英単語学習ラボ

relinquish

/rɪˈlɪŋɡwɪʃ/(リィˈリィングクウィッシュ)

第2音節に強勢があります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも弱く、口を少しだけ開けて発音します。/ŋ/ (ng) は舌の奥を上あごにつけて鼻から息を出す音で、直後の /kw/ にスムーズに繋げることが重要です。「ク」は唇を丸めて素早く発音し、「ウィ」は曖昧母音で弱く添えるように発音します。最後の /ʃ/ は日本語の「シュ」と同じ音ですが、息をしっかりと出すことを意識しましょう。

動詞

手放す

権利、所有物、地位などを自発的に放棄する。惜しい気持ちがあるものの、状況や必要性から諦めるニュアンスを含む。

The police officer ordered him to relinquish his weapon immediately.

警察官は彼に、すぐに武器を手放すよう命じた。

緊迫した状況で、警察官が相手に「持っているもの(この場合は武器)を強制的に手放させる」場面です。relinquishは、特に権威のある人物が何かを放棄させる、あるいは自分が何かを諦めて手放す、というニュアンスでよく使われます。

She decided to relinquish her leadership role after many years.

彼女は長年務めたリーダーの役割を手放すことを決めた。

この例文は、人が「自分の意思で」地位や責任、役職などを「譲る」「辞める」という状況を描いています。長年続けてきた役割を手放す、という決断の重みが伝わるでしょう。ビジネスや組織の文脈でよく使われる典型的な使い方です。

He had to relinquish his old beliefs to accept new ideas.

彼は新しい考えを受け入れるために、古い信念を手放さなければならなかった。

ここでは、物理的なものではなく「古い信念(考え方)」という抽象的なものを「手放す」「捨てる」という状況です。自分の心の中にある固定観念やこだわりを「手放す」ことで、新しいものを受け入れる、という心の動きが感じられる例文です。

動詞

譲る

自分の持っているものを、他の人に与える。特に、権利や特権などを譲渡する際に使われる。相手に敬意を払うニュアンスを含む。

The old king decided to relinquish his throne to his young son.

老王は若い息子に王位を譲ることを決めました。

この例文は、年老いた王が、国の未来のために王位という大きな責任を息子に「譲る」決断をする場面を描いています。権力や地位を他者に譲り渡す際によく使われる典型的な使い方です。王の重い決意が感じられますね。

She had to relinquish control of her company due to illness.

彼女は病気のため、会社の経営権を譲らなければなりませんでした。

ここでは、病気というやむを得ない事情によって、女性が長年築き上げてきた会社の経営権を「手放す」状況を表しています。自分の意志に反して、大切なものや支配権を放棄せざるを得ない時に使われることが多いです。彼女の無念さが伝わるシーンです。

The veteran player chose to relinquish his spot on the team for a younger talent.

そのベテラン選手は、より若い才能のためにチームでの自分の場所を譲ることを選びました。

この例文は、ベテラン選手が、チームの未来のために自らのポジションを「譲る」という、少し感傷的で誇り高い決断をする場面です。自分の地位や機会を、他の誰かのために自ら進んで手放す、というニュアンスがよく表れています。

動詞

断念する

目標や計画を諦める。努力を続けてきたが、実現が難しいと判断した場合に使われる。後ろ髪を引かれる思いがあることを示す。

The injured athlete had to relinquish his dream of playing in the Olympics.

怪我をしたその選手は、オリンピックでプレーするという夢を断念しなければなりませんでした。

怪我で夢を諦めるアスリートの悲しい状況です。「relinquish」は、大切にしていたもの(この場合は「夢」)を、やむを得ず手放す時に使われる典型的な単語です。

After years of service, the old leader decided to relinquish his power.

長年の奉仕の後、その老いたリーダーは自身の権力を手放すことを決意しました。

長年務めたリーダーが、その地位や権力などを「手放す」場面です。「relinquish」は、責任ある立場や権限を譲る際にも非常によく使われます。

She had to relinquish her old teddy bear, even though it brought back many memories.

彼女は、たくさんの思い出を呼び起こすにもかかわらず、古いテディベアを手放さなければなりませんでした。

大切な思い出の品(テディベア)を「手放す」状況です。「relinquish」は、感情的な価値があるものを、しぶしぶ手放すような、少し切ないニュアンスでも使われることがあります。

コロケーション

relinquish control

支配権を手放す、管理権を放棄する

企業買収や政権交代など、組織やプロジェクトにおける支配権や管理権を譲渡・放棄する際に用いられます。物理的な所有権だけでなく、決定権や影響力といった抽象的な『力』を手放すニュアンスを含みます。ビジネスシーンや政治的な文脈で頻繁に使われ、『cede control』も類似表現として挙げられますが、relinquishの方がよりフォーマルで、自発的な放棄のニュアンスが強いです。

relinquish a claim

権利や主張を放棄する

法的な権利、所有権の主張、あるいは要求などを放棄することを意味します。例えば、土地の権利、特許の申請、損害賠償の請求などを手放す場合に使われます。ビジネスや法律関連の文書でよく見られ、『waive a claim』も同様の意味で使えますが、relinquishはより公式な、または永続的な放棄を意味することがあります。

relinquish power

権力を手放す、権限を譲渡する

政治的な権力、組織内での地位、あるいは個人的な影響力などを放棄することを指します。自発的な退任、選挙での敗北、組織再編などがきっかけとなることが多いです。例えば、王が退位する、CEOが辞任する、などが該当します。『step down from power』も類似表現ですが、relinquishの方がより公式で、不可逆的なニュアンスを持ちます。歴史的な文脈や報道記事でよく見られます。

relinquish hope

希望を捨てる、絶望する

困難な状況や悲劇的な出来事に直面し、将来への期待や願望を完全に手放すことを意味します。病気との闘い、失恋、経済的な破綻など、精神的に大きな打撃を受けた際に使われることが多いです。文学作品や詩などで、感情的な深さを表現するために用いられることがあります。『give up hope』も同様の意味ですが、relinquishはより深刻で、最終的な諦めを強調します。

relinquish responsibility

責任を放棄する、責務を放棄する

割り当てられた任務、義務、あるいは道徳的な責任などを放棄することを意味します。プロジェクトの失敗、事故、不正行為など、何らかの問題が発生した際に、責任者がその責務を放棄する状況で使われます。ビジネスや法律、倫理的な議論などで用いられ、『shirk responsibility』も類似表現ですが、relinquishの方がより正式で、意図的な放棄を意味することがあります。

relinquish possessions

所有物を手放す、財産を放棄する

個人的な所有物、財産、資産などを手放すことを指します。経済的な困窮、寄付、宗教的な理由など、様々な動機が考えられます。例えば、破産宣告、慈善活動、修道士の誓いなどが該当します。フォーマルな文脈で用いられることが多く、『give up possessions』も同様の意味ですが、relinquishはより公式な、または強制的な放棄を意味することがあります。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、権利、立場、理論などを「放棄する」「譲る」という意味合いで用いられる。例えば、歴史学の研究で「王位をrelinquishする」といった記述や、経済学の論文で「従来のモデルをrelinquishし、新しいモデルを提唱する」といった文脈で使用される。

ビジネス

ビジネス文書や契約書などで、権利や資産などを「譲渡する」「放棄する」という意味合いで用いられる。例えば、「事業の一部をrelinquishする」「特許権をrelinquishする」といった表現が、法務関連の書類や国際的な取引の場面で見られる。日常的なビジネス会話では、より平易な表現が好まれる傾向にある。

日常会話

日常会話ではほとんど使用されないが、ニュース報道やノンフィクション作品で、政治的な権力や地位を「手放す」状況を描写する際に用いられることがある。例えば、「首相が辞任し、権力をrelinquishした」といった報道や、ドキュメンタリー番組で「かつての支配者が領土をrelinquishする」場面などで見かける程度。

関連語

類義語

  • 『放棄する』『見捨てる』という意味で、物理的な場所や物、計画、信念などを手放す際に使われる。緊急性やネガティブな状況を含むことが多い。日常会話から法律、文学まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも感情的なニュアンスが強く、義務感や責任感から解放されるというより、むしろ絶望感や無力感から手放すというニュアンスが強い。また、より広範な意味を持ち、物理的な放棄にも使える。 【混同しやすい点】『abandon』は、しばしば道徳的な非難を伴う放棄を意味するのに対し、『relinquish』は必ずしもそうではない。例えば、権利を放棄する場合には『relinquish』が適切だが、子供を見捨てる場合には『abandon』が適切。

  • 『(権利・領土などを)譲る』『割譲する』という意味で、主に政治、外交、法律などのフォーマルな文脈で使用される。条約や契約に基づいて、正式に権利や領土を譲渡する場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも公式な手続きや合意を伴うニュアンスが強い。また、主語は国家や組織など、権利や権限を持つ主体であることが多い。 【混同しやすい点】『cede』は、個人的な権利や財産を譲る場合には通常使用されない。例えば、個人の財産を放棄する場合には『relinquish』が適切だが、国家が領土を譲渡する場合には『cede』が適切。

  • 『(権利・要求などを)放棄する』『免除する』という意味で、法律、ビジネス、保険などの文脈で使用される。一時的に権利を行使しない、または要求を取り下げる場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも一時的なニュアンスが強く、権利を完全に失うわけではないことが多い。また、形式的な手続きや同意が必要な場合がある。 【混同しやすい点】『waive』は、権利を一時的に放棄する場合、または特定の状況下でのみ放棄する場合に使用される。例えば、保険契約者が保険金の請求権を放棄する場合には『waive』が適切だが、完全に権利を放棄する場合には『relinquish』が適切。

  • 『(主義・信仰・権利などを)放棄する』『否認する』という意味で、宗教、政治、道徳など、信念や価値観に関わる文脈で使用される。公に宣言して放棄する場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも強い意志や決意を伴うニュアンスが強く、個人的な信念や価値観を捨てるという重大な意味合いを持つ。また、公的な宣言を伴うことが多い。 【混同しやすい点】『renounce』は、個人的な信念や価値観、または公式な立場や称号を放棄する場合に使用される。例えば、王位を放棄する場合には『renounce』が適切だが、単に物を手放す場合には『relinquish』が適切。

  • 『(快楽・利益などを)控える』『見送る』という意味で、日常会話からビジネスまで幅広く使用される。何かを得るために、意図的に何かを諦める場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも自発的なニュアンスが強く、義務感や強制力ではなく、自分の意思で何かを諦める場合に用いられる。また、放棄する対象が快楽や利益など、ポジティブなものであることが多い。 【混同しやすい点】『forgo』は、必ずしも完全に放棄するわけではなく、一時的に控える、または見送るという意味合いが強い。例えば、デザートを控える場合には『forgo』が適切だが、完全に権利を放棄する場合には『relinquish』が適切。

  • 『(地位・職などを)辞任する』という意味で、主にビジネスや政治の文脈で使用される。自らの意思で役職や地位を辞める場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『relinquish』よりも具体的な地位や役職に焦点を当てており、自発的な意思決定の結果として地位を去ることを意味する。通常、公式な発表や手続きを伴う。 【混同しやすい点】『resign』は、地位や役職を辞める場合にのみ使用される。例えば、会社の社長が辞任する場合には『resign』が適切だが、単に物を手放す場合には『relinquish』が適切。

派生語

  • 『義務を怠る』『滞納している』という意味の形容詞。元々は『完全に(de-)+残す(linquere)』という語源から、『義務を完全に放棄した』というニュアンス。少年非行(juvenile delinquent)や税金の滞納など、法的な文脈でよく用いられる。

  • relict

    『残されたもの』『遺物』という意味の名詞。『relinquish』の語幹『lict-』は『残す』という意味合いを持つ。地質学における『残存生物』や、社会学における『残存文化』など、学術的な文脈で使われることが多い。

  • 『放棄された』『見捨てられた』という意味の形容詞。法律用語としては『所有者が権利を放棄した』という意味合いが強い。建物や船などが放置されている状態を指すことが多い。比喩的に『義務を放棄した』という意味でも使われる。

反意語

  • 『保持する』『維持する』という意味。権利や地位などを手放す『relinquish』とは正反対の意味を持つ。ビジネスや法律関連の文書で頻繁に使用され、抽象的な概念から具体的な物まで幅広く対象となる。

  • 『獲得する』『習得する』という意味。『relinquish』が何かを手放すのに対し、こちらは新たに何かを得るという対比構造を持つ。ビジネスシーンで企業の買収や資産の獲得といった文脈でよく用いられる。

  • 『掴み取る』『占拠する』という意味。権利や機会を積極的に手に入れるニュアンスが強く、『relinquish』の自発的に手放すというニュアンスと対照的である。ニュース記事や歴史的な記述でよく見られる。

語源

「relinquish」は、古フランス語の「relinquir」(置き去りにする、放棄する)に由来し、さらに遡るとラテン語の「relinquere」にたどり着きます。「relinquere」は「re-」(再び、後ろへ)と「linquere」(残す、去る)という二つの要素から構成されています。つまり、文字通りには「後ろに残す」「置き去りにする」という意味合いです。この「後ろに残す」というイメージが、所有物や権利を「手放す」「譲る」という現代的な意味につながっています。例えば、何か大切なものを「泣く泣く手放す」状況を想像してみてください。それは、過去の自分とのつながりを断ち切り、文字通り「後ろに置いていく」行為と言えるでしょう。このように、語源を知ることで、単語の持つニュアンスをより深く理解することができます。

暗記法

「relinquish」は、単なる放棄に留まらない、重い決意を伴う言葉。騎士道物語では、名誉のために愛を断念する騎士の姿が描かれ、近代文学では、社会からの解放を求める主人公が古い価値観を手放す。現代では、企業の倫理的責任を問う文脈でも使われる。自己犠牲、道徳的義務、内面の葛藤…時代を超え、人間の倫理観を映し出す、深遠な言葉なのだ。

混同しやすい単語

『relinquish』と『distinguish』は、どちらも語尾が '-ish' で終わる動詞であり、スペルも長く、複雑なため、視覚的に混同しやすい。また、どちらも抽象的な意味を持つため、意味の面でも誤解が生じやすい。『distinguish』は『区別する』という意味で、対象を明確に識別する行為を指す。発音も異なるが、早口で話されると区別がつきにくい場合がある。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ具体的なイメージを掴むことが重要。語源的には、『distinguish』は『突き刺す(sting)』という語根を持ち、明確に区別するというイメージにつながる。

『relinquish』と『reluctant』は、語頭の 'rel-' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。しかし、『relinquish』は動詞で『放棄する』という意味であるのに対し、『reluctant』は形容詞で『気が進まない』という意味である。品詞が異なるため、文法的な役割も異なる。日本人学習者は、文中でどちらの単語が適切かを判断するために、品詞と意味を正確に理解する必要がある。語源的には、『reluctant』は『抵抗する(luct-)』という語根を持ち、気が進まないというイメージにつながる。

vanquish

『relinquish』と『vanquish』は、どちらもやや古風で、日常会話ではあまり使われないため、馴染みが薄く混同しやすい。『vanquish』は『打ち負かす』という意味で、競争や戦闘で相手を圧倒する様子を表す。スペルも似ているため、視覚的な誤りも生じやすい。日本人学習者は、それぞれの単語が使われる文脈を理解し、使い分けられるようにする必要がある。語源的には、『vanquish』は『征服する(vincere)』という語根を持ち、打ち負かすというイメージにつながる。

relish

『relinquish』と『relish』は、語頭の 'rel-' が共通しており、スペルの一部が似ているため、視覚的に混同しやすい。また、どちらも動詞として使われることがあるため、文法的な役割も誤解しやすい。『relish』は『楽しむ』という意味で、良いものを味わったり、楽しんだりする様子を表す。発音も異なるため、注意が必要。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ感情的なニュアンスを理解することが重要。語源的には、『relish』は『味わう(lick)』という語根を持ち、楽しむというイメージにつながる。

『relinquish』と『linguist』は、どちらも語中に 'lingu' という音を含んでいるため、発音やスペルが似ていると感じられることがある。『linguist』は『言語学者』という意味で、言語を専門的に研究する人を指す。意味は全く異なるため、文脈から判断する必要がある。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ専門的な意味合いを理解することが重要。語源的には、『linguist』は『舌(lingua)』という語根を持ち、言語というイメージにつながる。

fling

『relinquish』の 'lin' の部分と、『fling』の音が似ているように感じる場合がある。特に、発音に自信がない場合や、早口で話されると混同しやすい。『fling』は『投げ捨てる』という意味で、勢いよく何かを投げる動作を表す。意味も大きく異なるため、文脈から判断する必要がある。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ動作のイメージを理解することが重要。語源的には、『fling』は『飛び出す』というイメージにつながる。

誤用例

✖ 誤用: The company relinquished its responsibility to its employees after the scandal.
✅ 正用: The company abdicated its responsibility to its employees after the scandal.

『Relinquish』は、権利や所有物などを『手放す』という意味合いが強く、日本語の『放棄する』という言葉から安易に翻訳すると、責任のような抽象的な概念に対して不自然になることがあります。責任を放棄する場合は、『abdicate』を使う方が適切です。これは、責任は所有物のように手放すものではなく、より積極的に『退位』するというニュアンスを含むため、企業や組織の行動を描写する際に適しています。日本人が『〜を放棄する』という日本語をそのまま英語にしようとする際に陥りやすい誤りです。

✖ 誤用: He relinquished a smile when he saw her.
✅ 正用: He offered a faint smile when he saw her.

『Relinquish』は、何かを『放棄する』『手放す』という意味で、多くの場合、ネガティブな状況や、失うことに関連して使われます。笑顔を『手放す』という表現は、文法的には誤りではありませんが、笑顔を『見せる』という意図を表現するのには不適切です。ここでは、自発的に笑顔を『提供する』という意味合いで『offer』を使う方が自然です。日本人は、英語の動詞を日本語の動詞に一対一で対応させようとする傾向があり、『〜する』という表現を安易に『relinquish』で置き換えてしまうことがあります。

✖ 誤用: The dictator refused to relinquish his power, leading to a bloody revolution.
✅ 正用: The dictator refused to cede his power, leading to a bloody revolution.

『Relinquish』は、自発的に何かを手放すニュアンスが強い単語です。独裁者が権力を手放すことを拒否する状況では、より強制的な意味合いを持つ『cede』を使う方が適切です。『Cede』は、譲歩や譲渡を意味し、権力闘争のようなシリアスな文脈でよく用いられます。日本人が、権力のような抽象的な概念に対しても『手放す』という表現を使いがちですが、英語では文脈によってより適切な単語を選ぶ必要があります。また、日本語の『拒否する』という言葉に引っ張られ、意味の範囲が広い『relinquish』を選んでしまうケースも考えられます。

文化的背景

「relinquish」は、単に何かを手放すだけでなく、権力、地位、権利といった、本来保持するべきものを、自らの意思で放棄する際に用いられる、重みのある言葉です。そこには、失うことへの覚悟、あるいはより大きな目的のために自己を犠牲にするという、倫理的な決意が込められている場合があります。王位を退く、財産を放棄する、あるいは悪習を断つといった文脈で使われることが多く、その背後には、社会的な責任、道徳的な義務、あるいは内面の葛藤といった、複雑な人間ドラマが潜んでいます。

中世ヨーロッパの騎士道物語では、高潔な騎士が、自身の名誉や誓約を守るために、愛する女性との関係や領地を「relinquish」する場面がしばしば描かれます。たとえば、アーサー王伝説におけるランスロット卿は、グィネヴィア王妃への愛を断ち切り、円卓の騎士としての義務を優先するために、自身の感情を「relinquish」します。これは、個人の欲望よりも共同体の秩序を重んじる、当時の価値観を反映したものであり、「relinquish」という行為が、単なる放棄ではなく、自己犠牲を伴う道徳的な選択であることを示唆しています。

また、近代以降の文学作品においては、「relinquish」は、抑圧的な社会構造からの解放や、自己実現のための葛藤を描く際に用いられることがあります。たとえば、ヘンリック・イプセンの戯曲『人形の家』において、主人公のノラは、形式的な結婚生活と社会的な期待を「relinquish」し、自己のアイデンティティを確立するために家を出ます。この場合、「relinquish」は、古い価値観からの脱却と、新たな自己の発見を象徴する言葉として機能しています。

現代社会においては、「relinquish」は、環境問題や社会的な不正義といった、より大きな問題に対する個人の責任を問う文脈で使われることもあります。たとえば、企業が環境汚染の原因となる事業を「relinquish」する、あるいは政府が人権侵害を是正するために政策を「relinquish」するといった場合、そこには、短期的な利益よりも長期的な公益を優先するという、倫理的な判断が働いています。このように、「relinquish」は、時代や社会の変化とともに、その意味合いを深めながら、人間の倫理観や価値観を反映する言葉として、今日に至るまで生き続けています。

試験傾向

英検

準1級以上で、主に語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。動詞としての意味(放棄する、手放す)が問われやすく、同意語や反意語の知識も必要です。文脈から適切な意味を判断する練習が重要です。

TOEIC

Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で稀に出題されることがあります。ビジネスシーンでの契約、権利、地位などを「放棄する」という意味で使われることが多いです。フォーマルな語彙なので、ビジネス文書でよく見られます。

TOEFL

リーディングセクションで出題される可能性があり、アカデミックな文脈で使われます。権利、主張、信念などを「放棄する」という意味で使われることが多いです。文脈理解が重要で、パラフレーズ(言い換え)の選択肢を選ぶ問題も考えられます。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測させる問題や、内容一致問題で言い換え表現として使われることがあります。語源(re-:再び、linquere:残す)を知っておくと、意味の推測に役立ちます。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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