steep
二重母音ではなく、/iː/という長母音です。「イー」と日本語で言うよりも、口を左右に少し引き気味にして、長めに発音するのがコツです。日本語の「イ」と「ー」を繋げただけの発音にならないように注意しましょう。語尾のpは、唇を閉じて息を止める破裂音です。息を止めた後、軽く開放するとより自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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急な
坂道や崖など、角度が大きく、登るのが困難な地形を表す。比喩的に、目標達成の困難さや、物事の急激な変化を指す場合にも使われる。
We walked up a steep hill, and my legs started to ache.
私たちは急な丘を登ったので、足が痛み始めました。
※ この例文は、ハイキングや散歩中に「急な坂道」を上る大変さを表しています。登るにつれて足が疲れてくる様子が目に浮かびますね。「steep」は物理的な傾斜が「急である」ことを示す最も典型的な使い方です。
Please drive slowly; this mountain road is quite steep.
ゆっくり運転してください、この山道はかなり急ですよ。
※ 運転中に「急な坂道」に遭遇した場面を想像してください。注意を促す言葉と一緒に使うことで、「steep」が持つ危険性や難しさが伝わります。「quite」は「かなり」という意味で、坂の急さを強調しています。
From the top of the steep cliff, we saw the beautiful ocean.
その急な崖の上から、私たちは美しい海を見ました。
※ 高い場所から景色を眺める感動的なシーンです。「steep cliff(急な崖)」という表現で、その場所へたどり着くまでの大変さや、そこからの眺めの壮大さが感じられます。このように、物理的な地形や構造物の「急な傾斜」を表すのに「steep」は非常によく使われます。
浸す
液体の中に物をしばらくの間、完全に沈めること。特に、お茶の葉を湯に浸して抽出したり、布を染料に浸して色を染めたりする状況で使われる。
I always steep my tea bag for a few minutes before drinking it.
私はいつも、お茶を飲む前にティーバッグを数分間浸します。
※ 温かいお茶を淹れる、日常的で誰もが経験するようなシーンです。ティーバッグを「浸す」ことで、お茶の成分がしっかりお湯に溶け出す様子が目に浮かびますね。味や濃さを調整するために「steep」を使う典型的な例です。
My little brother loves to steep his cookies in milk.
私の弟は、クッキーを牛乳に浸すのが大好きです。
※ お子さんがクッキーを牛乳にひたひたに浸して、柔らかくなったところを食べる可愛らしい光景が思い浮かびます。食べ物を液体に「浸す」という、身近で具体的な行動を表すのにぴったりの例文です。
She decided to steep the dried mushrooms in warm water.
彼女は乾燥キノコをぬるま湯に浸すことにしました。
※ 料理の下準備のシーンです。乾燥した食材を水に「浸す」ことで、柔らかくしたり、風味を引き出したりする様子が分かります。このように、何かを特定の状態にするために液体に浸す際にも「steep」が使われます。
高騰する
価格や需要などが急激に上昇すること。株価や地価など、経済的な文脈で使われることが多い。
Our electricity bill steeped last winter, which was a big shock.
去年の冬、私たちの電気代が高騰し、それは大きな衝撃でした。
※ 寒い冬の日、届いた電気代の請求書を見て、その金額に思わず息をのむような情景です。電気代やガス代など、生活に直結する料金が急に上がる(高騰する)時に「steep」はよく使われます。過去形「steeped」で、実際に起こった出来事を表しています。
Housing prices steeped in our town, making it difficult for young families.
私たちの町では住宅価格が高騰し、若い家族にとって困難になっています。
※ 家を探している若い夫婦が、物件の価格が高すぎて手が出せないとがっかりしている場面を想像してください。不動産や株価など、市場の価格が急激に上昇する際にも「steep」は頻繁に用いられます。ここでは、その高騰が具体的な人々にどんな影響を与えているかまで伝わります。
Flight tickets steeped just before the New Year holidays, so we changed our plans.
年末年始の直前に航空券が高騰したので、私たちは計画を変更しました。
※ 年末年始の旅行を楽しみにしていたのに、航空券の価格が急に跳ね上がり、予算オーバーで旅行計画の変更を余儀なくされた状況です。ホテル代やイベントのチケットなど、特定の時期に需要が高まって価格が急騰する際にも「steep」が使われます。「〇〇がsteepする」という形で、何かの価格が急に上がる様子を表す典型的な使い方です。
コロケーション
急な坂道、急な丘
※ 物理的な地形を表す最も基本的なコロケーションです。単に傾斜がきついことを意味し、文字通り坂道や丘について使われます。比喩的に『急激な変化』や『困難な状況』を指すこともあります。例えば、ビジネスシーンで『steep learning curve(急な学習曲線)』という場合、習得が非常に難しいことを意味します。
法外な価格、高額な料金
※ 価格や料金が非常に高いことを表す一般的なコロケーションです。『expensive』よりも強いニュアンスを持ち、不当に高いと感じられる場合に使われます。口語的にもビジネスシーンでも使われ、例えば『They charge a steep price for their services.(彼らはサービスに対して法外な料金を請求する)』のように用います。
何かに没頭する、浸る
※ この表現は、ある活動や学びに深く関わることを意味します。例えば、『steep oneself in history(歴史に浸る)』のように使います。比喩的に、集中して何かを学ぶ、研究する、または経験することを表します。やや文学的な響きがあり、日常会話よりは書き言葉でよく見られます。
お茶を蒸らす、お茶を抽出する
※ お茶を淹れる際の基本的な動作を表す表現です。お湯にティーバッグや茶葉を浸して、お茶の風味を引き出すことを指します。この場合の『steep』は動詞として使われ、お茶の種類や好みに応じて蒸らし時間を調整することが重要です。日常的な表現ですが、正しい手順でお茶を淹れることを意識させるニュアンスも含まれます。
伝統/歴史に深く根ざしている
※ 場所、文化、あるいは組織などが、長い歴史や伝統の影響を強く受けていることを表します。例えば、『This town is steeped in history.(この町は歴史に深く根ざしている)』のように使います。単に歴史があるだけでなく、その歴史が現在の状況に大きな影響を与えていることを強調します。格式高い場所や、古いしきたりが残る組織などを表現する際に適しています。
急激な衰退、急降下
※ 数値や状況が急速に悪化することを表します。経済状況、人気、健康状態など、様々な事柄に対して使われます。グラフで急激な下降を示すイメージです。例えば、『a steep decline in sales(売上の急激な減少)』のように使います。ビジネスや経済のニュースでよく見られる表現です。
習得が非常に難しい
※ 新しいスキルや知識を習得する際に、初期段階で非常に多くの努力が必要であることを意味します。文字通りには『急な学習曲線』であり、最初のうちは進歩が遅く、苦労が多いことを示唆します。しかし、それを乗り越えれば急速に成長できる可能性も示唆しています。ビジネスシーンでよく使われる表現です。
使用シーン
学術論文や教科書で、統計データやグラフの傾きを表す際に「急な勾配」という意味で使われます。例:「The graph shows a steep increase in population growth.(グラフは人口増加の急激な増加を示している)」また、「浸す」という意味では、化学実験でサンプルを溶液に浸す場合などに使われます。例:「The sample was steeped in the solution for 24 hours.(サンプルは24時間溶液に浸された)」
ビジネス文書やプレゼンテーションで、数値や指標の急激な変化を説明する際に使われます。例:「We have seen a steep decline in sales this quarter.(今四半期、売上が急激に減少しました)」また、コストや価格が「高騰する」という意味で、経済状況の分析などで使用されることがあります。例:「The price of raw materials has steeped in recent months.(原材料の価格がここ数ヶ月で高騰している)」
日常会話では、「急な坂道」や「急な階段」など、物理的な傾斜を表す際に「急な」という意味で使われます。例:「Be careful, it's a steep hill.(気をつけて、急な坂道だよ)」また、紅茶やハーブティーを淹れる際に「浸す」という意味で使われることがあります。例:「Let the tea steep for 5 minutes.(お茶を5分間浸してください)」ニュースや報道番組で、物価や株価の「高騰」を伝える際に使われることもあります。
関連語
類義語
- precipitous
非常に急な、険しいという意味で、地形や坂道など物理的な傾斜を表す。学術的な文脈や、ややフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"Steep"よりもさらに傾斜が強く、危険な印象を与える。日常会話よりは、地理学や登山など、専門的な文脈で使われることが多い。 【混同しやすい点】"Precipitous"は比喩的に、急激な変化や減少を表すこともある(例:a precipitous decline)。"steep"は通常、物理的な傾斜のみを表す。
垂直に近い、切り立ったという意味で、崖や壁など、非常に角度の大きい傾斜を表す。物理的な特徴を強調する際に使われる。 【ニュアンスの違い】"Steep"が一般的な傾斜を表すのに対し、"sheer"はほぼ垂直に近い状態を指す。また、比喩的に、純粋さや徹底さを表すこともある。 【混同しやすい点】"Sheer"は名詞の前につけて形容詞的に使うことが多い(例:a sheer cliff)。また、"sheer"には「薄い」「透き通る」という意味もあるため、文脈に注意が必要。
突然の、急なという意味で、変化や行動などが予期せず起こる様子を表す。物理的な傾斜だけでなく、抽象的な変化にも使える。 【ニュアンスの違い】"Steep"が傾斜の角度を表すのに対し、"abrupt"は変化の速さや唐突さを表す。人間関係や状況の変化など、幅広い場面で使われる。 【混同しやすい点】"Abrupt"は通常、物理的な傾斜ではなく、変化や行動に対して用いられる。例えば、「abrupt change」は「急な変化」という意味になる。
鋭い、急なという意味で、角度や変化が急であることを表す。物理的なものだけでなく、感覚や感情にも使える。 【ニュアンスの違い】"Steep"が物理的な傾斜に重点を置くのに対し、"sharp"は角度の鋭さや変化の度合いを強調する。比喩的に、痛烈な批判や鋭い知性を表すこともある。 【混同しやすい点】"Sharp"は「鋭利な」という意味でも使われるため、文脈によって意味が異なる。例えば、「a sharp knife」は「鋭いナイフ」という意味になる。
(値段が)高いという意味で、商品の価格や料金などが平均よりも高い状態を表す。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Steep"も値段が高いという意味で使えるが、"high"よりも「不当に高い」というニュアンスを含むことが多い。"High"は単に価格が高いことを表す。 【混同しやすい点】"High"は物理的な高さも表すため、文脈によって意味が異なる。例えば、「a high mountain」は「高い山」という意味になる。
法外な、過度なという意味で、価格や要求などが常識を逸脱して高い状態を表す。非難や批判的な意味合いを含む。 【ニュアンスの違い】"Steep"が単に高いことを表すのに対し、"exorbitant"は不当に高い、ぼったくりといった強い非難のニュアンスを含む。フォーマルな場面や報道などで使われることが多い。 【混同しやすい点】"Exorbitant"は価格以外にも、要求や期待など、過度な状態全般を表すことができる。例えば、「exorbitant demands」は「法外な要求」という意味になる。
派生語
- steepen
『steep(急な)』に『-en(〜にする)』が付いた動詞で、『急にする、急になる』という意味。坂道や勾配を表現する際によく使われます。日常会話よりも、地形や変化を説明する文脈(例:報告書、地理学的な説明)で登場することが多いです。
- steeply
『steep(急な)』に副詞化の『-ly』が付いた副詞で、『急に、険しく』という意味。動作や傾斜の程度を強調する際に使われます。例えば、『The road climbed steeply.(道は急勾配で登っていった)』のように使われ、場所や状況を具体的に描写する際に役立ちます。
- steepness
『steep(急な)』に名詞化の『-ness』が付いた名詞で、『急峻さ、傾斜』という意味。抽象的な概念を表し、地形の分析やリスク評価などの文脈で使われます。例えば、『the steepness of the mountain(山の急峻さ)』のように用いられ、客観的な評価や議論に貢献します。
反意語
『steep(急な、深い)』の対義語として、『浅い』という意味を持つ形容詞。物理的な深さだけでなく、知識や理解の浅さを表す比喩表現としても使われます。例えば、『shallow water(浅い水)』と『shallow understanding(浅い理解)』のように、具体的な状況から抽象的な概念まで幅広く対応できます。日常会話から学術的な議論まで頻繁に登場します。
『steep(急な)』が変化の度合いを表す場合、『gradual(緩やかな)』が対義語になります。変化の速度や度合いがゆっくりであることを示し、例えば、『gradual increase(緩やかな増加)』のように使われます。ビジネスや学術分野で、変化のプロセスや傾向を説明する際に重宝されます。
『steep(急な、険しい)』の対義語として、『緩やかな、穏やかな』という意味を持つ形容詞。傾斜や勾配が緩やかであることを表すだけでなく、人柄や態度が穏やかであることを示す比喩表現としても使われます。例えば、『gentle slope(緩やかな斜面)』と『gentle manner(穏やかな態度)』のように、物理的な状態から抽象的な性質まで広く表現できます。
語源
"steep」は、古英語の「stēap」(高い、そびえ立つ、急な)に由来します。これはさらにゲルマン祖語の「*staupaz」(高い)に遡り、インド・ヨーロッパ祖語の「*(s)teup-」(打つ、押す、突き出す)という語根に関連しています。この語根は「突き出す」というイメージから、「高い」という意味へと発展したと考えられます。日本語で例えるなら、「そそり立つ」という表現が近いかもしれません。「急な」という意味合いから、「液体に浸す」という意味も派生しました。これは、液体に何かを「突っ込む」イメージから来ていると考えられます。また、「高騰する」という意味は、「急な坂を上る」ような急激な上昇のイメージから来ています。このように、「steep」は、根源的な「突き出す」というイメージから、様々な意味に展開していった興味深い単語です。
暗記法
「steep」は、急勾配と法外な価格、二つの意味を結びつけます。中世の農民が重税に苦しんだように、「steep price」は大きな代償を暗示。急な坂道が転落の危険を孕むように、「steep learning curve」は困難な状況を示唆します。文学では精神的な試練を象徴し、「steeped in tradition」は変化を拒む保守性を批判的に表します。現代では高金利や急落など、リスクや不安定さを強調。急斜面の森林伐採が災害を招くように、環境問題にも警鐘を鳴らす、重みのある言葉です。
混同しやすい単語
『steep』と『sleep』は、語頭の子音(/st/)が共通しているため、発音練習が不十分な場合や、早口で話された場合に聞き間違えやすいです。意味は大きく異なり、『steep』は『険しい、急な』、または『(液体などに)浸す』という意味ですが、『sleep』は『眠る』という意味の動詞、または『眠り』という意味の名詞です。日本人学習者は、語頭の子音を意識して発音練習を行うと良いでしょう。また、文脈から判断することも重要です。
『steep』と『step』は、語頭の /st/ の音に加え、母音の音が比較的近い(/iː/ と /e/)ため、特にリスニング時に混同しやすいです。意味も関連性が全くないわけではなく、『step』が『段階』や『歩み』といった意味合いを持つため、比喩的に『steep learning curve(急な学習曲線)』のような表現と混同する可能性があります。日本人学習者は、母音の音の違いを意識し、文脈から判断するようにしましょう。
『steep』と『cheap』は、どちらも形容詞であり、母音の音が /iː/ で共通しているため、特にリスニング時に混同しやすいです。意味は正反対で、『steep』が『高価な』という意味で使われることもありますが、『cheap』は『安価な』という意味です。日本人学習者は、語頭の子音(/st/ と /tʃ/)の違いを意識し、文脈から判断するようにしましょう。ちなみに、もともと「良い取引」は「steep bargain」と言われていた時代もあり、意味が変化していることに注意が必要です。
『steep』と『creep』は、どちらも動詞であり、母音の音が /iː/ で共通しているため、発音練習が不十分な場合に混同しやすいです。意味は大きく異なり、『steep』が『(液体などに)浸す』という意味であるのに対し、『creep』は『忍び寄る』という意味です。また、スペルも似ているため、視覚的にも混同しやすいです。日本人学習者は、語頭の子音(/st/ と /kr/)の違いを意識し、文脈から判断するようにしましょう。
『steep』と『sheep』は、母音の音が /iː/ で共通しており、スペルも似ているため、特に発音練習が不十分な場合や、リスニング時に混同しやすいです。意味は全く異なり、『steep』は形容詞または動詞ですが、『sheep』は『羊』という意味の名詞です。日本人学習者は、語頭の子音(/st/ と /ʃ/)の違いを意識し、文脈から判断するようにしましょう。
『steep』と『stoop』は、語頭の /st/ の音が共通しており、母音の音もやや似ているため、発音練習が不十分な場合に混同しやすいです。意味は異なり、『steep』は『険しい』や『浸す』という意味ですが、『stoop』は『前かがみになる』という意味の動詞です。スペルも似ていますが、語源的には関連がなく、別々の単語です。日本人学習者は、母音の音の違いを意識し、文脈から判断するようにしましょう。
誤用例
日本語の『濃い』という表現を直訳しようとすると、『steep』を使ってしまいがちですが、お茶の濃さを表す場合は『strong』が適切です。『steep』は動詞として『(茶葉などを)浸す』という意味で使われることが多く、形容詞としては『(坂などが)険しい』という意味が主になります。お茶の味について述べる場合、濃さは『strong』、薄さは『weak』を使うのが一般的です。また、日本語の『濃い』には比喩的な意味合いもありますが、英語の『strong』も同様に、味覚だけでなく、意見や感情が強い場合にも使えます。
『steep』は価格について使うこともできますが、日常会話では『high』の方が自然です。『steep』は、価格が不当に高い、法外であるというニュアンスを含みます。そのため、単に値段が高いという事実を伝えたい場合は『high』を使う方が適切です。また、ビジネスシーンなどでは、よりフォーマルな表現として『expensive』も使えます。日本語の『高い』をそのまま『steep』に置き換えてしまうと、話し手が価格に対して不満を持っているという印象を与えてしまう可能性があります。
『steep learning curve』は、習得が難しいことを意味するイディオムですが、日本語の『急成長』のような肯定的な意味合いはありません。克服すべき課題、というニュアンスを含みます。そのため、文脈によっては『He faces a steep learning curve』や『He has a lot to learn』など、より直接的な表現の方が適切かもしれません。また、日本語では『成長曲線』という言葉があるため、安易に『steep learning curve』を使ってしまうことがありますが、英語ではネガティブな意味合いが強いことを覚えておきましょう。
文化的背景
「steep」という言葉は、傾斜がきつい地形だけでなく、価格や要求が「法外だ」という意味合いも持ちます。この二つの意味を結びつけるのは、急峻な坂道を登る際の困難さ、つまり、何かを得るために大きな代償を払うという感覚です。精神的、経済的な負担の大きさを表す言葉として、文化的に根付いています。
「steep」が「法外な」という意味を持つようになった背景には、中世ヨーロッパの封建制度における領主の過酷な取り立てがあったと考えられます。農民たちは、急勾配の坂道を登るように、重い税や賦役という負担に苦しめられました。この状況が、「steep price(法外な値段)」という表現を生み出す土壌になったのかもしれません。また、急な坂道は転落の危険を伴うため、経済的な危機や破滅といったイメージとも結びつき、「steep learning curve(急な学習曲線)」のように、困難な状況を乗り越える必要性を暗示する表現にも用いられます。
文学作品における「steep」は、物理的な困難さだけでなく、精神的な試練や道徳的な葛藤を象徴することがあります。例えば、ある小説で主人公が「steep path(険しい道)」を登る場面は、彼が人生の困難に立ち向かい、自己成長を遂げる過程を暗示しているかもしれません。また、「steeped in tradition(伝統にどっぷり浸かっている)」という表現は、過去の価値観や習慣に縛られている状態を表し、変化を拒む保守的な社会や個人を批判的に描写する際に用いられます。
現代社会においては、「steep」はしばしばビジネスや金融の世界で使われます。「steep interest rate(高金利)」や「steep decline(急激な下落)」といった表現は、リスクの高さや不安定さを強調し、注意喚起を促します。また、環境問題においては、「steep slope(急斜面)」の森林伐採が土砂災害を引き起こす可能性を示唆するなど、自然環境の脆弱性を表す言葉としても用いられます。このように、「steep」は、物理的な傾斜だけでなく、経済的な負担、精神的な困難、社会的な課題など、さまざまな文脈で「厳しさ」や「困難さ」を表現する言葉として、私たちの生活に深く根付いています。
試験傾向
準1級以上で出題される可能性あり。
1. 出題形式: 長文読解問題、語彙問題
2. 頻度と級・パート: 準1級~1級レベル。長文読解、語彙問題で問われる。
3. 文脈・例題の特徴: 自然科学、社会科学などアカデミックな文章で、地形や変化の度合いを説明する際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞(急な)と動詞(急勾配になる、急上昇/下降する)の両方の意味を理解し、文脈に応じて使い分けられるようにする。類義語(abrupt, precipitous)とのニュアンスの違いも意識する。
ビジネスシーンで使われる可能性は低い。
1. 出題形式: 長文読解問題(Part 7)
2. 頻度と級・パート: 出題頻度は低め。
3. 文脈・例題の特徴: 地理や環境に関する記事などで、間接的に言及される程度。
4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先順位は低いが、一般的な語彙力として覚えておくと良い。ビジネスシーンでの使用頻度は低い。
アカデミックな文脈で頻出。
1. 出題形式: リーディング、リスニング
2. 頻度と級・パート: リーディングセクションでよく見られる。リスニングでは講義形式で登場することも。
3. 文脈・例題の特徴: 地理学、経済学、社会学など、様々な分野のアカデミックな文章で、変化の度合いや影響を強調する際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての用法(急激に増減する)も重要。文脈から意味を推測する練習を重ねる。類義語(sharp, drastic)とのニュアンスの違いを理解する。
難関大学で出題される可能性あり。
1. 出題形式: 長文読解
2. 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解問題で出題されることがある。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、経済状況、社会変化など、幅広いテーマで登場する。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が必要。比喩的な意味で使われることもあるため、柔軟な解釈が求められる。他の単語との組み合わせ(steep declineなど)で覚えるのも効果的。