endure
第一音節の /ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で、口を少し開けて発音します。第二音節の強勢に注意し、「デュー」を意識して強く発音しましょう。語尾の /r/ は舌を丸めるか、または軽く反らせて発音します。日本語の「ル」のように舌先を歯茎につけないように。
耐え抜く
困難や苦痛、試練などを、不屈の精神で乗り越えるニュアンス。我慢するだけでなく、積極的に立ち向かい、最終的に克服するイメージを含む。
He had to endure the long marathon to the very end.
彼は長いマラソンを最後まで耐え抜かなければならなかった。
※ この例文は、ランナーが汗を流しながら、足の痛みや疲れに必死で耐え、ゴールを目指す情景を思い浮かばせます。「endure」は、このように肉体的な苦痛や困難に「じっと耐える」「耐え抜く」という状況でよく使われます。「to the very end」は「まさに最後まで」という強調です。
She had to endure her boss's long and boring speech.
彼女は上司の長くて退屈なスピーチに耐えなければならなかった。
※ 会議室で、女性がこっそり時計を見ながら、眠気をこらえているような場面が想像できますね。「endure」は、肉体的なものだけでなく、このように精神的な不快感や退屈な状況に「我慢する」「耐える」場合にも使われます。誰もが一度は経験するような、共感しやすいシチュエーションです。
The small plant had to endure the harsh winter cold.
その小さな植物は、冬の厳しい寒さに耐え抜かなければならなかった。
※ 雪に覆われた庭で、小さな芽が凍えるような風に揺れながらも、じっと立っている情景が目に浮かびます。「endure」は、人間だけでなく、物や自然が厳しい環境や条件に「持ちこたえる」「耐え抜く」様子を表す際にも使われます。目標の単語以外は、中学校で習う基本的な単語ばかりです。
長持ちする
時間的な持続性、耐久性を表す。物理的なものだけでなく、関係性や制度などが長く続く場合にも使用される。時の試練に耐える、というニュアンスを含む。
The ancient castle has endured for over 500 years.
その古代の城は500年以上も持ちこたえてきた。
※ この例文は、古い建物や歴史的なものが、長い時間や厳しい風雨に「耐えて、存在し続ける」様子を描いています。何世紀も前に建てられたお城が、今もなお力強くそびえ立っている情景が目に浮かびますね。このように、'endure' は時間の試練に耐えて残るものについてよく使われます。
These hiking boots are made to endure tough mountain trails.
この登山ブーツは、険しい山道に耐えるように作られている。
※ ここでは、製品が特定の厳しい条件に「耐え、長持ちする」という意味で 'endure' が使われています。ゴツゴツした岩場や滑りやすい泥道など、どんな険しい山道でも壊れずに、あなたの足を守り続けてくれる丈夫なブーツのイメージです。'be made to endure...' は「〜に耐えるように作られている」という、製品の耐久性を説明する際によく使われる表現です。
Their strong family bond will endure through many generations.
彼らの強い家族の絆は、何世代にもわたって続いていくだろう。
※ 'endure' は、物理的な物だけでなく、友情や愛情、文化、記憶といった「抽象的なもの」が時間と共に「長く続く、持ちこたえる」という意味でも使われます。この例文では、祖父母から親、そして子へと、何代にもわたって温かい家族の絆が受け継がれていく様子を表しています。
〜に甘んじる
不快な状況や好ましくない状態を、仕方なく受け入れること。積極的な選択というよりは、消極的な受容を意味する。例文: I cannot endure his bad behavior any longer.
The students had to endure the cold wind while waiting for the bus.
生徒たちはバスを待つ間、冷たい風に耐えなければなりませんでした。
※ この例文は、冬の寒い朝、バスを待つ生徒たちが、吹き付ける冷たい風に「じっと耐え忍ぶ」様子を描いています。「endure」は、身体的な不快感や辛い状況に「我慢する」「耐える」という気持ちを表すときに使われます。ここでは「〜しなければならなかった」という義務を表す「had to」と一緒に使われていますね。
She had to endure unfair comments from her boss every day.
彼女は毎日、上司からの不公平なコメントに耐えなければなりませんでした。
※ ここでは、精神的な苦痛や不快な状況に「甘んじる」「耐える」ことを示しています。上司からの「unfair comments(不公平なコメント)」という、不本意で受け入れたくない状況を、彼女が我慢している様子が伝わりますね。日常で、嫌なことを「我慢する」時に使える、とても典型的な表現です。
Our family had to endure difficult times after the company closed.
会社が閉鎖した後、私たちの家族は困難な時期に耐えなければなりませんでした。
※ この例文の「endure」は、経済的な困難や試練といった「長期的な厳しい状況」を「乗り越えるために耐え忍ぶ」という意味合いで使われています。会社が閉鎖するという大きな出来事の後、家族全員が協力して大変な時期をじっと耐え抜いた、という情景が目に浮かびますね。人生の試練を語る際によく使われる表現です。
コロケーション
困難に耐える、苦難を乗り越える
※ 物理的、精神的な苦痛や困難な状況に耐え忍ぶことを指します。'Hardship'は経済的な困窮、病気、自然災害など、人生における様々な苦難を含みます。このコロケーションは、個人の強さや回復力を強調する文脈でよく使われます。例えば、'They endured incredible hardship during the war.'(彼らは戦争中、信じられないほどの苦難に耐えた)のように用いられます。 'Hardship'の代わりに'suffering'を使うこともできますが、'hardship'の方がより客観的で、長期にわたる困難を指すニュアンスが強くなります。
批判に耐える、非難に耐え忍ぶ
※ 他者からの批判や非難を冷静に受け止め、それに屈しないことを意味します。ビジネスシーンや政治の世界で、リーダーシップや責任感を示す文脈でよく用いられます。例えば、'The CEO had to endure a lot of criticism after the company's poor performance.'(CEOは会社の業績不振の後、多くの批判に耐えなければならなかった)のように使用されます。 'Face criticism'も同様の意味で使えますが、'endure criticism'はより長期的に、継続的に批判に耐えるニュアンスを含みます。
痛みに耐える、苦痛を耐え忍ぶ
※ 肉体的、精神的な痛みを我慢し、耐え忍ぶことを意味します。医療やスポーツの文脈でよく使われます。例えば、'She had to endure a lot of pain after the surgery.'(彼女は手術後、多くの痛みに耐えなければならなかった)のように使用されます。'Bear the pain'も同様の意味で使えますが、'endure pain'は痛みに積極的に立ち向かい、乗り越えようとするニュアンスが強くなります。
時の試練に耐える、長期間にわたって価値を保つ
※ ある物やアイデアが、長い年月を経てもその価値や品質を失わないことを意味します。芸術、建築、文学などの分野で、永続的な価値を持つものを評価する際に用いられます。例えば、'This building has endured the test of time.'(この建物は時の試練に耐えてきた)のように使用されます。この表現は、単に時間が経過しただけでなく、その間に様々な変化や困難を乗り越えてきたことを含意します。 'Stand the test of time'も同様の意味ですが、'endure'はより能動的に試練に耐えるニュアンスがあります。
包囲に耐える、籠城戦を耐え抜く
※ 軍事的な文脈で、敵に包囲された状況で、食料や物資が不足する中でも抵抗し続けることを指します。歴史的な出来事や戦争映画などでよく使われます。例えば、'The city endured a long siege.'(その都市は長期間の包囲に耐えた)のように使用されます。 'Withstand a siege'も同様の意味ですが、'endure'はより苦難に満ちた状況下での忍耐を強調します。
辛抱強く耐える、根気強く耐え忍ぶ
※ 困難な状況や不快な出来事に対し、不満や怒りを表に出さずに、静かに耐え忍ぶことを意味します。人間関係や仕事の状況で、冷静さを保つことの重要性を示す文脈で用いられます。例えば、'She endured patiently the long delays.'(彼女は長時間の遅延を辛抱強く耐えた)のように使用されます。 'Bear patiently'も同様の意味ですが、'endure'はより精神的な強さや決意を伴う忍耐を強調します。
使用シーン
学術論文や教科書で、困難や試練に耐える、あるいは持続するという意味合いで使われます。例えば、歴史学で「民族が厳しい時代を耐え抜いた」と表現したり、工学で「この素材は極限状態に耐えうる」と説明したりする際に用いられます。文語的な表現であり、客観的な記述が求められる場面で適しています。
ビジネスシーンでは、フォーマルな文書やプレゼンテーションで、困難な状況や変化に耐える、あるいは製品や組織が長期にわたって存続するという意味で使われることがあります。例えば、「市場の変動に耐えうる強固な経営基盤を構築する」といった目標を述べたり、「長年にわたり、顧客からの信頼に耐えてきた」と実績を強調したりする際に用いられます。日常会話よりは、やや硬い印象を与えるため、使用頻度は高くありません。
日常会話では、あまり頻繁には使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、困難な状況に耐え忍ぶ人々の姿を描写する際に見かけることがあります。例えば、「彼は幼い頃から苦難に耐え忍んできた」といった文脈で使われます。個人的な苦労や困難について語る場合でも、より直接的な表現が好まれることが多いでしょう。
関連語
類義語
『(不快なことや好ましくないこと)を我慢する、許容する』という意味。主に他動詞として用いられ、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『endure』よりも、我慢することに対する不快感や嫌悪感が強く、対象を許容しない気持ちを含んでいる。また、『tolerate』は、意見や行動など、抽象的な対象に対しても使われることが多い。 【混同しやすい点】『endure』は、困難や苦痛に耐え抜くというニュアンスが強く、必ずしも対象を許容するとは限らない。一方、『tolerate』は、不快な状況を認識しつつ、それを許容するという意味合いが強い。
『(苦痛や困難)に耐える、我慢する』という意味。他動詞で、日常会話からフォーマルな場面まで使われる。 【ニュアンスの違い】『endure』と意味は近いが、『bear』の方が、より強い感情的な負担や責任を伴うニュアンスがある。また、『bear』は『(子供)を産む』という意味も持つ。 【混同しやすい点】『bear』は、比喩的に『(責任)を負う』という意味でも使われる(例: bear the responsibility)。『endure』にはこの意味はない。また、過去分詞形が『born』となる場合と『borne』となる場合があり、意味が異なる(be born: 生まれる / be borne: 耐え忍ぶ)。
『(攻撃や圧力)に耐える、抵抗する』という意味。他動詞として使われ、フォーマルな場面や、物理的な力や圧力に耐える状況でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『endure』よりも、外部からの強い力に対して積極的に抵抗し、持ちこたえるというニュアンスが強い。自然災害や敵の攻撃など、具体的な対象に対して用いられることが多い。 【混同しやすい点】『endure』は、苦痛や困難を静かに耐え忍ぶイメージだが、『withstand』は、積極的に抵抗し、対抗するイメージ。また、『withstand』は、抽象的な困難に対してはあまり使われない。
『(苦痛や損害)を経験する、苦しむ』という意味。自動詞または他動詞として使われ、日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『endure』よりも、実際に苦痛や損害を経験している状態を表す。また、『suffer』は、病気や精神的な苦しみなど、より深刻な苦痛を伴う状況で使われることが多い。 【混同しやすい点】『endure』は、苦痛に耐える行為そのものを指すが、『suffer』は、苦痛を経験した結果の状態を指すことが多い。また、『suffer』は、自動詞として使われる場合、『from』を伴うことが多い(例: suffer from a headache)。
『(試練や変化)を経験する、受ける』という意味。他動詞として使われ、手術や治療、訓練など、特定のプロセスや経験を経ることを表す。 【ニュアンスの違い】『endure』よりも、変化や試練を伴うプロセスを経ることに焦点が当てられている。また、『undergo』は、受動的な立場であることが強調される。 【混同しやすい点】『endure』は、苦痛に耐え抜くというニュアンスだが、『undergo』は、特定のプロセスを経ることに重点が置かれる。また、『undergo』は、苦痛を伴わないプロセスにも使われる(例: undergo training)。
『(困難や危機)を乗り越える、切り抜ける』という意味。他動詞で、主に困難な状況を無事に乗り越えることを意味する。比喩的な表現として使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『endure』よりも、困難な状況を乗り越えて、最終的に成功するというニュアンスが強い。嵐や悪天候を乗り切るイメージから派生した言葉。 【混同しやすい点】『endure』は、困難に耐える行為そのものを指すが、『weather』は、困難を乗り越えて、良い結果を得ることを意味する。また、『weather』は、気象に関する文脈でも使われる。
派生語
『忍耐(力)』『持続(力)』を意味する名詞。動詞『endure』から派生し、抽象的な概念を表す接尾辞『-ance』が付加された。困難に耐え抜く能力や、物の耐久性を指す。日常会話でも使われるが、ビジネスやスポーツ、学術的な文脈でも頻繁に登場する。
『永続的な』『不朽の』という意味の形容詞。動詞『endure』に現在分詞を作る接尾辞『-ing』が付加され、持続する性質を表す。愛情や名声など、時間経過に耐えるものを修飾する際に用いられる。文学作品や歴史に関する記述でよく見られる。
- indurate
『硬化させる』『無感覚にする』という意味の動詞。接頭辞『in-(中に、〜にする)』と語幹『dure(硬い)』が組み合わさってできた語で、『endure』の語源であるラテン語『durus(硬い)』と関連がある。医学や地質学の分野で、組織や土壌が硬くなる様子を表現する際に用いられる。
反意語
『屈する』『負ける』という意味の動詞。『endure』が困難に耐え抜くことを意味するのに対し、『succumb』は圧力や誘惑に耐えられず、降参することを表す。日常会話やニュース記事、文学作品など、幅広い文脈で使用される。例えば、「誘惑に屈する」「病に屈する」のように用いる。
『崩壊する』『倒れる』という意味の動詞。『endure』が構造や精神が持ちこたえることを意味するのに対し、『collapse』は物理的または比喩的に崩れ落ちる状態を表す。建物、組織、計画など、さまざまなものが対象となりうる。ニュース記事やビジネスシーンでよく用いられる。
『屈する』『譲歩する』という意味の動詞。『endure』が抵抗し続けることを意味するのに対し、『yield』は相手の要求や圧力に屈することを表す。交渉や議論の場面で、自分の意見を曲げて相手に譲る状況を表現する際に用いられる。また、物理的に「産出する」という意味もある。
語源
"endure」は、ラテン語の「indurare(硬くする、強くする)」に由来します。これは、「in-(中に、〜へ)」と「durus(硬い、強い)」という要素から構成されています。つまり、元々は「内側から硬くする」や「耐えられるようにする」といった意味合いがありました。日本語で例えるなら、「鍛錬」という言葉が近いかもしれません。困難な状況に置かれることで、精神的、肉体的に強くなるイメージです。時間が経つにつれ、「耐え抜く」「長持ちする」といった意味に発展し、さらに「〜に甘んじる」という、辛抱強く受け入れる意味合いも持つようになりました。困難な状況を「硬いもの」と捉え、それを乗り越える、あるいは受け入れるという語源からの意味の広がりを理解すると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「endure」は単なる忍耐ではない。信仰、騎士道、ストア哲学…西洋の精神史に深く根ざし、苦難を乗り越え、勝利や成長へ至る不屈の精神を象徴する。シェイクスピア悲劇の主人公、ヘミングウェイの老人サンティアゴ。彼らの姿は、試練に耐え、信念を貫くことの尊さを物語る。スポーツやビジネスの成功譚もまた、この精神の現代的な表れ。個人の成長から社会の進歩まで、「endure」は普遍的な価値を体現する。
混同しやすい単語
『endure』と『insure』は、どちらも動詞で、語尾の『-sure』という綴りが共通しているため、スペルミスや発音の混同が起こりやすいです。『insure』は『保険をかける』という意味で、経済的なリスクに対する備えを意味します。発音記号は /ɪnˈʃʊər/ で、『en-』と『in-』の違いを意識することが重要です。語源的には、『insure』はラテン語の『securus(安全な)』に由来し、『安全にする』という意味合いがあります。日本語の『保険』という言葉と結びつけて覚えると良いでしょう。
『endure』と『ensure』も、どちらも動詞で、語尾の『-sure』という綴りが共通しているため、スペルミスや発音の混同が起こりやすいです。『ensure』は『確実にする』という意味で、何かを確実に実現することを意味します。発音記号は /ɪnˈʃʊər/ で、『en-』と『in-』の違いを意識することが重要です。『ensure』は、『sure(確かな)』に『en-(~にする)』が付いた形で、『確かな状態にする』という意味合いがあります。目標達成を『確実にする』という文脈で使われることが多いです。
『endure』の語幹である『-dure』のみを取り出した形です。単独の単語としては一般的ではありませんが、英語の接尾辞として存在し、『持続する』という意味合いを持ちます。『endure』を理解する上で、この語幹の意味を知っておくと役立ちます。例えば、『obdurate(強情な)』という単語は、『完全に(ob-)』+『持続する(-dure)』という構成で、『心が固く持続する』=『強情な』という意味になります。このように、語幹の意味を知ることで、関連語彙の理解が深まります。
『endure』と『indoor』は、発音の最初の部分が似ており、特に早口で発音すると混同される可能性があります。『indoor』は『屋内の』という意味で、場所を表す形容詞または副詞として使われます。発音記号は /ˈɪndɔːr/ で、『en-』と『in-』の違いを意識することが重要です。『indoor』は『in(中に)』+『door(ドア)』という単純な構成で、『ドアの中』=『屋内』という意味合いがあります。スポーツやアクティビティを説明する際に頻繁に使われます。
『endure』と『indurate』は、どちらも語尾が似ており、特にスペルミスが起こりやすいです。『indurate』は『硬化させる』という意味で、医学や工学の分野で使われることが多い専門的な単語です。発音記号は /ˈɪndjʊərət/ で、『en-』と『in-』の違いを意識することが重要です。『indurate』は『in-(中に)』+『dure(硬い)』という構成で、『中に硬さを加える』=『硬化させる』という意味合いがあります。日常会話ではあまり使われませんが、専門的な文章を読む際には注意が必要です。
『endure』と『undo』は、どちらも動詞で、語頭の音が似ているため、発音の際に混同される可能性があります。『undo』は『元に戻す』という意味で、何かを無効にする、取り消すという意味合いを持ちます。発音記号は /ʌnˈduː/ で、『en-』と『un-』の違いを意識することが重要です。『undo』は『un-(~でない)』+『do(する)』という構成で、『しない状態にする』=『元に戻す』という意味合いがあります。コンピューターの操作や、過去の行動を後悔する際に使われることが多いです。
誤用例
『Endure』は、苦痛・困難などを『耐え忍ぶ』という意味合いが強く、精神的・肉体的な苦痛を伴う状況に使われます。退屈な講義を我慢するというニュアンスであれば、単に『sit through(最後まで座って聞く)』の方が適切です。日本人は『我慢する』という言葉に幅広く『endure』を当てはめがちですが、英語では苦痛の度合いによって語彙を使い分ける必要があります。また、日本語の『我慢』には『感情を抑える』という意味合いもありますが、英語の『endure』にはそのニュアンスは薄いです。
『Endure』は、困難な状況や苦痛に耐えるという意味合いが強い一方、『uphold』は伝統・法律・信念などを『維持する』『支持する』という意味合いを持ちます。この文脈では、伝統を単に『耐え忍ぶ』のではなく、『守り続ける』というニュアンスが適切です。日本人は『続ける』という言葉に安易に『continue』や『endure』を当てはめがちですが、英語では何を継続するのかによって適切な動詞を選ぶ必要があります。特に、抽象的な概念や制度などを継続する場合は、『uphold』のような語彙を検討すると良いでしょう。また、英語のビジネスシーンでは、形式的な慣習を批判的に捉える視点も存在するため、『endure』を使うと皮肉なニュアンスを含む可能性があります。
『Endure』は、苦痛や困難を『経験する』という意味で使われることもありますが、この文脈では不適切です。『お金を失う』という状況を表現するには、単に『lose』を使うのが自然です。日本人は『経験する』という言葉を幅広く使いがちで、特にネガティブな出来事を『endure』で表現しようとする傾向がありますが、英語では『endure』はより強い苦痛や困難を伴う場合に限定されます。また、『a lot of money』のような具体的な量を伴う場合、『endure』は不自然に聞こえます。英語では、損失の度合いによって語彙を使い分けることが重要です。
文化的背景
「endure」という言葉は、単に「耐える」という意味を超え、試練や苦難を乗り越え、最終的に勝利や成長を遂げるという文化的価値観を内包しています。それは、人間の精神的な強さ、忍耐力、そして逆境に立ち向かう不屈の精神を象徴する言葉として、文学、宗教、そして日常生活の中で深く根付いています。
西洋文化において、「endure」はしばしば信仰と結びついて語られます。キリスト教の文脈では、イエスの受難(Passion)や殉教者の物語を通して、信仰を貫き苦難に耐え忍ぶことが、究極の救済や永遠の命につながると説かれます。この考え方は、中世の騎士道物語にも影響を与え、騎士たちは名誉と正義のために、肉体的、精神的な苦痛に耐え、試練を乗り越えることが美徳とされました。また、古代ギリシャ・ローマの哲学においても、ストア派の思想家たちは、感情に流されず理性的に苦難を受け入れ、耐え忍ぶこと(endurance)を、幸福への道として重視しました。このように、「endure」は、西洋の宗教的、倫理的な基盤を形成する重要な概念の一つとして、歴史の中で繰り返し強調されてきました。
文学作品における「endure」の登場例は枚挙にいとまがありません。例えば、ウィリアム・シェイクスピアの悲劇では、主人公たちが運命の過酷さに翻弄されながらも、自身の信念や愛を貫き、最後まで耐え忍ぶ姿が描かれています。また、20世紀の文学作品では、アーネスト・ヘミングウェイの小説『老人と海』の主人公サンティアゴが、巨大なカジキとの死闘を通して、人間の不屈の精神と自然の力に対する忍耐力を示しています。これらの作品を通して、「endure」は、人間の精神的な強さ、回復力、そして生きる意味を問いかける普遍的なテーマとして、読者の心に深く響きます。
現代社会においても、「endure」は、個人の成長や成功、そして社会の進歩に不可欠な要素として認識されています。スポーツの世界では、厳しいトレーニングや怪我に耐え、目標に向かって努力するアスリートの姿が、多くの人々に感動を与えます。ビジネスの世界では、困難な状況に直面しながらも、革新的なアイデアや戦略を追求し、成功を収める起業家の物語が、社会に勇気と希望を与えます。このように、「endure」は、個人の努力と社会の発展を結びつけるキーワードとして、現代社会においても重要な意味を持ち続けています。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に長文読解。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、歴史、人物評伝など、硬めの話題で「困難に耐える」の意味で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての意味(耐える、持ちこたえる)をしっかり覚え、名詞形enduranceとの区別を意識する。同義語のtolerate, bear, withstandとのニュアンスの違いも理解しておくと有利。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: TOEIC全体として中程度の頻度。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(プロジェクトの遅延、経済状況の悪化など)で「困難に耐える」の意味で使われることが多い。契約書や報告書などの文書にも登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「耐える」という意味の他に、「持続する」という意味もあることを覚えておく。文脈によって意味が異なるため注意が必要。同義語のpersevereとの使い分けも重要。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: 頻出単語。アカデミックな内容の文章でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、科学、社会科学など、アカデミックな文脈で「耐える」「持ちこたえる」の意味で使われる。抽象的な概念や理論の説明で使われることも。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 高度な語彙力が必要。文脈から正確に意味を把握する練習が必要。名詞形のenduranceや形容詞形のenduringも合わせて覚えておくこと。類義語のwithstandとの違いを理解することも重要。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な単語帳には掲載されている。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、歴史、文学など、幅広いテーマで登場する。評論や物語など、様々なジャンルの文章で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を推測する練習が重要。「耐える」という意味だけでなく、「持続する」という意味もあることを覚えておく。派生語(endurance, enduring)も合わせて学習すること。