英単語学習ラボ

cure

/kjʊr/(キューア)

この単語の発音で重要なのは、二重母音 /jʊ/ と、語尾の /ər/ の発音です。/jʊ/ は「ユ」と「ウ」を組み合わせたような音で、日本語の「ユ」よりも唇を丸めて発音します。/ər/ は、舌を巻くか、舌先をどこにも触れずに口の中に浮かせるようにして発音するRの音です。日本語の「ア」の口の形で「ウ」と発音するイメージで、喉の奥から音を出すように意識すると、よりネイティブに近い発音になります。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

動詞

治す

病気や怪我などを治療して、元の健康な状態に戻すこと。治療行為によって回復させるニュアンスを含む。

The doctor worked hard to cure her mysterious illness.

医者は彼女の謎の病気を治すために一生懸命働きました。

診察室の明かりの下、医者が患者さんの診断書を真剣に見つめ、どうにか病気を治そうと奮闘している様子です。患者さんの不安な気持ちと、それに応えようとする医者の強い決意が伝わってきます。「cure」は、病気や怪我を「完全に治す」というニュアンスで使われます。ここでは医者が患者の病気を治すために努力する、最も典型的な使い方です。

Scientists are still looking for a way to cure the common cold.

科学者たちは未だに風邪を治す方法を探しています。

白衣を着た科学者たちが、顕微鏡や試験管に向かい、人類が長年苦しむ「風邪」という身近な病気の特効薬を見つけようと、日々研究を重ねている真剣な場面が目に浮かびます。「cure a disease/illness」で「病気を治す」という意味になります。ここでは「風邪(common cold)」という、誰もが経験する身近な病気を例に、まだ治療法が見つかっていない状況を描写しています。

My grandmother believes that good food can cure a bad mood.

私の祖母は、美味しい食事が悪い気分を治せると信じています。

落ち込んでいる私に、祖母が温かい手料理を差し出し、「さあ、これを食べればきっと元気になるよ」と優しく微笑んでいる様子が目に浮かびます。食卓には湯気が立つ料理が並び、心が温まる瞬間です。「cure」は病気だけでなく、ここでは「bad mood(悪い気分)」のように、精神的な不調や問題などを「改善する」「取り除く」という比喩的な意味でも使われます。祖母の知恵が感じられる、心温まる一文です。

名詞

治療法

病気や問題に対する解決策、またはそれを実現するための手段。医学的な治療だけでなく、比喩的な意味でも使われる。

Doctors are working hard to find a cure for the disease.

医師たちはその病気の治療法を見つけるために懸命に働いています。

この例文は、研究室や病院で、多くの医師や科学者が真剣に研究に取り組んでいる情景を描写しています。「find a cure for 〜」は「〜の治療法を見つける」という、病気と治療法に関する最も典型的で希望に満ちた表現です。世界中の人々が、新しい治療法の発見を願って努力している様子が伝わります。

Sadly, there is no cure for his rare illness yet.

残念ながら、彼の珍しい病気にはまだ治療法がありません。

この例文は、病院の診察室で、医師が患者の家族に辛い現実を告げているような場面を想像させます。「there is no cure for 〜」は「〜には治療法がない」という、残念な状況を説明する際によく使われる表現です。前についている「Sadly(残念ながら)」が、その状況に対する話し手の気持ちを伝えています。

The new medicine became a good cure for her chronic pain.

その新しい薬は、彼女の慢性的な痛みに良い治療法となりました。

この例文は、長い間痛みに苦しんでいた人が、新しい薬を飲んで痛みが和らぎ、安堵している様子を表しています。ここでは「cure」が、具体的な「薬」がもたらす「治療法」としての役割を強調しています。「became a cure for 〜」は、何かが特定の症状や問題の解決策になったことを示す自然な言い方です。安心感が伝わるシーンですね。

動詞

解決する

問題や悪癖などを取り除き、正常な状態に戻すこと。単に終わらせるのではなく、根本的な解決を目指すニュアンス。

A warm cup of tea can often cure my headache after a long day.

長い一日を終えた後、温かい一杯のお茶はしばしば私の頭痛を解決してくれます。

この例文からは、仕事や勉強で疲れて帰宅し、頭が痛いと感じている人が、温かいお茶を飲んでホッと一息つく様子が目に浮かびますね。「cure」は病気を「治す」イメージが強いですが、このように「不快な状態や軽度の症状を取り除く」という意味でも使われます。お茶が頭痛を「治す」わけではないですが、不快な感覚を「和らげ、解決する」というニュアンスで使われているのがポイントです。

The team worked together to cure the communication problem in their project.

そのチームは、プロジェクト内のコミュニケーション問題を解決するために協力しました。

プロジェクトが滞っていたチームが、原因を見つけ、みんなで話し合い、協力して問題解決に取り組む真剣な姿が想像できますね。人間関係や組織内の「問題点」を根本的に改善する際にも「cure」が使われます。「solve」よりも、その問題がまるで病気のように、悪い状態から良い状態へ「回復させる」というニュアンスが含まれています。「work together to do」で「~するために協力する」という表現も一緒に覚えましょう。

Scientists are searching for new ways to cure the plastic pollution in our oceans.

科学者たちは、私たちの海のプラスチック汚染を解決する新しい方法を探しています。

広大な海に漂うプラスチックごみを見て、その深刻さに心を痛め、何とか解決しようと努力する科学者たちの姿が目に浮かびます。未来への希望を感じるシーンですね。「cure」は、このように「地球規模の環境問題」や「社会的な課題」など、より大きく複雑な問題を根本的に解決するという文脈でも使われます。単なる一時的な解決ではなく、根本原因を取り除き、良い状態に戻すという強い意志が込められています。

コロケーション

a cure for something

〜の治療法、〜に対する解決策

最も基本的な形ですが、前置詞 'for' が必須です。病気('a cure for cancer':癌の治療法)だけでなく、社会問題や経済問題('a cure for inflation':インフレの解決策)など、抽象的な問題にも使えます。'solution' と似ていますが、'cure' はより根本的な解決、完全な解決を意味合いが強いです。例文:'Is there a cure for the common cold?'(風邪の治療法はありますか?)

find a cure

治療法を見つける、解決策を見出す

病気の治療法を探す場合によく使われる表現です。研究開発の文脈で頻繁に登場します。'discover a cure' も同様の意味で使えますが、'find' はより一般的な探索、'discover' は偶然の発見や研究の成果による発見といったニュアンスの違いがあります。例文:'Scientists are working hard to find a cure for AIDS.'(科学者たちはエイズの治療法を見つけるために懸命に働いています。)

seek a cure

治療法を求める、解決策を模索する

'seek' は 'try to find or get something, especially something that is not a physical object'(何か、特に物理的な対象物ではないものを見つけたり、得ようとすること)という意味合いが強く、積極的に治療法を探し求めるニュアンスがあります。患者自身が治療法を探す場合や、研究機関が研究活動を通じて治療法を探す場合など、幅広い状況で使用されます。例文:'Many patients seek a cure through alternative medicine.'(多くの患者が代替医療で治療法を求めています。)

radical cure

根治療法、抜本的な解決策

'radical' は「根本的な」「徹底的な」という意味で、問題の根源を取り除くような治療法や解決策を指します。単に症状を緩和するだけでなく、病気の原因や問題の根本原因に働きかけるニュアンスがあります。医療だけでなく、社会問題や経済問題にも使われます。例文:'The country needs a radical cure for its economic problems.'(その国は経済問題に対する抜本的な解決策が必要です。)

a temporary cure

一時的な治療、一時しのぎの解決策

'temporary' は「一時的な」「仮の」という意味で、根本的な解決にはならないものの、一時的に症状を緩和したり、問題を先送りしたりするような治療法や解決策を指します。対義語は 'permanent cure'(永続的な治療法)です。例文:'This medicine is only a temporary cure for the pain.'(この薬は痛みを一時的に和らげるだけです。)

effect a cure

治療を施す、治療を成功させる

'effect' は「(目的などを)達成する、実現する」という意味の動詞で、'effect a cure' は、治療行為を行い、実際に患者を治癒させることを意味します。ややフォーマルな表現で、医学論文などで見かけることがあります。例文:'The doctor was able to effect a cure in most cases.'(その医者はほとんどの場合、治療を成功させることができた。)

cure-all

万能薬、特効薬

あらゆる病気に効くとされる薬、またはあらゆる問題に対する解決策を指します。しばしば皮肉を込めて使われ、現実には存在しないような理想的な解決策を指すことが多いです。例文:'There is no cure-all for poverty.'(貧困に対する万能薬はない。)

使用シーン

アカデミック

医学、生物学、心理学などの分野の研究論文や教科書で頻繁に使用されます。「病気の治療法を発見する (find a cure for a disease)」や「〜の治療効果がある (cure ~ of)」のように、研究の目的や成果を説明する際に用いられます。また、社会科学分野でも、「社会問題の解決策 (a cure for social problems)」という文脈で、比喩的に使われることがあります。

ビジネス

ビジネス文書やプレゼンテーションで、問題解決や改善策を提案する際に用いられます。「〜の問題を解決する (cure the problem of ~)」のように、具体的な課題に対する解決策を示す場合に適しています。フォーマルな文脈で使用されることが多く、口語的な表現は避けられます。例:「市場シェア低下の治療策 (a cure for declining market share)」。

日常会話

日常会話やニュース記事で、病気の治療や問題解決について話す際に使われます。「風邪を治す (cure a cold)」や「二日酔いを治す (cure a hangover)」のように、身近な健康問題やトラブルに対する解決策を述べる場合に用いられます。また、「〜を癒す (cure ~ of sorrow)」のように、精神的な苦痛を和らげるという意味でも使われることがあります。

関連語

類義語

  • 『癒やす』という意味で、病気や怪我、精神的な苦痛などを和らげ、回復させることを指します。主に身体的な回復に使われますが、精神的な癒しにも使われます。日常会話、医療現場、文学など幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】『cure』が病気そのものを取り除くことに重点を置くのに対し、『heal』は回復プロセス全体を指し、より包括的な意味合いを持ちます。また、『heal』は自然治癒力や精神的な癒しを含むことがあります。 【混同しやすい点】『cure』が他動詞として使われることが多いのに対し、『heal』は自動詞としても使われます(例:Time heals all wounds)。また、『heal』は人や傷などを主語にすることが多いですが、『cure』は病気などを主語にすることがあります。

  • 『治療法』『改善策』という意味で、問題や苦境を解決するための手段を指します。病気に対する治療法だけでなく、社会問題や経済問題など、広範な問題に対する解決策としても使われます。ビジネス、政治、医療などフォーマルな場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】『cure』が病気を根絶することを目指すのに対し、『remedy』は問題の症状を緩和したり、状況を改善したりすることに重点を置きます。必ずしも完全な解決を意味しません。 【混同しやすい点】『remedy』は名詞としても動詞としても使われますが、『cure』は主に動詞として使われます。また、『remedy』は問題に対する解決策全般を指すため、病気に限定されません。

  • 『軽減する』『和らげる』という意味で、苦痛、症状、問題を軽くすることを指します。症状の一時的な緩和や、問題の深刻度を軽減する場合に使われます。医療、ビジネス、社会問題など幅広い分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】『cure』が根本的な解決を目指すのに対し、『alleviate』は症状や苦痛を一時的に軽減することに重点を置きます。完全な解決ではなく、改善を意味します。 【混同しやすい点】『alleviate』は苦痛や症状を対象とする場合が多く、病気そのものを対象とすることは少ないです。また、『alleviate』は問題の根本原因を取り除くのではなく、症状を和らげるというニュアンスが強いです。

  • 『和らげる』『軽減する』という意味で、苦痛、不安、負担などを軽くすることを指します。一時的な緩和や、精神的な負担を軽減する場合に使われます。日常会話、医療現場、ビジネスなど幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】『cure』が病気の根絶を目指すのに対し、『relieve』は症状や苦痛を一時的に軽減することに重点を置きます。また、『relieve』は精神的な負担を軽減する意味合いが強いです。 【混同しやすい点】『relieve』は苦痛や負担を対象とする場合が多く、病気そのものを対象とすることは少ないです。また、『relieve』は一時的な緩和を意味することが多く、根本的な解決を意味する『cure』とは異なります。

  • 『治療する』という意味で、病気や怪我に対して医療的な処置を行うことを指します。投薬、手術、リハビリなど、幅広い治療行為を含みます。医療現場で頻繁に使用されます。 【ニュアンスの違い】『cure』が病気を完全に治すことを目指すのに対し、『treat』は病状の改善や進行の抑制を目的とすることがあります。必ずしも完治を意味しません。 【混同しやすい点】『treat』は病気や怪我に対して行われる医療行為全般を指し、『cure』は病気を完全に治すという結果を強調します。また、『treat』は『〜を扱う』という意味もあり、文脈によって意味が異なります。

  • palliate

    『緩和する』という意味で、病気の症状を和らげることを指しますが、病気自体を治すことは目的としません。特に、治癒が難しい病気や終末期医療において、患者の苦痛を軽減するために用いられます。医療現場で、特に緩和ケアの文脈で使われます。 【ニュアンスの違い】『cure』が病気を根絶することを目指すのに対し、『palliate』は病気の進行を止めることや、根本的な治療をすることなく、症状を管理し、患者の生活の質を向上させることに重点を置きます。 【混同しやすい点】『palliate』は病気を治すことができない場合に、症状を和らげる目的で使用される点が、『cure』とは大きく異なります。また、『palliate』は通常、重篤な病気や終末期医療の文脈で使用されます。

派生語

  • 『治療可能な』という意味の形容詞。動詞『cure』に『~できる』という意味の接尾辞『-able』が付加され、病気や問題が治療できる状態を表す。日常会話から医療現場まで幅広く使用される。

  • 『治療的な』『治癒力のある』という意味の形容詞。『-ative』は性質や傾向を表し、『cure』の持つ治療の性質を強調する。医学論文や健康関連の記事でよく見られる。

  • curettage

    『掻爬(そうは)』という意味の名詞で、医療行為の一つ。子宮内膜などを器具で掻き出す処置を指す。動詞『curette(掻爬する)』から派生。婦人科などの専門的な文脈で使用される。

反意語

  • 『病気』という意味の名詞。『cure』が病気を治すことを指すのに対し、『disease』は病気そのものを指し、明確な対義語となる。日常会話から医学論文まで広く使われる。

  • 『苦痛』『悩み』『災難』という意味の名詞。『cure』が苦痛からの解放を意味するのに対し、『affliction』は苦痛や悩みの状態を表す。より抽象的・精神的な文脈で使用されることが多い。

  • 『悪化する』という意味の動詞。『cure』が状態の改善を意味するのに対し、『worsen』は状態の悪化を表す。病状、経済状況、人間関係など、様々な状況で使用できる。 'The disease is worsening despite treatment.'(治療にもかかわらず、病状は悪化している)のように使われる。

語源

"cure」は、ラテン語の「cura」(世話、気遣い、治療)に由来します。この「cura」は、もともと「注意を払う」「気にかける」といった意味合いを持っていました。英語の「cure」は、このラテン語の「cura」が古フランス語を経由して英語に入ってきたものです。「cura」が持つ「世話」や「気遣い」の意味から、「病気を治すための手当」や「問題を解決するための措置」といった意味に発展し、最終的に「治す」「治療法」「解決する」といった現代的な意味を持つようになりました。日本語の「手当て」という言葉が、文字通り「手」を「当てる」行為から治療やケアの意味を持つようになったのと似ています。つまり、「cure」は、単に病気を治すだけでなく、根本的な問題に注意を払い、解決へと導くニュアンスを含む言葉なのです。

暗記法

「cure」は単なる治療にあらず。西洋では罪からの解放、魂の救済を意味した。中世、病は神罰とされ、治療は精神の浄化でもあった。シェイクスピア劇では、心の苦悩を癒す医者が道徳的回復の象徴に。キリストの奇跡は「魂のcure」と解釈された。科学の発展で医学的治療を指すようになっても、苦しみからの解放という根源は変わらない。現代ではQOL向上も重視される。医学で「cure」できない問題も多く、個人や社会の問題解決を願う言葉として生き続ける。

混同しやすい単語

発音が似ており、特に語尾のRの発音が弱い場合、聞き分けが難しいことがあります。スペルも'cur'と'car'で非常に似ています。『cure』が治療や解決を意味するのに対し、『care』は注意、配慮、世話を意味します。文脈で判断することが重要です。

cur

発音が非常に似ており、スペルも最初の3文字が同じです。『cur』は主に犬種を表す言葉で、野良犬や雑種犬、または卑しい人を指す侮蔑的な意味合いで使われます。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。

発音が似ており、特に母音の部分が混同されやすいです。スペルも'ur'の部分が共通しています。『cure』が治療や解決を意味するのに対し、『pure』は純粋な、混じり気のないという意味です。文脈で判断することが重要です。語源的には、ラテン語の'purus'(純粋な)に由来し、'cure'とは異なる起源を持ちます。

発音記号は異なりますが、発音した際の音の響きが、特に語尾において似ていると感じられることがあります。スペルも 'cur' が含まれているため、視覚的に混同しやすいです。『occur』は「起こる、発生する」という意味の動詞であり、『cure』とは品詞も意味も異なります。'occur' は 'oc-' (~に向かって) + 'currere' (走る) というラテン語に由来し、出来事が偶然に「走り寄ってくる」イメージです。

'sure'の部分の発音が似ているため、全体の発音を聞き間違える可能性があります。スペルも似た部分があります。『ensure』は「確実にする、保証する」という意味で、意味も品詞も異なります。'en-' (~の状態にする) + 'sure' で、「確かな状態にする」という意味合いです。

発音の強勢の位置が異なるものの、母音の響きが似ていて混同しやすいことがあります。スペルにも共通する部分があります。『secure』は「安全な、確保する」という意味で、形容詞または動詞として使われます。'se-' (分離) + 'cure' (注意、配慮) で、「心配事から離れて安全な状態にする」というイメージです。ただし、語源的なつながりは薄いため、あくまで語呂合わせ程度の理解で構いません。

誤用例

✖ 誤用: This herbal tea can cure my fatigue.
✅ 正用: This herbal tea can relieve my fatigue.

『cure』は病気や症状を『治療して治す』という意味合いが強く、より深刻な状態に使われます。一方、疲労のような一時的な不調には、症状を『和らげる』という意味の『relieve』が適切です。日本語の『癒す』という言葉に引きずられて、安易に『cure』を使ってしまうのは典型的な誤りです。背景には、日本語の『癒し』が持つ多義性(治療的な意味合いと、精神的な安らぎの両方)と、英語の『cure』が持つ限定的な意味合いの差があります。日本語では「疲れた心を癒す」のように使えますが、英語では『cure』の対象はあくまで病気や怪我といった具体的なものに限られます。

✖ 誤用: The government's new policy aims to cure the economic recession.
✅ 正用: The government's new policy aims to remedy the economic recession.

『cure』は病気を治すように、根本的な解決策を施すニュアンスがあります。経済不況のような複雑な問題に対しては、一時的な対策や改善策を意味する『remedy』や『address』が適切です。また、経済問題に対して『cure』を使うと、まるで経済が病気であるかのような、ややネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。日本人が『cure』を安易に使う背景には、『問題解決』という抽象的な概念を、具体的な病気の治療と同一視してしまう傾向があるかもしれません。英語では、問題の種類によって適切な動詞を選ぶ必要があり、特に経済や社会問題のような抽象的な概念に対しては、より慎重な語彙選択が求められます。

✖ 誤用: I hope this medicine will cure my exam stress.
✅ 正用: I hope this medicine will alleviate my exam stress.

『cure』は病気や怪我などの身体的な問題に対して使われることが一般的で、精神的なストレスには通常使いません。試験のストレスのような精神的な負担を軽減したい場合は、『alleviate』や『ease』を使う方が適切です。日本人が『cure』をストレスに対して使うのは、ストレスを一種の『病気』と捉える傾向があるのかもしれませんが、英語ではストレスはあくまで一時的な精神状態として認識されます。また、英語では、精神的な状態を表す単語には、身体的な病気を表す単語とは異なる語彙を使うことが一般的です。例えば、精神的な苦痛を『heal』とは言いますが、『cure』とはあまり言いません。

文化的背景

「cure(治療)」は、単に病気を治すという行為を超え、西洋文化においては罪や苦しみからの解放、そして魂の救済という宗教的な意味合いを帯びてきました。中世ヨーロッパでは、病は神の罰であると考えられ、治療は肉体的な回復だけでなく、精神的な浄化をも意味していたのです。

例えば、シェイクスピアの戯曲には、「cure」が比喩的に用いられる場面が数多く見られます。『マクベス』では、マクベス夫人の精神的な苦悩を癒す医者の存在が、単なる医療行為を超えた道徳的な回復の希望として描かれています。また、キリスト教の文脈では、イエス・キリストが人々の病を癒す奇跡は、罪からの解放、すなわち「魂のcure」を象徴するものと解釈されてきました。このように、「cure」は、単なる医学用語ではなく、人間の精神や魂の救済を願う深い文化的背景を持っているのです。

さらに、近代に入り科学技術が発展すると、「cure」はより具体的な医学的治療を指すようになりました。しかし、その根底には、病を克服し、より良い状態へと回復したいという人間の普遍的な願望が息づいています。現代医学においても、単に病気を治すだけでなく、患者のQOL(生活の質)を向上させることを重視する考え方が広まっていますが、これは「cure」が持つ本来的な意味、つまり苦しみからの解放という側面を改めて認識する動きと言えるでしょう。

現代社会においては、医療技術の進歩により、かつては不治の病とされたものが「cure」できる時代になりました。しかし、同時に、心の病や社会的な問題など、医学だけでは「cure」できない問題も存在します。そのため、「cure」という言葉は、単なる病気の治療にとどまらず、より包括的な意味で、個人や社会が抱える様々な問題の解決を願う言葉として、今後も使われ続けるでしょう。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題

- 文脈・例題の特徴: 医療、健康、社会問題などアカデミックな文脈で登場

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(治療法)と動詞(治療する)の区別。関連語(curable, incurable)も重要。

TOEIC

- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: Part 5でたまに出題。Part 7でも医療関係の記事で稀に出題

- 文脈・例題の特徴: 医療関連の記事、ビジネス文書(保険、福利厚生など)

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する練習。求人広告などで「cure」ではなく「care」が使われる場合もあるので注意。

TOEFL

- 出題形式: 読解問題

- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出

- 文脈・例題の特徴: 科学、医学、社会学などアカデミックな文章

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な意味(問題の解決など)で使われる場合もある。類義語(remedy, treatment)との違いを理解。

大学受験

- 出題形式: 長文読解、空所補充

- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出

- 文脈・例題の特徴: 医療、環境問題、社会問題など

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が必要。比喩的な意味で使われる場合もあるため、注意深く読むこと。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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