extraordinary
強勢は /strɔːr/ にあります。/ɪk/ の 'i' は、日本語の「イ」よりも弱く、口を少し開いた曖昧母音です。/ɔːr/ は口を大きく開け、舌を奥に引いて発音します。最後の /i/ は、日本語の「イ」よりもさらに弱く、ほとんど聞こえないくらい短く発音します。/d/ は、舌先を上の歯茎につけて発音する破裂音ですが、母音に挟まれると、アメリカ英語ではしばしば「ラ」行に近い音になります。
並外れた
普通ではない、非常に優れている、特別な才能や能力を持っていることを意味する。良い意味で使われることが多い。(例:extraordinary talent, extraordinary achievement)
Her extraordinary singing voice deeply moved everyone in the audience.
彼女の並外れた歌声は、会場の全員を深く感動させました。
※ コンサートや発表会で、歌手の歌声があまりにも素晴らしくて、聴衆が心を揺さぶられている情景が目に浮かびます。「extraordinary」は、このように人の才能や能力が「普通ではないほど優れている」ことを褒める時によく使われます。
We saw an extraordinary sunset over the ocean last night.
昨夜、私たちは海に沈む並外れた夕日を見ました。
※ 旅行先や海辺で、想像をはるかに超えるほど美しく、忘れられない夕日を見た時の感動を表しています。「extraordinary」は、このように「滅多にないほど素晴らしい、特別な」景色や出来事を表現するのにもぴったりです。
He made an extraordinary effort to finish the project on time.
彼はプロジェクトを期限内に終わらせるために、並外れた努力をしました。
※ この文からは、彼が大変な困難を乗り越え、通常では考えられないほどの頑張りを見せたことが伝わってきます。「extraordinary effort」は、「並々ならぬ努力」という決まり文句のように使われ、人の頑張りや粘り強さを評価する際によく登場します。
異例の
予想外または通常とは異なる状況や出来事を指す。悪い意味合いを含む場合もある。(例:extraordinary circumstances, extraordinary measures)
Her singing performance was so extraordinary that everyone in the audience clapped for a long time.
彼女の歌のパフォーマンスは並外れていて、観客の全員が長い間拍手しました。
※ この例文は、誰かの才能や努力が「普通じゃない、すごい」と人々を感動させる場面を描いています。extraordinaryが「期待をはるかに超えて素晴らしい」という意味で使われる典型的な例です。観客が長く拍手している様子から、その素晴らしさが伝わってきますね。
The small team achieved extraordinary results in just a few months.
その小さなチームは、わずか数ヶ月で異例の成果を達成しました。
※ ここでは、「extraordinary results(異例の成果)」という形で、予想をはるかに超える良い結果や成功を指しています。普通では考えられないほどのスピードや規模で物事が進んだ、という驚きが込められています。ビジネスやプロジェクトの成功を語る際によく使われる表現です。
My grandmother told me an extraordinary story about her adventures when she was young.
私の祖母は、若かった頃の冒険について、私に異例の(=驚くべき)話をしてくれました。
※ 「extraordinary story」は、「ありきたりではない、驚くような話」という意味で使われます。聞いている人が「え、本当に!?」とワクワクするような、普通ではなかなか経験できない出来事を語る場面にぴったりです。物語や経験談について話す際によく使われます。
コロケーション
並外れた能力、ずば抜けた才能
※ このコロケーションは、特に移民法に関連して、特定の分野(科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツなど)で国際的に認められるほどの卓越した能力を持つ人物を指す際に用いられます。単に『優れた能力』というだけでなく、その分野におけるトップレベルであることを示唆する、非常に強い意味合いを持ちます。例えば、著名な科学者やオリンピックメダリストなどが該当します。日常会話よりも、法律や報道などのフォーマルな文脈でよく見られます。
異例の事態、異常な状況
※ この表現は、通常では考えられないような、非常に特殊な状況を指します。例えば、自然災害、戦争、パンデミックなどの緊急事態や、個人的なレベルでの予期せぬ悲劇などが該当します。契約書や法律文書など、責任の免除や義務の履行猶予を規定する際に、その条件として『extraordinary circumstances』が挙げられることがあります。日常会話でも使われますが、ややフォーマルな響きがあります。類似表現として 'exceptional circumstances' がありますが、'extraordinary' の方がより深刻で稀な状況を指すニュアンスがあります。
並外れた勇気、驚くほどの度胸
※ 危険な状況や困難な状況に直面した際に、恐れずに勇敢に立ち向かう精神力を指します。単に『勇気がある』というだけでなく、その勇気が普通ではないほど際立っていることを強調します。例えば、人命救助活動、不正を告発する行為、差別と闘う運動などが該当します。物語や映画などのフィクション作品でも、主人公の英雄的な行動を描写する際によく用いられます。'remarkable courage' や 'exceptional bravery' なども類似表現ですが、'extraordinary courage' は、その勇気の特異性をより強く印象づけます。
(容疑者の)国外移送、特別移送
※ 主に政治・法律用語として使われ、政府機関が容疑者を自国ではなく、拷問などの人権侵害が行われる可能性のある国に移送することを指します。非常にデリケートな問題であり、国際法や人権に関する議論で頻繁に登場します。日常会話で使われることはほとんどありません。この表現は、その行為の倫理的な問題を婉曲的に表現するニュアンスを含んでいます。類似表現として 'forced transfer' がありますが、'extraordinary rendition' は、より秘密裏に行われる行為を暗示します。
臨時株主総会、臨時総会
※ 企業や団体の運営において、通常定期的に開催される総会とは別に、緊急の議題を扱うために開催される会議を指します。企業の合併・買収、役員の解任、重要な規則の変更など、通常の総会を待たずに迅速な決定が必要な場合に開催されます。ビジネスシーンで頻繁に使われる用語であり、法律や会計の知識も必要となる場合があります。'special general meeting' とほぼ同義ですが、'extraordinary' の方が、より緊急性の高いニュアンスを含んでいます。
非常に詳細に、極めて綿密に
※ 物事を説明したり分析したりする際に、信じられないほど細部にわたって詳しく述べることを意味します。例えば、科学研究の報告書、犯罪捜査の記録、歴史的な出来事の記述などで用いられます。単に『詳細に』というだけでなく、その詳細さが普通ではないほど徹底的であることを強調します。'with extraordinary precision'(並外れた精度で)も類似の表現です。日常会話よりも、学術的な文脈や専門的な分野でよく使われます。
使用シーン
学術論文や専門書で、特筆すべき発見や現象を強調する際に用いられます。例:『〜という結果は、従来の理論では説明できない、並外れた(extraordinary)事例である』のように、研究の独自性や重要性を示す文脈で使用されます。また、講義やプレゼンテーションで、重要な概念や理論を紹介する際にも使われます。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、業績や成果を強調する際に使用されます。例:『当社の〜プロジェクトは、並外れた(extraordinary)成功を収め、業界の標準を塗り替えた』のように、実績をアピールする文脈で用いられます。日常的なビジネス会話よりも、公式な場面で使われる傾向があります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、珍しい出来事や人物を紹介する際に使われることがあります。例:『〜さんは、並外れた(extraordinary)才能を持ち、若くして成功を収めた』のように、特別な能力や功績を持つ人を称賛する文脈で見られます。また、歴史的な出来事や自然現象を説明する際にも用いられることがあります。
関連語
類義語
注目に値する、著しい、並外れた、という意味。業績、才能、出来事など、目立って優れているものや印象的なものに対して使われる。ビジネス、学術、ニュース記事など、フォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と同様に、普通ではない、並外れているという意味合いを持つが、「remarkable」は特に観察者の注意を引き、記憶に残るような印象を与えるニュアンスが強い。また、「extraordinary」よりも客観的な評価を含むことが多い。 【混同しやすい点】「remarkable」は主観的な感情よりも、客観的な事実に基づいた評価に使われることが多い点。「extraordinary」は良い意味にも悪い意味にも使えるが、「remarkable」は通常、良い意味で使われる。
例外的な、非常に優れた、という意味。能力、品質、才能などが平均を大きく上回る場合に用いられる。教育、人事評価、品質管理など、特定の基準と比較する場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と似ているが、「exceptional」は特定の基準や期待値からの逸脱を強調する。基準となるレベルが存在し、それを大きく超える場合に適切。ビジネスシーンで個人の能力を評価する際などによく使われる。 【混同しやすい点】「exceptional」は比較対象がある場合に適している。「extraordinary」は比較対象がなくても、そのものが並外れている場合に使える。「an exceptional student」は「優秀な学生」、「an extraordinary event」は「並外れた出来事」のように使い分ける。
普通ではない、珍しい、稀な、という意味。頻度や発生率が低いことを指す。科学、統計、市場調査など、客観的なデータに基づいた記述でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と比べて、価値判断や感情的な意味合いが薄い。単に頻度が少ないという事実を述べる場合に適している。希少性や特異性を客観的に表現する。 【混同しやすい点】「uncommon」は良い意味にも悪い意味にも使えるが、「extraordinary」は通常良い意味で使われることが多い。「uncommon」は、例えば「珍しい病気」のように、必ずしも望ましいものではない状況にも使える。
傑出した、目覚ましい、という意味。才能、業績、品質などが非常に優れていることを表す。ビジネス、スポーツ、芸術など、競争や評価が伴う場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と同様に優れたものを指すが、「outstanding」は特に他のものと比較して優れていることを強調する。競争の中で抜きん出ているイメージ。人事評価や成果発表など、具体的な比較対象がある場合に適している。 【混同しやすい点】「outstanding」は未解決の問題や負債に対しても使われる(例: outstanding debt)。良い意味で使う場合は、文脈から判断する必要がある。「extraordinary」は通常、未解決の問題には使われない。
注目すべき、著しい、という意味。出来事、業績、人物などが人々の注意を引くほど特筆に値する場合に使われる。ニュース記事、歴史的記述、伝記など、客観的な視点からの評価が求められる場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と似ているが、「remarkable」は観察者や聞き手にとって印象的であるというニュアンスが強い。主観的な驚きや感嘆の念を含むことが多い。報道や記録において、客観的な事実を強調しつつ、その重要性を示す。 【混同しやすい点】「remarkable」は良い意味で使われることがほとんどだが、「extraordinary」は文脈によっては悪い意味にもなり得る。「remarkable」は客観的な評価を伴うことが多く、個人的な感情よりも事実に基づいた記述に適している。
途方もない、驚くべき、巨大な、という意味。量、規模、能力などが非常に大きいことを表す。文学作品、歴史的記述、科学論文など、客観的な記述が求められる場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】「extraordinary」と比べて、「prodigious」は量や規模の大きさを強調する。才能を表す場合でも、その才能が非常に大きく、並外れているというニュアンスが強い。畏敬の念や驚きを含むことが多い。 【混同しやすい点】「prodigious」は量や規模を表すことが多く、抽象的な概念には使いにくい。「extraordinary」は抽象的な概念にも使える。「prodigious talent」は「並外れた才能」だが、「prodigious happiness」とは言わない。
派生語
『普通に』『通常は』という意味の副詞。形容詞'ordinary'に接尾辞'-ly'が付加されて副詞化。日常会話やビジネスシーンで、予想外の事態ではないことを示す際に用いられる。Extraordinaryの対比として、平凡さを示す。
- ordination
『叙任』『任命』という意味の名詞。もともとは『秩序立てること』を意味し、そこから聖職者や役職への任命という特殊な意味合いを持つようになった。教会や組織における正式な地位付与の文脈で用いられる。
『定める』『任命する』という意味の動詞。よりフォーマルな場面、特に法律や宗教的な文脈で用いられる。神が運命を『定める』といった意味合いも持つ。extraordinaryの語源である'order'(秩序)との関連が強い。
反意語
『普通の』『ありふれた』という意味の形容詞。extraordinaryの語根である'order'(秩序)に由来し、秩序の中に収まっている、つまり『普通』の状態を示す。日常会話からビジネスまで幅広く用いられ、extraordinaryと直接的な対比をなす。
『平凡な』『ありふれた』という意味の形容詞。日常的な話題や出来事を指す際に用いられ、extraordinaryが示す特別な状況とは対照的である。やや否定的なニュアンスを含む場合もある。
『典型的な』『代表的な』という意味の形容詞。あるカテゴリーに属するものの標準的な特徴を表し、extraordinaryが示す例外的な性質とは対照的である。統計や分析の文脈でよく用いられる。
語源
「extraordinary」は、ラテン語に由来する言葉で、その構造は「extra-(外へ)」と「ordinary(通常の)」という二つの要素から成り立っています。「ordinary」は「ordo(秩序、順序)」という語に起源を持ち、日常的な秩序や規則に従う状態を表します。これに「extra-」が付くことで、「通常の秩序の外にある」、つまり「並外れた」「異例の」という意味合いが生まれます。日本語で例えるなら、「規格外」という言葉が近いかもしれません。「規格」という通常の枠組みから「外」に出ている、というイメージです。したがって、「extraordinary」は、文字通り「普通を超越した」状態を指し、その語源を知ることで、単語の意味がより鮮明に理解できます。
暗記法
「extraordinary」は、英雄譚から科学の金字塔まで、時代を超えて特別な存在や出来事を飾る言葉でした。騎士の勇気、天才の閃き、そして非常時の人間の底力。しかし、その響きは光ばかりではありません。社会の規範から外れた行い、過度な浪費…。「並外れている」という言葉は、常に社会の価値観と照らし合わせる鏡。使う時には、その背景にある文化的な物語をそっと感じてみてください。
混同しやすい単語
『extraordinary』と『ordinary』は、接頭辞 “extra-” の有無だけが異なり、発音も非常によく似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。意味は『普通の』であり、extraordinary(並外れた)とは正反対。スペルミスにも注意が必要。接頭辞 extra- は「~を超える」という意味を持つため、ordinary(普通)を超えるものが extraordinary(並外れた)である、と考えると覚えやすい。
『extraordinary』の構成要素である『extra』は、単独でもよく使われる単語であり、意味も関連するため混同しやすい。『追加の』『余分な』という意味を持ち、名詞、形容詞、副詞として使われる。extraordinary はあくまで形容詞であり、意味も『並外れた』というニュアンスを持つ点で異なる。extraordinary は extra + ordinary であり、ordinary に何か extra(追加)されているイメージを持つと、意味の違いを区別しやすい。
『story』の部分が共通しているため、スペルを間違えやすい。また、history(歴史)も extraordinary(並外れた)出来事と関連することが多いため、意味の文脈で誤って使ってしまう可能性もある。history は「出来事の物語」という語源を持ち、story は「物語」という意味を持つ。history には「過去の出来事」という時間的な制約があることを意識すると、extraordinary と区別しやすい。
スペルの先頭部分 'estra-' が似ており、視覚的に混同しやすい。発音も似ている部分がある。estranged は『疎遠になった』という意味であり、動詞 estrange の過去分詞形。意味も品詞も異なるため、文脈で判断する必要がある。estranged は strange(奇妙な)という単語と関連があり、人間関係が奇妙になった状態を表すと考えると覚えやすい。
スペルの 'ex-' で始まる部分が共通しており、視覚的に混同しやすい。excerpt は『抜粋』という意味の名詞または動詞。発音も異なるため、注意が必要。語源的には 'ex-'(外へ) + 'carpere'(摘み取る)であり、全体から良い部分を摘み取るイメージを持つと、意味を理解しやすい。
スペルの 'cess' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。accessory は『付属品』という意味の名詞または形容詞。発音も異なるため、注意が必要。accessory は 'ac-'(~へ) + 'cedere'(行く)が語源であり、主要なものに付随して行くイメージを持つと、意味を理解しやすい。
誤用例
日本人学習者は「extraordinary」を「並外れた」という字面から、単純に程度が非常に高いという意味で使いがちです。しかし、「extraordinary」は単に高いだけでなく、通常とは異なる、予想外の、驚くべきニュアンスを含みます。給与が高いという事実だけを述べる場合は、「exceptionally high」のような表現がより適切です。日本語の「並外れた」を安易に当てはめると、不自然な印象を与えることがあります。背景には、日本語の「並外れた」が必ずしも英語の「extraordinary」のような感情的なニュアンスを含まない点が挙げられます。
この文は一見矛盾しているように見えますが、「extraordinary」の持つ「予想外」という意味合いを強調することで、逆説的な表現として成立させようとした可能性があります。しかし、「extraordinary」は良い意味で予想外である場合に用いられることが多く、単に「予想に反して普通」という意味合いを表現するには不適切です。「unexpectedly」を用いることで、期待外れであったというニュアンスがより自然に伝わります。日本人が「ありえないほど普通」のような表現を直訳しようとする際に陥りやすい誤用です。
「extraordinary」は「特別」という意味でも使われますが、日常的な「特別」な状況を指すには大げさすぎます。例えば、緊急性の高い会議や、通常とは異なる形式で行われる会議を指す場合には、「special」の方が適切です。一方、「extraordinary meeting」は、非常に重要な決定がなされる、歴史的な意味合いを持つ会議など、より重大な状況で使用されます。日本人が「特別な会議」をすぐに「extraordinary」と訳してしまうのは、語感のずれによるものです。英語では、状況の重要度に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。
文化的背景
「extraordinary(並外れた)」は、単に「普通ではない」という意味を超え、しばしば神聖さや異質さ、あるいは社会規範からの逸脱を暗示する言葉として用いられてきました。中世の騎士道物語から現代のスーパーヒーロー映画に至るまで、この言葉は、英雄的な行為や驚異的な能力、あるいは理解を超えた存在を形容する際に、特別な敬意と畏怖の念を込めて使われてきたのです。
歴史を遡ると、「extraordinary」は、王侯貴族や聖職者のような、社会的に特別な地位にある人々や、彼らが成し遂げる偉業を形容するために用いられることが多くありました。例えば、中世の年代記では、並外れた勇気と武勲を誇る騎士を「an extraordinary knight」と呼び、その功績を称えました。ルネサンス期には、芸術や科学において前例のない才能を発揮した人物、例えばレオナルド・ダ・ヴィンチのような人物を「an extraordinary genius」と呼び、その創造性を讃えました。このように、「extraordinary」は、社会の中で特別な役割を担う人々や、その卓越した能力を際立たせる言葉として、長い間使われてきたのです。
また、「extraordinary」は、しばしば「ordinary(普通)」との対比において、その意味をより鮮明に浮かび上がらせます。例えば、平凡な日常生活を送る人々にとって、災害や戦争などの非常事態は「extraordinary circumstances(並外れた状況)」として認識されます。このような状況下では、人々の行動や感情もまた「extraordinary」なものとなり、普段は見られない勇気や団結力が発揮されることがあります。文学作品や映画では、このような「extraordinary」な状況を舞台に、人間の極限状態を描き出すことで、観客に強い印象を与えてきました。
現代社会においては、「extraordinary」は、必ずしも肯定的な意味合いばかりを持つわけではありません。例えば、政治的なスキャンダルや犯罪事件など、社会規範から大きく逸脱した行為を「extraordinary misconduct(並外れた不正行為)」と表現することがあります。また、過剰なまでの消費や贅沢なライフスタイルを「extraordinary extravagance(並外れた浪費)」と批判的に表現することもあります。このように、「extraordinary」は、社会の価値観や倫理観との関係において、その意味合いが変化しうる言葉でもあるのです。この言葉を使う際には、その背後にある文化的・社会的な文脈を理解することが重要となります。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題されるが、科学、歴史、文化などアカデミックな文脈が多い。物語文でも使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「並外れた」「異常な」という意味に加え、「特別な」「素晴らしい」のような肯定的な意味合いも持つことを理解する。類義語(remarkable, exceptional)との使い分けを意識する。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも稀に出題される。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(報告書、メール、記事など)で、製品の性能、業績、人物の能力などを形容する際に用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンで「並外れた」能力や成果を褒める際に使われることが多い。類義語(outstanding, exceptional)とのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な文章(科学、歴史、社会科学など)で、現象、発見、理論などを説明する際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈で「並外れた」「特異な」という意味で使われることが多い。類義語(unusual, remarkable)との違いを理解し、文脈に応じて適切な意味を判断できるようにする。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。中堅大学でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など幅広いテーマで出題される。評論文、物語文など様々な文章で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。「並外れた」「異常な」という意味だけでなく、「特別な」「素晴らしい」という意味も含むため、文脈に応じて適切な意味を判断する必要がある。類義語(remarkable, exceptional, unusual)との使い分けも意識する。