persevere
第一音節の /ɜːr/ は、口を少し開けて舌を奥に引くように発音します。「アー」と「ウー」の中間のような音で、日本語の「あ」の口の形で「う」と言うイメージです。第二音節にアクセント(ˈ)が置かれているため、そこを強く発音することを意識しましょう。最後の /r/ は、アメリカ英語では発音しますが、イギリス英語では発音しないことがあります。
やり抜く
困難な状況でも諦めずに、目標を達成するまで努力し続けることを意味します。粘り強さ、根気強さといったニュアンスを含みます。 "persevere with" (〜をやり抜く), "persevere in" (〜に励む) の形でよく使われます。
Learning English can be tough, but you must persevere to speak it well.
英語を学ぶのは大変なこともありますが、上手に話せるようになるには、やり抜く必要があります。
※ この例文は、新しいスキルを習得する際の困難と、それを乗り越えるための「やり抜く」姿勢を表しています。英語学習という、まさにあなたが直面している状況に重ね合わせやすいでしょう。最初は難しくても、諦めずに続けることの大切さが伝わります。
Even when his legs ached, he decided to persevere and finish the marathon.
足が痛んだ時でさえ、彼はやり抜いてマラソンを完走すると決意しました。
※ 身体的な苦痛や困難に直面しながらも、目標達成のために努力し続ける状況を描写しています。マラソンのようなスポーツだけでなく、つらい仕事や挑戦でも「persevere」が使われます。「even when ~」は「〜の時でさえ」と、困難な状況を強調する時によく使われる表現です。
Despite many setbacks, she chose to persevere and achieve her dream.
多くの挫折にもかかわらず、彼女はやり抜いて夢を達成することを選びました。
※ この例文は、人生の大きな目標や夢に向かう中で、たくさんの困難(setbacks)があっても諦めずに努力し続ける精神的な強さを表しています。「setback」は「挫折」や「後退」という意味で、目標達成の道のりでの困難を指します。「despite ~」は「〜にもかかわらず」と、逆境の中でも努力を続ける様子を強調します。
耐え抜く
困難や苦痛に耐え、持ちこたえることを意味します。試練や苦境に直面しても、精神力や体力で乗り越えるニュアンスです。
She decided to persevere with her English lessons, even when they felt difficult.
彼女は英語のレッスンが難しいと感じても、諦めずにやり抜くことに決めました。
※ この例文は、新しいスキルを学ぶ大人が、途中で挫折しそうになりながらも、目標のために粘り強く努力を続ける情景を描いています。語学学習は一朝一夕には身につかないので、「persevere」が非常によく使われる典型的な場面です。「persevere with 〜」で「〜を粘り強く続ける」という意味になります。
The team had to persevere through many challenges to finish the project.
そのチームは、プロジェクトを終えるために多くの困難を耐え抜かなければなりませんでした。
※ この例文は、仕事や集団での活動において、予期せぬ問題や課題に直面しながらも、チーム一丸となってそれを乗り越え、目標達成を目指す様子を表しています。ビジネスの文脈で「困難を乗り越える」という意味で「persevere through 〜」がよく使われます。困難な状況でも諦めない強い意志が感じられます。
He had to persevere to reach the finish line of the marathon.
彼はマラソンのゴールラインに到達するために、耐え抜かなければなりませんでした。
※ この例文は、マラソンランナーが体力的、精神的な限界に直面しながらも、ゴールという目標に向かって一歩一歩進み続ける情景を描いています。スポーツや長期的な目標達成において、辛い状況でも諦めずに努力を続ける様子を「persevere」で表現するのは非常に典型的です。「persevere to do 〜」で「〜するために耐え抜く」という形を覚えておくと便利です。
コロケーション
(困難な状況)に屈せず、辛抱強く続ける
※ 「persevere with + 名詞」の形で、困難な状況や課題に対して粘り強く取り組むことを意味します。特に、障害や遅延があるにもかかわらず、目標達成のために努力し続けるニュアンスを含みます。例えば、「persevere with a difficult task(困難な仕事に粘り強く取り組む)」のように使われます。このwithは「~とともに」というよりも「~に立ち向かう」というニュアンスが強く、対象となる困難を明確に示します。ビジネスシーンや学術的な文脈でよく見られます。
(活動・信念)を貫く、固守する
※ 「persevere in + 動名詞/名詞」の形で、特定の活動や信念を諦めずに続けることを意味します。withの場合と異なり、困難よりもむしろ、信念や目標そのものに重点が置かれます。例えば、「persevere in one's beliefs(自分の信念を貫く)」のように使われます。inは「~の中に留まる」というニュアンスがあり、信念や活動に深く根ざして継続することを表します。ややフォーマルな響きがあり、文学作品や演説などで用いられることがあります。
執拗に、粘り強くやり抜く
※ 「doggedly + persevere」の形で、副詞doggedly(執拗に、頑固に)がpersevereを修飾し、その粘り強さを強調します。犬が獲物を追いかけるように、目標達成のために断固として諦めない姿勢を表します。ビジネスシーンやスポーツなど、競争が激しい状況で、困難を乗り越えて成功を収める人物を描写する際に適しています。例えば、「doggedly persevere despite setbacks(挫折にもめげず執拗にやり抜く)」のように使われます。
逆境を乗り越えて耐え抜く
※ 「persevere through + 名詞」の形で、adversity(逆境、不運)という困難な状況を乗り越えて辛抱強く努力することを意味します。throughは「~を通り抜けて」というニュアンスを持ち、困難な時期を乗り越えるプロセスを強調します。自己啓発書や伝記など、困難な状況から立ち直った人物を描写する際に頻繁に用いられます。例えば、「persevere through personal tragedy(個人的な悲劇を乗り越えて耐え抜く)」のように使われます。
根気強く、辛抱強くやり続ける
※ 「patiently + persevere」の形で、副詞patiently(辛抱強く、根気よく)がpersevereを修飾し、焦らずに時間をかけて努力する様子を表します。結果がすぐに出なくても、諦めずに粘り強く取り組む姿勢を強調します。教育や研究など、長期的な努力が必要な分野でよく用いられます。例えば、「patiently persevere with a research project(研究プロジェクトに根気強く取り組む)」のように使われます。
一貫して、絶えず努力し続ける
※ 「consistently + persevere」の形で、副詞consistently(一貫して、絶えず)がpersevereを修飾し、途切れることなく努力を続ける様子を表します。一時的な努力ではなく、長期にわたって継続的に努力することが重要であることを強調します。ビジネスやスポーツなど、継続的な努力が成果につながる分野でよく用いられます。例えば、「consistently persevere with marketing efforts(マーケティング活動に一貫して取り組む)」のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、困難な研究テーマや実験に対して「粘り強く取り組む」「困難を乗り越えて研究を続ける」といった意味合いで使われます。特に、結果が出るまでに時間がかかる研究分野(医学、心理学、社会学など)で、研究者の姿勢や研究の継続性を強調する際に用いられることが多いです。例:「本研究チームは、数年にわたる困難なデータ収集期間中も、辛抱強く研究を続けた(The research team persevered through years of difficult data collection)。」「この論文は、先行研究における課題点を克服し、粘り強く分析を続けた結果である(This paper is the result of persevering analysis that overcame the challenges in previous studies)。」
ビジネスシーンでは、プロジェクトの困難な状況や目標達成までの道のりの長さを表現する際に使われます。特に、長期的なプロジェクトや、市場の変化に左右されやすい状況下で、チームや個人の粘り強さや、目標達成への強い意志を示す際に用いられます。経営戦略や事業計画の説明、従業員への訓示、顧客への報告書など、比較的フォーマルな文脈で登場します。例:「我々は、市場の変動にも関わらず、粘り強く事業を推進し、目標を達成した(We persevered in promoting the business despite market fluctuations and achieved our goals)。」「このプロジェクトの成功は、チーム全体の粘り強い努力の賜物である(The success of this project is the result of the entire team's perseverance)。」
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事、ノンフィクション書籍、ドキュメンタリー番組などで、困難な状況を乗り越えて成功を収めた人物や団体のストーリーを紹介する際に用いられることがあります。また、自己啓発書や人生訓を語る文脈で、困難に立ち向かう姿勢の重要性を説く際に使われることもあります。例:「彼女は、数々の困難を乗り越え、ついにオリンピックの金メダルを獲得した(She persevered through numerous difficulties and finally won an Olympic gold medal)。」「人生において成功するためには、粘り強さが不可欠である(Perseverance is essential for success in life)。」
関連語
類義語
困難や反対にもかかわらず、何かを続けることを意味します。しばしば、望ましくない状況や行動に対して使われます。ビジネス、日常会話、学術的な文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】「persevere」と非常に近い意味を持ちますが、「persist」は、必ずしも称賛されるべき行為ではない場合にも使われます。例えば、迷惑行為や悪癖などにも用いられます。「persevere」よりもややネガティブなニュアンスを含むことがあります。 【混同しやすい点】「persist」は、好ましくない状況が続く場合にも使われます。「The rain persisted all day.(雨が一日中降り続いた)」のように、無生物主語にも使われる点が「persevere」とは異なります。
苦痛や困難、不快な状況を耐え忍ぶことを意味します。しばしば、長期にわたる試練や苦難に対して使われます。文学作品や歴史的な文脈でよく見られます。 【ニュアンスの違い】「persevere」が目標達成のために努力を続けることを強調するのに対し、「endure」は困難な状況に耐えることに重点を置きます。「endure」はより受動的なニュアンスを持ち、しばしば感情的な苦痛や肉体的な苦痛を伴います。 【混同しやすい点】「endure」は他動詞としても自動詞としても使えますが、他動詞の場合は「~に耐える」という意味になります。また、「endure」はしばしば抽象的な概念(苦痛、試練など)を目的語にとりますが、「persevere」は具体的な行動を伴います。
何かを継続することを意味する口語的な表現です。日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】「persevere」よりもカジュアルで、フォーマルな場面には適しません。「keep on」は、単純に続けることを意味し、困難や障害を乗り越えるというニュアンスは薄いです。 【混同しやすい点】「keep on」は常に動詞のing形を伴います(keep on trying)。また、「keep on」は句動詞であり、目的語を伴う場合は「keep on doing something」の形になります。「persevere」のようなフォーマルな文脈での使用は避けるべきです。
- stick to
計画や約束、信念などを守り続けることを意味します。日常会話やビジネスシーンで使われます。 【ニュアンスの違い】「persevere」が目標達成のために努力を続けることを意味するのに対し、「stick to」は、当初の計画や方針から逸脱しないことを強調します。「stick to」は、一貫性を保つというニュアンスが強いです。 【混同しやすい点】「stick to」は、しばしば具体的な計画や方針を目的語にとります(stick to the plan)。また、「stick to」は、信念や主義を貫くという意味合いでも使われますが、「persevere」はより一般的な努力を意味します。
困難な状況で持ちこたえる、耐えるという意味です。日常会話で励ましの言葉としてよく使われます。 【ニュアンスの違い】"persevere"よりも一時的な困難に耐えるニュアンスが強く、長期的な努力というより、目の前の苦難に耐えるイメージです。また、励ましの言葉として使われることが多い点が特徴です。 【混同しやすい点】"hold on"は、電話を保留にするときなど、文字通り「つかまって待つ」という意味でも使われます。また、困難な状況における精神的な支えを意味することが多く、具体的な行動を伴う"persevere"とは異なります。
自分の意見や要求を強く主張することを意味します。ビジネスや議論の場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"persevere"が目標達成のために努力を続けることを意味するのに対し、"insist"は自分の意見を曲げないことを強調します。必ずしも努力を伴うわけではなく、主張すること自体に重点が置かれます。 【混同しやすい点】"insist"は、しばしば「~を要求する」という意味で使われ、後にthat節を伴うことがあります(insist that...)。また、意見や要求を主張するという意味合いが強く、困難を乗り越えるという"persevere"のニュアンスとは大きく異なります。
派生語
『忍耐』『根気』という意味の名詞。『persevere』に名詞化接尾辞『-ance』が付いた形。動詞の『persevere』という行為が、抽象的な概念・性質として捉えられたもの。ビジネスシーンや自己啓発書などで、努力や成功の鍵として語られることが多い。
- persevering
『忍耐強い』『根気のある』という意味の形容詞。『persevere』に形容詞化接尾辞『-ing』が付いた形。人や態度を表す際に用いられ、『a persevering student(忍耐強い生徒)』のように使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。
『粘り強い』『持続的な』という意味の形容詞。ラテン語の『persistere(固く立つ)』が語源で、『persevere』と共通の語源を持つ。『persevere』が困難に立ち向かうニュアンスなのに対し、『persistent』は変化に抵抗し続けるニュアンスを含む。医療(症状が持続する)やIT(データが永続する)分野でも使われる。
反意語
『やめる』『諦める』という意味の動詞。『persevere』が困難な状況でも努力を続けることを意味するのに対し、『quit』は途中で投げ出すことを意味する。日常会話で頻繁に使われ、『persevere』と対比される場面も多い。例えば、『Don't quit! Persevere!(諦めるな!やり抜け!)』のように使われる。
『諦める』という意味の句動詞。『persevere』が困難を乗り越えようとする意志を表すのに対し、『give up』は希望を失い、努力を放棄する状態を表す。日常会話で非常によく使われる表現であり、しばしば『persevere』の反対の行動として意識される。目標や夢を語る文脈で対比的に使われることが多い。
『(〜を)やめる』『中止する』という意味の動詞。ややフォーマルな表現で、法律やビジネスの文脈で使われることが多い。『persevere』が困難な状況でも継続する意味合いなのに対し、『desist』は意図的に行為を中断することを意味する。例えば、『desist from illegal activities(違法行為をやめる)』のように使われる。
語源
"Persevere」は、「やり抜く」「耐え抜く」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞「per-」(完全に、徹底的に)と「severus」(厳しい、真剣な)という二つの要素から構成されています。「severus」は、英語の「severe(厳しい)」の語源でもあります。つまり、「persevere」は、元々は「完全に厳しくする」や「徹底的に真剣に取り組む」といった意味合いを持っていました。そこから、「困難な状況でも、厳しく、真剣に、最後までやり抜く」という現在の意味に発展しました。日本語で例えるなら、「一徹(いってつ)」という言葉が近いかもしれません。「一つのことを徹底的に行う」というニュアンスが共通しています。
暗記法
「persevere」は西洋文化で、道徳的義務や精神的強さの証。騎士道物語では、騎士が名誉のために苦難を耐え忍び、信仰を貫く姿を描写。産業革命以降は、個人の成功物語と結びつき、アメリカンドリームの実現に不可欠な要素に。奴隷制度廃止運動や公民権運動では、抑圧に抵抗する人々の不屈の精神を象徴。現代では、目標達成だけでなく、成長や学び、人間としての尊厳を保つ意味合いも含む。
混同しやすい単語
『persevere』と『preserve』は、接頭辞 'per-' と 'pre-' の違いしかなく、スペルが非常に似ています。また、どちらも動詞で、『preserve』は「保存する」「維持する」という意味を持ちます。『persevere』は困難にもめげずに努力し続けるニュアンスですが、『preserve』は状態を維持するニュアンスなので、意味を混同しないように注意が必要です。発音も似ているため、文脈で判断する必要があります。
『severe』は、発音記号の一部が似ており、特に語尾の音が似ているため、聞き間違いやすい単語です。形容詞で「厳しい」「深刻な」という意味を持ちます。スペルも 'persevere' の一部を含んでいるため、視覚的にも混同しやすいです。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。語源的には、'severe'は「分離する」という意味のラテン語から来ており、厳しさの根本にある分離・区別という概念を理解すると、意味の区別に役立ちます。
『persistent』は「持続的な」「粘り強い」という意味で、『persevere』と意味が重なる部分があり、混同しやすいです。しかし、『persistent』は状態や性質を表す形容詞であり、『persevere』は行動を表す動詞である点が異なります。例えば、「彼は粘り強い(persistent)」とは言えますが、「彼は粘り強くある(persevere)」とは言えません。発音も似ているため、品詞と文脈で区別することが重要です。
『perception』は「知覚」「認識」という意味の名詞です。'per-' で始まるスペルが共通しているため、視覚的に混同しやすいです。また、どちらも人間の能力に関連する単語であるため、意味の面でも誤解が生じる可能性があります。発音は異なりますが、スペルの類似性から、意味を混同しないように注意が必要です。語源的には、'perception' は「完全に捉える」という意味のラテン語から来ており、認識のプロセスを示唆しています。
『pursue』は「追求する」「追いかける」という意味の動詞で、『persevere』と意味が若干似ているため、混同されることがあります。特に、目標を達成するために努力するという点で共通点があります。発音も一部似ていますが、スペルは大きく異なります。文脈によっては置き換え可能な場合もありますが、ニュアンスが異なるため、注意が必要です。『persevere』は困難に耐えながら努力するニュアンスが強いのに対し、『pursue』は目標に向かって積極的に行動するニュアンスが強いです。
『previous』は「前の」「以前の」という意味の形容詞で、スペルの一部('pre')が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。発音は大きく異なりますが、スペルの類似性から、意味を誤解する可能性があります。例えば、「前の経験(previous experience)」と「困難に耐え忍ぶ(persevere)」では、全く意味が異なります。文脈で判断することが重要です。 'previous' は、ラテン語の「前の道」に由来し、時間的な先行を示唆します。
誤用例
『persevere』は困難な状況にもかかわらず、ある行動や努力を継続することを意味します。ここでは『無罪を主張し続ける』というよりも、『無罪であると信じ続ける』という意味合いが強いので、『maintain』(維持する、主張する)がより適切です。日本人が『〜を貫く』という日本語に引きずられて、安易に『persevere』を選んでしまう典型的な例です。英語では、状態や信念を維持する場合は『maintain』、行動を継続する場合は『persevere』という使い分けを意識する必要があります。
『persevere』は、困難を乗り越えて何かを成し遂げようとするニュアンスが強く、フォーマルな場で自分の感情を伝えるという文脈にはやや不適切です。このような状況では、相手の意向を無視して、自分の意見を主張するという意味合いを持つ『insist』がより適切です。日本人は『粘り強く』という言葉から『persevere』を選びがちですが、英語では、相手の気持ちや状況を考慮した上で、適切な表現を選ぶ必要があります。特に、フォーマルな場面では、相手への配慮が重要になります。
『persevere』は通常、困難を乗り越えて最終的に成功するというポジティブな意味合いを含みます。しかし、ここでは『時代遅れのビジネスモデルを固守している』というネガティブな状況を表したいので、『persist』(固執する、しつこく続ける)がより適切です。日本人が『続ける』という言葉に囚われて『persevere』を選んでしまうと、意図しない肯定的なニュアンスが加わってしまう可能性があります。英語では、行為の結果がポジティブかネガティブかによって、適切な単語を選ぶ必要があります。
文化的背景
「persevere(耐え忍ぶ)」は、単に困難に立ち向かうだけでなく、しばしば道徳的な義務や精神的な強さの証として、西洋文化において特別な意味を持ちます。特に、試練を通じて自己を鍛え、高みを目指すという、キリスト教的な禁欲主義や英雄譚の文脈で重要な役割を果たしてきました。
中世の騎士道物語では、騎士たちは名誉と義務のために、数々の苦難に「persevere」しました。例えば、聖杯探求の物語では、パーシヴァル卿は様々な誘惑や困難に直面しながらも、聖杯を見つけるという使命を諦めませんでした。この忍耐こそが、彼を真の騎士たらしめる資質として描かれています。また、ジョン・バニヤンの寓話『天路歴程』では、主人公クリスチャンが数々の試練に耐えながら天国を目指す姿が描かれており、「persevere」は信仰を貫くことの重要性を象徴しています。
19世紀以降の産業革命時代においては、「persevere」は個人の成功物語と結びつけられるようになりました。自力で成功を掴んだ実業家や発明家たちは、困難を乗り越え、目標を達成するために「persevere」する精神の持ち主として称えられました。アメリカンドリームの実現には、才能だけでなく、粘り強さが必要不可欠であるという価値観が、「persevere」という言葉を通して表現されています。また、奴隷制度廃止運動や公民権運動などの社会変革運動においても、「persevere」は抑圧に抵抗し、正義を求める人々の不屈の精神を表す言葉として重要な意味を持ちました。
現代においても、「persevere」はスポーツ、ビジネス、学問など、あらゆる分野で目標達成のために不可欠な要素として認識されています。しかし、単なる根性論ではなく、困難を克服する過程で得られる成長や学び、そして人間としての尊厳を保つことの重要性が強調されるようになっています。現代社会における「persevere」は、自己啓発やメンタルヘルスの文脈とも深く結びつき、より包括的な意味を持つようになっていると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題の可能性あり
3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな話題、困難を乗り越える人物やプロジェクトに関する記述が多い
4. 学習者への注意点・アドバイス: persevere (動詞) の意味を確実に覚えること。perseverance (名詞) と合わせて覚える。発音も確認。
1. 出題形式: Part 5 (語彙問題), Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: 中〜高頻度。特にPart 7でビジネスシーンにおける困難を乗り越える状況で登場しやすい
3. 文脈・例題の特徴: プロジェクトの遅延、市場の変化など、ビジネス上の困難な状況で、粘り強く取り組む姿勢を表す場合が多い
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの「粘り強さ」「忍耐力」を表す単語として覚える。類義語 (persist, endure) とのニュアンスの違いも理解しておくと有利。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: 高頻度。アカデミックな文章で頻繁に登場する
3. 文脈・例題の特徴: 研究、歴史、社会問題など、困難な状況下で努力を続けることの重要性を説く文章でよく使われる
4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用頻度が高い単語。名詞 perseverance と合わせて、スペルと発音を正確に覚える。文脈から意味を推測する練習も重要。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(空欄補充)
2. 頻度と級・パート: 中〜高頻度。難関大学ほど出題されやすい
3. 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会問題など、幅広い分野で、困難な状況に立ち向かう人物や組織の物語で登場することが多い
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。類義語 (persist, endure, insist) との区別を意識する。perseverance (名詞) と合わせて覚える。