authorize
第一音節に強勢があります。/ɔː/は日本語の「オー」よりも口を大きく開けて発音します。th(/θ/)は無声音で、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す音です。日本語のサ行の発音で代用せず、意識して発音しましょう。最後のz(/z/)は有声音なので、喉を震わせることを意識してください。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
許可する
公式な権限を与えて、行動や決定を認めること。書類やシステムへのアクセス、プロジェクトの実行など、特定の行為を認可する際に使われる。責任の所在を明確にするニュアンスを含む。
My parents authorized the school to share my photos for the yearbook.
両親は、私の写真を卒業アルバムで共有することを学校に許可しました。
※ この文は、保護者(両親)が学校に対して、お子さんの写真公開という「公式な行為」を許可する場面を描いています。卒業アルバムに自分の写真が載ることを想像すると、少し特別な感情がわきますね。「authorize」は、このように権限を持つ人が、何かをするための「正式な許可」を与える際によく使われます。
The company authorized me to go on a business trip next month.
会社は来月、私が出張に行くことを許可しました。
※ この例文では、会社が従業員(私)に「出張に行く」という業務上の行動を正式に許可している様子がわかります。会社から「あなたは行っていいですよ」と権限を与えられたようなイメージです。このように、組織や上司が特定の活動や行動を「正式に承認する」場合によく「authorize」が使われます。
The security system authorized him to enter the restricted area.
セキュリティシステムは、彼が制限区域に入ることを許可しました。
※ この文は、セキュリティシステムが「彼」に、通常は入れない「制限区域」への立ち入りを許可する場面を描いています。カードをかざしたら扉が開くような、SF映画のワンシーンを想像してみてください。「authorize」は、コンピューターやシステムが特定のユーザーや行動に「アクセス権」や「許可」を与える際にも非常に頻繁に使われます。
正当化する
行動や信念の根拠を示し、それが正しい、または許容されると示すこと。倫理的、法的、または道徳的な観点から見て、行為を擁護する意味合い。
The manager, with a serious nod, authorized the new project by signing the approval form.
部長は、真剣な頷きとともに、承認書にサインすることで新しいプロジェクトを正式に許可しました。
※ この例文は、ビジネスシーンで上司や責任者が、何かを公式に「許可する」または「承認する」場面を描いています。部長が書類にサインすることで、プロジェクトが正式にスタートする、という緊張感と期待が伝わるシーンです。`authorize` は、このように公的な権限を持つ人が、特定の行動や計画を認める際によく使われます。
Our kind teacher authorized us to enter the quiet, special research section of the library.
私たちの親切な先生が、図書館の静かで特別な調査区域への立ち入りを許可してくれました。
※ ここでは、先生が私たちに「特別な場所に入る権限を与える」という状況を示しています。普段は入れない場所に、先生の許可を得て入ることができる、という少し嬉しい気持ちになる場面が目に浮かびます。`authorize` は、ある行為を行う「権限を与える」という意味でも使われ、日常の中の少し特別な許可のシーンで自然に使えます。
The city council finally authorized the funds to build the beautiful new public park.
市議会はついに、美しい新しい公共公園を建設するための資金を承認しました。
※ この例文は、政府や自治体のような公的な機関が、大規模な計画や予算を「正式に認める」場面を描いています。市民が待ち望んでいた公園建設のための資金が、市議会によって承認されたことで、未来への希望が感じられるシーンです。`authorize` は、このように公的な機関が大きな決定を正式に認める際に非常に典型的に使われます。
委任する
権限や責任を他の人に譲り渡すこと。組織内で、上司が部下にある程度の裁量を与える状況で使われる。権限委譲によって、効率化や人材育成を促す意図を含む。
The company authorized the sales team to offer special discounts to customers.
会社は営業チームに、顧客への特別割引を提供することを許可しました。
※ この例文では、会社が営業チームに「特別割引を提供しても良い」という権限(許可)を与えている情景が目に浮かびます。まるで、営業会議で上司が「これで契約をたくさん取ってきてくれ!」と、チームに大きな裁量を与えているかのようです。「authorize + 人 + to do」は、組織内で特定の権限を与える際によく使われる、非常に典型的な表現です。
My grandmother authorized her lawyer to manage her financial affairs.
私の祖母は、弁護士に彼女の財産管理を委任しました。
※ この例文は、高齢の祖母が、信頼できる弁護士に大切な財産の管理を正式に任せ、安心している場面を描いています。祖母は「この人に任せれば大丈夫」と、書類にサインをしていることでしょう。「authorize」は、このように重要なことや法的な手続きにおいて、誰かに代理で行動する権限を正式に与える(委任する)際によく使われます。
The system will authorize your access after you enter the correct password.
正しいパスワードを入力すると、システムがあなたのアクセスを許可します。
※ パソコンやスマートフォンで、新しいアプリやウェブサイトにログインしようと、慎重にパスワードを入力している情景を想像してみてください。パスワードが正しければ、システムが「どうぞ、入ってください」とアクセスを許可してくれる瞬間です。「authorize」は、ITシステムやセキュリティ関連で「アクセスを許可する」「権限を与える」という意味で非常によく使われます。機械やシステムが自動的に権限を付与する状況で自然な表現です。
コロケーション
支払いを承認する
※ 企業や金融機関で、支払い処理を進める許可を与えることを指します。単に『承認する』だけでなく、その後の支払い手続きを伴う点がポイントです。例えば、経費精算や請求書の支払いを上長が承認する際に使われます。類似表現に『approve payment』がありますが、『authorize』はより公式で、法的・財務的な責任を伴うニュアンスがあります。ビジネスシーンで頻繁に使われ、口頭よりも書面やシステム上での承認行為を指すことが多いです。
アクセス権を付与する、アクセスを許可する
※ 特定のシステム、データ、場所へのアクセスを許可することを意味します。情報セキュリティの文脈でよく使われ、誰が何にアクセスできるかを管理する際に重要です。例えば、社員の役割に応じて社内システムへのアクセス権を付与する、あるいは特定のプロジェクトに関わるメンバーにのみ機密データへのアクセスを許可する、といった場面で用いられます。類義語に『grant access』がありますが、『authorize』は組織的な承認プロセスを経て許可を与えるニュアンスが強く、権限を持つ者が責任を持って許可するという意味合いが含まれます。
正当に権限を与えられた、正式に許可された
※ 『duly』は『正当に、適切に』という意味の副詞で、『duly authorized』は、ある行為や決定が正式な手続きを経て、権限のある者によって承認されたことを強調する表現です。契約書や法的文書など、公式な場面でよく用いられます。例えば、『duly authorized representative』(正当な権限を与えられた代表者)のように、誰がその行為を行う権限を持っているかを明確にするために使われます。この表現を使うことで、後々の法的紛争を避けることができます。
調査を許可する、調査を開始する許可を与える
※ 公式な調査を開始するための許可を与えることを意味します。警察、政府機関、企業などが、不正行為や事件に関して調査を行う際に、上層部や関係機関から許可を得る場面で使われます。単に『調査する』だけでなく、その調査が正式なものであり、法的根拠や組織的な裏付けがあることを示します。例えば、内部告発を受けて企業が内部調査を開始する、あるいは警察が犯罪捜査を開始する際に用いられます。この表現は、調査の正当性や重要性を強調する効果があります。
支出を承認する
※ 特定の目的のための資金支出を正式に許可することを意味します。企業や政府機関など、予算管理が必要な組織でよく使われます。例えば、プロジェクトの予算を承認する、あるいは特定の設備の購入を承認する、といった場面で用いられます。『authorize payment』と似ていますが、『expenditure』はより広い意味での支出を指し、支払いだけでなく、資源の利用や消費も含まれます。この表現は、資金の適切な使用を保証するために、承認プロセスが重要であることを示唆します。
武力行使を許可する
※ 軍隊や警察などの治安維持組織に対して、武力を行使する権限を与えることを意味します。非常に深刻な状況、例えば自衛のため、または法と秩序を維持するために、最終手段として用いられる場合に限られます。国際法や国内法において、武力行使の許可は厳格な条件の下で与えられ、その範囲や目的が明確に定められています。この表現は、武力行使が単なる暴力ではなく、正当な権限に基づいた行為であることを強調します。政治的・軍事的な文脈で用いられることが多いです。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、研究の権限や正当性を示す際に重要です。例えば、「この研究は倫理委員会によって承認された (authorized)。」や、「この理論は先行研究によって裏付けられている (authorized)。」のように使われます。また、参考文献を引用する際にも、著者の権威を認める意味で用いられます。
ビジネスシーンでは、契約書、社内規定、承認プロセスなどで使用されます。上司が部下に特定のタスクを委任する際に「〜を承認する(authorize)」という形で使われます。例:「このプロジェクトの予算を承認します (authorize)。」や、「経費精算を承認する権限をあなたに委任します (authorize)。」など、権限の付与や承認行為に関連して用いられることが多いです。フォーマルな文書や会議でよく見られます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュースや報道番組などで、政府機関や企業が何かを許可・承認する際に使われることがあります。例えば、「政府は新しいワクチンの使用を承認した (authorized)。」のように使われます。また、銀行口座からの引き落としを許可する場合など、ややフォーマルな状況で使われることがあります。日常会話ではより簡単な単語(permit, allow)が好まれます。
関連語
類義語
許可するという意味で、規則や法律に照らして行動を許可する際に使われる。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"authorize"よりも許可の範囲が狭く、特定の行為や活動に対して許可を与えるニュアンスが強い。個人的な許可や、比較的軽微な許可の場合に用いられることが多い。 【混同しやすい点】"permit"は名詞としても動詞としても使われるが、日本語の「許可証」にあたる名詞として使用される頻度が高い点に注意。
許す、許可するという意味で、より広い範囲の行動や状態を許可する際に使われる。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"authorize"よりもインフォーマルで、公式な許可というよりは、個人的な許可や容認に近いニュアンスを持つ。禁止されていないことを許容するという意味合いも含む。 【混同しやすい点】"allow"はしばしば"allow someone to do something"という形で使われ、to不定詞を伴うことが多い。また、受動態(be allowed to do something)も頻繁に使われる。
免許を与える、許可するという意味で、特定の技能や活動を行うための公式な許可を与える際に使われる。法律や行政に関連する文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"authorize"よりも正式な許可証や免許の発行を伴うニュアンスが強い。運転免許証、医師免許、営業許可証など、資格や許可証が必要な場合に用いられる。 【混同しやすい点】"license"は名詞としても動詞としても使われる。名詞としては「免許」「許可証」という意味になり、運転免許(driver's license)などが典型的な例。
権限を与える、力を与えるという意味で、個人や組織が自律的に行動できるように権限や資源を与える際に使われる。ビジネスや社会運動の文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"authorize"よりも、より大きな裁量権や責任を与えるニュアンスが強い。単に許可するだけでなく、能力を引き出し、主体的な行動を促す意味合いを含む。 【混同しやすい点】"empower"はしばしば「エンパワーメント」というカタカナ語として使われ、自己啓発や組織開発の分野でよく用いられる。権限委譲や能力開発の意味合いが強い。
是認する、制裁するという二つの意味を持つ。是認する場合は、公式に承認するという意味で使われる。制裁する場合は、違反行為に対する罰則を科すという意味で使われる。 【ニュアンスの違い】"authorize"の是認の意味合いに近いが、よりフォーマルで、公式な承認や支持を意味する。制裁の意味合いで使用される場合もあるため、文脈に注意が必要。 【混同しやすい点】"sanction"は文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要。特に国際関係や経済の分野では、制裁措置の意味で使用されることが多い。
委任する、任命するという意味で、特定の任務やプロジェクトを誰かに任せる際に使われる。ビジネスや政府機関でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"authorize"よりも、特定の目的のために人を任命し、権限を与えるニュアンスが強い。調査委員会を組織したり、芸術作品の制作を依頼したりする場合に用いられる。 【混同しやすい点】"commission"は名詞としても動詞としても使われる。名詞としては「委員会」「委任」「手数料」などの意味がある。
派生語
名詞で「権威」「権限」を意味する。動詞 authorize の名詞形であり、行為(許可)の結果、または許可する力そのものを指す。日常会話からビジネス、法律文書まで幅広く使用される。authorize が「許可する」という行為であるのに対し、authority は「許可する権利」や「許可された状態」を指す点に注意。語源的には、ラテン語の auctoritas(影響力、権威)に由来し、語尾変化によって名詞化。
名詞で「認可」「許可」を意味する。authorize の行為そのものを指す抽象名詞であり、authority が権限や許可された状態を指すのに対し、authorization は許可のプロセスや文書を指す。ビジネス文書や技術文書で頻繁に使用され、例えば「支払い認証 (payment authorization)」のように用いられる。接尾辞 -ation は、動詞を抽象名詞化する。
- authorized
形容詞で「許可された」「公認の」を意味する。authorize の過去分詞形であり、受動的な意味合いを持つ。例えば、「authorized dealer(正規販売店)」のように用いられ、公式な許可を受けていることを示す。ビジネスシーンや法律関連の文書でよく見られる。
反意語
動詞で「禁止する」を意味する。authorize が許可を与えるのに対し、prohibit は明確に禁止する行為を指す。法律や規則、公式な命令において、ある行為を禁じる際に用いられる。authorize が許可のニュアンスを含むのに対し、prohibit は強い禁止の意を示す。日常会話でも「喫煙禁止 (Smoking is prohibited)」のように使用される。
動詞で「禁じる」「許さない」を意味する。prohibit と同様に禁止の意味を持つが、forbid はより個人的な状況や感情的なニュアンスを含むことが多い。authorize が公式な許可を与えるのに対し、forbid は個人的な関係性や倫理観に基づいて何かを禁じる場合に用いられる。例えば、「親が子供に危険な場所へ行くことを禁じる (Parents forbid their children from going to dangerous places)」のように使用される。
動詞または名詞で「禁止する」「禁止令」を意味する。authorize が許可を与えるのに対し、ban は公式な禁止措置を指す。しばしば、ある活動や製品、物質の使用を全面的に禁じる場合に用いられる。例えば、「プラスチックバッグの使用禁止 (ban on plastic bags)」のように用いられる。authorize が個別の許可を意味するのに対し、ban はより広範な禁止措置を意味する。
語源
「authorize」は、「許可する」「権限を与える」という意味ですが、その語源はラテン語の「auctorizare」に遡ります。これは「権威を与える」という意味で、「auctor」(創始者、提唱者、権威者)という言葉から派生しています。「auctor」自体は、「augere」(増やす、成長させる)という動詞に関連しており、何かを始めたり、発展させたりする人に権威が宿るという考え方が背景にあります。つまり、「authorize」は、何かを始める人、それを成長させる人、あるいはその行為自体に「権威を与える」というイメージから、「許可する」「正当化する」という意味合いを持つようになったと考えられます。日本語で例えるなら、「お墨付きを与える」という表現が近いかもしれません。誰かが何かを始める際に、その行動に権威を与え、後押しするイメージです。
暗記法
Authorizeの語源は、王や教会が権威を示す行為に遡ります。中世では、教会の認可は神の意志とされ、国王の認可は国家の秩序を意味しました。現代ではビジネスやIT分野でも使われ、責任と権限の付与を示唆します。個人情報保護の文脈では、Authorizeは透明性と信頼の証。時代と共に意味を変えながらも、権威、責任、信頼という普遍的価値と結びつき、社会の秩序と個人の権利を守る重要な概念です。
混同しやすい単語
『authorize』と『authority』は、スペルが非常に似ており、意味も関連しているため混同しやすいです。『authorize』は動詞で「権限を与える、許可する」という意味ですが、『authority』は名詞で「権威、権限、当局」という意味です。日本人学習者は、品詞の違いと意味のニュアンスの違いに注意する必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『auctoritas』(権威)に由来しますが、現代英語では明確に区別されます。
『authorize』と『authentic』は、語頭部分が似ているためスペルミスしやすいです。『authentic』は形容詞で「本物の、真正の」という意味であり、権限とは直接的な関係はありません。発音も異なります(『authorize』は /ˈɔːθəraɪz/、『authentic』は /ɔːˈθentɪk/)。日本人学習者は、スペルだけでなく発音にも注意して区別する必要があります。
『authorize』と『arise』は、語頭の音が似ているため、発音を聞き間違えやすいことがあります。『arise』は自動詞で「起こる、生じる」という意味であり、権限とは全く異なる意味を持ちます。文脈が異なれば意味の混同は少ないですが、リスニングの際には注意が必要です。
『authorize』と『advise』は、どちらも動詞であり、かつスペルの一部が似ているため、混同される可能性があります。『advise』は「助言する、忠告する」という意味であり、権限を与えるという意味の『authorize』とは異なります。発音も異なります(『authorize』は /ˈɔːθəraɪz/、『advise』は /ədˈvaɪz/)。特に、名詞形の『advice』との混同にも注意が必要です。
『authorize』と『summarize』は、どちらも動詞で、語尾が '-ize' で終わるため、スペルが似ていると感じることがあります。『summarize』は「要約する」という意味であり、権限とは関係ありません。カタカナ英語の「サマライズ」として知られているため、意味の混同は少ないかもしれませんが、スペルミスには注意が必要です。
『authorize』と『ostracize』は、どちらも動詞で、語尾が '-ize' で終わるため、スペルが似ています。『ostracize』は「追放する、排斥する」という意味であり、権限とは反対の意味合いを持つこともあります。どちらも日常会話で頻繁に使われる単語ではありませんが、文章で出会った際には注意が必要です。
誤用例
『Authorize』は、よりフォーマルな状況、特に権限や法的根拠に基づいて許可を与える場合に使われます。友人や知人に対して『いつでも家に入っていいよ』と言うような、親しい間柄での許可には不自然です。日本語の『許可する』を直訳すると『authorize』を選びがちですが、日常会話では『give permission』や『let』を使う方が自然です。また、authorizeは「正式に承認する」意味合いが強く、家の出入りを許可するような個人的な事柄には大げさに聞こえる可能性があります。
『Authorize』は権限を与えられた主体が公式に許可することを意味しますが、その行為が道徳的に正しいかどうかは別の問題です。日本語では『許可されたから正しい』という思考に陥りやすいですが、英語圏では権威に対する批判精神が根強く、許可された行為でも倫理的に問題がないか吟味する姿勢が重要です。この背景には、歴史的に権力濫用が繰り返されてきた経験があり、常に権力を監視する意識が社会に根付いています。authorizeという言葉を使う際は、権限の所在と行為の正当性を分けて考える必要があります。
『Authorize』は、権限を与えられていないことを伝える際に使えますが、状況によっては直接的すぎる表現になることがあります。特に、相手に配慮が必要な場面や、情報を伏せる理由を婉曲的に伝えたい場合には、『I'm not at liberty to tell you that.』(それをあなたに話す自由がありません) の方が適切です。この表現は、直接的な否定を避け、相手に不快感を与えないようにする、英語圏のコミュニケーションにおける婉曲表現の一例です。日本語の『差し控えさせていただきます』のようなニュアンスに近いと言えるでしょう。
文化的背景
「Authorize(許可する、権限を与える)」という言葉は、単なる許可以上の、公式な承認や正当性の付与を意味し、権威、責任、信頼といった概念と深く結びついています。歴史的に見ると、authorizeは、国王や教会といった確立された権力機構が、その権威を行使する際に用いられてきた言葉であり、社会的な秩序を維持し、権力の正当性を示す役割を担ってきました。
中世ヨーロッパにおいて、authorizeは教会の権威と密接に結びついていました。例えば、聖職者の叙任や聖書の翻訳など、教会が認可(authorize)することは、その行為が神の意志に沿っていることを意味し、社会全体に大きな影響力を持っていました。また、国王が法律をauthorizeすることは、その法律が国家の秩序を維持するために必要不可欠であることを示し、臣民はそれに従う義務を負いました。このように、authorizeは、権力者がその権威を正当化し、社会的な規範を確立するために不可欠な言葉だったのです。
近現代に入ると、authorizeは政治的な文脈だけでなく、ビジネスやテクノロジーの分野でも広く使われるようになりました。企業が従業員に特定の業務をauthorizeすることは、その従業員がその業務を遂行する能力と責任を認められたことを意味します。また、ソフトウェアのインストールやウェブサイトへのアクセスをauthorizeすることは、セキュリティ上のリスクを管理し、不正なアクセスを防ぐために重要な役割を果たします。authorizeは、単に許可を与えるだけでなく、責任の所在を明確にし、組織全体の効率性と安全性を高めるための手段としても機能しているのです。
現代社会において、authorizeは、個人情報保護やプライバシーの問題とも深く関わっています。例えば、ウェブサイトがユーザーの個人情報を収集することをauthorizeする場合、ユーザーは自分の情報がどのように利用されるかを理解し、同意する必要があります。authorizeは、単なる許可ではなく、情報提供者と情報利用者の間の信頼関係を築き、透明性を確保するための重要な手続きとなっています。このように、authorizeは、時代とともにその意味合いを変化させながらも、権威、責任、信頼といった普遍的な価値観と結びつき、社会の秩序を維持し、個人の権利を保護するための重要な概念として、現代社会においてもその存在感を増しています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: ビジネス、社会問題、科学技術など幅広い分野。契約書や許可証に関する文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての意味(許可する、権限を与える)をしっかり理解。名詞形(authorization)も重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, 6, 7 で頻出
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(契約、承認、システムアクセスなど)。フォーマルな文書で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスにおける「承認」や「許可」の意味合いで使われることが多い。関連語(authority, authorized)も重要。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(政治、法律、歴史など)。抽象的な概念を説明する際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な文脈での意味を理解することが重要。類義語(permit, allow)とのニュアンスの違いを把握。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会科学、人文科学系のテーマが多い。論説文や評論文でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。類義語との使い分け、派生語(authority, authorization)も覚えておく。