時に、すぐに気づいて助けてくれるような、思いやりのある態度をイメージできます。
コロケーション
フィードバックに耳を傾け、それに応じて改善する
※ ビジネスシーンでよく使われる表現で、製品開発、サービス改善、個人の成長など、あらゆる場面で重要視されます。単にフィードバックを受け入れるだけでなく、それを真摯に受け止め、具体的な行動に移すことを含意します。例えば、顧客からのレビューに基づいて製品の改良を行う、上司からのアドバイスを参考に業務プロセスを見直す、などが該当します。形容詞+前置詞句の形を取り、組織や個人の柔軟性と改善意欲を示す際に効果的です。
画面サイズに合わせて表示が最適化されるウェブデザイン
※ ウェブサイトやアプリケーションのデザイン手法の一つで、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど、異なるデバイスの画面サイズに合わせてレイアウトやコンテンツが自動的に調整されることを指します。技術的な文脈で使用され、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的とします。このデザインを採用することで、ユーザーはどのデバイスからアクセスしても快適にウェブサイトを利用できます。形容詞+名詞の組み合わせで、IT業界では必須の知識となっています。
国民のニーズや意見に敏感に対応する政府
※ 政治学や行政学で用いられる表現で、政府が国民の声に耳を傾け、政策に反映させる能力を指します。民主主義国家において、政府の正当性を示す重要な要素と見なされます。例えば、国民からの意見を公聴会やアンケート調査で収集し、それに基づいて法律や政策を修正する、などが該当します。形容詞+名詞の形で、政府の透明性と説明責任を強調する際に用いられます。対義語は「unresponsive government」。
治療によく反応する
※ 医療現場で使われる表現で、患者が特定の治療法に対して良好な反応を示すことを意味します。病状が改善したり、症状が軽減したりする場合に使われます。例えば、抗がん剤治療が効果を発揮し、腫瘍が縮小する、などが該当します。形容詞+前置詞句の形で、治療の有効性を示す際に用いられます。患者の状態を説明する際に、医師や看護師が使用します。
非常に敏感で、迅速に対応する
※ 「responsive」を強調する際に用いられる表現で、人、システム、組織などが、刺激や要求に対して非常に速く、効率的に反応することを意味します。ビジネスシーンでは、顧客からの問い合わせに迅速に対応する企業や、市場の変化に柔軟に対応する企業を評価する際に用いられます。副詞+形容詞の形で、優れた対応能力を示す際に効果的です。類義語に「very responsive」があります。
引き続き対応し続ける、反応し続ける
※ 状況の変化や要求に対して、継続的に対応し続けることを意味します。ビジネスシーンでは、顧客のニーズに常に耳を傾け、それに応じて製品やサービスを改善していく姿勢を示す際に用いられます。動詞+形容詞の形で、継続的な努力と改善意欲を強調する際に効果的です。例えば、「remain responsive to customer feedback」という表現は、顧客からのフィードバックに常に耳を傾け、改善を続けることを意味します。
使用シーン
学術論文、特に社会科学や心理学の分野でよく見られます。例えば、「参加者は実験刺激に対して非常にresponsiveであった(即座に反応した)」のように、データや被験者の反応の傾向を客観的に記述する際に用いられます。研究発表のスライドや講義資料でも、専門用語として使用されることがあります。
ビジネスシーンでは、顧客対応やシステム開発関連の文書で使われることがあります。例えば、「顧客からの問い合わせにresponsiveな(迅速な)対応を心がける」というように、サービスの質や効率性を強調する文脈で用いられます。また、ウェブサイトが「レスポンシブデザイン」である、つまり様々なデバイスに対応していることを説明する際にも使われます。
日常会話で直接使うことは少ないですが、ニュース記事や技術系のブログ記事などで目にすることがあります。例えば、「政府は国民の声にresponsiveであるべきだ(敏感であるべきだ)」というように、公共の問題や社会的な議論の中で使われることがあります。また、医療の分野で、患者が治療に「よく反応する」という意味で使われることもあります。
関連語
類義語
外部からの刺激や出来事に対して、すぐさま反応・対応するという意味。化学、物理学、心理学、政治など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"responsive"が相手のニーズや要望に沿って積極的に対応するニュアンスを含むのに対し、"reactive"は刺激に対する反射的な反応というニュアンスが強い。しばしば、計画性がない、受動的であるという否定的な意味合いを伴う。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも「反応する」と訳されることが多いが、"reactive"は「後手に回る」イメージが強い。例えば、"a reactive approach"は「事後対応的なアプローチ」という意味になる。
繊細で、わずかな変化や刺激にも気づき、影響を受けやすいという意味。人の感情、機械の精度、社会問題など、幅広い対象に使われる。 【ニュアンスの違い】"responsive"が相手の働きかけに対して能動的に対応するのに対し、"sensitive"は刺激に対して受動的に影響を受けるというニュアンスが強い。また、"sensitive"はしばしば、感情的な繊細さや、プライバシーに関わる事柄への配慮といった意味合いを含む。 【混同しやすい点】"responsive"は行動を伴う反応を指すことが多いが、"sensitive"は感情や感覚的な反応を指すことが多い。例えば、「肌が敏感」は"sensitive skin"だが、「顧客の要望に敏感に対応する」は"responsive to customer needs"となる。
- answerable
責任を負うべき、説明責任があるという意味。主に、法的責任、道徳的責任、職務上の責任など、責任の所在を明確にする文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"responsive"が相手の質問や要求に対して迅速かつ適切に対応することを意味するのに対し、"answerable"は自分の行動や決定について説明する義務があるというニュアンスが強い。責任の重さが異なる。 【混同しやすい点】"responsive"は行動の迅速さを強調するが、"answerable"は責任の所在を明確にすることに重点を置く。例えば、"He is responsive to emails"(彼はメールにすぐ返信する)と"He is answerable for the company's debts"(彼は会社の負債に対して責任がある)は全く異なる意味になる。
提案や助言を受け入れやすく、従順であるという意味。主に、人や組織の性質を表すのに使われる。フォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"responsive"が相手の要求に積極的に応えることを意味するのに対し、"amenable"は指示や提案に対して抵抗なく従うというニュアンスが強い。能動性と受動性の違い。 【混同しやすい点】"amenable"はしばしば、主体性がない、言われたことをただこなすという否定的な意味合いを伴うことがある。例えば、"He is amenable to suggestions"(彼は提案を受け入れやすい)は、必ずしも良い意味とは限らない。
新しいアイデアや情報を受け入れやすく、理解しようとする姿勢があるという意味。人、組織、社会などが対象となる。 【ニュアンスの違い】"responsive"が行動を伴う反応を指すのに対し、"receptive"は思考や感情の面で受け入れる姿勢があることを意味する。受容性の度合いが異なる。 【混同しやすい点】"receptive"は必ずしも行動を伴うとは限らない。例えば、"He is receptive to new ideas"(彼は新しいアイデアを受け入れやすい)は、彼が必ずしもそのアイデアを実行するとは限らないことを意味する。
他者の感情や苦しみに対して理解を示し、共感する気持ちがあるという意味。主に、人に対して使われる。 【ニュアンスの違い】"responsive"が相手の要求に対して的確に対応することを意味するのに対し、"sympathetic"は相手の感情に寄り添うことを意味する。対応の種類が異なる。 【混同しやすい点】"responsive"は問題解決能力を強調するが、"sympathetic"は感情的なつながりを強調する。例えば、"a responsive customer service representative"(迅速に対応してくれる顧客サービス担当者)と"a sympathetic friend"(思いやりのある友人)は、それぞれ異なる資質を表す。
派生語
『応答する』という意味の動詞。 "responsive" の語源であり、直接的な行為を表す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用され、メールや電話など、具体的なアクションを伴う状況で頻繁に用いられる。 "respond" は、"spondēre(約束する)" というラテン語に由来し、責任を持って応じるニュアンスを含む。
『応答』『反応』という意味の名詞。動詞 "respond" から派生し、応答という行為そのもの、またはその結果を指す。ビジネス文書や学術論文、アンケート結果の分析など、よりフォーマルな文脈で用いられることが多い。 "responsive" が状態を表すのに対し、 "response" は具体的な事象を指す点が異なる。
『反応の良さ』『敏感さ』という意味の名詞。 "responsive" から派生し、抽象的な概念を表す。顧客対応の質や、システムの応答速度など、特定の対象がどれだけ迅速かつ適切に対応できるかを示す際に用いられる。ビジネスシーンや技術分野でよく見られる表現。
反意語
- unresponsive
接頭辞 "un-" が付加され、『反応しない』『無反応な』という意味になる形容詞。 "responsive" の直接的な反対語であり、機械や人が期待される反応を示さない状態を表す。日常会話から技術的な文脈まで広く使用される。単に反応がないだけでなく、期待された反応がないというニュアンスを含む。
『鈍感な』『無神経な』という意味の形容詞。 "sensitive(敏感な)" の反対語であり、感情や外部からの刺激に対して反応が鈍い状態を表す。 "responsive" が物理的な反応やシステム上の応答を指すのに対し、 "insensitive" は感情や感覚的な反応の欠如を示す。人間関係や倫理的な文脈で用いられることが多い。
『不活性な』『動きのない』という意味の形容詞。物理的または化学的な文脈で、反応性がない状態を表す。 "responsive" が能動的な応答を示すのに対し、 "inert" は完全に静止し、反応を示さない状態を指す。化学、物理学、医学などの分野で専門的に使用される。
語源
「responsive」は、ラテン語の「respondere」(答える、応じる)に由来します。この respondere は、「re-」(再び、後ろへ)と「spondere」(約束する、誓う)という二つの要素から構成されています。つまり、元々は「約束に対して応答する」「誓いに応じる」といった意味合いでした。この「spondere」は、結婚の「spouse(配偶者)」や「sponsor(保証人)」といった単語にも共通する語源であり、責任や義務を伴う約束を示唆しています。「responsive」が「即応できる」「感じやすい」といった意味を持つようになったのは、約束や要求に対して迅速かつ適切に反応するという、原義から派生した意味合いが発展したためです。何かに対する働きかけに、迅速かつ適切に「応答」するイメージとして捉えると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「responsive」は単なる反応速度ではない。産業革命以降、組織の効率化から個々のニーズへの対応が求められるようになり、顧客満足度向上の鍵となった。政治においては、国民の声への傾聴が政府の信頼性を高める。人間関係においては、共感力と相手への理解が不可欠だ。つまり「responsive」は、社会の変化に対応する柔軟性、共感に基づいた人間性を象徴する言葉なのである。
混同しやすい単語
『responsive』とスペルが非常に似ており、接頭辞 're-' が共通しているため混同しやすい。意味は『責任がある』、『信頼できる』で、品詞は形容詞。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。特に、ビジネスシーンでは意味を間違えると大きな誤解を招く可能性があるため注意。
『responsible』と同様に、『responsive』とスペルが似ていることに加え、接頭辞 'ir-' が付くことで意味が反対になるため、さらに混乱しやすい。意味は『無責任な』で、品詞は形容詞。文脈によっては『unresponsive(反応がない)』と誤解される可能性もあるため、注意が必要。
『responsive』の名詞形である『response(反応、応答)』と混同しやすい。意味は名詞であり、『responsive』は形容詞である点が異なる。例えば、『a quick response』と『a responsive website』のように、品詞によって使い方が異なる。発音も似ているため、文構造を意識して区別することが重要。
『responsive』と語尾が '-spective' で共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『それぞれの』、『各々の』で、品詞は形容詞。例えば、『their respective roles』のように使われる。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、『respective』は『respect(尊敬)』と関連があることを覚えておくと、意味の区別に役立つ。
『responsive』と語尾の音の響き(特に '-sive' の部分)が似ており、発音時に混同しやすい。意味は『高価な』で、品詞は形容詞。例えば、『an expensive car』のように使われる。意味が全く異なるため、文脈から判断する必要がある。ただし、どちらも形容詞として使われるため、特にリスニング時には注意が必要。
接頭辞 'in-' が付くことで意味が反対になる点が『irresponsible』と似ており、『responsive』とスペルも一部共通するため、混同しやすい。意味は『鈍感な』、『無神経な』で、品詞は形容詞。文脈によっては『unresponsive(反応がない)』と誤解される可能性もあるため、注意が必要。特に、相手の感情に関する文脈では、意味を間違えると大きな誤解を招く可能性がある。
誤用例
日本語の『対応が良い』という言葉に引きずられ、政府などの組織が個人的な要求に『対応が良い』という文脈で使用してしまう誤用です。英語の"responsive"は、組織やシステムが特定のニーズや問題に対して迅速かつ適切に対応することを指します。政府が個人の細かな要求に逐一対応するという状況は現実的ではなく、不自然に聞こえます。より適切なのは、政府が市民全体のニーズに応えるという文脈で使用することです。背景には、西洋の民主主義国家における政府の役割は、個人の特別な要求に応えるのではなく、公共の利益のために機能するという考え方があります。"responsive"を個人に対して使う場合は、相手の感情や状況を理解し、共感的に接するという意味合いが強くなります。
ここでの誤りは、"responsive"を「人が良い」「頼みやすい」という意味で捉えている点にあります。日本人は、相手に気を遣い、協調性を重んじる文化の中で育つため、「頼まれたら断らない人=良い人」という認識を持ちやすい傾向があります。しかし、英語の"responsive"は、刺激や影響に対して敏感に反応することを意味し、必ずしも相手の要求に無条件に応じることを意味しません。"agreeable"の方が、性格的に同意しやすく、人に合わせるという意味合いで適切です。"responsive"を人に対して使う場合は、相手の言動や感情に敏感で、共感的な反応を示すという意味合いが強くなります。例えば、"He is responsive to my feelings."(彼は私の気持ちをよく理解してくれる)のように使います。
「市場が最新のファッショントレンドに敏感に反応する」という文脈で"responsive"を使用するのは、意味としては通じますが、より自然な英語としては"sensitive"が適切です。"responsive"は、通常、具体的な行動や変化を伴う反応を指します。例えば、"The car's steering is very responsive."(この車のステアリングは反応が良い)のように使います。一方、"sensitive"は、より広い意味で、影響を受けやすい、敏感であるという意味合いを持ちます。ファッション市場は、具体的な行動を起こすというよりは、トレンドの変化に影響を受けやすい、敏感であるというニュアンスが強いため、"sensitive"の方が適切です。日本人は、「反応が良い」という言葉を幅広く使う傾向があるため、"responsive"を安易に適用してしまうことがあります。英語では、文脈に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。
文化的背景
「responsive」という言葉は、単に応答が早いという意味だけでなく、相手の感情や状況を理解し、適切に対応する人間性、あるいは組織の柔軟性や共感性を象徴します。これは、単なる技術的な反応速度を超え、深い人間関係や社会的なつながりを築く上で不可欠な要素と見なされます。
「responsive」の概念が重要視されるようになった背景には、産業革命以降の社会構造の変化があります。かつては、個人の裁量よりも組織の効率が優先され、画一的なサービスが提供されることが一般的でした。しかし、情報化社会の進展とともに、顧客のニーズは多様化し、企業はより柔軟で個別対応が可能な体制を構築する必要に迫られました。この変化の中で、「responsive」は、顧客満足度を高めるための重要なキーワードとして認識されるようになりました。企業は、顧客からのフィードバックに迅速に対応し、商品やサービスを改善することで、顧客との信頼関係を構築しようと努めています。
また、「responsive」は、政治の世界においても重要な意味を持ちます。民主主義社会においては、政府は国民の声に耳を傾け、国民のニーズに応えることが求められます。政府が国民の意見に「responsive」であることは、政治の透明性や公正性を高め、国民の信頼を得る上で不可欠です。近年では、ソーシャルメディアの普及により、国民は政府に対して直接意見を表明することが容易になりました。政府は、これらの意見に迅速に対応し、政策に反映させることで、国民との対話を深めようと試みています。
さらに、「responsive」は、人間関係においても重要な役割を果たします。相手の感情や状況を理解し、適切な言葉や行動で応えることは、良好な人間関係を築く上で不可欠です。共感力が高く、「responsive」な人は、周囲の人々から信頼され、尊敬される傾向があります。心理学の研究によれば、「responsive」な親は、子供の情緒的な発達を促進し、健全な人格形成を助けることが示されています。このように、「responsive」は、個人の幸福だけでなく、社会全体のwell-beingを高める上で重要な要素と言えるでしょう。現代社会において、「responsive」であることは、単なるスキルではなく、思いやりと共感に基づいた人間性の表れとして評価されるのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題可能性あり
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など幅広いテーマで使われる。長文読解では、文章全体のテーマに対する姿勢や反応を示す文脈で登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての「反応の良い」「敏感な」の意味だけでなく、「責任感のある」「対応が早い」といった意味も押さえておくこと。類義語の「reactive」との違い(「reactive」はより受動的な反応)を理解しておくこと。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
2. 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7で、顧客対応やサービスに関する文章でよく見られる
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスメール、報告書、顧客からの問い合わせなど。顧客満足度や従業員のパフォーマンスに関する記述で登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「対応が早い」「迅速な」という意味で使われることが多い。ビジネスシーンでの使用頻度が高いため、関連語句(e.g., prompt, efficient, customer service)と合わせて覚えること。選択肢に「irresponsible」など否定的な意味の単語が含まれる場合もあるので注意。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
3. 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究報告書、科学記事など。特定の刺激や変化に対する反応を示す文脈で使われることが多い(例:植物の環境変化への反応、経済政策に対する市場の反応)。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞「responsiveness」の形でも頻出。「be responsive to」の形で使われることが多い。専門用語を含む文章で登場することが多いため、文脈から意味を推測する練習が必要。
1. 出題形式: 長文読解、文法・語彙問題(空所補充)
2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化、歴史など幅広いテーマで使われる。抽象的な概念に対する反応や影響を示す文脈で登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が必要。類義語(sensitive, susceptible)との違いを理解しておくこと。「respond」との関連性も意識し、語源から意味を推測する練習も有効。