crew
日本語の『ウ』の音よりも、唇を丸めて前に突き出すように発音します。口をすぼめるイメージです。また、長音記号(ー)で示すように、母音を少し長めに発音するとよりネイティブの発音に近づきます。日本語の『クル』と発音すると、短く聞こえ、別の単語に聞こえる可能性があります。
乗組員
特定の任務のために編成されたグループ。飛行機、船、宇宙船などの乗り物を操作・管理する人々を指すことが多い。また、映画撮影やイベント運営など、専門的な作業を行うグループにも使われる。
The brave crew worked hard to save the ship in the storm.
勇敢な乗組員たちは、嵐の中で船を守ろうと一生懸命働きました。
※ この例文は、荒れる海で、船の乗組員たちが力を合わせて船を守ろうと必死に働いている様子を描いています。「crew」は船の「乗組員」を指す最も典型的な使い方の一つです。危険な状況でみんなが協力し合う、というイメージが鮮明に浮かびますね。
A kind crew member helped a passenger find her seat on the plane.
親切な乗務員が、乗客が飛行機内で自分の席を見つけるのを手伝いました。
※ この例文は、飛行機の中で、親切な客室乗務員がお客さんの席を見つけるのを手伝っている、心温まる場面を表現しています。「crew」は飛行機の「乗務員」にも使われます。特に「crew member」とすることで、集団の中の一人(個々の乗務員)を指すことができますよ。
The space crew was excited to start their long journey to Mars.
宇宙船の乗組員たちは、火星への長い旅に出発することにわくわくしていました。
※ この例文では、火星への壮大な旅に出発する宇宙船の乗組員たちが、期待と少しの緊張を胸に、わくわくしている様子が伝わります。「crew」は宇宙船の「乗組員」を指す際にも、とても自然に使われます。「space crew」という形で覚えると良いでしょう。
仲間
共通の目的や活動を共にする人々。特に、スポーツチームやプロジェクトチームなど、一体感を持って協力するグループを指す場合に適している。
My soccer crew cheered loudly when we won the game.
サッカー仲間たちは、試合に勝ったとき、大声で歓声をあげました。
※ この例文は、スポーツチームの仲間が一緒に勝利を喜び、一体感を感じている場面を描いています。特に「crew」は、共通の目標に向かって協力するチームやグループの仲間を指すときにぴったりです。ここでは、サッカーチームのメンバーたちが「私の仲間たち」として表現されています。
After the busy event, my crew helped me clean everything up.
忙しいイベントの後、私の仲間たちが片付けを全部手伝ってくれました。
※ イベントやプロジェクトなど、共通の目的のために一緒に働いた仲間たちが、協力して後片付けをしている場面です。大変な作業をみんなで乗り越えた達成感や、助け合いの気持ちが伝わります。「crew」は、映画の撮影スタッフやコンサートの設営スタッフなど、特定の仕事やプロジェクトで協力する専門的なチームを指す場合にもよく使われます。
When I felt lost in the mountains, my adventurous crew guided me.
山で道に迷ったとき、私の冒険好きな仲間たちが案内してくれました。
※ 山の中など、少し困難な状況で、頼りになる仲間たちが支えてくれる場面です。一緒に旅をしたり、何か新しいことに挑戦したりする「仲間」というイメージが伝わります。単に「友達」というよりも、共通の目的や経験を分かち合う「チーム」のような結束感が強いニュアンスで使われています。
乗り組む
乗り物(特に船や飛行機)に乗り込んで、乗組員として働くこと。比喩的に、ある活動やプロジェクトに参加するという意味でも使われる。
He is excited to crew the new fishing boat next month.
彼は来月、新しい漁船に乗り組むことを楽しみにしています。
※ 漁師や船乗りが、新しい船に初めて乗り込む瞬間のワクワク感が伝わります。「crew」は特に船や飛行機といった乗り物に「乗務員として乗り込む」という意味でよく使われます。新しい船への期待は自然な感情ですね。このように「to crew」のように不定詞で「~するために乗り組む」という形で使われることも多いです。
The pilot began to crew the plane early to check everything before passengers arrived.
パイロットは、乗客が到着する前に全てを確認するため、早めに飛行機に乗り組み始めました。
※ 夜明け前、まだ静かな空港で、パイロットが一人、責任感を持って機内に入り、一つ一つ計器をチェックしている様子が目に浮かびます。飛行機のパイロットや客室乗務員が、出発前の準備のために機内に乗り込む際に「crew」が使われるのは非常に一般的です。安全確認という具体的な行動と結びついています。「begin to 動詞」で「~し始める」という表現です。
She is preparing to crew the spaceship for her dream mission.
彼女は、夢のミッションのために宇宙船に乗り組む準備をしています。
※ 宇宙飛行士が、長年の訓練を経てついに宇宙へ旅立つ日を迎え、緊張と期待の中で宇宙船へ向かっている姿が想像できます。宇宙船のような特殊な乗り物への搭乗も「crew」で表現されます。これは単なる搭乗ではなく、その乗り物の「乗組員」として重要な役割を担う意味合いが強く、この単語の中心的な使い方です。「be preparing to 動詞」で「~する準備をしている」という意味になります。
コロケーション
映画撮影隊、映画制作スタッフ
※ 映画、テレビ番組、コマーシャルなどを制作するために集まった専門家集団を指します。カメラマン、照明技師、音声担当、メイクアップアーティストなど、様々な役割の人が含まれます。単に'movie crew'とも言えますが、'film crew'の方がややフォーマルな印象を与えます。映画制作の現場では不可欠な存在であり、そのチームワークが作品の質を大きく左右します。
地上勤務員、地上支援チーム
※ 空港で航空機の離着陸を支援するスタッフを指します。燃料補給、手荷物積み下ろし、機体整備、誘導など、多岐にわたる業務を担当します。パイロットや客室乗務員と連携し、安全で円滑なフライトを支える重要な役割を担っています。一般的に口語で使われ、ニュースなどでも頻繁に登場します。
乗組員全員、スタッフ全員
※ 船、航空機、またはプロジェクトに関わるすべてのスタッフを指す包括的な表現です。チーム全体の協力と努力を強調する際に用いられます。例えば、'The entire crew worked tirelessly to complete the mission.'(乗組員全員が任務完了のためにたゆまぬ努力をした)のように使われます。ビジネスシーンでも、プロジェクトチーム全体を指す際に使われることがあります。
最小限のスタッフ、必要最低限の要員
※ 通常業務を維持するために必要な最小限の人数で構成されたチームを指します。人員削減や緊急時など、限られたリソースで業務を継続する必要がある状況で用いられます。比喩的に、『骨組みだけの状態』を表し、十分な人員がいない状態を示唆します。例えば、'Due to budget cuts, we're operating with a skeleton crew.'(予算削減のため、最小限のスタッフで運営しています)のように使われます。
乗組員の一員として
※ 船や航空機に乗り組み、乗組員として活動することを意味します。物理的に乗り込むだけでなく、比喩的にプロジェクトやチームに参加することも指します。例えば、'He came aboard the crew as a navigator.'(彼は航海士として乗組員に加わった)のように使われます。ビジネスシーンでは、新しいメンバーがチームに参加する際に使われることがあります。
(男性の)短く刈り上げた髪型
※ 頭頂部の髪を短く刈り上げ、側面と背面をさらに短くした男性の髪型を指します。主にアメリカ英語で使われ、軍人やスポーツ選手に人気があります。1950年代のアメリカで流行し、清潔感と規律を象徴する髪型として認識されています。口語的な表現で、フォーマルな場ではあまり使われません。
ヨットの乗組員、帆船の乗組員
※ ヨットや帆船を操縦するために集まった人々のことを指します。それぞれの役割(舵取り、帆の操作、ナビゲーションなど)を分担し、チームワークを発揮して航海を行います。ヨットレースやクルージングなど、様々な目的で構成されます。専門的な知識や技術が必要とされるため、経験豊富なメンバーが揃っていることが重要です。
使用シーン
学術論文では、特に航空工学や海洋学などの分野で「乗組員」の意味で使用されることがあります。また、社会学や人類学において、特定の集団を指す際に比喩的に「crew」を用いることもあります。例:「調査船のcrewは、長期間にわたる航海に耐えた。」
ビジネスシーンでは、プロジェクトチームや特定の任務に携わるグループを「crew」と呼ぶことがあります。航空業界やエンターテイメント業界では比較的よく使われます。例:「プロジェクトcrewは、納期に向けて懸命に作業を進めている。」また、スタートアップ企業などで、メンバー間の親近感を出すために使われることもあります。「うちのcrewは最高だ!」
日常会話では、友人や仲間を指して「crew」と呼ぶことがあります。特に若者の間で、親しいグループを表すスラングとして使われることがあります。例:「今夜、うちのcrewと遊びに行かない?」 また、映画やテレビ番組の撮影クルーを指す場合にも使われます。「撮影crewが機材を搬入している。」
関連語
類義語
『共通の目標を達成するために協力する人々の集団』という意味で、スポーツ、仕事、プロジェクトなど、様々な分野で使われる。可算名詞。 【ニュアンスの違い】『crew』が特定の任務や作業のために組織された集団を指すのに対し、『team』はより広範で、長期的な協力関係にある集団を指すことが多い。また、『team』はスポーツチームのように、競争的な意味合いを含む場合もある。『crew』は船や飛行機の乗組員など、専門的な技能を持つ集団を指すことが多い。 【混同しやすい点】『team』は、必ずしも特定の技能や訓練を必要としない集団も含む点が『crew』と異なる。例えば、ボランティアチームやプロジェクトチームなどは『team』と呼ばれるが、『crew』とは呼ばれない。
『組織で働く従業員全体』を指す。企業、学校、病院など、あらゆる組織で使用される。集合名詞として扱われることが多い。 【ニュアンスの違い】『crew』が特定の作業や任務のために編成された集団を指すのに対し、『staff』は組織全体の従業員を指す。また、『staff』は必ずしも協力関係にあるとは限らず、単に同じ組織に所属しているという事実を示すことが多い。 【混同しやすい点】『staff』は集合名詞であり、複数形になることは少ない(例外的に、異なる種類のスタッフを指す場合に複数形になることがある)。一方、『crew』は可算名詞であり、複数のcrewが存在しうる。
『特定の組織または機関で働く人々』を指す。軍隊、企業、政府機関などで使用される、ややフォーマルな語彙。集合名詞として扱われる。 【ニュアンスの違い】『crew』が特定の任務のために編成された集団を指すのに対し、『personnel』は組織全体の人的資源を指す。また、『personnel』は、個々の従業員の能力や経験を重視するニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】『personnel』は集合名詞であり、具体的な個々の従業員を指す場合は『staff member』や『employee』などの語を用いる。『crew』は具体的なメンバーを指すことができる。
『一緒にいる仲間』という意味合いと、組織としての『会社』という意味合いを持つ。日常会話とビジネスシーンの両方で使用される。 【ニュアンスの違い】『crew』が特定の目的のために集まった集団を指すのに対し、『company』はより広い意味で、単に一緒にいる人々を指す。また、『company』は、ビジネスにおける組織としての意味合いが強い。 【混同しやすい点】『crew』は常に協力関係にある集団を指すが、『company』は必ずしも協力関係にあるとは限らない。例えば、『I enjoy his company』は、彼と一緒にいるのが楽しいという意味だが、彼と協力して何かをしているという意味ではない。
『共通の目的を持つ集団』だが、しばしば非合法な活動や反社会的な行動をする集団を指す。スラングとして使われることも多い。 【ニュアンスの違い】『crew』が中立的な意味合いで、特定の任務のために編成された集団を指すのに対し、『gang』は否定的な意味合いが強い。また、『gang』は、暴力や犯罪と結びつけられることが多い。 【混同しやすい点】『gang』は、文脈によっては単なる仲間を指す場合もあるが、基本的には犯罪組織を連想させるため、使用には注意が必要である。特にフォーマルな場面では避けるべきである。
『特定の任務のために編成された小規模な集団』を指す。軍隊、警察、スポーツなどで使用される。 【ニュアンスの違い】『crew』が比較的規模の大きい集団を指す場合もあるのに対し、『squad』はより小規模な集団を指す。また、『squad』は、特定の専門的な技能を持つ集団を指すことが多い。 【混同しやすい点】『squad』は、軍隊や警察などの組織において、特定の任務を遂行するために編成された集団を指すことが多い。日常会話では、スポーツチームの一部の選手を指す場合もある。
派生語
『新兵を補充する』『(組織などに)加入させる』という意味の動詞。「crew」の語源である古フランス語の「creue(成長)」から派生し、軍隊や組織の『増員』というニュアンスを持つ。ビジネスや人事の文脈で頻繁に使われ、名詞形は『新入社員』『新兵』を意味する。
『(利子や利益などが)累積する』という意味の動詞。ラテン語の「ad-(〜へ)」と「crescere(成長する)」が組み合わさった語源を持ち、徐々に『増えていく』様子を表す。金融、会計、法務などの分野で、未払いの利息や費用などが『発生する』状況を指す際に用いられる。
- crescent
『三日月』を意味する名詞、または『三日月形の』という意味の形容詞。ラテン語の「crescens(成長している)」に由来し、月が徐々に『満ちていく』様子を表す。天文学、文学、紋章学などで用いられる。
反意語
『個々の』『個人の』という意味の形容詞、または『個人』という意味の名詞。「crew」が集合体を指すのに対し、「individual」は分離した単独の存在を指す。組織や集団における個々のメンバーを強調する際に用いられ、ビジネス、社会学、心理学など幅広い分野で使用される。
- loner
『孤独を好む人』『一匹狼』という意味の名詞。「crew」が協力し合う集団を指すのに対し、「loner」は集団に属さず、単独で行動することを好む人を指す。社会学、心理学、文学などで、集団行動を嫌う個人の性質を表現する際に用いられる。
『見捨てる』『放棄する』という意味の動詞。crewが結束して行動するのとは対照的に、desertは集団から離れ、支援を打ち切る行為を指す。軍事、政治、人間関係など、責任や義務を放棄する文脈で使用される。
語源
"crew」は、古フランス語の「creue(増える、成長する)」に由来します。これはさらにラテン語の「crescere(成長する)」から派生しており、元々は「増えて集まった人々」というニュアンスを含んでいました。初期の使用例では、軍隊の増員や、河川の増水などを指していました。その後、船に乗る人々、つまり「乗り組員」という意味に特化していき、現代英語では、特定の目的のために集まった「仲間」や「一団」といった意味合いでも広く使われるようになりました。日本語で例えるなら、「勢揃い」や「増員部隊」といったイメージが近いかもしれません。成長や増加という根本的な意味から、人が集まる様子を表現する言葉へと発展したのが「crew」の語源的な物語です。
暗記法
「crew」は、冒険と結束の物語を紡ぐ言葉。もとは「増員」を意味し、探検や交易の時代を経て、運命を共にする仲間たちを指すようになりました。エンタープライズ号のクルーのように、多様な専門性を持つ集団が困難を乗り越える姿は、理想のチームを象徴します。しかし、結束は時に排他性も生むため、包容性を意識することが大切。スラングとしては親密な仲間を意味し、ヒップホップの世界ではアーティスト集団を指すなど、時代と共に意味を変え、人間関係を映す鏡なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の 's' の有無に注意が必要です。'crew' は『乗組員』や『仲間』を意味する名詞ですが、'cruise' は『巡航する』という動詞、または『クルーズ旅行』という名詞です。文脈によって使い分けが必要ですが、発音の類似性から聞き間違いやすい単語です。日本語の『クルーズ』という外来語の影響で、意味的にも混同しやすいかもしれません。
発音が似ており、特に母音部分が曖昧になりやすいです。'crew' は /kruː/、'crow' は /kroʊ/ と発音が異なりますが、早口で話されると区別が難しい場合があります。'crow' は『カラス』という意味の名詞です。また、'crow' は『(鶏などが)時を告げる』という意味の動詞でもあります。視覚的にも、'cr' で始まる綴りが似ているため、注意が必要です。
発音が似ており、特にアメリカ英語では 'crew' と 'cure' の発音が近づくことがあります。'crew' は /kruː/、'cure' は /kjʊər/ または /kjʊr/ と発音されます。'cure' は『治療』という意味の名詞、または『治療する』という意味の動詞です。綴りも似ており、'e' の位置が異なるだけなので、混同しないように注意が必要です。
'crew' とはスペルが大きく異なりますが、短く発音されると母音の響きが似ているため、聞き間違いやすいことがあります。'chew' は『噛む』という意味の動詞です。特に早口で話される場合や、雑音が多い環境では、注意が必要です。また、'chew' は名詞として『噛むこと』という意味もあります。
発音記号は異なりますが、母音の発音が日本語の『ウー』に聞こえやすく、'クルー'と発音すると 'clue' と混同される可能性があります。'clue'は『手がかり』という意味です。スペルも似ており、'r'と'l'の位置が異なるだけなので、注意が必要です。Lの発音を意識することで区別しやすくなります。
スペルが似ており、特に 'cru-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。'crew' は /kruː/、'crude' は /kruːd/ と発音が異なります。'crude' は『粗末な』『未精製の』という意味の形容詞です。例えば、'crude oil' は『原油』という意味になります。意味も品詞も異なるため、文脈から判断することが重要です。
誤用例
日本人が『crew』を『社員一同』のように、会社組織全体を指す言葉として使うのは誤りです。『crew』は通常、特定の任務や活動のために編成されたグループ、例えば『映画撮影クルー』や『飛行機の乗務員』などを指します。会社全体を指す場合は、より一般的な『staff』や『personnel』を使うのが適切です。この誤用は、日本語の『クルー』という言葉が、特定のプロジェクトに関わる人々だけでなく、企業全体を指す場合もあることから生じやすいです。英語では、より限定的な意味合いで使用されることを理解する必要があります。
『crew』は、しばしば専門的な技能や訓練を必要とするチームを指すニュアンスがあります。近所の清掃作業員を指す場合、『cleaning crew』という表現は、やや大げさ、あるいは不自然に聞こえる可能性があります。より自然な表現としては、『sanitation department』や『waste management team』などが適切です。この誤用は、日本語で『清掃クルー』という言葉が使われることがあるため、そのまま英語に直訳してしまうことで起こりやすいです。英語では、よりフォーマルな職業名や組織名を意識することが重要です。
『crew』は、チームワークと協調性が求められる集団を指すことが多いです。研究グループのように、個々の専門性が重視される集団を指す場合、『team』の方がより適切です。『crew』を使うと、まるで彼らが船の乗組員のように、共通の目標に向かって協力している印象を与えてしまいます。この誤用は、日本語で『研究クルー』という言葉が使われることがあるものの、英語の『crew』が持つニュアンスと合致しないために起こります。英語では、集団の性質に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。また、文化的な背景として、欧米の研究機関では個人の独立性が尊重される傾向があり、『team』の方がその雰囲気に合っています。
文化的背景
「crew」は、単なる集団ではなく、共通の目的を達成するために結束した仲間たち、特に船員や航空機搭乗員を指す言葉として、冒険、チームワーク、そして時には危険と隣り合わせの運命共同体といった文化的イメージを強く喚起します。その語源が示すように、もともとは「増員」や「補充」を意味していた言葉が、時を経て特定の職業集団、特に航海や空の旅における不可欠な協力者を指すようになった背景には、近代以降の探検、交易、そして技術革新の歴史が深く刻まれています。
文学や映画の世界では、「crew」はしばしば、個性豊かなキャラクターたちがそれぞれの得意分野を活かし、困難な状況を乗り越えていく物語の中心に位置づけられます。『スター・トレック』のエンタープライズ号のクルーは、まさにその典型例でしょう。宇宙という未知の領域を探求する彼らは、科学、医療、操縦など、多様な専門知識を持つプロフェッショナル集団であり、同時に家族のような強い絆で結ばれています。このような描かれ方は、「crew」という言葉が持つ「多様性の中の結束」という価値観を強調し、理想的なチームのあり方を示唆していると言えるでしょう。
また、「crew」は、組織や企業におけるチームワークの重要性を語る際にも頻繁に用いられます。プロジェクトチームや部署を「crew」と呼ぶことで、メンバー間の協力、責任の分担、そして共通の目標達成へのコミットメントといった要素が強調されます。しかし、注意すべきは、「crew」という言葉が持つ、ややもすると閉鎖的、あるいは排他的な響きです。特に、特定の企業文化や価値観を共有する集団を指す場合、外部の人間を排除したり、内部の意見の多様性を抑圧したりする可能性も孕んでいます。そのため、「crew」という言葉を使う際には、その言葉が持つポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面にも注意を払い、包容性と多様性を尊重する姿勢を示すことが重要となるでしょう。
さらに、「crew」は、スラングとして、友人や仲間を指す言葉としても使われます。この場合、「family」や「squad」といった言葉と同様に、親密さや連帯感を表現するニュアンスが強くなります。特に、ヒップホップカルチャーにおいては、「crew」は、音楽制作やパフォーマンスを共にするアーティスト集団を指す言葉として、重要な意味を持っています。このように、「crew」は、時代や文脈によってその意味合いを変化させながら、私たちの社会における人間関係や集団意識を反映する鏡のような存在であると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(準1級以上)。リスニングでも稀に出題。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。特に2級以上の長文読解。
- 文脈・例題の特徴: ニュース記事、物語、エッセイなど幅広い文脈で登場。船、飛行機、映画などの乗組員、または組織の一員といった意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「乗組員、一団」の意味が基本だが、動詞として「(仕事などに)従事する」という意味もある。文脈から判断する必要がある。
- 出題形式: 長文読解(Part 7)、語彙問題(Part 5)。リスニング(Part 2, 3)でも稀に出題。
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。ビジネス関連の長文で登場しやすい。
- 文脈・例題の特徴: プロジェクトチーム、航空会社、イベントスタッフなど、ビジネスシーンにおける「一団」の意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス文脈での「一団」という意味を理解しておくことが重要。同僚やチームメンバーを表す他の語彙(staff, team, personnelなど)との区別を意識する。
- 出題形式: 主にリーディングセクション。アカデミックな長文読解で出題。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで比較的頻出。科学、歴史、社会科学など幅広いテーマで登場。
- 文脈・例題の特徴: 研究チーム、探検隊、映画製作スタッフなど、専門的な分野における「一団」の意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用例を多く知っておくことが重要。具体的な活動内容や役割分担など、文脈から意味を推測する練習をする。
- 出題形式: 主に長文読解。稀に語彙問題。
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で頻出。標準的な大学でも時々見られる。
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会問題など、幅広いテーマの長文で登場。乗組員、研究チーム、制作スタッフなど、様々な分野における「一団」の意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。特に比喩的な意味で使われる場合もあるので、注意が必要。類義語(group, team, staffなど)とのニュアンスの違いも意識する。