take away 〜
第一音節の "teɪ" は二重母音で、日本語の「テ」よりも口を大きく開けて「エイ」と発音します。"away" の "a" は弱母音(schwa /ə/)で、曖昧な「ア」の音です。全体として "take" に強勢があり、"away" は弱く発音されることを意識しましょう。"take" の "k" は、息を止めてから破裂させるように発音するとよりネイティブらしい響きになります。
専門的な内容に関するご注意
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持ち帰る
レストランなどで料理を注文し、自宅などで食べるために持ち出すこと。物理的に何かを持って帰る場合にも使える。
I couldn't finish my pasta, so I asked the waiter to take it away for me.
パスタを食べきれなかったので、店員さんに持ち帰ってもらえるよう頼みました。
※ レストランで食べきれない料理を「持ち帰りたい」と伝える、ごく日常的な場面です。美味しい料理を残すのがもったいない、という気持ちが伝わりますね。この「take away」は「(食べ物を)持ち帰る」という意味で非常によく使われます。
I quickly ordered a coffee to take away before heading to work.
急いでいたので、仕事に行く前にコーヒーをテイクアウトで注文しました。
※ カフェで飲み物を「テイクアウト」するときによく使う表現です。忙しい朝、通勤途中でコーヒーを受け取り、サッと立ち去る風景が目に浮かびますね。「to take away」は「持ち帰るために」という目的を表し、お店で「持ち帰りですか?」と聞かれる際は「For here or to go?」という表現もよく使われます。
The host kindly told us to take away any leftover desserts.
主催者の方が、残ったデザートはどれでも持ち帰っていいですよと親切に言ってくれました。
※ 友人宅でのパーティーなど、人が集まる場で「残ったものをどうぞ持ち帰ってください」と勧めるときの、温かい心遣いが伝わる場面です。この「take away」は、食べ物だけでなく、お土産や配布物など「持ち帰って良いもの」全般に使うことができます。
差し引く
数値や数量を減らすこと。税金や割引などを計算する際に使われることが多い。
The restaurant will take away 15% from your total bill today.
そのレストランは本日、お客様の合計金額から15%を差し引きます。
※ 【情景】レストランでお会計をする際、割引が適用される場面を想像してください。店員さんが「合計金額から〇〇を引きますね」と説明してくれる、お得感のある状況です。この「take away」は、サービスや割引によって金額が減ることを表します。 【ヒント】「take away A from B」で「BからAを差し引く」という形は、会計や請求の場面で非常によく使われます。
My monthly pay slip shows they take away taxes from my gross pay.
私の毎月の給与明細には、総支給額から税金が差し引かれていると書いてあります。
※ 【情景】毎月届く給与明細をじっと見ている場面を想像してみてください。頑張って稼いだお金から、税金や保険料が引かれているのを確認する、少し残念だけど当然の状況です。個人の収入から公的な費用が引かれる際に頻繁に使われます。 【ヒント】「gross pay」は「総支給額」のことで、税金などが引かれる前の金額です。ここでも「take away A from B」の形が使われ、生活に密着した場面での典型的な使い方です。
If you take away three apples from the basket, how many are left?
もしカゴからリンゴを3つ差し引いたら、いくつ残りますか?
※ 【情景】子供と一緒に算数の問題を解いているような、具体的な物を数えたり減らしたりする場面を想像してください。カゴに入ったリンゴを実際に取り除いて見せるような、視覚的で分かりやすい状況です。算数の「引き算」の概念を説明する際にも使われます。 【ヒント】「take away」は、物理的に何かを取り去る、減らす、という動作を表すこともできます。この例文では、具体的な数からある数を減らす、という引き算の意味で使われています。
奪い去る
権利、感情、命など、大切なものを力ずくで取り除くこと。喪失感や悲しみを伴うニュアンス。
A thief quickly took away her bag in the dark street.
暗い通りで泥棒が彼女のバッグをあっという間に奪い去った。
※ この例文は、物理的なものが強制的に「奪い去られる」という最も直接的な「take away」の使い方を示しています。夜道で突然バッグが奪われる、という驚きと恐怖のミニ・シーンを想像してみてください。犯罪の文脈で非常によく使われる表現です。ここでは「took away」と過去形になっています。
The strong medicine finally took away his terrible headache.
その強力な薬が、ついに彼のひどい頭痛を和らげた(奪い去った)。
※ この例文では、「take away」が痛みや不快な感情・状態を「取り除く」「和らげる」という意味で使われています。ひどい頭痛に苦しんでいた人が、薬を飲んでようやく痛みが消え、ホッとする場面が目に浮かびますね。物理的なものだけでなく、目に見えない不快なものを取り除く際にも使われる典型的な例です。
The new rule might take away their chance to join the team.
その新しい規則は、彼らがチームに参加する機会を奪い去るかもしれない。
※ この例文は、機会や権利など、抽象的なものを「奪い去る」「失わせる」という文脈での「take away」の使い方です。新しい規則によって、楽しみにしていたチャンスを失うかもしれないという、少し残念な気持ちが伝わってきますね。「might」は「〜かもしれない」という不確かな可能性を表し、このルールが彼らの「機会」を奪う可能性を示唆しています。
コロケーション
(美しさや驚きで)息をのませる、圧倒する
※ 文字通りには『息を奪う』ですが、美しい景色や素晴らしいパフォーマンスを見て、言葉を失うほど感動したときに使われます。比喩的な表現で、肯定的な意味合いが強いです。例えば、『その夕日は息をのむほど美しかった(The sunset took my breath away)』のように使います。口語でも文学的な表現でも用いられます。
(痛みや苦しみなどを)和らげる、軽減する
※ 『sting』は『刺す』という意味の他に、『(精神的な)痛み』を表します。この表現は、文字通りには『刺すような痛みを奪う』という意味で、苦痛や不快感を軽減する、または慰める行為を指します。例えば、『彼の言葉は私の落胆を少し和らげた(His words took away some of the sting of my disappointment)』のように使います。ビジネスシーンでも、例えばプロジェクトの失敗後などに、上司が部下を励ます際に使うことがあります。
(価値、重要性などを)損なう、貶める
※ この表現は、何かが別のものの価値や質を低下させることを意味します。例えば、『その過ちは彼の業績を損なった(The mistake took away from his achievement)』のように使います。この表現は、名誉、評判、成果など、抽象的な概念に対して用いられることが多いです。フォーマルな文脈でよく使われ、特にビジネスや学術的な議論で頻繁に見られます。
(注目、関心などを)奪う、横取りする
※ 『spotlight』は『注目の的』という意味で、この表現は文字通りには『スポットライトを奪う』という意味です。誰かが他の人の成功や成果から注目をそらす行為を指します。例えば、『彼の自己中心的な行動は、チーム全体の成果から注目を奪った(His self-centered behavior took away the spotlight from the team's achievement)』のように使います。政治的な文脈や芸能界のスキャンダルなど、注目が集まる場面でよく用いられます。
(緊張、不安などを)和らげる、落ち着かせる
※ 『edge』は『刃』という意味の他に、『(精神的な)緊張、興奮』を表します。この表現は、文字通りには『刃を奪う』という意味で、極度の緊張や不安を軽減する、またはリラックスさせる行為を指します。例えば、『一杯のお酒は私の神経の緊張を和らげた(A drink took away the edge of my nerves)』のように使います。口語的な表現で、友人との会話やカジュアルな場面でよく用いられます。
(負担、重荷などを)取り除く、軽減する
※ この表現は、物理的または精神的な重荷を取り除くことを意味します。例えば、『その技術革新は、労働者の負担を軽減した(The technological innovation took away the burden from the workers)』のように使います。社会問題や経済問題など、深刻な問題に対して用いられることが多いです。フォーマルな文脈でよく使われ、特に政策や社会的な議論で頻繁に見られます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや実験結果から得られる知見を説明する際に使われます。例:「この研究から、〇〇という重要な要素が浮かび上がってくる(take away)」のように、結論や示唆を述べる場面で用いられます。
ビジネスシーンでは、会議の総括やプロジェクトの成果報告などで、主要なポイントや教訓を抽出して伝える際に使われます。例:「今回のプロジェクトのtake awayは、顧客との密な連携が不可欠であるという点です」のように、会議後や報告書で用いられます。
日常会話では、ニュースやドキュメンタリーの内容について議論する際など、ややフォーマルな場面で使われることがあります。例:「そのドキュメンタリーのtake awayは、環境問題の深刻さだったね」のように、何かを見て学んだことや感じたことを共有する際に使われます。
関連語
類義語
『差し引く』という意味。主に金額や数量を減じる際に使用される。ビジネス、会計、数学などの分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『take away』よりもフォーマルで、客観的かつ公式な印象を与える。感情的なニュアンスはほとんど含まれない。正確な計算や記録を伴う場合に適している。 【混同しやすい点】『deduct』は他動詞であり、何から何を差し引くのかを明確にする必要がある。例えば、『deduct the expenses from the total revenue』(総収入から経費を差し引く)。『take away』よりも、差し引かれる対象が具体的な数値や金額であることが多い。
『引く』という意味。数学的な計算において、ある数から別の数を引く際に用いられる。教育現場や科学技術分野でも使用される。 【ニュアンスの違い】『take away』よりも限定的で、純粋に数学的な演算を指すことが多い。『subtract』は、より客観的で感情を含まない。日常会話よりも、数式や計算の説明で用いられる。 【混同しやすい点】『subtract』は他動詞であり、『subtract A from B』(BからAを引く)という構文で使用される。この構文を間違えやすい。『take away』よりも、文脈が数学的である場合に限定される。
『取り除く』という意味。物理的なものから抽象的なものまで、幅広い対象に対して使用できる。日常会話、ビジネス、科学など、様々な場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『take away』よりも一般的で、より広範な意味を持つ。『remove』は、必ずしも完全に消去するという意味ではなく、一時的に移動させる場合にも使用できる。また、物理的な対象だけでなく、感情や障害などを取り除く際にも使われる。 【混同しやすい点】『remove』は、対象が具体的な物である場合と、抽象的な概念である場合の使い分けに注意が必要。例えば、『remove the stain』(シミを取り除く)と『remove the doubt』(疑念を取り除く)のように、文脈によって意味合いが異なる。『take away』よりも、よりフォーマルな印象を与える場合がある。
『除去する』『排除する』という意味。不要なものや有害なものを完全に取り除く際に使用される。ビジネス、科学、政治など、幅広い分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】『take away』よりも強い意味を持ち、完全に消去するというニュアンスが強い。『eliminate』は、問題や障害、競争相手などを根絶する際に使われることが多い。また、フォーマルな場面や、深刻な状況で使用されることが多い。 【混同しやすい点】『eliminate』は、対象が抽象的な概念や問題である場合によく用いられる。例えば、『eliminate poverty』(貧困をなくす)や『eliminate errors』(エラーをなくす)のように、具体的な物を取り除く場合よりも、問題解決や改善の文脈で使用されることが多い。『take away』よりも、より強い決意や意図が込められている。
『引き出す』『撤回する』という意味。お金を引き出す、発言を撤回するなど、物理的なものと抽象的なものの両方に対して使用される。金融、法律、政治などの分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『take away』とは異なり、『withdraw』は、元の場所から何かを取り出す、または撤回するというニュアンスを持つ。『take away』が単に何かを取り除くことを意味するのに対し、『withdraw』は、元の状態に戻す、または取り消すという含みがある。 【混同しやすい点】『withdraw』は、自動詞としても他動詞としても使用できる。例えば、『withdraw money from the bank』(銀行からお金を引き出す)は他動詞、『The troops withdrew』(軍隊が撤退した)は自動詞。この使い分けを間違えやすい。『take away』よりも、よりフォーマルな印象を与える。
『抽出する』『抜き出す』という意味。特定の成分や情報を、全体から取り出す際に使用される。科学、医学、法律など、専門的な分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『take away』よりも専門的で、特定の目的のために何かを取り出すというニュアンスが強い。『extract』は、元の状態を破壊したり、一部だけを取り出したりする際に使われることが多い。また、貴重な情報や成分を取り出すという含みがある。 【混同しやすい点】『extract』は、対象が具体的な物である場合と、抽象的な情報である場合の使い分けに注意が必要。例えば、『extract DNA』(DNAを抽出する)や『extract information』(情報を抽出する)のように、文脈によって意味合いが異なる。『take away』よりも、より専門的で技術的な印象を与える。
派生語
『乗っ取り』や『買収』を意味する名詞。動詞句『take over(引き継ぐ、支配する)』から派生。ビジネスの文脈で、特に企業買収や政権交代などを指す際に頻繁に使われる。動詞句が名詞化されることで、行為そのものを指す意味合いが強まっている。
『受け取る人』、『応じる人』を意味する名詞。『take』に人を表す接尾辞『-er』が付いた形。日常会話では『give and taker(ギブアンドテイカー)』のように、行動の傾向を表す複合語の一部として使われることが多い。また、契約や交渉の文脈で、条件を受け入れる側を指す場合もある。
- taking
『奪うこと』、『摂取』などを意味する名詞。動詞『take』に進行形を表す接尾辞『-ing』が付いた形。法律用語や医学用語として、特定の行為(例えば、不法な財産の取得や薬の摂取)を指す際に使われることが多い。抽象的な概念を表す名詞として、学術的な文脈でも用いられる。
反意語
『与える』を意味する基本的な動詞。『take(取る)』と対照的に、何かを手放す、提供するという意味合いを持つ。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使われ、最も直接的な反意語と言える。比喩的にも、時間や労力を『give(費やす)』のように使う。
『寄付する』を意味する動詞。『take』が所有権の移動を強調するのに対し、『donate』は無償で提供することを意味する。慈善活動や社会貢献の文脈で使われ、金銭や物品、時間などを提供する場合に用いられる。より正式な状況や文書で使用される傾向がある。
『申し出る』、『提供する』を意味する動詞。『take』が相手から何かを受け取るのに対し、『offer』は自ら何かを差し出すというニュアンスを持つ。ビジネスシーンで、サービスや提案を『offer』することが多い。また、抽象的な意味でも、助けや忠告を『offer』することができる。
語源
"take away"は、比較的単純な構成の句動詞です。"take" は古英語の *tacan*(つかむ、取る)に由来し、物理的に何かを掴む、または抽象的に何かを受け取るといった意味合いを持ちます。一方、"away" は古英語の *onweg*(道から離れて)に由来し、文字通りには「離れて」という意味ですが、そこから「どこか別の場所へ」「取り除く」といった意味に発展しました。したがって、"take away" は文字通りには「何かを取って、どこか別の場所へ移動させる」という意味合いを持ち、そこから「持ち帰る」「奪い去る」といった意味に派生しました。また、「差し引く」という意味は、「何かを取り除く」というイメージから来ています。日本語で例えるなら、「持ち去る」という言葉が近いニュアンスを持っています。
暗記法
「take away」は、単なる除去を超え、権利や感情、生命までも奪う言葉。中世の領主が農奴から収穫を奪う行為は、生存権を脅かす象徴でした。宗教裁判での財産剥奪や、文学作品で愛や希望が奪われる場面も同様。現代では、企業の福利厚生削減や政府による自由の制限など、権力構造と倫理的含意を帯びます。痛みや苦痛の軽減にも使われますが、根治ではない一時的な緩和を示唆する背景があります。
混同しやすい単語
『take away』と『takeout』は、どちらも料理を持ち帰るという意味で使われますが、スペルが似ているため混同しやすいです。『take away』は動詞句で、より広い意味で『取り除く』や『奪う』という意味も持ちます。『takeout』は名詞で、主に料理の持ち帰りを指します。アメリカ英語では『takeout』が一般的ですが、イギリス英語では『take away』が一般的です。学習者は、文脈によって使い分ける必要があります。
『take away』と『give away』は、どちらも『away』を含むため、混同しやすいです。『give away』は『無料で与える』という意味で、『take away』とは反対の意味になります。また、『秘密を明かす』という意味もあります。発音も似ているため、文脈に注意して意味を判断する必要があります。
『take away』と『throw away』は、どちらも『away』を含む句動詞で、行為の方向性を示す『away』が共通するため混同される可能性があります。『throw away』は『捨てる』という意味であり、『take away』の『取り除く』という意味と近い部分もありますが、対象が異なるため注意が必要です。『take away』は物理的なものだけでなく、抽象的なものにも使えますが、『throw away』は基本的に物理的なものにしか使えません。
『take away』と『anyway』は、スペルが似ており、特に『away』の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『anyway』は『とにかく』や『いずれにせよ』という意味の副詞で、『take away』とは全く異なる意味を持ちます。会話の中で使われる頻度も高いため、しっかりと区別できるようにする必要があります。
『take away』と『runaway』は、どちらも『away』を含む複合語であるため、混同しやすいです。『runaway』は『逃亡者』や『暴走』という意味の名詞、または『逃亡した』という意味の形容詞として使われます。『take away』とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。
『take away』と『airway』は、スペルの一部('away'と'airway')が似ているため、特に初心者には混同される可能性があります。『airway』は『気道』という意味の名詞で、医療分野でよく使われます。『take away』とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。
誤用例
多くの日本人学習者は、句動詞(phrasal verb)の語順に苦労します。特に、目的語が名詞の場合、'take away the project' も 'take the project away' も文法的には正しいですが、後者の方がより自然で一般的です。しかし、目的語が代名詞(例:'it')の場合、'take it away' のように、必ず動詞と副詞の間に挟む必要があります。この誤りは、日本語の語順(「プロジェクトを奪う」)に引きずられやすいことが原因です。英語では、句動詞の語順が意味やニュアンスに影響を与えるため、注意が必要です。
'take away' は物理的に何かを取り除く、あるいは抽象的に何かを減じるという意味で使われますが、意見や価値を『否定する』『貶める』という意味合いで使うのは不適切です。この文脈では、'detract from'(〜を損なう、価値を下げる)がより適切です。日本人は『取り除く』という言葉から、つい 'take away' を使ってしまいがちですが、英語ではより具体的な動詞を選ぶ必要があります。また、英語では相手の意見を直接的に否定する表現は避けられる傾向があり、'detract from' のように間接的な表現が好まれることもあります。
'take away'は日常会話で広く使われる表現ですが、自由や権利といった重要な概念に対して使うと、ややカジュアルすぎる印象を与えます。よりフォーマルな場面や、深刻な状況を表現する場合には、'curtail'(制限する、削減する)のような、より厳粛な語彙を選ぶ方が適切です。日本人は、英語の語彙のニュアンスの違いに気づきにくいことがありますが、特に公的な場面や書き言葉では、語彙の選択に注意を払う必要があります。 'take away' を使うと、まるで子供のおもちゃを取り上げるような、やや軽率な印象を与えてしまう可能性があります。
文化的背景
「take away 〜」は、物理的な除去だけでなく、権利や感情、生命といった抽象的なものを奪い去る、あるいは軽減するという意味合いを強く持つ言葉です。この背景には、歴史的に支配階級が被支配階級から何かを「奪い取る」という権力構造が深く根付いており、現代英語においても、そのニュアンスが色濃く残っています。
中世ヨーロッパにおける領主と農奴の関係を考えてみましょう。領主は農奴から収穫物を「take away」し、生活の糧を奪っていました。これは単なる物品の移動ではなく、農奴の生存権を脅かす行為でした。また、宗教裁判においては、異端とされた者の財産や地位、名誉、そして命までもが「taken away」されました。この「take away」には、正当な手続きを経ない一方的な剥奪という意味が含まれており、権力による抑圧の象徴として機能していました。文学作品においても、シェイクスピアの悲劇などで、登場人物が愛する人や希望を「taken away」される場面が描かれています。これは、運命の残酷さや人間の無力さを表現する上で、非常に効果的な手法です。
現代社会においても、「take away」は、単なる除去以上の意味を持つことがあります。例えば、企業が従業員の福利厚生を「take away」するという場合、それは単にサービスを停止するだけでなく、従業員のモチベーションやロイヤリティを低下させる可能性があります。また、政府が国民の自由を「take away」するという場合、それは民主主義の根幹を揺るがす行為として非難されるでしょう。このように、「take away」は、常に権力関係や倫理的な問題と結びついており、その使用には注意が必要です。
さらに、「take away」は、痛みや苦しみ、恐怖といったネガティブな感情を軽減するという意味でも使われます。例えば、薬が痛みを「take away」したり、セラピーが心の傷を「take away」したりする場合です。この場合、「take away」は、単に症状を緩和するだけでなく、患者の苦痛を和らげ、生活の質を向上させるという意味合いを持ちます。しかし、この用法においても、「take away」は、完全に除去するのではなく、一時的に軽減するというニュアンスが残ります。つまり、根本的な解決には至っていないという含みがあるのです。このように、「take away」は、その対象や文脈によって、様々な意味合いを持つ複雑な言葉であり、その文化的背景を理解することで、より深くそのニュアンスを理解することができます。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で登場の可能性あり。リスニングPart 3, 4
- 文脈・例題の特徴: 幅広い文脈で登場。ニュース記事、エッセイ、会話など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「取り除く」「持ち帰る」「差し引く」「(教訓などを)得る」など複数の意味があるため、文脈に応じた適切な意味を判断する必要がある。特に長文読解では、文脈から推測する力が重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, Part 7で頻出
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでのメール、レポート、記事など。会議、契約、人事関連の話題でよく使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(数量などを)差し引く」「(料理などを)持ち帰りで購入する」の意味でよく使われる。ビジネスの文脈で頻出するため、関連語彙(deduct, discount, takeout)も一緒に学習しておくと良い。
- 出題形式: リーディング、リスニング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。リスニングセクションでも講義や会話の中で登場。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章(科学、歴史、社会学など)。議論や説明の中で、意見や主張を要約する際に使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な意味合いで使われることが多い(例:What is the main takeaway from this research?)。文脈から意味を推測する練習が重要。同義語(summarize, conclude, extract)も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 長文読解、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。英作文でも使えると高評価につながる。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで登場。筆者の主張や登場人物の感情を理解する上で重要な役割を果たす。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加えて、「(人)を連れ去る」のような特殊な意味も覚えておく必要がある。文脈から適切な意味を判断し、英作文では自然な英語で使えるように練習することが重要。