exceptional
強勢は 'sep' にあります。最初の 'i' は日本語の『イ』よりも曖昧で弱く、口をあまり開けずに発音します。'ʃ' (sh) は、日本語の『シ』を発音する時のように、舌を上あごに近づけて息を摩擦させます。最後の 'əl' は曖昧母音であり、口をリラックスさせて『ア』に近い音で終わります。'l' の発音は、舌先を上前歯の裏に軽く触れるように意識しましょう。
並外れた
平均や標準を遥かに超える、非常に優れている状態。才能、品質、能力などが特に優れていることを強調する際に用いる。類義語:remarkable, outstanding, extraordinary
The taste of the cake was truly exceptional, making everyone smile.
そのケーキの味は本当に並外れていて、みんなを笑顔にしました。
※ この例文は、何かを食べた時の「味」や「品質」が期待をはるかに超えて素晴らしかった、という感動を表しています。みんなが笑顔になった情景から、その並外れた美味しさが伝わってきますね。このように、体験したことの「質」を褒める際によく使われます。
The hotel staff provided exceptional service, making our stay very pleasant.
ホテルのスタッフは並外れたサービスを提供し、私たちの滞在をとても快適にしてくれました。
※ ここでは、ホテルの「サービス」が期待以上に素晴らしかったことを表現しています。スタッフのきめ細やかな対応のおかげで、滞在が心地よかったという「おもてなし」の場面が目に浮かびます。「service(サービス)」や「performance(性能、実績)」など、何かを提供されたり、誰かの仕事ぶりを評価する文脈でよく使われる典型的な例です。
His dedication to the project was exceptional, leading to great success.
彼のプロジェクトへの献身は並外れていて、大きな成功につながりました。
※ この例文は、個人の「努力」や「献身」といったポジティブな資質が、どれほど素晴らしいものであったかを伝えています。彼の並外れた頑張りが、最終的に大きな成功という結果をもたらした、という達成感のある場面を描写しています。このように、「effort(努力)」や「talent(才能)」など、人の能力や資質を褒める際にもよく使われる表現です。
異例の
通常とは異なる、珍しい、または予期しない状況。規則や慣習からの逸脱を意味し、良い意味にも悪い意味にも使われる。類義語:unusual, uncommon, rare
His presentation was truly exceptional, impressing everyone in the room.
彼のプレゼンテーションは本当に異例の素晴らしさで、部屋中の全員を感動させました。
※ 会議室で、彼のプレゼンが期待をはるかに超え、集まった人たちがその内容に感銘を受けている情景が目に浮かびます。「exceptional」は、単に「良い」のではなく、「並外れて素晴らしい」「滅多にないほど優れている」というポジティブな意味で使われます。ビジネスの場や、何かを評価する際によく使われる典型的な例です。
The young artist showed exceptional talent for drawing, even at a young age.
その若い芸術家は、幼い頃から絵を描くことにおいて並外れた才能を見せました。
※ 幼い子が描いた絵が、大人も驚くほど見事だったり、その子の芸術的なセンスがずば抜けていたりする場面を想像してください。「exceptional talent」は、特定の分野における「ずば抜けた才能」や「非凡な能力」を表現する際によく使われるフレーズです。人の能力を褒める際によく耳にするでしょう。
The hotel provided exceptional service, making our vacation unforgettable.
そのホテルは異例の素晴らしいサービスを提供し、私たちの休暇を忘れられないものにしてくれました。
※ 旅行先で、宿泊したホテルのスタッフが非常に親切で、気が利いていて、期待以上の対応をしてくれた時の喜びを表しています。「exceptional service」は、顧客サービスが「期待以上で非常に優れている」ことを表す際によく使われます。レストランやお店、病院など、サービス業全般で耳にする機会が多いでしょう。
コロケーション
並外れた才能
※ 「exceptional」が人の能力や才能を修飾する場合、単に「優れている」というだけでなく、「群を抜いて優れている」「非常に稀な才能を持っている」という意味合いが強くなります。特に、芸術、音楽、スポーツなどの分野で、その才能によって他の追随を許さないレベルであることを強調する際に用いられます。例えば、音楽コンクールで優勝した若手ピアニストに対して「He possesses exceptional talent.(彼は並外れた才能を持っている)」のように使われます。単に"great talent"と言うよりも、その希少性、唯一無二の価値を伝えるニュアンスがあります。
異例の状況、特別な事情
※ 「circumstances」は「状況」「事情」を意味し、「exceptional circumstances」は通常では考えられない、非常に稀な状況を指します。この表現は、規則や原則の例外を認める必要が生じた場合に使われることが多く、ビジネスシーンや法律関係の文書でよく見られます。例えば、「Under exceptional circumstances, the deadline may be extended.(特別な事情がある場合、締め切りを延長することがあります。)」のように用いられます。単に"special circumstances"と言うよりも、その状況が極めて異例であり、通常とは異なる対応が必要であることを強調します。
卓越したサービス
※ 「service」を「exceptional」で修飾する場合、単に「良いサービス」というだけでなく、「期待を遥かに超える」「他に類を見ないほど素晴らしい」という意味合いになります。ホテル、レストラン、航空会社など、顧客満足度が重要な業界で、顧客の期待を大きく上回るサービスを提供した場合に使われます。例えば、「The hotel provided exceptional service throughout our stay.(滞在中、ホテルは卓越したサービスを提供してくれました。)」のように用いられます。"excellent service"よりも、そのサービスが際立って優れていることを強調するニュアンスがあります。
例外的な事例
※ "case" は「事例」「場合」を意味し、"exceptional case" は通常では起こりえない、極めて特殊な事例を指します。これは規則やルールからの逸脱を正当化する際に用いられ、法律、医療、教育など、様々な分野で使用されます。例えば、「This is an exceptional case that requires special attention. (これは特別な注意を要する例外的な事例です。)」のように用いられます。類似表現の "unusual case" より、さらに稀で深刻なニュアンスを持ちます。
並外れていることを証明する、特別だと判明する
※ "prove" は「証明する」「判明する」という意味で、何かが予想以上に優れている、または特別であることが明らかになる状況を表します。例えば、新入社員が予想をはるかに超える能力を発揮した場合、「He proved exceptional. (彼は並外れていることを証明した。)」のように使われます。この表現は、当初の期待値を超え、その価値や能力が顕著に示されたことを強調する際に効果的です。 "turn out to be exceptional" と言い換えることも可能です。
非常に明瞭に、並外れた明晰さで
※ "clarity" は「明瞭さ」「明晰さ」を意味し、"with exceptional clarity" は、考え、説明、または表現が非常に明確で理解しやすい状態を指します。複雑な問題を非常にわかりやすく説明したり、曖昧さを一切排除した議論を展開したりする際に用いられます。例えば、「She explained the complex theory with exceptional clarity. (彼女は複雑な理論を非常に明瞭に説明した。)」のように使われます。この表現は、情報伝達の精度と効率を特に強調したい場合に適しています。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特に質的に優れた研究や成果を強調する際に用いられます。例えば、「この研究は、〜という点でexceptionalな貢献をしている」のように、研究の独自性や重要性を示す文脈で使用されます。また、学生の成績評価において、飛び抜けて優秀な学生を評する際にも使われます。
ビジネスシーンでは、業績報告書や人事評価などのフォーマルな文書で、まれに使われます。例えば、「彼のプロジェクト遂行能力はexceptionalである」のように、特定の人物やプロジェクトの並外れた成果を強調する際に用いられます。日常的な会話では、より一般的な「excellent」や「outstanding」が好まれる傾向があります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、稀に目にする機会があります。例えば、「〜は、exceptionalな才能を持つアーティストだ」のように、特定の人物の並外れた才能や能力を紹介する文脈で使用されます。一般的には、「amazing」や「incredible」といった、より口語的な表現が好まれます。
関連語
類義語
普通や予想を超える、非常に優れた、並外れたという意味。ポジティブな意味合いが強く、才能、業績、美しさなどを形容する際に用いられる。ビジネス、文学、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"exceptional"と非常に近い意味を持つが、"extraordinary"はより劇的で、畏敬の念や驚きを含むニュアンスがある。また、"exceptional"は期待される基準を上回るという意味合いが強いのに対し、"extraordinary"は基準自体を超越しているような印象を与える。 【混同しやすい点】どちらも肯定的で類似した意味を持つため、置き換え可能な場合が多いが、"extraordinary"の方がより強い感情を伴うことが多い点を意識する必要がある。また、"extraordinary"は、日常的な出来事に対しては不自然に聞こえる場合がある。
注目に値する、著しい、並外れたという意味。特に、観察者の注意を引き、記憶に残るような性質を持つ場合に用いられる。学術的な文脈や報道記事など、客観的な記述が求められる場面でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"exceptional"が能力や才能の高さを示すのに対し、"remarkable"は結果や成果が注目に値することを強調する。また、"remarkable"は必ずしもポジティブな意味だけでなく、ネガティブな文脈でも使用できる(例:remarkable failure)。 【混同しやすい点】"exceptional"は主観的な評価を含むことが多いが、"remarkable"は客観的な事実に基づいて判断されることが多い。そのため、個人の意見や感情を表現する場合は"exceptional"、客観的な事実を述べる場合は"remarkable"を選択すると良い。
傑出した、目立った、秀でたという意味。他のものと比較して優れていることを強調する。ビジネスシーンやスポーツなど、競争的な状況で成果を評価する際に頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"exceptional"が全体的な卓越性を示すのに対し、"outstanding"は特定の分野や側面における優位性を示す。また、"outstanding"は未解決の問題や債務に対しても使用される(例:outstanding debt)。 【混同しやすい点】"outstanding"は、必ずしも全体的に優れていることを意味するわけではなく、特定の部分が特に優れていることを示す場合がある。また、文脈によっては「未払い」という意味になる点に注意する必要がある。
普通ではない、珍しい、まれなという意味。頻度や出現率が低いことを示す。科学的な研究や統計データなど、客観的な事実を記述する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"exceptional"が価値判断を含むのに対し、"uncommon"は単に頻度の低さを示す。また、"uncommon"は必ずしもポジティブな意味ではなく、ネガティブな意味合いで使用されることもある(例:uncommon disease)。 【混同しやすい点】"exceptional"は能力や才能の高さを示すのに対し、"uncommon"は単に珍しいという事実を示す。そのため、賞賛や評価を表現する場合は"exceptional"、客観的な事実を述べる場合は"uncommon"を選択すると良い。
特異な、独特の、他に類を見ないという意味。他と比較して際立って異なる性質を持つことを強調する。文学作品や芸術作品など、創造性や独創性が重視される分野でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"exceptional"が全体的な卓越性を示すのに対し、"singular"は他にはない独自性を示す。また、"singular"は文法的には単数形のみで使用される。 【混同しやすい点】"singular"は、必ずしも優れていることを意味するわけではなく、単に他とは異なるという事実を示す。また、文法的に単数形のみで使用される点に注意する必要がある。
- unparalleled
比類なき、並ぶものがないという意味。過去に例がなく、比較対象が存在しないほど優れていることを強調する。歴史的な出来事や記録など、重要性や規模が大きい事柄を記述する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"exceptional"が一般的な卓越性を示すのに対し、"unparalleled"は比較対象が存在しないほどの卓越性を示す。また、"unparalleled"は非常にフォーマルな表現であり、日常会話ではあまり使用されない。 【混同しやすい点】"unparalleled"は、非常に強い意味を持つため、誇張表現と捉えられる可能性がある。また、日常会話では不自然に聞こえる場合がある。
派生語
『例外』という意味の名詞。『exceptional』の語源である『except(除外する)』から派生。あるルールや一般論から『除外されたもの』を指す。日常会話からビジネス、法律文書まで幅広く使用される。例文:There is always an exception to the rule.(例外のないルールはない)
『例外的に』『非常に』という意味の副詞。『exceptional』に副詞語尾『-ly』が付いた形。程度を強調する意味合いが強く、例えば『exceptionally talented(非常に才能がある)』のように使われる。日常会話やビジネスシーンで、強調したい時に用いられる。
『〜を除いて』という意味の前置詞・接続詞・動詞。『exceptional』の語源であり、ラテン語の『ex-(外へ)』と『capere(取る)』が組み合わさったもの。何かを全体から取り除く、除外するという根本的な意味を持つ。日常会話で頻繁に使用されるほか、法律文書などでも正確な範囲を示すために用いられる。
反意語
『普通の』『並の』という意味の形容詞。『exceptional』が基準から外れて優れていることを示すのに対し、『ordinary』は一般的な基準に合致していることを示す。日常会話で頻繁に使われ、特に比較対象がある場合にその対比が明確になる。例文:He is an ordinary student.(彼は普通の学生だ)
『ありふれた』『一般的な』という意味の形容詞。『exceptional』が珍しさや特別さを表すのに対し、『common』は広く行き渡っている状態を示す。統計やデータなど、客観的な情報を示す文脈でよく用いられる。例文:It is a common practice.(それは一般的な慣習だ)
『典型的な』という意味の形容詞。『exceptional』が標準から外れるのに対し、『typical』はまさにそのカテゴリーの典型例であることを示す。あるカテゴリーの代表例として言及する際に用いられる。例文:This is a typical example.(これは典型的な例だ)
語源
"exceptional」は、ラテン語の"excipere"(取り除く、除外する)に由来します。"ex-"は「外へ」を意味する接頭辞で、"capere"は「取る、つかむ」を意味します。つまり、元々は「何かを取り除くこと」を意味していました。これが転じて、「普通から取り除かれた」→「例外的な」→「並外れた」という意味へと発展しました。例えば、日本の相撲で「例外的に」幕下付け出しでデビューする力士は、まさに"exceptional"な存在と言えるでしょう。語源を知ることで、単に「異例」と覚えるよりも、そのニュアンスを深く理解し、記憶に定着させることができます。
暗記法
「exceptional」は、社会の規範から外れた存在を指し、中世では異端視もされました。ルネサンス期には天才や英雄を意味するように。アメリカ例外主義では、国家の独自性を主張する言葉として使われましたが、批判も。現代では能力主義と結びつき、成功の象徴である一方、格差も生み出します。文学では、平凡な人物が並外れた勇気を示す物語も。「exceptional」は、希望と苦悩が交錯する、奥深い言葉なのです。
混同しやすい単語
『exceptional』と『exception』は、スペルが非常に似ており、意味も関連しているため混同しやすいです。『exception』は名詞で「例外」という意味です。一方、『exceptional』は形容詞で「並外れた」「非常に優れた」という意味です。文脈によって品詞が異なるため注意が必要です。語源的には、どちらもラテン語の『excipere』(除外する)に由来しますが、名詞と形容詞で用法が異なります。
『exceptional』と『acceptable』は、語尾が似ており、スペルも一部共通するため混同しやすいです。『acceptable』は「容認できる」「まあまあ良い」という意味で、『exceptional』の「並外れた」という意味とは異なります。発音もアクセントの位置が異なるため、注意が必要です。日本人学習者は、語尾の '-able' と '-al' の違いを意識すると良いでしょう。
『exceptional』と『expect』は、語頭の『ex-』が共通しているため、スペルと発音の両面で混同しやすいです。『expect』は動詞で「期待する」という意味です。意味も品詞も大きく異なるため、文脈で判断する必要があります。ただし、『exceptional』は『expect』から派生した単語ではないため、語源的な関連はありません。
『exceptional』と『especially』は、どちらも『ex-』で始まり、スペルの一部が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『especially』は副詞で「特に」という意味です。『exceptional』は形容詞なので、文法的な役割も異なります。日本人学習者は、文中で形容詞が必要か副詞が必要かを意識することで、区別することができます。
『exceptional』と『reception』は、語尾の「-tion」が共通し、発音も似ているため、聞き取りやスペルで混同しやすいです。『reception』は名詞で「受付」「歓迎会」といった意味を持ちます。スペルも音も似ていますが、語源的には関連性が薄く、意味も全く異なるため、文脈で判断することが重要です。
『exceptional』と『exemption』は、どちらも『ex-』で始まり、語源もラテン語の『eximere』(取り除く)に由来するため、意味の面で混同しやすいかもしれません。『exemption』は名詞で「免除」「免責」という意味です。『exceptional』は「並外れた」という意味なので、意味は異なりますが、どちらも何かを「除外する」というニュアンスを含んでいます。スペルも似ているため注意が必要です。
誤用例
日本語の『並外れた価格』を直訳すると "exceptional price" となりがちですが、英語では "exceptional" は一般的に良い意味合いで使われます。価格に対して使う場合は、"exceptionally low price" のように副詞で修飾し、価格の異常な低さを強調する方が適切です。この誤用は、日本語の直訳に頼りすぎることと、英語における "exceptional" のポジティブな語感への理解不足から生じます。英語では、価格の異常さを表現する際には、"unusually low" や "surprisingly low" など、より中立的な表現を選ぶこともできます。
"exceptional" は「並外れた」という意味ですが、人の能力や才能に対して使う場合が多く、"exceptional talent" のように使います。しかし、"taste" (趣味、センス) に対して使うと、少し不自然に聞こえます。より自然な英語では、"refined taste" (洗練された趣味)や "exquisite taste" (非常に優れた趣味)といった表現が適しています。この誤用は、日本語の「並外れたセンス」という表現をそのまま英語に当てはめようとする際に起こりがちです。英語では、趣味の良さを表現する際には、"refined" や "sophisticated" といった語が好まれます。また、"He has great taste."も一般的です。
"exceptional" は「例外的な」「異例の」という意味で、必ずしもネガティブな状況を指すとは限りません。危機的な状況を伝えたい場合は、"critical"(重大な、危機的な)や "dire"(悲惨な、深刻な)といった語を使う方が適切です。この誤用は、日本語の「異例の事態」という言葉が、危機的な状況にも使われることから生じやすいです。英語では、状況の深刻さを強調する際には、"critical," "serious," "grave," "precarious," または "dire" など、より直接的に危険や困難を示す語を選ぶ必要があります。
文化的背景
「exceptional」という言葉は、単に「並外れている」という意味を超え、社会的な規範や期待から逸脱した存在、あるいはそれを許容する社会のあり方を映し出す鏡のような役割を果たしてきました。歴史的に見ると、「exceptional」は、当初は必ずしもポジティブな意味合いを持っていたわけではありません。中世においては、社会の秩序を乱すような特異な存在は、しばしば異端や魔術と結びつけられ、排除の対象となりました。しかし、ルネサンス期に入ると、個人の才能や創造性が重視されるようになり、「exceptional」は、天才や英雄といった、社会を牽引する存在を指す言葉として、徐々に肯定的な意味合いを帯びていきます。
アメリカ合衆国の歴史においては、「American exceptionalism(アメリカ例外主義)」という言葉が、その国家の独自性と優越性を主張するために用いられてきました。これは、アメリカが他の国とは異なり、自由、民主主義、機会均等の理念を体現した特別な国であるという信念に基づいています。しかし、この概念は、しばしばアメリカの帝国主義的な行動や国際法無視を正当化するために利用され、国内外から批判を受けてきました。このように、「exceptional」は、国家のアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たす一方で、その排他的な側面が問題視されることもあるのです。
現代社会においては、「exceptional」は、能力主義的な価値観と密接に結びついています。教育、スポーツ、ビジネスなど、あらゆる分野において、「exceptional talent(並外れた才能)」を持つ個人が賞賛され、成功を収めることが期待されます。しかし、この価値観は、競争の激化や格差の拡大を招き、社会全体にプレッシャーを与えるという負の側面も持ち合わせています。例えば、シリコンバレーでは、「exceptional」な起業家が巨万の富を築き上げる一方で、多くの人々が長時間労働や不安定な雇用に苦しんでいます。このように、「exceptional」は、現代社会の成功の象徴であると同時に、その裏に潜む矛盾や課題を浮き彫りにする言葉でもあるのです。
文学作品においても、「exceptional」な人物は、しばしば物語の中心的な役割を担います。例えば、J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場するフロド・バギンズは、ホビットという平凡な存在でありながら、並外れた勇気と決意を持って、世界を救うという使命を果たします。彼の「exceptional」な行動は、一見すると平凡な人間にも、偉大なことを成し遂げる可能性があることを示唆しています。このように、「exceptional」は、人間の可能性を信じる希望の光であると同時に、社会の規範や期待から逸脱することで生じる苦悩や葛藤を描き出す、複雑な概念なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に語彙問題で問われやすい。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など幅広いテーマで登場。比喩的な意味合いで使われることも。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「例外的な」「並外れた」という意味を基本としつつ、文脈に応じて適切な訳語を選ぶ練習を。関連語のexception, exceptionallyも合わせて学習。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にPart 7でビジネスシーンにおける状況説明として登場しやすい。
3. 文脈・例題の特徴: 人事評価、業績報告、顧客対応など、ビジネス関連の文脈で「並外れた」「優れた」という意味で使用される。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から「良い意味」で使われているか、「悪い意味」の例外なのかを判断することが重要。類義語のoutstanding, remarkableとの使い分けも意識。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に科学、歴史、社会科学分野の文章でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 研究結果の特異性、歴史上の出来事の例外性、社会現象の特殊性などを説明する際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 単語の意味だけでなく、文章全体における役割を理解することが重要。パラフレーズ(言い換え)問題で問われる可能性もあるので、類義語を多く知っておくと有利。
1. 出題形式: 長文読解、和訳問題
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。特に記述式の和訳問題で正確な意味を問われることが多い。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、哲学など、幅広いテーマで登場。抽象的な概念を説明する際に使われることも。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から判断して「例外的な」「並外れた」のどちらの意味で使われているかを見抜く必要がある。また、文法的な構造を正確に把握し、自然な日本語訳を作成する練習を。