persistent
第一音節の /ə/ は曖昧母音で、日本語の『ア』よりも弱く短く発音します。第二音節にアクセント(強勢)があるので、そこを意識しましょう。'si' の /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音する短母音です。最後の 't' は、文末に来る場合は息を止めるように発音する(破裂させない)ことが多いです。
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粘り強い
困難や障害にも屈せず、根気強く努力を続ける様子。目標達成のために、諦めずに努力する姿勢を指す。ビジネスシーンやスポーツなど、目標達成が重視される場面でよく使われる。
Even when the puzzle was hard, the little boy was persistent and kept trying until he finished it.
パズルが難しかった時でさえ、その小さな男の子は粘り強く、完成するまで試し続けました。
※ この例文では、小さな男の子が難しいパズルに集中し、何度もピースを試す姿が目に浮かびますね。最初はうまくいかなくても、諦めずに続ける「粘り強さ」が伝わります。「persistent」は、目標に向かって諦めずに努力する人の性格や行動を表すのに非常によく使われます。特に子供の成長や学習の場面でポジティブな意味で使われることが多いです。「kept trying」は「~し続けた」という意味で、継続的な行動を表します。
The persistent rain made our outdoor picnic impossible all day long.
そのしつこい雨のせいで、私たちの屋外でのピクニックは一日中不可能でした。
※ 窓の外では、朝から晩まで雨が降り止まず、楽しみにしていたピクニックが中止になってしまった残念な気持ちが伝わる例文です。ここでは雨が「しつこく」「絶え間なく」降り続ける様子を表しています。「persistent」は、自然現象(雨、風、痛みなど)や問題が「しつこく」「絶え間なく」続く状況を表すときにもよく使われます。この場合、少しネガティブなニュアンスを含むこともあります。「make + 目的語 + 形容詞」は「目的語を~の状態にする」という基本的な文型です。「all day long」は「一日中ずっと」という意味です。
She was persistent in her job search, sending out many resumes until she finally got an interview.
彼女は就職活動において粘り強く、最終的に面接の機会を得るまで、たくさんの履歴書を送り続けました。
※ 職探しでなかなか良い返事が来なくても、諦めずに何通も履歴書を書き、送り続ける女性の姿が目に浮かびます。努力が報われた瞬間の喜びも想像できますね。この例文は、ビジネスやキャリアの文脈で、目標達成のために粘り強く努力する姿勢を表現するのに適しています。成功の裏にある見えない努力を示すことができます。「persistent in ~」で「~において粘り強い」という意味になります。「sending out many resumes」のように、動名詞を使って具体的な行動を補足する形も自然です。
しつこい
望ましくない行動や状態が、なかなか終わらず続く様子。ネガティブなニュアンスで使われることが多い。例えば、迷惑メールや咳、痛みなど。
The phone kept ringing because a persistent salesperson wouldn't give up.
しつこい営業担当者が諦めなかったので、電話が鳴り続けました。
※ 家でくつろいでいるのに、しつこく何度も電話をかけてくる営業担当者にうんざりしている様子が伝わります。このように「しつこく続く」「なかなか諦めない」という行動に対して、「persistent」はよく使われます。
My persistent cough made it hard to sleep last night.
しつこい咳のせいで、昨夜はなかなか眠れませんでした。
※ 夜中に咳が止まらず、つらくて眠れない状況が目に浮かびます。「persistent」は、病気の症状や痛みなど、なかなか治まらず「しつこく続く」ものにも使われます。体調が悪い時にこの単語を耳にすることがよくあります。
The little boy was persistent in asking for ice cream, even after his mom said no.
小さない男の子は、お母さんがダメだと言った後も、しつこくアイスクリームをねだりました。
※ お母さんに「ダメ」と言われたのに、諦めずに何度もアイスをねだる子供の姿が目に浮かびます。子供が何かを強く欲しがって「しつこく」要求する時にぴったりの表現です。親にとっては困る「しつこさ」ですが、子供の「粘り強さ」とも言えます。
持続的な
効果や影響が一時的ではなく、長期間にわたって続く様子。環境問題や経済成長など、長期的な視点が必要な場合に用いられる。
He continued his persistent practice every day to become a professional pianist.
彼はプロのピアニストになるため、毎日持続的な練習を続けました。
※ 「persistent practice」で「持続的な練習」という意味になります。何かを達成するために、諦めずにコツコツと努力を続ける様子が目に浮かびますね。目標に向かって毎日頑張る姿を表すのにぴったりの表現です。
The persistent rain made the roads wet and difficult to drive on.
その持続的な雨のせいで、道は濡れて運転しづらくなりました。
※ 「persistent rain」は「降り続く雨」や「しつこい雨」という意味で、非常によく使われる組み合わせです。単なる「雨」ではなく、「なかなか止まない雨」といううんざりした気持ちや、その影響まで伝わってきますね。
The persistent noise from the construction site made it hard for me to sleep at night.
建設現場からの持続的な騒音のせいで、私は夜眠るのが困難でした。
※ 「persistent noise」は「鳴り止まない騒音」や「しつこい騒音」という意味で、これも非常によく使われる表現です。うるさくて困っている人の気持ちが伝わってきますね。場所や時間帯を具体的にすることで、より鮮明なシーンが想像できます。
コロケーション
長引く咳、なかなか治らない咳
※ 医学的な文脈でよく使われる表現です。単なる咳ではなく、数週間以上続く、あるいは何度も再発するような咳を指します。風邪やインフルエンザだけでなく、喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、より深刻な病気の兆候である可能性も示唆します。口語でも使われますが、医療関係者や医療記事で目にする機会が多いでしょう。 "chronic cough"(慢性的な咳)も同様の意味で使われますが、"persistent cough" は、症状が一時的かもしれないニュアンスを含みます。
粘り強い努力、根気強い取り組み
※ 目標達成のために諦めずに努力を続けることを意味します。ビジネスシーンや学術的な文脈でよく用いられ、単に「努力」と言うよりも、困難な状況にも屈しない強い意志が込められています。"consistent efforts"(一貫した努力)と似ていますが、"persistent efforts" は、障害を乗り越えながら続けるニュアンスがより強く、"consistent efforts" は、規則正しく着実に続けるニュアンスが強いです。
根強い噂、消えない噂
※ 事実かどうか定かでない情報が広まり続け、なかなか鎮静化しない状況を表します。ゴシップ、政治、ビジネスなど、さまざまな分野で使われます。"widespread rumors"(広範囲に広がる噂)と似ていますが、"persistent rumors" は、噂が広まっている範囲よりも、むしろ噂が長く続いていること、または何度も再浮上することに焦点が当てられます。噂の内容が人々の関心を惹きつけ、何度も話題になる場合に用いられます。
常習犯、再犯者
※ 法律や犯罪に関する文脈で使用され、何度も同じような犯罪を繰り返す人を指します。単に「犯罪者」と言うよりも、矯正や更生が難しい、社会にとってより深刻な問題となる人物を指すニュアンスがあります。裁判やニュース記事などでよく見られる表現です。"repeat offender" もほぼ同義ですが、"persistent offender" は、より深刻な犯罪者や、より頻繁に犯罪を繰り返す者を指す傾向があります。
持続的な痛み、慢性的な痛み
※ 医学的な文脈で、長期間続く痛みを指します。怪我や病気による痛みだけでなく、原因不明の痛みにも用いられます。"chronic pain"(慢性的な痛み)とほぼ同義ですが、"persistent pain" は、痛みが完全に消えない状態を表すニュアンスが強いです。患者が医師に症状を説明する際や、医療研究論文などで用いられます。
しつこい質問、執拗な尋問
※ 相手が答えたがらないことや、何度も同じような質問を繰り返すことを指します。警察の捜査やジャーナリズムの取材など、情報を引き出す必要がある場面で用いられます。"relentless questioning"(容赦のない質問)と似ていますが、"persistent questioning" は、質問の回数や頻度に重点が置かれ、"relentless questioning" は、質問の厳しさや攻撃性に重点が置かれます。
遷延性植物状態
※ 医学用語で、脳に重篤な損傷を受け、意識を回復する見込みがない状態を指します。生命維持装置によって生存しているものの、自発的な行動や反応がほとんど見られない状態です。倫理的、法的な問題とも深く関わるため、ニュースや医療倫理に関する議論などで用いられます。非常にデリケートな話題なので、使用する際には注意が必要です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある現象や性質が継続的に見られることを示す際に用いられます。例:心理学の研究で、「幼少期のトラウマが成人後の行動にpersistentな影響を及ぼす」のように使われます。また、統計データにおける「誤差がpersistentに存在する」といった表現も一般的です。
ビジネスシーンでは、目標達成への粘り強さや、問題解決への持続的な取り組みを評価する際に使われます。例:プロジェクトの報告書で、「市場調査の結果、需要は低いものの、persistentなマーケティング活動により潜在顧客の獲得を目指す」と記述したり、人事評価で「困難な状況でも粘り強く交渉を続け、契約を成立させた」社員を評価する際に用いられます。やや硬い表現なので、日常会話よりは文書で使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品で、困難に立ち向かう人物や、長期間続く社会問題などを描写する際に用いられることがあります。例:「貧困から抜け出すために、persistentに努力を続けた女性」のように、感動的なストーリーの中で使われることがあります。また、「persistentな差別問題」のように、根深い問題を表現する際にも使われます。
関連語
類義語
『固執する』『粘り強い』という意味で、目標や信念を諦めない姿勢を表す。ビジネスシーンや目標達成に関する文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『persistent』よりも意志の強さや決意が強く、困難に立ち向かう不屈の精神を強調する。ややフォーマルな印象を与える。 【混同しやすい点】『tenacious』は、物理的に『しがみつく』という意味でも使われることがある。また、ビジネスシーンでは『aggressive』と混同されやすいが、『tenacious』はあくまで粘り強さを意味する。
『決意した』『断固とした』という意味で、特定の目標を達成するために強い意志を持っている状態を表す。個人的な目標やプロジェクトの成功など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『persistent』が行動の継続性を強調するのに対し、『determined』は目標達成への強い決意を強調する。より主観的な感情や意志を表す。 【混同しやすい点】『determined』は形容詞であり、状態を表す。行動の継続性を示す場合は、『persistently』のような副詞形が必要となる。また、『determined to do』の形で使われることが多い。
- persevering
『忍耐強い』『根気強い』という意味で、困難や遅延にもめげずに努力を続ける姿勢を表す。長期的なプロジェクトや困難な状況での成功において重要な資質として評価される。 【ニュアンスの違い】『persistent』と非常に近い意味を持つが、『persevering』は特に困難な状況下での忍耐強さを強調する。より客観的な視点から評価されることが多い。 【混同しやすい点】『persevering』は現在分詞形であり、形容詞として使われる。動詞の『persevere』は自動詞であり、『persevere in』の形で使われることが多い。
『主張する』『要求する』という意味で、自分の意見や要求を強く主張する態度を表す。ビジネス交渉や議論の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『persistent』が目標達成のために努力を続けることを意味するのに対し、『insistent』は自分の意見や要求を曲げないことを意味する。やや攻撃的なニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】『insistent』は、しばしば『demanding』と混同されるが、『insistent』は意見や要求を主張する態度を指し、『demanding』は要求の内容が厳しいことを指す。
- dogged
『頑固な』『執拗な』という意味で、困難にもめげずに目標を追求する姿勢を表す。特に、困難な状況や不利な状況下での粘り強さを強調する。 【ニュアンスの違い】『persistent』よりも、より強い意志と決意を持って困難に立ち向かうニュアンスがある。やや古風な表現で、文学作品などで見られる。 【混同しやすい点】『dogged』は、しばしば否定的な意味合いで使われることがある。特に、他人の意見を聞き入れずに自分の意見を押し通すような場合に用いられることがある。
『断固とした』『揺るぎない』という意味で、決意が固く、迷いがない状態を表す。困難な決断を迫られた場面や、強い意志を持って行動する場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『persistent』が行動の継続性を強調するのに対し、『resolute』は心の状態、つまり決意の固さを強調する。よりフォーマルな表現で、リーダーシップや勇気を表す文脈でよく用いられる。 【混同しやすい点】『resolute』は形容詞であり、状態を表す。行動の継続性を示す場合は、『resolutely』のような副詞形が必要となる。また、『resolute in』や『resolute to do』の形で使われることが多い。
派生語
『持続する』『固執する』という意味の動詞。『per-(完全に)』+『sist-(立つ)』という語源から、『完全に立ち続ける』というイメージ。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用される。
『粘り強さ』『持続性』という意味の名詞。『persist』に名詞化接尾辞『-ence』が付いた形。抽象的な概念を表すため、ビジネスシーンや学術論文でよく用いられる。個人の性格や組織の特性を表現する際に役立つ。
- persistently
『粘り強く』『しつこく』という意味の副詞。『persistent』に副詞化接尾辞『-ly』が付いた形。行動の様子を強調する際に用いられ、ビジネス文書や日常会話で使われる。
反意語
『止まる』『終わる』という意味の動詞。『persistent』が『継続する』という意味であるのに対し、『cease』は活動や状態の停止を表す。ビジネスシーンや学術論文で、活動やプロセスの終了を明確に示す際に使用される。
『止まる』という意味の動詞。『persistent』が何かを継続する意志や努力を示すのに対し、『stop』は単純な停止を表す。日常会話で頻繁に使われ、行動や活動の一時的または恒久的な停止を示す。
『やめる』『差し控える』という意味の動詞。『de-(分離)』+『sist-(立つ)』という語源から、『立ち位置から離れる』というイメージ。『persistent』が行動を続けることを意味するのに対し、『desist』は意図的に行動を停止することを意味する。法的な文脈やフォーマルな状況で、特定の行動を控えることを示す際に用いられる。
語源
「persistent」は、ラテン語の「persistere」(固く立つ、持ちこたえる)に由来します。これは、「per-」(完全に、徹底的に)と「sistere」(立つ、位置する)という二つの要素から構成されています。「sistere」は「stand(立つ)」という英語の語源とも関連があり、印欧祖語の根 *sta-(立つ)に遡ることができます。つまり、「persistent」は、文字通りには「完全に立ち続ける」という意味合いを持ち、そこから「困難な状況でも揺るがずに立ち続ける」「粘り強く続ける」といった意味に発展しました。日本語で例えるなら、「石にかじりついてでも」やり遂げるようなイメージです。一度決めたことを徹底的にやり抜く、そんな強い意志を表す言葉として、「persistent」を覚えておくと良いでしょう。
暗記法
「persistent」は、個人の不屈の精神や社会変革の歴史を彩る言葉。アメリカ独立革命や公民権運動における粘り強い抵抗は、自由と平等を求める象徴でした。『白鯨』のエイハブ船長の執念深さ、『フォレスト・ガンプ』のひたむきさは、人間の意志の強さを示す好例です。ただし、度が過ぎれば「しつこい嫌がらせ」にも。文脈をわきまえた使い方が重要です。
混同しやすい単語
『persistent』と『insistent』は、どちらも『-sistent』という語尾を持ち、意味も近い(主張が強い)ため混同しやすい。しかし、『persistent』は「粘り強い、持続的な」という意味合いが強く、問題や困難にも屈しないニュアンス。『insistent』は「強く主張する、要求する」という意味合いが強い。品詞はどちらも形容詞。注意点として、文脈によってどちらが適切か判断する必要がある。語源的には、どちらもラテン語の『sistere』(立つ、とどまる)に由来するが、『per-』(通して) と『in-』(中に) の違いが意味に影響を与えている。
『persistent』と『consistent』は、語尾が同じで、意味も「一貫性」という点で共通するため、混同しやすい。『persistent』は「粘り強く続ける」という意味合いが強いのに対し、『consistent』は「首尾一貫している、矛盾がない」という意味合いが強い。品詞はどちらも形容詞。注意点として、『consistent』は規則や原則に沿っていることを強調する際に使われることが多い。語源的には、ラテン語の『consistere』(共に立つ、存在する)に由来し、複数の要素が調和して存在するというニュアンスを含む。
『persistent』の形容詞形と『resistance』の名詞形は、語幹が似ているため混同しやすい。『persistent』は「粘り強さ」という性質を表す形容詞だが、『resistance』は「抵抗、反抗」という行為や能力を表す名詞。例えば、「He showed persistent effort.(彼は粘り強い努力を見せた)」と「There was resistance to the new law.(新しい法律に抵抗があった)」のように、文法的な役割が異なる。語源的には、どちらもラテン語の『sistere』(立つ、とどまる)に由来するが、『re-』(再び、反対に) の接頭辞が意味を大きく変えている。
『persistent』と『precedent』は、スペルの一部が似ており、特に『-ent』の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。『persistent』は「粘り強い」という意味の形容詞だが、『precedent』は「前例、先例」という意味の名詞。発音も異なる。注意点として、法律やビジネスの文脈では『precedent』が頻繁に使われる。語源的には、『precedent』はラテン語の『praecedere』(先に行く)に由来し、時間的な先行を示す。
『persistent』と『presence』は、語尾のスペルが似ており、『-ence』と『-ent』が視覚的に紛らわしい。『persistent』は形容詞で「粘り強い」という意味だが、『presence』は名詞で「存在、出席」という意味。発音もアクセントの位置が異なるため、注意が必要。例えば、「persistent rain(しつこい雨)」と「her presence at the meeting(会議への彼女の出席)」のように、文脈が大きく異なる。語源的には、『presence』はラテン語の『praeesse』(前にいる、支配する)に由来する。
『persistent』と『resilient』は、どちらも困難な状況から立ち直る能力に関連する単語であるため、意味の面で混同しやすい。『persistent』は「困難にもめげず、粘り強く続ける」という意味合いが強いのに対し、『resilient』は「困難から素早く回復する、立ち直る」という意味合いが強い。品詞はどちらも形容詞。注意点として、『resilient』は物理的な回復力や精神的な柔軟性を強調する際に使われることが多い。語源的には、『resilient』はラテン語の『resilire』(跳ね返る)に由来し、元の状態に戻るイメージを含む。
誤用例
日本語の『彼はわがままで粘り強い』という発想から、形容詞『persistent』を名詞『selfishness』を修飾するために使用してしまう誤用です。しかし、英語では『persistent』は通常、行動や努力の継続性を表すために使われ、性格そのものを修飾する場合には副詞『persistently』を用いる方が自然です。日本語の形容詞が名詞を修飾する構造に引きずられやすい点に注意が必要です。
『persistent』を『我慢する』『耐える』のような意味で捉え、『家で我慢することにした』という意図で使ってしまう誤用です。これは、日本語の『根気強く』というニュアンスから、状況に耐え忍ぶ意味合いを過度に解釈してしまうことが原因です。英語では、状況に耐える場合は『endure』や『bear』、特定の場所に留まる場合は『stay』を用いるのが適切です。また、'persistent'は状態が続くことを意味し、行動を表す動詞として使うことは稀です。
『persistent』は、時にネガティブなニュアンス(しつこい、強引)を含むことがあります。才能がないにも関わらず試験に合格するという文脈では、単に『根気強い』という意味合いの『persevering』を使う方が適切です。日本人は、美徳として『根気』を捉えがちですが、英語では状況によって言葉を選ぶ必要があります。また、日本語の『粘り強さ』には良い意味も悪い意味も含まれますが、英語ではより明確に区別されることを意識しましょう。
文化的背景
「persistent」は、単に「粘り強い」という意味を超え、しばしば、目標達成のために困難を乗り越える不屈の精神、あるいは、時には、周囲の反対を押し切ってでも自らの信念を貫き通す強い意志を象徴します。この単語が持つ文化的意義は、個人の成功譚だけでなく、社会変革の歴史においても重要な役割を果たしてきました。
アメリカ独立革命の時代、植民地の人々は本国イギリスからの抑圧に対し、persistentな抵抗を続けました。彼らの粘り強い戦いは、単なる反乱ではなく、自由と平等を求める不屈の精神の表れとして捉えられ、後の民主主義国家の成立に大きな影響を与えました。また、公民権運動においても、人種差別に反対する人々は、persistentな抗議活動を通じて、社会の不平等是正を訴えました。彼らの粘り強い努力は、法律の改正や人々の意識改革につながり、アメリカ社会の多様性と包容性を高める原動力となりました。
文学作品においても、「persistent」はしばしば重要なテーマとして扱われます。例えば、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』に登場するエイハブ船長は、巨大な白い鯨モービィ・ディックへの復讐に異常なほど執着し、persistentな追跡を行います。彼の行動は、狂気と紙一重の執念深さを表すと同時に、人間の意志の強さや限界を浮き彫りにします。また、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』の主人公フォレストは、知能指数は低いものの、ひたむきで誠実な性格を持ち、様々な困難に直面しながらも、persistentに人生を歩んでいきます。彼の姿は、知性や才能だけでなく、粘り強さこそが成功への鍵であることを示唆しています。
このように、「persistent」は、個人の努力や社会運動、文学作品など、様々な場面で、困難を乗り越え、目標を達成するための重要な要素として認識されています。しかし、その一方で、状況によっては、頑固さや執念深さといったネガティブな意味合いを含むこともあります。例えば、相手の意向を無視して一方的にアプローチを続ける行為は、persistent harassment(しつこい嫌がらせ)と表現されることがあります。したがって、「persistent」を使用する際には、文脈を考慮し、適切なニュアンスで伝えることが重要です。
試験傾向
準1級・1級の長文読解、語彙問題で出題される可能性があります。特に、文章全体の文脈から「persistent」が持つ粘り強さ、持続性といったニュアンスを理解しているかを問う問題が出やすいです。ライティングで使う場合は、スペルミスに注意してください。
Part 5 (短文穴埋め問題) や Part 7 (長文読解) で見かけることがあります。ビジネスシーンで、目標達成のために「根気強く努力する」といった意味合いで使われることが多いです。類義語との選択問題に注意が必要です。
リーディングセクションで、アカデミックな文章の中で出題される可能性があります。科学、社会科学、歴史など、様々な分野で「持続的な」「根強い」といった意味合いで使われます。文章全体の論理構造を把握し、文脈から正確な意味を判断する必要があります。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測させる問題や、同意語を選ぶ問題が出やすいです。単語の意味だけでなく、文章全体の内容を理解する読解力も求められます。