price
二重母音 /aɪ/ は「ア」と「イ」を滑らかにつなげた音です。「ア」をはっきり発音しすぎず、すぐに「イ」に移行するのがコツ。語尾の /s/ は、日本語のサ行の子音よりも息を強く出すように意識しましょう。有声音の /z/ と混同しないように注意。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
値段
商品やサービスに対して支払うべき金額。市場の原理や価値観によって変動する。交渉の余地がある場合も含む
She checked the price tag on the pretty blue dress.
彼女はきれいな青いドレスの値札を確認しました。
※ お店で素敵なドレスを見つけ、値段を知りたくて値札(price tag)を探している場面です。「price tag」は「値段が書いてある札」という意味で、買い物中に非常によく使う表現です。このように、具体的な物(ドレス)と場所(お店)をイメージすると、単語が記憶に残りやすくなります。
He thought the price of the new laptop was a bit high.
彼は新しいノートパソコンの値段が少し高いと思いました。
※ 新しいノートパソコンを買おうとして、その値段(price)を見て「高いな」と感じている場面です。自分の欲しいものが予算より高かったり、価値と比べて高いと感じたりする時によく使われます。物に対して「price is high/low」と表現するのは、ごく自然で典型的な使い方です。
The market had a special price for fresh vegetables this morning.
今朝、その市場では新鮮な野菜が特別価格でした。
※ 市場やスーパーで、普段より安い「特別価格(special price)」の品物を見つけて「ラッキー!」と感じる場面です。「special price」は、セール品や期間限定のお買い得品を指すときによく使われるフレーズです。お得な買い物体験と結びつけることで、「price」のポジティブなイメージも持てます。
値付けする
商品やサービスに値段を設定する行為。コスト、市場の状況、競合他社の価格などを考慮して決定される
The shop assistant carefully priced the new T-shirts.
お店の店員さんが、新しいTシャツに丁寧に値段をつけました。
※ この例文は、お店で新商品が並べられる前に、店員さんが一つ一つ丁寧に値段をつけている情景を描いています。商品を売るためには必ず「値付け」が必要で、これは「price」が動詞として使われる最も基本的で典型的な状況の一つです。過去形は「priced」と規則変化します。
The company decided to price their new product competitively.
その会社は、新製品を競争力のある価格に設定することに決めました。
※ この例文は、会議室で会社の人たちが新しく作る商品の値段をどうするか真剣に話し合っている場面です。企業が新製品を市場に出す際、競合他社との関係も考えながら価格を決めることは非常に重要で、「price」はビジネスの文脈でよく使われます。「price something competitively」で「〜を競争力のある価格に設定する」というビジネスでよく聞くフレーフェーズです。
I need to price my old books before I sell them online.
オンラインで売る前に、古い本に値段をつけないといけない。
※ この例文は、家で、自分が使わなくなった本をフリマアプリなどで売るために、自分で値段を考えている場面です。最近では個人がオンラインで物を売る機会が増えており、その際に自分で商品の値段を決める行為も「price」で表現できます。「need to + 動詞の原形」は「〜する必要がある」という、日常会話で非常によく使う表現です。
代償
何かを得るために失うもの。金銭的なコストだけでなく、時間、労力、感情的な犠牲なども含む。比喩的な意味合いで用いられることが多い
She finally achieved her big dream, but the price was many sleepless nights.
彼女はついに大きな夢を叶えましたが、その代償は多くの眠れない夜でした。
※ この例文は、何か大きな目標(ここでは「大きな夢」)を達成するために、個人的な時間や健康を犠牲にする情景を描いています。「price」は、金銭的な対価だけでなく、夢を追いかける中で失った時間や睡眠など、目に見えない「犠牲」や「苦労」を表すのによく使われます。目標達成の裏にある努力や忍耐を伝える、典型的な使い方です。
He told a lie to win the game, but the price was losing his best friend's trust.
彼は試合に勝つために嘘をつきましたが、その代償は親友の信頼を失うことでした。
※ この例文は、目的(試合に勝つこと)のために倫理に反する行為(嘘をつくこと)を選んだ結果、大切なもの(親友の信頼)を失うという、苦い体験を描写しています。「price」は、悪い行いや誤った選択がもたらす「負の結果」や「失うもの」を指す際によく用いられます。目に見えない「信頼」や「友情」といった関係性の損失にも使われる点がポイントです。
The team won the championship, but the price was their serious injuries.
そのチームは優勝しましたが、その代償は選手たちの深刻な怪我でした。
※ この例文は、スポーツチームが最高の栄誉(優勝)を手に入れるために、選手たちが身体的な犠牲(深刻な怪我)を払った場面を描いています。目標達成の喜びの裏に隠された、身体的・精神的な「痛み」や「負担」を「price」で表現する典型的な例です。ビジネスや学術研究など、高い成果を出すために払う努力や犠牲全般にも応用できる考え方です。
コロケーション
代償を払う、報いを受ける
※ 文字通りには「価格を支払う」ですが、比喩的には「過ちや行動の結果として不利益や苦痛を経験する」という意味になります。物理的な支払いだけでなく、精神的な苦痛、健康を害する、人間関係の悪化など、様々な代償を伴う場合に用いられます。例えば、"He paid the price for his ambition with his health."(彼は野心のために健康という代償を払った)のように使われます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われます。
どんな犠牲を払っても、何としても
※ "at all costs" と同様に、「どんな困難や犠牲を払ってでも目的を達成する」という強い決意を表す表現です。しばしば、倫理的な問題や道徳的な葛藤を伴う状況で使用され、目的のためには手段を選ばないニュアンスを含むことがあります。例えば、"He wanted the promotion at any price."(彼はどんな犠牲を払っても昇進を望んでいた)のように使われます。ややフォーマルな場面や文学的な表現で見られます。
(何か)に値段をつける、(何か)を評価する
※ 文字通りには「値段をつける」という意味ですが、比喩的には「価値を評価する」という意味合いも持ちます。特に、金銭的な価値がつけにくいもの、例えば「自由」や「幸福」などに値段をつけるという文脈で使用される場合、その価値を強調したり、皮肉を込めたりする効果があります。例えば、"You can't put a price on happiness."(幸福にお金で値段をつけることはできない=幸福はお金では買えない)のように使われます。ビジネスシーンでも、市場価値を評価する際などに用いられます。
非常に貴重な、かけがえのない
※ "priceless"とほぼ同義ですが、より強調された表現です。「値段をつけることができないほど価値がある」という意味から、「非常に貴重で、かけがえのない」という意味合いになります。愛情、友情、信頼など、金銭では決して買えないものに対して使われることが多いです。例えば、"Her loyalty was beyond all price."(彼女の忠誠心は非常に貴重だった)のように使われます。やや古風で、文学的な表現です。
市場価格
※ 特定の品物やサービスが市場で取引される際の一般的な価格を指します。経済学やビジネスの文脈で頻繁に使用され、需要と供給のバランスによって変動します。例えば、"The market price of oil has increased."(原油の市場価格が上昇した)のように使われます。株価や不動産価格など、金融市場に関する議論でもよく登場します。経済ニュースやビジネスレポートなどで頻繁に見られる表現です。
競争力のある価格
※ 競合他社と比較して、顧客にとって魅力的な価格設定を意味します。ビジネス戦略において重要な要素であり、市場シェアの獲得や売上増加に貢献します。例えば、"We offer competitive prices on all our products."(弊社は全ての製品において競争力のある価格を提供しています)のように使われます。マーケティングやセールスの現場で頻繁に使われる表現です。
ダンピング価格
※ 不当廉売とも呼ばれ、輸出企業が自国市場よりも低い価格で商品を海外市場に販売する行為を指します。国際貿易における不公正な競争手段とみなされ、しばしば貿易紛争の原因となります。例えば、"The company was accused of selling products at dumping prices."(その企業はダンピング価格で製品を販売していると告発された)のように使われます。経済ニュースや貿易関連の記事でよく見られる表現です。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用される。特に経済学、マーケティング、経営学などでは、製品やサービスの価格設定、価格戦略、価格競争などの議論で中心的な役割を果たす。例:『The price elasticity of demand was analyzed to determine the optimal pricing strategy.(需要の価格弾力性が分析され、最適な価格戦略が決定された)』
ビジネスシーンでは、日常的な会話から公式な報告書まで幅広く使用される。価格交渉、価格設定、コスト管理、収益分析など、あらゆるビジネス活動において不可欠な概念。例:『We need to price our product competitively to gain market share.(市場シェアを獲得するために、製品に競争力のある価格を設定する必要がある)』。会議での価格戦略議論や、顧客への見積もり提示など、場面は多岐にわたる。
日常生活においても非常に頻繁に使用される。買い物をする際、レストランで食事をする際、サービスを利用する際など、あらゆる場面で価格は重要な要素となる。例:『How much does this cost?(これはいくらですか?)』。スーパーでの買い物の会話、友人とのランチの値段の話題など、日常会話に自然に登場する。
関連語
類義語
『費用がかかる』という意味で、商品やサービスの購入に必要な金額を指す。名詞としても動詞としても使用される。ビジネス、日常会話、経済学など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『price』は売り手が設定する価格を指すのに対し、『cost』は買い手が支払う費用というニュアンスが強い。また、『cost』は金銭的な費用だけでなく、時間や労力などの犠牲を伴う場合にも使用される。 【混同しやすい点】『price』は通常、具体的な金額を指すが、『cost』は抽象的な費用や犠牲を指す場合がある。例えば、『The cost of freedom』は『自由を得るための犠牲』という意味になる。
『料金を請求する』という意味で、サービスや商品に対してお金を要求する行為を指す。動詞としても名詞としても使用される。主にビジネスシーンやサービス業で使われる。 【ニュアンスの違い】『price』は単に価格を指すのに対し、『charge』はサービス提供者が顧客に対して積極的に料金を要求する行為を含む。また、『charge』は電気料金や通話料金など、使用量に応じて変動する料金に使われることが多い。 【混同しやすい点】『charge』は動詞として使用する場合、通常、『for』を伴って『~に対して請求する』という意味になる(例:charge $10 for the service)。名詞の場合は、『a charge of $10』のように使われる。
『料金』や『報酬』という意味で、特定のサービスや行為に対する対価として支払われる金額を指す。名詞として使用される。専門的なサービス(弁護士、医者など)や会員制サービスなどで使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『price』よりもフォーマルな印象があり、専門的なサービスや特定の権利を得るための対価として支払われる料金に使われることが多い。また、『fee』はサービスを受ける側が支払うというニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『fee』は特定のサービスに対する対価であり、商品の価格を指す『price』とは異なる。例えば、弁護士に支払うのは『legal fee』であり、『legal price』とは言わない。
『運賃』という意味で、交通機関(電車、バス、飛行機など)を利用する際に支払う料金を指す。名詞として使用される。旅行や交通に関する文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『price』は一般的な価格を指すのに対し、『fare』は特定の交通手段を利用するための料金に限定される。また、『fare』は通常、距離や区間に応じて変動する。 【混同しやすい点】『fare』は基本的に交通機関の料金にのみ使用され、他の商品やサービスの価格には使用されない。例えば、『taxi fare』はタクシーの運賃を意味するが、『taxi price』とは言わない。
『割合』や『相場』という意味で、単位あたりの価格や基準となる料金を指す。名詞としても動詞としても使用される。金融、不動産、ホテルなど、様々な業界で使用される。 【ニュアンスの違い】『price』は具体的な価格を指すのに対し、『rate』は基準となる価格や割合を示す。例えば、『interest rate』は金利、『exchange rate』は為替レートを意味する。また、ホテルの宿泊料金のように、変動する価格を示す場合にも使われる。 【混同しやすい点】『rate』は通常、何らかの基準となる割合や相場を示すため、具体的な商品の価格を指す『price』とは異なる。例えば、『the rate of inflation』はインフレ率を意味する。
『価値』という意味で、商品やサービスの有用性や重要性を示す。名詞としても動詞としても使用される。経済学、マーケティング、哲学など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『price』は具体的な金額を指すのに対し、『value』は主観的な価値を指す。同じ商品でも、人によって価値が異なる場合がある。また、『value』は金銭的な価値だけでなく、精神的な価値や倫理的な価値も含む。 【混同しやすい点】『value』は必ずしも金銭的な価格と一致しない。例えば、ある人にとって古い手紙は非常に高い価値を持つかもしれないが、市場価格は低いかもしれない。
派生語
『貴重な』という意味の形容詞。元々は『高い価値のある』という意味合いで、price(価値)と関連が深い。接尾辞『-ious』は性質や状態を表し、『価格に見合う価値がある』というニュアンスから派生。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。
『高価な』という意味の形容詞。priceに接尾辞『-y』が付加され、口語的な表現。日常会話でよく用いられ、商品の値段が高いことを表す際に使われる。『expensive』よりもカジュアルな印象を与える。
『査定する』『評価する』という意味の動詞。接頭辞『ap-(〜へ)』が加わり、『価格を定める方向へ向かう』という意味合いを持つ。不動産や美術品の評価など、専門的な文脈で用いられることが多い。
反意語
- worthlessness
『無価値』という意味の名詞。priceが価値を表すのに対し、worthlessnessは価値がない状態を指す。抽象的な概念として、経済学や哲学などの分野で用いられる。日常会話よりも、議論や分析の中で使われることが多い。
『無料の』という意味の形容詞。商品やサービスがprice(価格)を必要としない状態を表す。日常会話で頻繁に使われるほか、ビジネスシーンでも『free shipping(送料無料)』のように用いられる。
『割引』という意味の名詞。price(価格)を下げることを意味し、反対の概念を表す。小売業やマーケティングで頻繁に使用され、商品の価格設定戦略において重要な要素となる。
語源
"Price"(値段)という単語は、ラテン語の「pretium」(価値、報酬、値段)に由来します。この「pretium」は、さらに古い語根に遡ると考えられていますが、その起源は定かではありません。興味深いのは、「appreciate」(感謝する、価値を認める)という単語も「pretium」と同じ語源を持つということです。つまり、「price」と「appreciate」は、根源的には「価値」という概念で繋がっているのです。私たちが何かを「price」(値段を付ける)とき、それはその物の「value」(価値)を評価する行為であり、同時に、それに対する「appreciation」(感謝)の気持ちを表すことにも繋がると言えるでしょう。このように語源を辿ることで、一見すると単純な単語に、より深い意味を見出すことができるのです。
暗記法
「price」は単なる値段ではない。中世では身分、ルネサンスでは才能、近代では倫理と結びつき、社会の価値観を映す鏡だった。シェイクスピアは「price」を野心と代償の象徴として描いた。奴隷貿易では命が「price」として扱われ、倫理問題に発展。現代の「price」は、社会正義や環境への配慮を映す。私たちが支払う「price」は、社会の価値を反映しているのだ。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の子音 [z] の有無を聞き間違えやすい。'price' は『価格』、'prize' は『賞』や『景品』を意味する名詞、または『高く評価する』という意味の動詞。スペルも 'c' と 'z' の違いだけなので注意が必要。日本人学習者は、文脈からどちらの意味で使われているかを判断する必要がある。
母音の発音記号が /aɪ/ と /aɪ/ で同じであり、特にネイティブの発音を聞き慣れていないと区別が難しい。スペルも 'p' と 'r' の違いのみで視覚的に紛らわしい。'price' は価格だが、'rice' は『米』。文脈が全く異なるため、意味から判断することが重要。語源的には、'rice' は古代ギリシャ語の 'oryza' に由来し、'price' はラテン語の 'pretium' に由来するので、全く関係がない。
スペルが似ており、'price' に 'ise' が付いている形なので、関連があるように感じてしまうかもしれない。しかし、'precise' は『正確な』という意味の形容詞であり、品詞も意味も異なる。発音も 'price' が /praɪs/ なのに対し、'precise' は /prɪˈsaɪs/ と、アクセント位置が異なるため、注意が必要。語源的には、'precise' はラテン語の 'praecidere'(切り取る)に由来し、余分なものを切り取って正確にする、という意味合いを持つ。
発音記号が /preɪz/ と /praɪs/ で、母音は同じだが語尾の子音が異なるため、聞き取りにくい場合がある。スペルも 'i' と 'a' の違いだけなので、視覚的にも紛らわしい。'price' は価格だが、'praise' は『褒める』という意味の動詞、または『賞賛』という意味の名詞。文脈が異なるため、意味から判断することが重要。
'price'と'preys'は、子音の音価が近く、特に早口で発音された場合に混同しやすい。'preys'は'prey'(獲物、捕食する)の複数形または三人称単数現在形。意味は全く異なるため、文脈をよく理解する必要がある。特にニュース記事などで、'price'に関する記事と動物の捕食に関する記事が並んでいる場合などに注意。
発音の最初の部分(pr-)が共通しており、語尾の母音が異なるものの、発音全体が似ているため混同しやすい。スペルも最初の3文字が同じ。'price'は価格だが、'pride'は『誇り』という意味の名詞。意味と品詞が異なるため、文脈から判断する必要がある。
誤用例
日本語の『残念』を直訳して『shame』を使うのは不適切です。『shame』は道徳的な非難や恥ずかしさを表すニュアンスが強く、単に価格が高いことへの落胆には合いません。英語では、より穏やかな『pity』や『it's unfortunate』などが適切です。日本人が『残念』を多用する背景には、直接的な否定を避け、婉曲的に感情を表現する文化がありますが、英語では状況に応じて語彙を使い分ける必要があります。
『price』と前置詞の組み合わせで、日本人はつい『for』を選んでしまいがちですが、これは誤りです。正しくは『price of』です。日本語の『〜の値段』という表現に引きずられ、『〜の』に相当する前置詞として『of』を選択できないことが原因と考えられます。英語では、名詞と前置詞の組み合わせは慣用的に決まっているものが多く、暗記が必要です。また、『price』は対象物の本質的な価値に紐づくイメージがあり、所有を表す『of』が自然です。一方、特定の行為に対する対価を問う場合は『for』が適切な場合もあります(例:What's the charge for the service?)。
『price』を動詞として使う場合、『値段をつける』という意味になりますが、価値を評価するというニュアンスは含まれません。古い花瓶の価値を専門家に評価してもらいたい場合は、『appraise』を使うのが適切です。日本人は『値段』という言葉から直接的に『price』を連想しがちですが、英語では文脈に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。特に、美術品や骨董品などの価値評価には、専門的な知識や鑑定が必要となるため、『appraise』がより専門的なニュアンスを伝えることができます。
文化的背景
「price(価格)」は単なる金銭的な価値を示すだけでなく、社会的な価値観や道徳観、そして人間の尊厳そのものを映し出す鏡のような言葉です。中世の封建社会では、身分制度が厳格であり、それぞれの階級には固定された「社会的価格」が存在しました。貴族の「price」は名誉と血統によって定められ、農民の「price」は労働力によって評価されたのです。この時代、価格は単なる経済的指標ではなく、社会秩序を維持するための基盤でもありました。
ルネサンス期に入ると、個人の能力や才能が重視されるようになり、価格決定の基準にも変化が現れます。芸術家や学者は、その創造性や知識によって「price」を得るようになり、富豪たちは芸術作品を買い求めることで自らの社会的地位を高めようとしました。シェイクスピアの作品には、「price」が人間の野心や欲望、そしてその代償を象徴する言葉として頻繁に登場します。例えば、『リチャード三世』では、王位という最高の「price」を得るために、主人公が数々の悪事を働く様子が描かれています。このように、文学作品における「price」は、しばしば道徳的な葛藤や人間の本質を浮き彫りにする役割を担ってきました。
近代に入ると、市場経済が発展し、「price」はより客観的な指標として扱われるようになります。しかし、その一方で、「price」は倫理的な問題とも深く結びついてきました。例えば、奴隷貿易においては、人間の命が「price」として取引され、大きな社会問題となりました。また、環境破壊や労働者の搾取といった問題も、「price」を追求する過程で生じた負の側面と言えるでしょう。現代社会においても、「price」は単なる経済用語ではなく、社会正義や倫理観を問う言葉として、常に私たちの選択を左右する存在であり続けています。私たちが商品やサービスに支払う「price」は、その背後にある労働者の権利や環境への配慮といった、より大きな社会的価値を反映しているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、リスニング(会話文)。
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で登場。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。経済、社会問題、科学技術など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(価格、代償)、動詞(値段をつける、高く評価する)の両方の意味を理解。関連語(cost, value, worth)との使い分けに注意。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: 頻出。特にビジネス関連の文書(メール、レポート、広告など)。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(製品の価格、サービスの料金、株価など)。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(価格)としての用法が中心。動詞としての用法も稀に出題。類義語(fee, charge, rate)との使い分けを理解。
- 出題形式: リーディング(長文読解)、リスニング(講義形式)。
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな内容の文章や講義。
- 文脈・例題の特徴: 経済学、社会学、歴史学など、学術的な文脈で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(価格、代償)、動詞(値段をつける、高く評価する)の両方の意味を理解。比喩的な意味合いで使われる場合もある(例:the price of freedom)。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。
- 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出題頻度が高い。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。社会問題、環境問題、文化、歴史など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(価格、代償)、動詞(値段をつける)の両方の意味を理解。文脈から意味を推測する能力が重要。類義語(cost, value, worth)との使い分けを理解。