exhibit
第2音節にアクセントがあります。「グ」は喉を震わせる有声音で発音しましょう。最後の「t」は日本語の「ト」のように強く発音せず、息を止めるように軽く発音するとより自然です。母音はすべて短く発音することを意識しましょう。
展示する
人に見せる目的で、注意深く配置・陳列するニュアンス。美術館、博物館、イベントなどで使われる。単に'見せる'だけでなく、意図的に見せるという点が重要。
She will proudly exhibit her new paintings at the gallery next month.
彼女は来月、ギャラリーで誇らしげに彼女の新しい絵画を展示する予定です。
※ 【情景】画家が自分の作品を多くの人に見てもらうために、ギャラリーに飾る様子です。未来の予定を表す"will"を使っています。「exhibit」は、特に芸術作品や収集品を公に披露する際によく使われます。 【ポイント】「proudly(誇らしげに)」のように副詞を入れることで、彼女の気持ちが伝わり、より鮮やかなシーンになります。
The museum decided to exhibit a rare dinosaur fossil for a limited time.
その博物館は期間限定で珍しい恐竜の化石を展示することに決めました。
※ 【情景】大きな博物館で、滅多に見られない貴重な恐竜の化石が、多くの来場者の注目を集めている様子です。「exhibit」は、博物館で歴史的、科学的な展示品を公開する際にも頻繁に用いられます。 【ポイント】「decided to exhibit」で「展示することを決めた」という行動が伝わります。「for a limited time(期間限定で)」は、展示会などでよく使われる期間を示す表現です。
All the students worked hard to exhibit their creative projects at the school festival.
生徒たちは皆、学園祭で自分たちの創造的なプロジェクトを展示するために一生懸命働きました。
※ 【情景】学園祭の会場で、生徒たちが工夫を凝らした作品や研究成果を並べ、来場者に説明している活気ある様子です。学校のイベントや見本市で、生徒や学生が成果物を見せる際にも「exhibit」は使われます。 【ポイント】「work hard to do something」は「〜するために一生懸命働く」という努力を表すフレーズです。「creative projects(創造的なプロジェクト)」のように、どんなものを展示するのか具体的に示すと良いでしょう。
明らかにする
隠されていた性質、感情、能力などを表面に出すこと。行動や態度を通じて間接的に示す場合にも使う。例:exhibit courage(勇気を示す)
He tried to **exhibit** his courage during the difficult challenge.
彼はその困難な挑戦の間、自分の勇気を**明らかにする**よう努力しました。
※ この例文では、主人公が厳しい状況で「勇気」という内面的な資質を外に「見せよう」と頑張る様子が描かれています。「exhibit」は、このように感情や性格、能力などを外に表すときによく使われます。まるで美術館で作品を「展示する」ように、自分の内側にあるものを「見せる」イメージです。
She did her best to **exhibit** her excellent skills during the presentation.
彼女はプレゼンテーションの間、自分の優れたスキルを**明らかにする**ため最善を尽くしました。
※ ここでの「exhibit」は、仕事や活動の場で、自分の「スキル」や「能力」を最大限に発揮し、人々に「見せる」という意味で使われています。自分の持っている実力を、具体的な場面でしっかりと「示す」状況が伝わりますね。ビジネスや学術的な発表などでもよく使われる表現です。
The old building began to **exhibit** signs of serious damage over time.
その古い建物は時間の経過とともに、深刻な損傷の兆候を**明らかにし始めました**。
※ この文では、建物が「深刻な損傷」という変化の「兆候」を「見せ始めた」ことを表しています。「exhibit」は、このように病気や損傷、変化の兆候などが「現れる」「表面化する」といった文脈でも使われます。まるで建物が「私、傷んでいます」と症状を「示している」かのようです。
展示物
博物館や展示会などで展示されている物。具体的な物だけでなく、証拠品などの抽象的な対象も含む。
My daughter loved the colorful exhibit at the children's museum.
私の娘は、子供博物館のカラフルな展示物が大好きでした。
※ 【情景】子供が博物館で鮮やかな展示物に目を輝かせ、夢中になっている様子が目に浮かびます。親がその様子を温かく見守っている、微笑ましい場面です。 「exhibit」が、子供向けの楽しい「展示物」として使われている典型的な例です。「loved」は「とても好きだった」という強い気持ちを表します。
This ancient pottery is the most valuable exhibit in the whole museum.
この古代の陶器は、博物館全体で最も価値のある展示物です。
※ 【情景】薄暗い照明の下、特別なガラスケースに収められた古代の陶器が、静かにその存在感を放っています。多くの来館者が足を止め、その歴史的価値に思いを馳せている場面を想像できます。 「exhibit」が、博物館で大切にされている特定の「展示物」を指す際によく使われます。「most valuable」は「最も価値のある」という意味で、その展示物の重要性を強調しています。
We carefully looked at each exhibit, reading all the detailed descriptions.
私たちは、詳細な説明をすべて読みながら、それぞれの展示物を注意深く見ました。
※ 【情景】美術館や科学館で、来館者が一つ一つの展示物の前で立ち止まり、じっくりと説明文を読んだり、作品を鑑賞したりしている、落ち着いた様子が伝わります。 「each exhibit」のように「それぞれの展示物」を指すときにも「exhibit」が使われます。「carefully looked at」は「注意深く見た」という行動を具体的に示し、学習者の真剣な態度が伝わります。
コロケーション
(病気などの)症状を示す、兆候を見せる
※ 医学的な文脈で非常によく使われる表現です。単に『症状がある』と言うだけでなく、『症状が観察される』というニュアンスを含みます。例えば、『The patient exhibited symptoms of fever and fatigue.(患者は発熱と倦怠感の症状を示した)』のように使います。'show symptoms'も同様の意味ですが、'exhibit'の方がより客観的でフォーマルな印象を与えます。ビジネスシーンでも、問題やリスクの兆候を示す場合に比喩的に用いられることがあります。
~する傾向を示す、~しがちである
※ 'tendency'は『傾向、性質』という意味で、'exhibit a tendency'は、ある行動や状態に傾きやすい性質が観察されることを表します。例えば、『The economy exhibits a tendency towards inflation.(経済はインフレの傾向を示している)』のように使います。単に『~の傾向がある』と言うよりも、客観的なデータや観察に基づいてその傾向が明らかになっているニュアンスがあります。学術的な文章やビジネスレポートなどでよく見られる表現です。
勇気を示す、勇敢さを見せる
※ 困難な状況や危険な状況に直面した際に、恐れずに立ち向かう様子を表します。'show courage'とほぼ同義ですが、'exhibit'の方が、その勇気が公に見える形であることを強調します。例えば、『He exhibited great courage in the face of adversity.(彼は逆境に直面して大きな勇気を示した)』のように使います。文学作品や歴史的な記述など、英雄的な行動を描写する際に用いられることが多い表現です。
芸術作品を展示する
※ 美術館やギャラリーで美術品を公開することを指す、非常に直接的な表現です。'artwork'は絵画、彫刻、写真など、様々な芸術作品を指します。例えば、『The gallery will exhibit artwork by local artists.(そのギャラリーは地元の芸術家による作品を展示する予定です)』のように使います。'display artwork'も同様の意味ですが、'exhibit'の方がよりフォーマルで、公式な展示会であることを示唆します。美術業界で頻繁に使われる専門用語です。
プロ意識を示す、専門的な態度を見せる
※ ビジネスシーンで、仕事に対する責任感、能力、倫理観などを高く示すことを意味します。服装、言葉遣い、仕事の進め方など、あらゆる面でプロフェッショナルな行動をとることを指します。例えば、『All employees are expected to exhibit professionalism at all times.(すべての従業員は常にプロ意識を示すことが期待されています)』のように使います。'demonstrate professionalism'も同様の意味ですが、'exhibit'の方が、そのプロ意識が公に見える形であることを強調します。人事評価や研修などでよく用いられる表現です。
特性を示す、性質を呈する
※ 主に科学や技術の分野で、物質や材料が持つ特性や性質を説明する際に用いられます。例えば、『This material exhibits excellent thermal insulation properties.(この材料は優れた断熱特性を示す)』のように使われます。'show properties'と意味は近いですが、'exhibit'はより専門的で客観的なニュアンスがあります。実験結果や研究論文などで頻繁に見られる表現です。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、「示す」「呈する」という意味で使われます。例えば、研究結果を説明する際に「The data exhibit a clear correlation.(データは明確な相関関係を示している)」のように使われます。また、博物館学や美術史の分野では、名詞として「展示物」の意味で頻繁に登場します。
ビジネスシーンでは、展示会や見本市に関する文脈で名詞「展示物」として使われることがあります。動詞としては、報告書やプレゼンテーションでデータや傾向を「示す」「明らかにする」という意味合いで、やや硬い表現として用いられます。例:「The sales figures exhibit a steady decline.(売上高は一貫して減少傾向を示している)」
日常会話ではあまり使われませんが、美術館や博物館に行った際に「exhibit(展示物)」という単語を見聞きすることがあります。ニュース記事やドキュメンタリー番組など、ややフォーマルな文脈で使われることが多いです。例えば、「The museum is exhibiting a new collection of ancient artifacts.(その博物館は古代遺物の新しいコレクションを展示している)」のように使われます。
関連語
類義語
『展示する』という意味で、商品、芸術作品、情報などを公に見せる場面で使われます。名詞としても動詞としても使用可能です。小売店の商品陳列から美術館での美術品展示まで、幅広い状況で使用されます。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりも一般的で、日常的な語彙です。『display』は、単に見せるという行為に重点があり、必ずしも詳細な説明や文脈を伴わない場合があります。また、デジタルデバイスの画面表示も意味します。 【混同しやすい点】『display』は、動詞として使用する場合、他動詞として使われます。自動詞としての使用は一般的ではありません。また、名詞として使用する場合、可算名詞としても不可算名詞としても使用できます(例:a display of flowers, the display of information)。
『見せる』という意味で、非常に一般的な語彙です。情報、感情、スキルなど、幅広い対象を見せる際に使用されます。日常会話で頻繁に使われ、フォーマルな場面でも使用可能です。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりも口語的で、より直接的な印象を与えます。『show』は、単に見せるという行為だけでなく、証明する、明らかにするという意味合いも含むことがあります。 【混同しやすい点】『show』は、他動詞としても自動詞としても使用できます。また、名詞としても使用され、映画、テレビ番組、ショービジネスなどの意味を持ちます。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。
『提示する』という意味で、情報、アイデア、提案などを公式な場で示す際に使用されます。ビジネスプレゼンテーションや学術発表など、フォーマルな場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりもフォーマルで、より意図的で計画的な印象を与えます。『present』は、聴衆に対して何かを積極的に提示し、説明するニュアンスがあります。 【混同しやすい点】『present』は、動詞として使用する場合、他動詞として使われます。また、名詞としても使用され、贈り物、現在などの意味を持ちます。形容詞としては、『現在の』という意味を持ちます。品詞によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。
『実演する』『証明する』という意味で、機能、スキル、理論などを実践を通して示す際に使用されます。科学実験や製品デモンストレーションなど、具体的な行動を伴う場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりも具体的な行動や証拠を伴うニュアンスが強く、抽象的な概念の展示には適しません。『demonstrate』は、効果や有効性を証明する目的で使用されることが多いです。 【混同しやすい点】『demonstrate』は、他動詞として使用されます。自動詞としての使用は一般的ではありません。また、政治的なデモ活動を意味することもあります。文脈によって意味が異なるため、注意が必要です。
『公開する』『発表する』という意味で、覆いを取り除くことで新しい製品、計画、情報などを初めて公にする際に使用されます。新製品発表会や秘密情報の公開など、特別なイベントや状況で使われます。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりも劇的な印象を与え、秘密や期待感を伴うニュアンスがあります。『unveil』は、隠されていたものが明らかになるという特別な状況で使用されます。 【混同しやすい点】『unveil』は、他動詞として使用されます。自動詞としての使用は一般的ではありません。また、比喩的な意味合いで使用されることが多く、文字通りの覆いを取り除く行為を指すことは少ないです。
『放送する』『公開する』という意味で、テレビ番組、ラジオ番組、意見などを公に放送する、発表する際に使用されます。主に放送業界で使用される語彙です。 【ニュアンスの違い】『exhibit』よりも、不特定多数に向けて発信するニュアンスが強く、展示会のように特定の場所で公開するという意味合いは薄いです。『air』は、電波を通じて広範囲に情報を伝えるという点に重点があります。 【混同しやすい点】『air』は、他動詞として使用されます。自動詞としての使用は一般的ではありません。また、名詞としては、『空気』という意味を持ちます。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。
派生語
「展示(会)」という意味の名詞。「exhibit」に名詞化の接尾辞「-ion」が付いた形。動詞「exhibit」が示す行為(展示する)の結果や場所を表す。美術館や博物館での展示、見本市などで頻繁に使われる。比喩的に「さらけ出すこと」を意味する場合もある。
- exhibitor
「展示者」という意味の名詞。「exhibit」に「~する人」という意味の接尾辞「-or」が付いた形。展示会やイベントなどで、自社の製品やサービスを展示する企業や個人のことを指す。ビジネスシーンでよく使われる。
- exhibitory
「展示の、展示的な」という意味の形容詞。「exhibit」に形容詞化の接尾辞「-ory」が付いた形。展示に関する、あるいは展示を目的とした、という意味合いを持つ。学術的な文脈や、展示に関する専門的な議論で使われることがある。
反意語
「隠す、隠蔽する」という意味の動詞。「exhibit」が公に見せるのに対し、「conceal」は意図的に見せないようにする行為を表す。犯罪の隠蔽、感情の隠蔽など、幅広い文脈で使用される。日常会話からビジネス文書まで、使用頻度は高い。
「隠す、隠れる」という意味の動詞。「exhibit」が公に見せるのに対し、「hide」は物理的に見えないようにする、あるいは隠された状態を指す。子供が隠れん坊をする、秘密を隠す、など日常的な場面でよく使われる。比喩的に感情を隠す意味でも使われる。
「抑制する、抑圧する」という意味の動詞。「exhibit」が感情や行動を表に出すのに対し、「suppress」は意図的にそれらを抑え込むことを意味する。感情の抑制、デモの鎮圧、情報の隠蔽など、政治的、社会的な文脈でよく使われる。
語源
「exhibit」はラテン語の「exhibere」(差し出す、提示する)に由来します。これは「ex-」(外へ)と「habere」(持つ、保つ)という二つの要素から構成されています。「ex-」は「外へ」という意味で、何かを隠された場所から外へ出す、つまり「表に出す」というイメージです。「habere」は「持つ」という意味ですが、ここでは「状態を保つ」といったニュアンスが含まれます。したがって、「exhibere」全体としては、「何かを外に出して、人々の目に触れる状態にする」という意味合いになります。この語源から、「展示する」「明らかにする」といった現代的な意味が派生したと考えられます。例えば、美術品を「展示する」ことは、それを人々の目に触れる状態にする行為であり、「証拠を明らかにする」ことは、それを隠された状態から表に出す行為です。このように、語源を理解することで、「exhibit」という単語の持つ意味合いをより深く捉えることができます。
暗記法
「exhibit」は、単なる展示を超え、価値あるものを公に提示する行為。元は法廷での証拠提出を意味し、展示物が真実を「証明」する含みも持つ。19世紀の万博では国家の威信を誇示する場となり、競争と繁栄の象徴に。しかし、植民地支配を正当化する負の側面も。現代では、多様な表現方法で社会問題提起や対話を促進。社会と文化を映し出す鏡として、知識や価値観を形成する。
混同しやすい単語
『exhibit』と語頭の音が同じで、どちらも少しフォーマルな印象があるため、意味を混同しやすい。ただし、『exquisite』は『非常に美しい』『洗練された』という意味の形容詞であり、品詞も意味も異なる。特に、発音記号を確認し、アクセントの位置が異なること(exHIBit vs. EXquisite)を意識すると良い。語源的には、ex-(外へ)+quisite(求める)で、『外に求められるほど素晴らしい』というイメージ。
語頭が異なるものの、語尾の『-hibit』の部分が共通しているため、スペルミスや発音の混同が起こりやすい。『inhibit』は『抑制する』という意味の動詞で、意味も大きく異なる。特に、接頭辞 in-(内へ)の意味を理解すると、『展示する』(ex-hibit) と『抑制する』(in-hibit) の違いが明確になる。
『inhibit』と同様に、語尾が『-hibit』で共通しているため、スペルや発音が混同されやすい。『prohibit』は『禁止する』という意味の動詞。接頭辞 pro-(前に)の意味を理解すると、『前に立ちはだかって禁止する』というイメージが湧きやすい。exhibit, inhibit, prohibitは、語源的にラテン語のhabere(持つ)に関連しており、それぞれ「外に持つ」「内に持つ」「前に持つ」というニュアンスの違いがあることを知っておくと、記憶の助けになる。
スペルが似ており、どちらも『ex-』で始まるため、意味を混同しやすい。『exit』は『出口』という意味の名詞、または『退出する』という意味の動詞。発音も異なり、『exhibit』は/ɪɡˈzɪbɪt/ であるのに対し、『exit』は /ˈeksɪt/。特に、アクセントの位置が異なることに注意。
『ex-』で始まり、スペルも一部似ているため、視覚的に混同しやすい。『excerpt』は『抜粋』という意味の名詞、または『抜粋する』という意味の動詞。発音も異なり、アクセントの位置も異なるため注意が必要。exhibitは「展示する」という意味で、excerptは「一部分を取り出す」という意味で、関連性は薄い。
語頭が同じで、どちらもやや長い単語であるため、視覚的に混同しやすい。『exuberant』は『元気いっぱいの』『溢れんばかりの』という意味の形容詞。意味も品詞も異なる。発音も異なるため、発音記号を確認することが重要。exuberantは、ラテン語の「豊かに実る」に由来し、exhibitとは語源的な関連性はない。
誤用例
日本語の『示す』という言葉に引きずられ、『exhibit』を安易に使ってしまう例です。確かに『exhibit』も『示す』という意味を持ちますが、主に『展示する』という意味合いが強く、抽象的な事柄(人の性質など)を示す場合には不自然です。人の性質や能力などを明確に示す場合は『demonstrate』がより適切です。また、文脈によっては『reveal』や『highlight』も使えます。英語では、抽象的な概念を『示す』場合に、より具体的なイメージを伴う動詞を選ぶことが重要です。日本語の『示す』は汎用性が高いため、英語に直訳する際には注意が必要です。
『exhibit』は『感情や表情を(意図的に)見せる』という意味合いが薄く、不自然に聞こえます。博物館で美術品を『展示する』ように、何かを公に見せる、または特徴や性質を明確に示す場合に適しています。一方、笑顔や表情などの自然な表現には『give』を使う方が自然です。日本語の『見せる』は、意図的な行為だけでなく、自然な表情にも使われるため、英語に直訳すると誤解を招きやすいです。英語では、感情や表情を表す動詞は、その感情のニュアンスや文化的な背景を考慮して選ぶ必要があります。例えば、控えめな笑顔を『exhibit』すると、どこか不自然で、自己顕示欲が強い印象を与えかねません。
『exhibit』は、抽象的な概念を『示す』という意味で使うこともできますが、この場合は『exercise』の方が自然です。『exercise』は、能力や権利、資質などを『行使する』という意味合いがあり、慎重さという資質を『行使する』というニュアンスが、この文脈に合っています。一方、『exhibit』は、慎重さという特徴を『展示する』という意味合いになり、やや不自然です。日本語の『慎重さを示す』という表現に引きずられると、『exhibit』を選んでしまいがちですが、英語では、抽象的な概念をどのように捉えるかによって、適切な動詞を選ぶ必要があります。ここでは、慎重さを『展示する』のではなく、『行使する』と捉えるのが、英語的な発想です。
文化的背景
「exhibit」は、単に「展示する」という意味を超え、文化的な価値を認められた物を公に提示し、共有するという行為そのものを象徴します。それは、過去の遺産を未来へと繋ぎ、社会的な対話を促進する舞台装置としての役割を担ってきたのです。
「exhibit」の語源を辿ると、ラテン語の「exhibere(外に差し出す)」に由来し、もともとは法廷で証拠を「提出する」という意味合いが強くありました。このニュアンスは、現代の「exhibit」にもわずかに残っており、展示されるものが何らかの価値や真実を「証明する」という含みを持つことがあります。例えば、博物館に展示された古代の遺物は、その時代の文化や技術を雄弁に物語り、歴史の証拠として人々に語りかけます。また、美術展に展示された作品は、芸術家の才能や思想を表現し、観る者に新たな視点や感情を呼び起こす証拠となるでしょう。
19世紀以降、万国博覧会の隆盛とともに、「exhibit」は単なる証拠の提示から、国家の威信や産業の発展を誇示する場へと変化しました。各国は自国の技術や文化を競い合うように展示し、世界に向けてその存在感を示しました。この時代、「exhibit」は国家間の競争と繁栄の象徴となり、人々の好奇心と野心を刺激する存在だったのです。しかし、同時に、植民地支配の正当化や、異文化に対する誤解を招く側面もありました。例えば、博覧会に「人間の動物園」として異民族が展示されたことは、倫理的な問題として深く反省されるべき歴史的事実です。
現代において、「exhibit」はより多様な意味合いを持つようになりました。美術館や博物館での展示はもちろんのこと、オンライン上でのバーチャル展示や、パフォーマンスアートなど、表現方法は多岐にわたります。また、「exhibit」は単なる物の展示に留まらず、社会的な問題提起や対話の促進を目的とする場合も増えています。例えば、環境問題や人権問題に関する展示は、人々に現状を認識させ、行動を促すための重要な役割を担っています。このように、「exhibit」は時代とともにその意味合いを変化させながら、常に社会と文化を映し出す鏡として、私たちの知識や価値観を形成する上で欠かせない存在であり続けているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でもまれに出題
- 文脈・例題の特徴: 説明文、論説文、物語など多様な文脈で登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞「展示物」、動詞「展示する」の両方の意味を理解。類義語(display, show)との使い分けも重要
- 出題形式: 主にPart 5, 6, 7(短文穴埋め、長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rで中頻度。Part 5で語彙問題として問われることも
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連(展示会、イベント、製品紹介など)の文脈で頻出
- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての用法(exhibit A, exhibit strong performanceなど)を把握。文脈から意味を推測する練習が重要
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、芸術など、学術的な内容の文章で登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞・動詞の両方の意味を理解。抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。類義語(demonstrate, present)とのニュアンスの違いも意識
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語など多様な文脈で登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。動詞としての用法(感情や性質をexhibitする)も理解しておく。