expensive
第一音節の /ɪ/ は日本語の『イ』よりも曖昧で、口をあまり開けずに発音します。第二音節にアクセント(ˈ)があります。/ɛ/ は『エ』と『ア』の中間のような音で、日本語の『エ』よりも口を少し大きく開けて発音すると近くなります。最後の /v/ は有声の摩擦音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を出す際に声帯を震わせます。無声音の /f/ (フ) と区別しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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高価な
品質や希少性に見合うだけの価値がある、という意味合い。単に値段が高いだけでなく、それに見合った価値があることを示唆する。
She really wanted the beautiful bag, but it was too expensive for her budget.
彼女はその美しいバッグが本当に欲しかったが、予算的に高すぎた。
※ デパートで素敵なバッグを見つけたけれど、値札を見て「うわ、高い!」とがっかりする場面を想像してください。「expensive」は「too expensive(高すぎる)」とセットで使われることが非常によくあります。買い物中に「予算」を気にする、日常によくあるシチュエーションです。
My friend bought a new sports car, and it was very expensive.
私の友達が新しいスポーツカーを買ったんだけど、それはとても高価だった。
※ 友達が新車、特にスポーツカーのような高価なものを買ったと聞いて、「すごいね、いくらしたの?」と話している場面です。「very expensive(とても高価な)」のように、「expensive」の度合いを強調する言葉と一緒に使うのも一般的です。車や家など、大きな買い物について話すときによく登場します。
Staying at that fancy hotel in Paris was an expensive experience, but worth it.
パリのあの豪華なホテルに泊まるのは高価な経験だったが、それだけの価値があった。
※ 旅行から帰ってきて、思い出話をしている場面です。「高かったけど、それだけの価値があった!」という満足感が伝わります。「expensive」はモノだけでなく、「experience(経験)」や「trip(旅行)」など、サービスや活動に対しても使われます。文末の「worth it」は「それだけの価値がある」という意味で、高い買い物や体験の後によく使う便利なフレーズです。
贅沢な
必需品ではなく、生活を豊かにするための出費を伴うさま。旅行、趣味、嗜好品など、生活をより快適にするものに対して使われる。
I saw a beautiful handbag in the store, but it was too expensive for my budget.
お店で美しいハンドバッグを見かけましたが、私の予算には高すぎました。
※ 誰もが経験する「欲しいものだけど高くて買えない」という、買い物でのリアルな状況です。「too expensive for my budget」は「予算オーバー」を表すとても自然なフレーズで、残念な気持ちが伝わります。
My friend bought an expensive ticket to see his favorite band live.
私の友人は、お気に入りのバンドのライブを見るために高価なチケットを買いました。
※ 趣味や特別な体験のためにお金をかける場面です。「expensive」は、ただ「高い」だけでなく、「奮発してでも手に入れたい価値のあるもの」というワクワクするニュアンスも含まれています。
Many people think that good education is expensive, but they believe it's an important investment.
多くの人は良い教育は高価だと考えますが、それが重要な投資だと信じています。
※ 「教育」のように、形のないものや長期的な価値のあるものに対しても「expensive」が使われます。この文では、「高価だがそれだけの価値がある」という社会的な考え方が表現されています。
(代償が)大きい
金銭的なコストだけでなく、時間、労力、精神的な負担など、何かを得るために支払う必要のある犠牲が大きいことを表す。特に、感情的なコストを伴う場合に用いられる。
This new smartphone is very expensive, so I can't buy it now.
この新しいスマートフォンはとても高いので、今は買えません。
※ 店頭で最新のスマートフォンを見つけ、「欲しい!」と思ったけれど、値段を見て「高すぎて買えないな…」と諦める、というよくある状況です。このように、手が届かないほどの高値であることや、予算オーバーであることを伝える際に「expensive」は非常によく使われます。「very」を付けて強調するのも自然です。
A trip to Hawaii can be very expensive, especially during peak season.
ハワイへの旅行は、特にピークシーズン中は非常に高くなることがあります。
※ 友人や家族と旅行の計画を立てている時に、目的地や時期によって「費用がかかる」という客観的な情報や注意点を伝える場面です。「expensive」は、物だけでなく、旅行やサービス、体験など「費用がかかるもの全般」に広く使われます。「can be」は「~になることがある」という可能性を表し、より自然な情報提供のニュアンスになります。
Good quality coffee beans are often expensive, but they taste amazing.
質の良いコーヒー豆はよく高いですが、とても美味しいです。
※ コーヒー好きの人が、こだわりのコーヒー豆について語っている場面です。この例文では、「高い(expensive)」というマイナス面と、「美味しい(amazing)」というプラス面を「but」でつないでいます。値段は高いけれど、それに見合う価値がある、と納得するような状況で「expensive」を使うのは非常に典型的です。
コロケーション
法外に高い、手が出せないほど高い
※ 文字通り『禁止するほど高い』という意味合いで、高すぎて購入を諦めざるを得ない状況を表します。単に『very expensive』と言うよりも、価格が障壁になっているニュアンスが強く、しばしば不満や諦めの感情を伴います。ビジネスシーンやフォーマルな会話でよく用いられます。
金のかかる趣味、贅沢な好み
※ 『taste』はここでは『趣味』や『好み』の意味で、高価なものを好む傾向を指します。単に『お金持ち』と言うよりも、その人のライフスタイルや価値観に根ざした贅沢さを表現する際に適しています。例えば、『He has an expensive taste in cars.(彼は車に金がかかる趣味を持っている)』のように使います。
お金のかかる習慣、浪費癖
※ 日常的に高価なものを購入したり、贅沢なサービスを利用したりする習慣を指します。『habit』は単なる好みではなく、無意識に行われる行動パターンを意味するため、改善が必要なニュアンスを含むことがあります。例えば、『Smoking is an expensive habit.(喫煙はお金のかかる習慣だ)』のように使われます。
高くつくことになる、結局高くつく
※ 一見安価に見えるものが、後々になって予想外の費用がかかることを意味します。初期費用は安くても、維持費や修理費が高額になる場合などに使われます。例えば、『Buying a cheap car can prove expensive in the long run.(安い車を買うことは、結局高くつくことになるかもしれない)』のように使います。
高くつく間違い、代償の大きい失敗
※ 単なるミスではなく、金銭的な損失や大きな不利益をもたらすような間違いを指します。ビジネスシーンや重要な決断の場面でよく用いられ、その失敗がもたらす深刻さを強調します。例えば、『That was an expensive mistake that cost the company millions.(それは会社に数百万ドルの損害を与えた高くつく間違いだった)』のように使われます。
高級レストランで
※ 場所を表す前置詞『at』と組み合わせることで、特定の場所が高級であることを強調します。『in an expensive restaurant』も文法的には正しいですが、『at』を使うことで、そのレストランの雰囲気や価格帯が特に意識されているニュアンスが加わります。例えば、『We had dinner at an expensive restaurant in Ginza.(私たちは銀座の高級レストランで夕食をとった)』のように使います。
使用シーン
学術論文や教科書で、ある製品や手法のコストについて議論する際に使われます。例えば、「この新しい技術は、初期導入費用がexpensive(高価)であるため、広く普及するには課題がある」のように、費用対効果の文脈で登場します。研究発表のプレゼンテーションでも、同様の文脈で使用されることがあります。
ビジネスシーンでは、製品やサービスの価格設定、予算策定、コスト分析などの場面で使われます。会議で「このプロジェクトはexpensive(高価)すぎるため、予算の見直しが必要だ」と発言したり、顧客への提案書で「競合他社と比較して、当社の製品は初期投資はexpensive(高価)ですが、長期的な運用コストは低く抑えられます」と説明したりする際に用いられます。
日常会話で、商品やサービスの価格が高いことを表現する際によく使われます。「このレストランはexpensive(高価)だから、特別な日にしか行けないね」や「この服はデザインは良いけど、expensive(高価)すぎる」のように、買い物や外食などの場面で頻繁に耳にします。また、「expensive taste(贅沢な趣味)」のように、比喩的な意味合いで使われることもあります。
関連語
類義語
『高価な』という意味で、物の値段が高いことを表す。フォーマルな場面や書き言葉でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"expensive"とほぼ同義だが、より客観的に値段が高いことを示す傾向がある。感情的なニュアンスは少ない。しばしば、損失や犠牲を伴う高価さを示す。 【混同しやすい点】"expensive"よりもフォーマルな印象を与えるため、日常会話ではやや堅苦しく聞こえることがある。また、比喩的に『代償が高い』という意味でも使われる。
『値段が高い』という意味で、"expensive"よりもカジュアルな表現。主に日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】"expensive"よりも主観的な印象が強く、話し手が値段が高いと感じていることを強調する。やや軽めのニュアンス。 【混同しやすい点】フォーマルな場面やビジネスシーンでの使用は避けるべき。また、書き言葉よりも話し言葉で使われることが多い。
『法外な』『途方もない』という意味で、不当に高い値段であることを表す。非難や不満のニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】"expensive"よりも強い感情を表し、値段が高すぎるという話し手の怒りや不満を示す。しばしば否定的な文脈で使われる。 【混同しやすい点】単に値段が高いだけでなく、その値段が不当であるというニュアンスを含むため、客観的な事実を述べる場合には適さない。感情的な表現を避けたい場合は"expensive"を使う。
『豪華な』『贅沢な』という意味で、値段だけでなく、その物の品質やデザインが優れていることを表す。肯定的なニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】"expensive"が単に値段が高いことを示すのに対し、"lavish"は豪華さや贅沢さを強調する。しばしば、肯定的な意味合いで使われる。 【混同しやすい点】値段だけでなく、その物の持つ価値や美しさも含まれるため、単に値段が高いことを表したい場合には適さない。高級品や贅沢品を表現する際に使う。
『高級な』『高品質な』という意味で、値段が高いだけでなく、その物の品質やサービスが優れていることを表す。ビジネスシーンでよく使われる。 【ニュアンスの違い】"expensive"が単に値段が高いことを示すのに対し、"premium"は高品質であることを強調する。しばしば、価格に見合う価値があることを示唆する。 【混同しやすい点】単に値段が高いだけでなく、その物の品質やサービスも含まれるため、客観的に値段が高いことを表したい場合には"expensive"を使う。マーケティングや広告でよく使われる。
- high-end
『高級な』『最高級の』という意味で、特定の製品やサービスが最も高い品質や価格帯であることを表す。主にビジネスやマーケティングの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"expensive"よりも、その製品やサービスが属するカテゴリーの中で最も高級であることを強調する。しばしば、富裕層をターゲットにした製品に使われる。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、主にビジネスやマーケティングの文脈で使用される。また、特定のカテゴリーに属する製品やサービスに対して使われる。
派生語
名詞で「費用」「出費」を意味します。動詞「expend(費やす)」から派生し、「expensive」は元々「費用がかかる」という意味合い。「支出」という行為や概念を表し、ビジネスシーンや会計報告で頻繁に使われます。語源的には、ラテン語の「ex-(外へ)」+「pendere(重さを量る、支払う)」に由来し、お金が外へ出ていくイメージです。
- expensively
副詞で「高く」「高価に」という意味。「expensive」に副詞化の接尾辞「-ly」が付いた形です。商品の価格を強調したり、贅沢なライフスタイルを表現したりする際に使われます。日常会話よりも、広告や商品説明など、よりフォーマルな場面で見られます。例えば、「expensively decorated room(高く装飾された部屋)」のように使います。
名詞で「支出」「経費」を意味します。「expend(費やす)」から派生した名詞形ですが、「expense」よりもフォーマルで、大規模な支出や公的な支出を指すことが多いです。政府の予算や企業の財務報告など、公式文書や報道でよく使われます。例えば、「government expenditure on education(教育に対する政府支出)」のように使います。
反意語
「安い」「安価な」という意味の形容詞。「expensive」と直接的な対義語であり、価格の安さを表す最も一般的な語です。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されます。「cheap price(安い値段)」のように、具体的な商品の価格について言及する際によく使われます。比喩的に「安っぽい」「質の低い」という意味合いも持ちます。
接頭辞「in-(否定)」が付いた「expensive」の否定形で、「高価でない」「手頃な」という意味の形容詞です。「cheap」よりもやや上品で、品質が一定以上であるにもかかわらず価格が低いことを示唆するニュアンスがあります。例えば、「inexpensive but good quality(安価だが高品質)」のように使われます。
「手頃な価格の」「購入可能な」という意味の形容詞。「expensive」の対義語として、特に住宅や医療など、高額な商品やサービスについて、多くの人が購入できる価格帯であることを強調する際に使われます。「affordable housing(手頃な価格の住宅)」のように、社会的な課題を議論する文脈でもよく用いられます。
語源
"expensive"は、ラテン語の"expendere"(お金を払い出す、支払う)に由来します。"ex-"(外へ)+ "pendere"(重さを量る、ぶら下げる、支払う)という構造で、元々は「お金を払い出す価値がある」という意味合いでした。"pendere"は、英語の"pendulum"(振り子)や"depend"(頼る)といった単語にも共通する語源を持ち、元々は「重さ」や「つり下げる」といった意味合いから、「価値を量る」「代償を支払う」という意味に発展しました。つまり、"expensive"は、お金を「外へ出す」=「支払う」だけの価値がある、という意味から、「高価な」という意味になったのです。身近な例で言うと、何かを購入する際に、その品物の価値を「吟味」し、お金を「支払う」かどうかを考える行為そのものが、"expensive"の語源に繋がっていると言えるでしょう。
暗記法
「expensive」は単に高価なだけでなく、希少性や品質、所有欲を満たす文化的記号です。歴史的に富の象徴であり、現代ではライフスタイルを表現する手段となります。高級ブランド品は、歴史やイメージ、優越感といった目に見えない価値を含みます。一方で、過剰な消費は倫理的な問題も提起します。フェアトレード商品のように、社会的責任を伴う「expensive」も存在し、新たな意味を獲得しています。単語の背景を知ることで、語彙はより深く記憶に刻まれます。
混同しやすい単語
『expensive』と『extensive』は、どちらも形容詞で、語頭の 'ex-' が共通しているため、スペルと発音の両面で混同しやすいです。『extensive』は「広範囲な」「大規模な」という意味で、物理的な広がりや抽象的な範囲の広さを表します。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『tendere(伸ばす、広げる)』に由来しますが、意味の焦点が異なります(expensive は「費用がかかるほど伸ばす」、extensive は「範囲を広げる」)。
(念のため)『expensive』自身も、発音が難しいと感じる学習者がいます。特に、'xp' の音のつながりや、最後の 'sive' の部分の発音(/sɪv/)に注意が必要です。カタカナ英語で「エクスぺンシブ」と発音しがちですが、実際の発音は /ɪkˈspensɪv/ に近いことを意識しましょう。また、動詞の『spend(使う)』との関連性も理解しておくと、語彙の定着に役立ちます。
『expensive』と『expend』は、語頭の 'ex-' が共通し、スペルも似ているため混同されやすいです。『expend』は動詞で、「(時間、労力、お金などを)費やす」という意味です。例えば、『expend energy(エネルギーを費やす)』のように使います。expensiveが形容詞であるのに対し、expendは動詞である点が大きく異なります。発音も異なります(expensive: /ɪkˈspensɪv/, expend: /ɪkˈspend/)。語源的には、どちらもラテン語の『pendere(重さを量る、支払う)』に由来しますが、意味の焦点が異なります(expensive は「費用がかかるほど支払う」、expend は「完全に支払う」)。
『expensive』と『expense』は、スペルが非常に似ており、意味も関連しているため混同しやすいです。『expense』は名詞で、「費用」「経費」という意味です。例えば、『travel expenses(旅費)』のように使います。expensiveは形容詞(高価な)で、expenseは名詞(費用)である点が異なります。発音も少し異なります(expensive: /ɪkˈspensɪv/, expense: /ɪkˈspens/)。どちらもラテン語の『pendere(重さを量る、支払う)』に由来し、語源的には関連性が高いことを理解しておくと、語彙の定着に役立ちます。
『expensive』と『expansive』は、スペルが似ており、どちらも形容詞であるため混同しやすいです。『expansive』は「広大な」「広々とした」という意味で、物理的な広がりや抽象的な心の広さを表します。例えば、『expansive view(広大な景色)』や『expansive personality(心が広い性格)』のように使います。expensiveが「高価な」という意味であるのに対し、expansiveは「広大な」という意味である点が異なります。発音も異なります(expensive: /ɪkˈspensɪv/, expansive: /ɪkˈspænsɪv/)。
『expensive』と『inexpensive』は、接頭辞 'in-' の有無が異なるだけで、意味が正反対になります。『inexpensive』は「安価な」「手頃な価格の」という意味です。expensiveの否定形であることを理解しておくと、記憶に残りやすくなります。ただし、文脈によっては『cheap(安っぽい)』よりも上品なニュアンスで使われることもあります。日本人学習者は、'in-' が付いているかどうかを注意深く確認する必要があります。
誤用例
日本語の『私には高すぎます』を直訳すると、つい『expensive for me』としがちですが、英語では不自然です。英語では程度を表す『too』を使い、『too expensive』と表現するのが一般的です。これは、単に値段が高いという事実だけでなく、『私には手が届かない』というニュアンスを含みます。日本語の『〜には』という表現に引きずられず、英語の自然な語感を意識しましょう。また、別の表現として 'This antique vase is beyond my budget.' も可能です。
『expensive』と『pricey』はどちらも『高価な』という意味ですが、程度を表す副詞との相性が異なります。『a little』は通常、ネガティブな意味合いを和らげるために使われますが、『expensive』や『pricey』のような価格に関する言葉には、肯定的な意味合いを持つ『quite』や『very』を使う方が適切です。また、『pricey』はややくだけた言い方なので、フォーマルな場では『expensive』を使う方が無難です。日本人は『少し高い』という控えめな表現を好む傾向がありますが、英語ではストレートな表現が好まれることもあります。状況に応じて使い分けましょう。
『expensive tastes』は間違いではありませんが、より適切な表現は『extravagant tastes』です。『expensive』は単に値段が高いことを指しますが、『extravagant』は『度を越した、贅沢な』という意味合いを含みます。高価なものを好むだけでなく、贅沢を追求するニュアンスを伝えたい場合は、『extravagant』がより適切です。日本人は『高い』という言葉を直接使うのを避けがちですが、英語では状況に応じてより具体的な言葉を選ぶことで、より正確なニュアンスを伝えることができます。また、別の表現として 'He has a penchant for luxury brands.' も可能です。
文化的背景
「expensive(高価な)」という言葉は、単に値段が高いだけでなく、希少性、品質、そしてそれを所有することによる社会的地位や自己肯定感を象徴します。歴史的に、高価な品物は富裕層の特権であり、その所有は権力と成功の可視的な証でした。現代においても、高価なものは単なる実用品を超え、個人のライフスタイルや価値観を表現する手段として、その文化的意義を保ち続けています。
「expensive」の文化的背景を考える上で興味深いのは、それが単なる経済的な価値判断に留まらない点です。例えば、高級ブランドのバッグは、素材や職人技術の高さだけでなく、そのブランドが持つ歴史やイメージ、そしてそれを所有することによって得られる優越感や自己満足感といった、目に見えない価値を含んでいます。映画や文学作品においても、「expensive」な品々はしばしば登場人物の性格や社会的地位を象徴する小道具として用いられます。例えば、華麗な邸宅や高級車は、登場人物の富や権力を視覚的に表現し、物語の背景やテーマをより深く理解するための手がかりとなります。
また、「expensive」という言葉は、倫理的な問題とも結びつくことがあります。過剰な消費や浪費は、環境問題や社会的不平等といった問題と密接に関連しており、「expensive」なものを求める欲望は、しばしば批判の対象となります。一方で、フェアトレード商品や環境に配慮した製品など、倫理的な価値を付加した「expensive」な商品も存在します。これらの商品は、単に高価であるだけでなく、社会的な責任や持続可能性といった価値を表現する手段として、新たな意味を獲得しています。
このように、「expensive」という言葉は、経済的な価値だけでなく、歴史、文化、倫理など、様々な側面から捉えることができます。学習者は、単に「高価な」という意味を覚えるだけでなく、その言葉が持つ文化的背景や意味合いを理解することで、より深く語彙を理解し、記憶に定着させることができるでしょう。そして、「expensive」なものに対する自身の価値観や消費行動について考えるきっかけとなるかもしれません。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。2級でも稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題されるが、環境問題や社会問題など硬めの話題でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「高価な」という意味だけでなく、比喩的に「代償が高い」という意味でも使われる点に注意。類義語のcostlyとの使い分けも重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: Part 5では頻出。Part 7でも価格に関する記述でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(会議、メール、広告など)で、製品やサービスの価格設定、コスト削減に関する文脈で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞形 expense(費用)、副詞形 expensively(高価に)も合わせて覚える。affordable(手頃な価格の)などの対義語も重要。
- 出題形式: リーディングセクションの長文読解。
- 頻度と級・パート: 頻出単語。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(経済学、社会学、歴史など)で、費用対効果や投資に関する議論で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 単に値段が高いだけでなく、「資源を浪費する」「手間がかかる」といったニュアンスを含む場合がある。文脈から正確な意味を判断することが重要。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な単語帳には掲載されている。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、経済、環境問題など、硬めのテーマの文章で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。類義語(costly, pricey, high-priced)とのニュアンスの違いも理解しておくと有利。