exhibition
強勢は「ビィ」の部分にあります。最初の「エ」は曖昧母音で、日本語の「エ」よりも弱く短く発音します。/ʃ/ の音(「シ」と「シュ」の中間のような音)は、舌先を上あごに近づけて息を摩擦させるように出すのがコツです。最後の「ン」は、口を閉じて鼻から息を出すように意識しましょう。
展示会
美術品や製品などを一般公開する催し。単に物を並べるだけでなく、背後にある意図やテーマを伝えるニュアンスを含む。
I'm really excited to see the new art exhibition at the museum next week.
来週、美術館で新しい美術展を見るのが本当に楽しみです。
※ この例文は、個人的な期待感やワクワクする気持ちを表しています。お気に入りのアーティストの新作や、ずっと見たかった作品が展示されると知って、胸が高鳴っている様子が目に浮かびますね。美術館やギャラリーでの「展示会」は、「exhibition」の最も一般的な使われ方の一つです。「be excited to do something」で「〜するのが楽しみだ」という気持ちを表現できます。
The company held a big exhibition to show their new products to many people.
その会社は、多くの人々に新製品を見せるために大規模な展示会を開催しました。
※ ここでは、「exhibition」がビジネスの文脈で使われています。企業が自社の新製品を多くの潜在顧客や関係者に見てもらうために、大きな会場でイベントを開いている場面です。このような「見本市」や「展示即売会」のような目的の「展示会」も「exhibition」と表現されます。「hold an exhibition」で「展示会を開催する」という意味になり、目的を付け加えることで、より具体的な状況が伝わります。
Last month, we visited a wonderful dinosaur exhibition with our children.
先月、私たちは子どもたちと素晴らしい恐竜の展示会に行きました。
※ この例文は、過去の楽しい思い出を語る場面を描いています。休日、家族で博物館や科学館に行き、巨大な恐竜の骨格標本や模型が並ぶ展示を、子どもたちが目を輝かせながら見た様子が想像できます。教育的・エンターテイメント的な側面を持つ展示会も「exhibition」で表現できます。「visit an exhibition」で「展示会を訪れる」という意味になり、過去の出来事を話す際に「Last month,...(先月、…)」のように時を表す言葉を冒頭に置くと、会話がスムーズになります。
発表
技術や能力、感情などを、見てわかるように示すこと。単に見せるだけでなく、評価や理解を求めるニュアンスを含む。
My daughter was so proud to show her first painting at the school art exhibition.
私の娘は、学校の美術発表会で初めて描いた絵を展示できて、とても誇らしげでした。
※ この例文は、お子さんが初めて自分の絵を「exhibition(発表会)」で見せている、親がその姿を誇らしく見守る温かい情景を描いています。美術作品の「発表」や「展示」は、『exhibition』が最も頻繁に使われる典型的な場面の一つです。『art exhibition』で「美術展」や「絵画展」という意味になります。
We saw an amazing photo exhibition at the city museum last weekend.
先週末、私たちは市立博物館で素晴らしい写真展を見ました。
※ 友人と一緒に街の博物館へ出かけ、そこで見た写真展に感動している様子が目に浮かびますね。『photo exhibition』も『写真展』として非常によく使われる表現です。美術館や博物館は『exhibition』が頻繁に行われる場所の代表例です。『see an exhibition』で「展示会を見る」という自然な言い方です。
The company will hold an exhibition to introduce their new technology next month.
その会社は来月、新しい技術を紹介するための発表会を開催します。
※ この例文は、企業が新技術を世の中に公開する、少しフォーマルな発表会の場面です。ビジネスや科学技術の分野で、新製品や新技術を「発表」するイベントを指すのにも『exhibition』が使われます。『hold an exhibition』で「発表会を開催する」という意味になります。『to introduce their new technology』は「彼らの新しい技術を紹介するために」と、目的を表しています。
証拠
特定の性質や感情などが、外に現れている状態。明白な証拠として示すニュアンスを含む。
The lawyer presented an old diary as an exhibition in court.
弁護士は法廷で古い日記を証拠品として提示しました。
※ この例文は、法廷で弁護士が具体的な「物」を証拠として差し出す、まさに「exhibition」が最も典型的に使われる場面を描いています。日記という個人的な物が、裁判の重要な「証拠品」になる緊迫した状況が目に浮かびますね。ここでは「an exhibition」として使われ、法廷で提出される「証拠物件」という意味合いが強いです。
Police found a strange key, which became an exhibition in the investigation.
警察は奇妙な鍵を発見し、それが捜査における証拠品となりました。
※ この例文では、警察が捜査中に発見した「物」(鍵)が、事件解決のための「証拠品」となる場面を想像できます。発見の瞬間の驚きや、それが重要な手がかりになる期待感が伝わりますね。「an exhibition」は、このように公式な調査や捜査の文脈で「証拠となる物」を指すときによく使われます。
The ancient pot was carefully examined as an exhibition of early human life.
その古代の壺は、初期人類の生活を示す証拠品として慎重に調査されました。
※ この例文は、考古学者が古い遺物(壺)を分析し、それが過去の生活の「証拠」となる学術的な場面を描いています。歴史のロマンを感じさせる情景ですね。ここでは「exhibition」が、ある事実や時代を裏付ける「具体的な物証」という意味で使われています。学術的な研究や博物館での鑑定など、専門的な文脈で使われることが多い単語です。
コロケーション
大規模展覧会、主要な展覧会
※ 美術展や博覧会など、規模が大きく、重要な意味を持つ展覧会を指します。美術館や博物館が力を入れて企画・開催するような、注目度の高い展覧会に使われることが多いです。単に"large exhibition"と言うよりも、その展覧会の重要性や影響力を強調するニュアンスがあります。例えば、『A major exhibition of Picasso's works is being held at the National Museum.(ピカソの大規模な展覧会が国立博物館で開催されている)』のように使われます。ビジネスシーンでも、業界の最新技術を紹介する大規模な展示会などを指して使われることがあります。
個展
※ 一人のアーティストの作品のみを展示する展覧会を指します。グループ展(group exhibition)の対義語として使われます。アーティストのキャリアにおける重要な節目となることが多く、その作家の世界観を深く理解する機会となります。美術評論やニュース記事など、アート関連の文脈で頻繁に使われます。例えば、『She is holding her first solo exhibition at a gallery in Ginza.(彼女は銀座のギャラリーで初の個展を開催している)』のように使われます。
展覧会を開催する
※ 展覧会を開催するという行為を表す一般的な表現です。美術館、ギャラリー、学校など、さまざまな場所で展覧会を行う際に使用できます。"organize an exhibition"も同様の意味で使えますが、"hold an exhibition"の方がより直接的で、開催すること自体に焦点を当てた表現です。例えば、『The university will hold an exhibition of student artwork.(大学は学生の作品展を開催する予定だ)』のように使われます。
~の展覧会
※ 特定のテーマや種類の作品を集めた展覧会を指す際に使われます。例えば、"an exhibition of paintings"(絵画展)、"an exhibition of photographs"(写真展)、"an exhibition of ancient artifacts"(古代遺物展)などがあります。この構文を使うことで、展覧会の内容を具体的に示すことができます。例えば、『The museum is hosting an exhibition of Impressionist paintings.(美術館では印象派の絵画展が開催されている)』のように使われます。
展覧会を開始する、立ち上げる
※ "launch"は、新しい事業や製品などを開始する意味合いが強く、展覧会に対しても、その開始を強調する際に用いられます。単に"start an exhibition"と言うよりも、準備期間を経て、満を持して公開するというニュアンスが含まれます。プレスリリースや広報資料などでよく使われます。例えば、『The gallery will launch a new exhibition of contemporary sculpture next month.(ギャラリーは来月、現代彫刻の新しい展覧会を立ち上げる予定だ)』のように使われます。
巡回展
※ 複数の都市や国を巡回して開催される展覧会を指します。作品を様々な場所で展示することで、より多くの人々に鑑賞してもらうことを目的としています。美術館や博物館が共同で企画することが多く、広範囲にわたる輸送や展示の調整が必要となります。例えば、『The travelling exhibition of Van Gogh's paintings will visit Tokyo next year.(ゴッホの絵画の巡回展が来年東京を訪れる予定だ)』のように使われます。
記念展
※ 特定の人物や出来事を記念して開催される展覧会を指します。故人の業績を称えたり、歴史的な出来事を振り返ったりする目的で行われます。例えば、"a commemorative exhibition of a famous artist"(有名な芸術家の記念展)、"a commemorative exhibition of the end of the war"(終戦記念展)などがあります。例えば、『The museum is holding a commemorative exhibition to mark the 100th anniversary of the artist's birth.(美術館では、芸術家の生誕100周年を記念した記念展が開催されている)』のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、研究成果としての「展示」や、データから示される「証拠」を指す場合によく用いられます。例えば、博物館学の研究で「この博物館の展示会は、来館者に〜という影響を与えている」と分析したり、統計学の論文で「このデータは〜という傾向の証拠を示している」と記述したりします。専門分野によっては、研究対象を「発表」する意味合いで使用されることもあります。
ビジネスの場では、展示会への出展や、市場調査で得られたデータが示す「傾向」について報告する際に使われます。例えば、「来月の国際展示会に出展する予定です」と告知したり、マーケティング報告書で「顧客の購買行動には〜という傾向が見られます」と分析結果を提示したりします。また、新製品発表会などを指す場合もあります。
日常生活では、美術館や博物館で開催される「展示会」について話す際や、ニュースなどで報道されるイベントを紹介する際に使われます。例えば、「週末に美術館の〇〇展に行ってきたよ」と話したり、ニュース番組で「〇〇展が好評です」と報道されたりするのを見聞きします。また、比喩的に、人の行動や成果を「発表」や「証拠」として捉える場合にも使われることがあります。例えば、友人の料理の腕前を見て「これは日頃の練習の成果の展示だね!」と冗談めかして言ったりします。
関連語
類義語
- exposition
大規模な博覧会や展示会を指し、しばしば商業的な目的や国際的な規模で行われるものを指します。学術的な会議や研究発表の場としても使われます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"よりもフォーマルで、規模が大きい印象を与えます。また、単に「展示」というよりも、何かを「説明する」「解説する」というニュアンスが含まれます。 【混同しやすい点】「exposition」は、単なる展示だけでなく、背後にあるアイデアやコンセプトを説明する意図が強い場合に適しています。「exhibition」はより広い意味で使われ、必ずしも説明を伴わない展示も含まれます。
物を見せる、陳列するという意味で、店の商品や博物館の展示物など、視覚的に見せることを強調します。日常会話でもよく使われます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"よりも規模が小さく、より日常的な場面で使われます。「display」は、見せること自体に重点があり、芸術的な価値や教育的な目的は必ずしも含まれません。 【混同しやすい点】「display」は動詞としても名詞としても使えますが、「exhibition」は主に名詞として使われます。また、「display」は、必ずしも公的な場所で行われるとは限りません(例:自宅でのコレクションのdisplay)。
見せる、示すという意味で、非常に一般的な単語です。映画、演劇、テレビ番組など、娯楽的な要素を含む場合にも使われます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"よりもカジュアルで、規模も小さいことが多いです。「show」は、娯楽性やパフォーマンス性を伴うことがあり、芸術的な価値や教育的な目的は必ずしも含まれません。 【混同しやすい点】"show"は動詞としても名詞としても使われ、非常に広い意味を持ちます。「exhibition」はより限定的な意味を持ち、芸術作品や歴史的資料などの展示を指すことが多いです。また、「show」はしばしば「誇示する」という意味合いを持つことがあります(例:show off)。
発表、提示という意味で、ビジネスや学術的な場面で、情報を伝えるために使われます。スライドなどを使って視覚的に説明することも含まれます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"が物理的な展示であるのに対し、「presentation」は情報やアイデアを伝えることに重点があります。また、「presentation」は、聴衆に対して何かを説明したり説得したりする意図が含まれます。 【混同しやすい点】「presentation」は、必ずしも物理的な物を展示するとは限りません。また、「presentation」は、双方向的なコミュニケーションを伴うことが多いです(例:質疑応答)。
博覧会、見本市という意味で、商業的な目的で行われる大規模なイベントを指します。しばしば娯楽的な要素も含まれます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"よりも商業的な色が強く、商品の販売や取引を目的とする場合が多いです。「fair」は、しばしば遊園地のようなアトラクションや屋台などが併設されます。 【混同しやすい点】「fair」は、しばしば特定のテーマや産業に特化しています(例:ブックフェア、モーターショー)。また、「fair」は、地域のお祭りやイベントを指すこともあります。
- viewing
(特に映画や美術品などの)鑑賞、観覧という意味で、個人的な体験を強調します。不動産の物件見学などにも使われます。 【ニュアンスの違い】"Exhibition"が公的な展示であるのに対し、「viewing」はより個人的な体験を指します。「viewing」は、しばしば個人の好みや感情に焦点を当てます。 【混同しやすい点】「viewing」は、しばしば特定の期間や時間帯に限定されます(例:プライベートviewing)。また、「viewing」は、批評や評価を伴うことがあります。
派生語
『展示する』という動詞。名詞『exhibition(展示)』から派生し、何かを公に見せる行為を表す。美術館や博物館での展示、証拠の提示など、幅広い文脈で使用される。日常会話よりは、ややフォーマルな場面で使われることが多い。
- exhibitor
『展示者』という意味の名詞。動詞『exhibit(展示する)』に、人を表す接尾辞『-or』が付いた形。展示会や博覧会などで、自社の製品やサービスを展示する企業や個人を指す。ビジネスシーンで頻繁に使われる。
- exhibitionism
『露出症』という意味の名詞。元々は『exhibition』が『見せること』を意味し、精神医学の分野で、自分の身体を見せることで性的興奮を得る状態を指す専門用語。日常会話では稀だが、心理学や犯罪学の文脈で用いられる。
反意語
- concealment
『隠蔽』や『隠匿』を意味する名詞。『exhibition』が公に展示・公開することであるのに対し、『concealment』は意図的に隠す行為を指す。犯罪の隠蔽、秘密の保持など、ネガティブな文脈で使われることが多い。日常会話でも使われるが、報道や法律関連の文書でも頻出する。
『隔離』や『隠遁』を意味する名詞。『exhibition』が公の場に出すことを意味するのに対し、『seclusion』は人里離れてひっそりと暮らす状態を指す。修道院での隠遁生活、病気による隔離など、特定の状況下で使用される。日常会話ではあまり使われない。
語源
"exhibition"はラテン語の"exhibere"に由来します。"exhibere"は「外に(ex-)」+「持つ、提示する(habere)」が組み合わさった言葉で、「外に提示する」「見せる」という意味合いを持ちます。この"exhibere"から、中世フランス語を経て英語に入り、"exhibition"という形になりました。つまり、展示会は文字通り、何かを人々の目に触れるように「外に提示する」行為そのものを指していると言えます。例えば、才能を「exhibit(発揮する)」という場合も、内に秘めた能力を外に「提示する」という語源的な意味合いが反映されています。何かを隠さずに公に見せる、というイメージで捉えると記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「exhibition」は単なる展示に非ず。それは社会の価値観を映す鏡であり、美意識を共有する場。啓蒙の時代には王侯貴族のコレクション公開が知識を広げ、産業革命期には万国博覧会が技術革新を世界に示した。現代では、美術、科学、歴史…多様な分野で知を伝え、社会への問題提起も行う。過去、現在、未来。人類の探求と創造を辿る旅、それこそが「exhibition」なのだ。
混同しやすい単語
『exhibition』と語幹が同じで、スペルも非常に似ているため混同しやすい。意味は『展示する』という動詞、または『展示物』という名詞であり、『exhibition』は『展示会』という名詞。品詞の違いに注意し、文脈で判断する必要がある。語源的にはどちらもラテン語の『exhibere (差し出す、見せる)』に由来する。
『exhibition』と語尾の '-ition' が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。『edition』は『版』という意味の名詞で、書籍や雑誌などの種類を表す。スペルの違いを意識し、意味を関連付けて覚えることが重要。例えば、『展覧会 (exhibition) の図録は特別な版 (edition) で発行される』のように関連付ける。
『exhibition』と語頭の 'ex-'、語尾の '-ion' が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。『exception』は『例外』という意味の名詞。スペルを注意深く見比べ、意味の違いを明確にすることが重要。語源的には、どちらもラテン語の 'ex' (外へ) に由来するが、意味の発展が異なる。
『exhibition』と語尾の '-ition' が共通しており、発音のリズムが似ているため混同しやすい。『ambition』は『野心、大望』という意味の名詞。スペルを意識し、語頭の 'amb-' の違いに注意。『exhibition』は外に見せるもの、『ambition』は内にある強い願望、とイメージで区別すると良い。
『exhibition』と語頭の 'ex-'、語尾の '-ition' が共通しており、スペルと発音が似ているため混同しやすい。『expedition』は『探検、遠征』という意味の名詞。語源的にはどちらもラテン語の 'ex' (外へ) に由来するが、『expedition』は『足 (ped) を外へ出す』イメージで覚えると区別しやすい。
『exhibition』と語尾の '-hibition' が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。『inhibition』は『抑制、禁止』という意味の名詞。語頭の 'in-' は『内へ』という意味を持ち、『exhibition』が外へ見せるのに対し、『inhibition』は内へ抑える、という対比で覚えると記憶に残りやすい。
誤用例
日本語の『展示会』は非常に広い意味で使われ、新製品発表会から美術展まで包含します。しかし、英語の『exhibition』は美術展や博覧会のような、より芸術的、学術的なニュアンスが強いです。ビジネス文脈での新製品発表会のようなものは『trade show』や『product launch』と表現する方が適切です。日本人が『展示会』という言葉を安易に『exhibition』と訳してしまうことで、意図した意味とズレが生じることがあります。英語では、イベントの種類に応じて適切な語彙を選ぶ必要があります。
『exhibition』自体が高価である、という表現は不自然です。展示会自体に値段はなく、入場料が高いということを言いたい場合が多いでしょう。日本語では『展示会が高かった』のように、イベントそのものにお金がかかるような表現をすることがありますが、英語ではより具体的に『entrance fee(入場料)』という言葉を使う方が自然です。また、入場料が高くて人が少なかったという因果関係をより明確にするために、関係代名詞のwhichを使って文を繋げることで、より洗練された英文になります。日本人が無意識に日本語の構造を英語に当てはめようとすることで、このような不自然な表現が生まれることがあります。
『hold an exhibition』は、美術館やギャラリーなどの公的な場所で大規模な展示会を開催する場合に使われることが多い表現です。個人のコレクションを自宅で公開するような、より小規模で私的な展示には、よりカジュアルな表現である『put [something] on display』が適しています。『hold an exhibition』は、まるで自宅が美術館になったかのような大げさな印象を与えてしまいます。日本人は『開催する』という言葉を安易に『hold』と訳してしまいがちですが、規模や場所に応じてより適切な表現を選ぶ必要があります。また、英語では、フォーマルな状況とインフォーマルな状況で言葉遣いを使い分けることが重要です。
文化的背景
「exhibition(展覧会)」は、単なる美術品の陳列ではなく、社会の価値観や美意識を可視化し、共有する場としての役割を担ってきました。それは、権力者のコレクションを一般公開することで啓蒙を促したり、国家の威信を示す万国博覧会のように、社会的なメッセージを伝える強力なメディアとして機能します。
18世紀後半から19世紀にかけて、「exhibition」は、啓蒙思想の普及と産業革命の進展とともに、その意味合いを大きく変化させました。王侯貴族の私的なコレクションが美術館として一般公開されるようになり、美術作品を鑑賞する機会が広がると同時に、人々の美的感覚や知識を向上させる教育的な場としての役割を担うようになりました。また、産業革命の成果を展示する万国博覧会は、技術革新の進展を世界に示し、各国の産業競争を促進する場となりました。これらの博覧会は、国家の威信をかけた壮大なスケールで開催され、エッフェル塔のように、その象徴となる建造物を生み出すこともありました。
現代において、「exhibition」は、美術作品だけでなく、科学技術、歴史、文化など、様々な分野の知識や情報を伝える手段として、その役割を拡大しています。美術館や博物館だけでなく、商業施設や公共スペースなど、様々な場所で開催されるようになり、より多くの人々が気軽にアクセスできるようになりました。しかし、その本質的な意義は変わらず、社会の価値観や美意識を可視化し、共有する場として、重要な役割を担っています。例えば、あるアーティストの回顧展は、その作家の生涯と作品を通して、社会の変遷や価値観の変化を映し出す鏡となります。また、特定のテーマに焦点を当てた展覧会は、社会的な問題提起や議論のきっかけとなることもあります。
このように、「exhibition」は、単なるモノの陳列ではなく、時代や社会の価値観を反映し、人々の意識を啓発する文化的な営みと言えるでしょう。それは、過去から現在、そして未来へと続く、人類の知的な探求と創造の軌跡を辿る旅であり、私たち自身の存在意義を問い直す機会を与えてくれるのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で出題頻度が高い。2級でも長文読解で登場する可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 博物館、美術館、国際的なイベントなど、アカデミックな文脈で登場しやすい
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(展覧会、展示会)をしっかり覚えること。動詞のexhibit(展示する)も合わせて学習すると効果的。類義語のdisplayとの使い分けも意識。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: 主にビジネス関連のイベント、見本市、製品発表会などの文脈で登場
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使われ方を意識すること。関連語句(trade show, convention, boothなど)も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(歴史、芸術、科学など)の文章で、博物館や美術館に関する記述の中で登場しやすい
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での意味を理解すること。同義語や関連語句(artifact, curator, galleryなど)を合わせて覚える。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で頻出
- 文脈・例題の特徴: 芸術、歴史、文化など、幅広いテーマで登場する可能性がある
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で正確な意味を把握することが重要。単語単体だけでなく、文章全体を理解する練習をすること。