obtain
最初の音 /ə/ は曖昧母音で、力を抜いた「ア」に近い音です。日本語の『ア』よりも口をあまり開けず、軽く発音しましょう。強勢は2番目の音節「テイン」にあります。/eɪ/ は二重母音で、『エイ』と発音しますが、日本語の『エイ』よりも、最初の『エ』を少し長めに発音するとより自然になります。
手に入れる
努力や交渉の末に何かを得るニュアンス。単に物を買うだけでなく、資格や許可、情報など、抽象的なものを得る場合にも使われる。
She finally managed to obtain the rare book she needed for her research.
彼女はついに、研究に必要な珍しい本を手に入れることができました。
※ 【情景が浮かぶ!】図書館の棚を何日も探し回ったり、古本屋を巡ったりして、やっと探し求めていた貴重な本を見つけ、手に入れた瞬間の喜びが伝わります。 【なぜ典型的?】「obtain」は、努力や手続きを経て、何かを「入手する」「得る」というニュアンスが強い単語です。この例文のように、簡単には手に入らないものを苦労して得る場面でよく使われます。 【ちょっと補足】'managed to do' は「なんとか〜できた」という意味で、努力が実ったことを表します。
Before traveling abroad, you must obtain a valid visa.
海外旅行に出かける前に、有効なビザを取得しなければなりません。
※ 【情景が浮かぶ!】パスポートを手に、大使館の窓口で緊張しながら書類を提出し、無事にビザが発行されてホッと一安心する様子が想像できますね。 【なぜ典型的?】ビザや免許、許可証など、公的な書類や資格を「取得する」という場面は、「obtain」が非常によく使われる典型的なシチュエーションです。 【ちょっと補足】'must' は「〜しなければならない」という強い義務を表します。'valid' は「有効な」という意味です。
He worked hard to obtain good results on his final exam.
彼は期末試験で良い結果を得るために一生懸命勉強しました。
※ 【情景が浮かぶ!】夜遅くまで机に向かい、参考書を広げて懸命に勉強する彼の姿が目に浮かびます。そして、努力が報われ、良い成績を取れた時の達成感と安堵の表情も。 【なぜ典型的?】「obtain」は、努力や学習によって「成果」「結果」を「得る」際にも使われます。単に「get」よりも、その過程での努力や達成感が強調されるニュアンスがあります。 【ちょっと補足】'worked hard' は「一生懸命働いた/努力した」という意味です。'final exam' は「期末試験」のことですね。
獲得する
目標を達成したり、競争に勝ったりして、名誉や地位、評価などを得る意味合い。努力や才能が認められた結果として何かを得る場合に使われる。
She worked hard to obtain all the necessary information for the new project.
彼女は新しいプロジェクトに必要な情報をすべて得るために、一生懸命働きました。
※ この例文は、ある人が新しいプロジェクトのために必要な情報を「得る」ために一生懸命努力した様子を描いています。「obtain」は、単に「手に入れる(get)」だけでなく、少し手間や努力をかけて「獲得する」というニュアンスがあります。特に、情報や知識、許可、資格などを得る際によく使われる、ビジネスや学術的な文脈で頻出する典型的な使い方です。
It was difficult to obtain tickets for the popular concert.
その人気のコンサートのチケットを手に入れるのは困難でした。
※ この例文は、人気のコンサートチケットを「手に入れる」のが難しかった状況を表しています。「obtain」は、このように希少なものや、手に入れるのに競争や努力が伴うものを「入手する」際にも使われます。例えば、限定品や特別な許可などを苦労して手に入れたい時にぴったりです。「get」よりも少しフォーマルで、苦労して手に入れたというニュアンスが伝わります。
He visited the old library to obtain a rare book for his research.
彼は研究のために珍しい本を手に入れるため、古い図書館を訪れました。
※ この例文は、研究のために珍しい本を「手に入れる」ために、図書館を訪れた様子を描いています。「obtain」は、このように特定の目的のために、手間や探す努力をして何かを「入手する」場面で非常に自然です。特に、資料や記録、許可証などを得る際に使われることが多く、目的意識を持って何かを探し、手に入れるという状況に合っています。
コロケーション
許可を得る
※ 「permission」は不可算名詞なので、通常は「a permission」とは言いません。「obtain」は、単に許可を『得る』だけでなく、公式な手続きを経て、あるいは権限のある人から正式に許可を得るニュアンスを含みます。口語では「get permission」がより一般的ですが、ビジネス文書や法的文書など、フォーマルな場面では「obtain permission」が好まれます。例えば、研究プロジェクトを開始する前に倫理委員会の許可を得る場合などに使われます。
情報を得る、入手する
※ 「information」も不可算名詞です。「obtain information」は、単に情報を受け取るだけでなく、調査や探索を通じて積極的に情報を『入手する』ニュアンスを含みます。例えば、市場調査の結果や、競合他社の動向など、ビジネス上の重要な情報を得る際に使われます。また、政府機関が国民からの問い合わせに対応し、情報を提供する際にも用いられます。口語では「get information」が一般的ですが、「obtain information」はより客観的でフォーマルな印象を与えます。
学位を取得する
※ 大学や大学院で所定の課程を修了し、学位を『得る』ことを指します。単に「卒業する」のではなく、学術的な成果を認められ、正式な学位を授与されるニュアンスがあります。例えば、「彼はハーバード大学でMBAの学位を取得した」のように使われます。「earn a degree」も同様の意味ですが、「obtain」はより客観的で形式的な響きがあります。入学試験に合格することから、卒業論文を提出することまで、学位取得までのプロセス全体を包括的に捉える場合に適しています。
アクセス権を得る、利用権を得る
※ 物理的な場所や、システム、データなどへのアクセス権を『得る』ことを意味します。単に「アクセスする」のではなく、許可や資格を得て、正式に利用できる状態になるニュアンスを含みます。例えば、「機密データにアクセスするためには、特別な許可を得なければならない」のように使われます。情報セキュリティの分野でよく用いられる表現です。「gain access」も同様の意味ですが、「obtain access」はより公式な手続きを経てアクセス権を得るイメージです。
証拠を得る、証拠を入手する
※ 事件や事故の真相を解明するために、証拠を『得る』ことを指します。単に「証拠を見つける」のではなく、捜査や調査を通じて積極的に証拠を収集するニュアンスを含みます。例えば、「警察は事件の証拠を得るために現場検証を行った」のように使われます。法廷や裁判などの文脈でよく用いられる表現です。「gather evidence」も同様の意味ですが、「obtain evidence」は、より公式な手続きを経て証拠を確保するイメージです。
資金を得る、資金調達する
※ プロジェクトや事業に必要な資金を『得る』ことを意味します。単に「資金を集める」のではなく、投資家や金融機関からの融資、政府からの補助金など、公式なルートを通じて資金を調達するニュアンスを含みます。例えば、「スタートアップ企業は、ベンチャーキャピタルから資金を得ることに成功した」のように使われます。ビジネスや研究開発の分野でよく用いられる表現です。「secure funding」も同様の意味ですが、「obtain funding」は、より計画的に資金調達を行うイメージです。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、データや証拠から結論を導き出す際に、「データから~という結果を得た (We obtained the following results from the data)」のように、客観的な事実を述べる文脈で用いられます。また、先行研究を参照する際にも、「~の研究から、同様の知見が得られている (Similar findings were obtained in the study by...)」のように使用されます。文語的な表現であり、口語で使用されることは稀です。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、フォーマルな文脈で使用されます。「許可を得る (obtain permission)」「契約を獲得する (obtain a contract)」「資金調達をする (obtain funding)」のように、具体的な成果や権利を得る際に用いられます。日常会話よりも、公式な報告書や会議での発言など、やや硬い表現が求められる場面で使われます。例:「取締役会の承認を得て、プロジェクトを開始しました (We obtained approval from the board of directors and started the project)」
日常会話ではあまり使用されず、「get」や「receive」といったより一般的な単語で代替されることが多いです。ただし、ニュース記事やドキュメンタリー番組など、ややフォーマルなメディアでは見かけることがあります。例:「彼は情報公開請求によって、政府の内部文書を入手した (He obtained internal government documents through a freedom of information request)」のように、公式な手続きや努力によって何かを得る状況を描写する際に用いられます。
関連語
類義語
『獲得する』という意味で、努力や時間をかけて何かを自分のものにする場合に使われる。ビジネスシーンで会社の買収、個人のスキル習得など、比較的フォーマルな場面で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『obtain』よりも、より意識的な努力や過程を経て手に入れるニュアンスが強い。また、『acquire』は抽象的なもの(知識、スキル、評判など)の獲得にも使われる。 【混同しやすい点】『obtain』は単に『手に入れる』という意味合いが強いのに対し、『acquire』は手に入れるまでのプロセスや努力が強調される点。また、『acquire』はビジネスや法律関連の文脈でよく使われる。
『手に入れる』という意味で、非常に一般的で日常会話で頻繁に使われる。フォーマルな場面では避けるべき。 【ニュアンスの違い】『obtain』よりもカジュアルで、努力や苦労を伴わない、単純な取得行為を表すことが多い。幅広い意味を持ち、文脈によって意味合いが大きく変わる。 【混同しやすい点】『get』は多義語であり、文脈によって意味が大きく異なるため、『obtain』の類語として使う場合は、意味の範囲が広すぎる可能性がある。フォーマルな文書やビジネスシーンでは『obtain』を使用するのが適切。
『受け取る』という意味で、文字通り何かを与えられたり、送られたりしたものを受け取る場合に使われる。手紙、プレゼント、メールなど。 【ニュアンスの違い】『obtain』と異なり、自ら働きかけて手に入れるのではなく、他者から与えられるニュアンスが強い。受動的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】『obtain』は自らの行動によって何かを手に入れるのに対し、『receive』は他者からの授与によって手に入れるという点が大きく異なる。努力や能動性の有無がポイント。
『確保する』という意味で、競争や困難を乗り越えて何かを確保する場合に使われる。ビジネスシーンで契約を確保したり、安全を確保したりする場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『obtain』よりも、競争的状況や不確実性の中で何かを確実に手に入れるニュアンスが強い。努力や計画性、戦略性が伴う。 【混同しやすい点】『obtain』は単に手に入れることを指すのに対し、『secure』は困難な状況下で、競争などを勝ち抜いて確保するという意味合いが強い。セキュリティやビジネス関連の文脈でよく使われる。
『得る』という意味で、努力や経験を通じて何かを得る場合に使われる。知識、経験、利益などを得る場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『obtain』よりも、時間や努力をかけて徐々に獲得するニュアンスが強い。個人的な成長や進歩に関連することが多い。 【混同しやすい点】『obtain』が必ずしも努力を伴わない取得を意味するのに対し、『gain』は努力や経験を通じて得られるものに限定される傾向がある。抽象的な概念(知識、経験)との相性が良い。
『稼ぐ』『得る』という意味で、労働や努力の対価として何かを得る場合に使われる。お金、尊敬、名声などを得る場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『obtain』よりも、努力や労働の直接的な結果として得られるというニュアンスが強い。公正さや正当性が強調される。 【混同しやすい点】『obtain』は必ずしも努力を伴わない取得を意味するのに対し、『earn』は労働や努力の直接的な対価として得られるものに限定される。倫理的な意味合いを含むことが多い。
派生語
『到達する』、『成し遂げる』という意味の動詞。『obtain』と同様に『to hold(掴む)』という語源を持ち、目標や地位などを努力して手に入れるニュアンスが強い。ビジネスや学術的な文脈で、よりフォーマルな表現として使われる。
『達成』、『到達』という意味の名詞。『attain』の抽象名詞形であり、教育水準や業績など、具体的な成果を指すことが多い。学術論文や報告書などで頻繁に使用され、客観的な評価を示す際に適している。
『含む』、『抑える』という意味の動詞。『obtain』と同じく『tenere(持つ)』を語源とするが、接頭辞『con-(共に)』が加わることで、何かを内部に保持する意味合いが強くなる。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。
反意語
『失う』という意味の動詞。『obtain』が何かを得る行為を指すのに対し、『lose』は所有していたものを手放す、または見失うことを意味する。日常的な状況から、抽象的な概念(機会、自信など)まで幅広く用いられる。
『(権利などを)失う』、『没収される』という意味の動詞。特に規則違反や義務不履行の結果として何かを失う場合に用いられる。『obtain』が正当な手段で何かを得ることを意味するのに対し、『forfeit』は自らの行為によって当然得られるはずだったものを失うという対比構造を持つ。法律やスポーツの文脈でよく見られる。
『(権利などを)放棄する』、『手放す』という意味の動詞。自発的に何かを手放すニュアンスが強く、『obtain』が積極的に何かを得ようとするのとは対照的である。フォーマルな文脈や、道徳的な意味合いを含む状況で用いられることが多い。
語源
"obtain」は、古フランス語の「obtenir」(手に入れる、獲得する)に由来し、さらに遡るとラテン語の「obtinere」にたどり着きます。「obtinere」は、「ob-」(〜に向かって)と「tenere」(持つ、保持する)という二つの要素から構成されています。つまり、文字通りには「〜に向かって持つ」という意味合いです。日本語で例えるなら、「目標に向かって手を伸ばし、掴み取る」といったイメージに近いでしょう。この「ob-」は、英語の他の単語、例えば「object」(反対する)や「obvious」(明白な)などにも見られ、「〜に向かって」という方向性を示します。「tenere」は、「maintain」(維持する)や「contain」(含む)などの単語にも含まれ、「保持」や「維持」といった意味合いを持ちます。したがって、「obtain」は、目標に向かって努力し、何かを自分のものとして保持するという、能動的なニュアンスを含んだ単語と言えるでしょう。
暗記法
「obtain」は、単に「手に入れる」のではない。騎士が名誉を、企業が市場を「獲得する」背後には、努力、技能、幸運、そして社会的地位が絡み合う物語がある。学位や資金調達を「obtain」する行為は、個人の価値を高め、社会的な地位を確立する象徴。この言葉は、単なる所有を超え、文化に根ざした深い意味を持つ。背景を知れば、表現はより豊かになる。
混同しやすい単語
『obtain』と『attain』は、どちらも何かを『獲得する』という意味を持ちますが、ニュアンスが異なります。『attain』はより努力や時間をかけて目標を達成するイメージが強く、発音も似ているため混同しやすいです。スペルも似ており、先頭の'o'と'a'の違いに注意が必要です。obtain は「得る」、attain は「到達する」というイメージで使い分けると良いでしょう。
『retain』は『保持する』という意味で、『obtain』とスペルが似ています。特に、接頭辞 're-' と 'ob-' の違いを見落としがちです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(obtain は ob に、retain は tain にアクセント)。retain は「記憶に留める」という意味でも使われるため、文脈によって意味が大きく異なる点に注意が必要です。
『option』は『選択肢』という意味で、語尾の '-tion' が共通しているため、『obtain』と関連付けて覚えてしまいがちです。しかし、意味は全く異なります。発音も異なりますが、カタカナ英語の『オプション』に引きずられて、発音を誤るケースもあります。スペルも似ている部分があるため、注意が必要です。
『abstain』は『控える』『棄権する』という意味で、フォーマルな文脈で使われます。『obtain』とはスペルが似ており、特に接頭辞 'ab-' と 'ob-' の違いに注意が必要です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(abstain は stain にアクセント)。abstain は政治や倫理的な文脈でよく使われるため、obtain と混同しないようにしましょう。
『contain』は『含む』という意味で、『obtain』と語尾の '-tain' が共通しているため、混同しやすいです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(contain は tain にアクセント)。contain は「容器に含む」という意味だけでなく、「情報を含む」という意味でも使われるため、幅広い文脈で登場します。
『detain』は『引き留める』『拘留する』という意味で、主に法律や警察関連の文脈で使われます。『obtain』と語尾の '-tain' が共通しているため、混同しやすいです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(detain は tain にアクセント)。detain は、日常会話ではあまり使われないため、obtain と区別して覚えることが重要です。
誤用例
日本語の「(病気を)得る」という発想から 'obtain' を使ってしまう例です。'Obtain' は一般的に、努力や手続きを経て何かを獲得するニュアンスがあり、意図せず手に入れた病気に対して使うと不自然です。英語では、病気は 'catch' するものと考えます。これは、病気が伝染するというイメージに基づいています。また、'get' も使えますが、'catch' の方が少しフォーマルな印象を与えます。
'obtain' は、情報や知識を得るという意味でも使えますが、この場合は「苦労して」または「正式な手続きを経て」情報を得るニュアンスが伴います。提案が受理されたという情報を得る場合、単に 'learn' や 'find out' を使う方が自然です。日本語の「〜ということを知った」を直訳しようとして 'obtain' を選んでしまう典型的な誤りです。'obtain' は、例えば「許可を得る (obtain permission)」や「証拠を得る (obtain evidence)」のように、より積極的な行為の結果として何かを得る場合に適しています。
'obtain' は「手に入れる」という意味ですが、結果や成果に対して使う場合、努力や困難を伴うニュアンスが薄く、不自然に聞こえることがあります。交渉の結果を得るという文脈では、努力や戦略の結果として成果を「達成する」という意味合いが強いため、'achieve' を使う方が適切です。日本語の「結果を得る」という表現をそのまま英語にしようとすると、このような誤りが起こりやすくなります。英語では、結果を得るまでのプロセスや労力を意識して動詞を選ぶ必要があります。
文化的背景
「obtain」は、単に何かを「得る」という行為を超え、努力、技能、あるいは時には幸運によって何かを勝ち取る、というニュアンスを強く含みます。この単語が持つ「獲得」の背後には、個人の力量や社会的な地位、そしてそれらがもたらす機会といった、複雑な文化的背景が潜んでいます。
中世の騎士道物語を例にとると、「obtain」はしばしば名誉や地位、あるいは聖杯のような特別な宝物を手に入れるために用いられました。騎士たちは困難な試練を乗り越え、自身の勇気と忠誠心を示すことで、それらを「obtain」するのです。この文脈では、「obtain」は単なる所有ではなく、努力と価値が認められた結果として得られる、一種の「正当な報酬」を意味していました。また、貴族社会においては、土地や称号を「obtain」することは、家系の繁栄や権力の維持に不可欠であり、政略結婚や戦争といった手段を通じて行われることもありました。このように、「obtain」は社会階層や権力構造と密接に結びつき、個人の努力だけでなく、家柄や運といった要素も反映する言葉として使われてきたのです。
現代においても、「obtain」はビジネスや学術の世界で頻繁に使われます。例えば、企業が新たな市場シェアを「obtain」したり、研究者が画期的な発見を「obtain」したりする場合です。しかし、ここでも単に「get」や「acquire」と置き換えることができないニュアンスがあります。「obtain」は、目標達成のために必要な知識、スキル、戦略、そして時にはコネクションといった、見えない努力や準備を伴っていることを示唆するのです。大学の学位を「obtain」することは、長年の学習と努力の結晶であり、単なる資格取得以上の意味を持ちます。また、資金調達を「obtain」することは、事業計画の実現可能性や経営者の手腕を証明するものであり、投資家の信頼を得る必要不可欠なステップです。
このように、「obtain」は、単なる獲得行為を超え、個人の能力、社会的地位、そして努力の積み重ねによって得られる成果を象徴する言葉として、私たちの文化に深く根付いています。何かを「obtain」するということは、単にそれを得るだけでなく、その過程で自身の価値を高め、社会的な地位を確立することでもあるのです。この単語を使う際には、その背後にある文化的背景を意識することで、より豊かな表現が可能になるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、ニュース記事、エッセイなど
- 学習者への注意点・アドバイス: 「得る」「獲得する」という意味を基本として、フォーマルな文脈で使われることを意識する。同義語の 'get' との違いを理解する。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にビジネス関連の長文でよく見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(報告書、契約書、メールなど)
- 学習者への注意点・アドバイス: 契約や許可、情報などを「得る」という意味で使われることが多い。'acquire' や 'gain' などの類義語との使い分けが重要。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく用いられる
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究報告、歴史的文書など
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や知識、データなどを「得る」という意味で使われることが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。
- 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 評論文、小説、科学記事など
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なる場合があるため、前後の文脈から判断する能力が求められる。'get' や 'gain' などの類義語とのニュアンスの違いを理解しておく。