restrain
最初の音節 /rɪ/ は、日本語の『リ』よりも舌を丸める音で、弱く短く発音します。二番目の音節 /ˈstreɪn/ にアクセントがあり、特に /eɪ/ は二重母音で、日本語の『エ』から『イ』へスムーズに移行するイメージです。最後の /n/ は、舌先を上前歯の裏につけて発音します。
専門的な内容に関するご注意
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抑える
感情、行動、衝動などを制御し、表に出さないようにする。自制心や外部からの圧力によって抑制するニュアンス。
He tried hard to restrain his laughter in the quiet library.
彼は静かな図書館で、笑いを必死にこらえようとしました。
※ この文では、静かな場所で笑ってはいけないという状況で、感情(笑い)を「抑える」様子がよく伝わります。restrainは、このように感情や衝動を抑えるときによく使われます。
The police officer had to restrain the man who was shouting loudly.
警察官は、大声で叫んでいる男性を抑えなければなりませんでした。
※ ここでは、警察官が騒ぐ人の「物理的な動きや行動を抑える」状況を描いています。restrainは、力や権威を使って何かを制御したり、動きを止めたりする場面で非常に典型的に使われます。
I had to restrain myself from buying that beautiful but expensive bag.
私は、あの美しくて高価なバッグを買うのを自分自身に禁じなければなりませんでした。
※ 「restrain myself from ~ing」という形で、「~するのを自分自身に禁じる・抑える」という意味でよく使われます。欲しいものがあるけれど、金銭的な理由などで「衝動を抑える」「自制する」という、多くの人が経験する状況を表しています。
制限する
自由、動き、成長などを制限し、範囲や程度を狭める。物理的な拘束だけでなく、規則や法律による制限も含む。
She had to restrain her tears when she heard the sad news.
彼女は悲しい知らせを聞いたとき、涙を抑えなければならなかった。
※ この例文は、悲しいニュースを聞いて、思わずこぼれそうになる涙をぐっとこらえる、感情を「抑える」場面を描いています。restrainは、このように感情や衝動を自制する際によく使われます。had to は「~しなければならなかった」という過去の義務を表す表現です。
Parents often need to restrain their children from running into the street.
親はよく、子どもたちが通りに飛び出さないように抑える必要があります。
※ この例文は、親が子どもが危険な通りに飛び出さないように、物理的に行動を「制限する」様子を表しています。restrainは、人や動物の動きや行動を制止する際にも使われます。特に 'restrain A from B' で「AがBするのを抑える/妨げる」という形でよく使われる典型的な表現です。
Please restrain your dog with a leash when you walk in the park.
公園を散歩するときは、犬をリードでつないでください。
※ この例文は、公園で犬が自由に走り回らないように、リード(leash)で行動を「制限する」状況を示しています。公共の場所でのマナーや安全のために、動物の行動を物理的にコントロールする際によく使われます。'restrain A with B' で「Bを使ってAを抑える」という形です。
抑制
感情や行動などを抑えつけること。または、それを可能にするもの(例:法的抑制)。
She took a deep breath to restrain her anger during the tense meeting.
彼女は緊迫した会議中、怒りを抑えるために深呼吸をしました。
※ この文は、感情をコントロールする場面を描いています。会議中にイライラしたけれど、ぐっとこらえて平静を保とうとする人の姿が目に浮かびますね。「restrain」は「〜を抑える、抑制する」という意味で、特に感情や衝動を抑えるときによく使われます。
The little boy held his dog's leash tightly to restrain it from chasing the cat.
その小さな男の子は、猫を追いかけないように犬のリードをしっかりと握って抑えました。
※ ここでは、犬が猫を追いかけようとする動きを物理的に「抑える」様子を表しています。公園で犬が興奮して走り出そうとするのを、飼い主がリードでしっかり引き留めている情景が目に浮かびます。「restrain A from B」の形で「AがBするのを抑える」という使い方もよくします。
Our family decided to restrain our spending on unnecessary things for a while.
私たち家族は、しばらくの間、不必要なものへの支出を抑えることにしました。
※ この例文では、家計の「支出」という抽象的なものを「抑える」という状況を描写しています。経済的な理由などで、家族が無駄遣いをやめて節約しようと話し合っている様子が伝わりますね。「restrain」は、このように行動や活動、成長などを「抑制する」という意味でも幅広く使われます。
コロケーション
自制する、感情や衝動を抑える
※ 「oneself」の部分には、himself, herself, myselfなど、主語に対応する再帰代名詞が入ります。強い感情(怒り、悲しみ、喜びなど)や、何かをしたいという衝動を理性的に抑えるニュアンスが含まれます。例えば、会議中に怒りがこみ上げてきたときに 'I had to restrain myself from shouting'(叫び出すのを抑えなければならなかった)のように使います。口語でもビジネスシーンでも使用されますが、ややフォーマルな印象を与えることもあります。
怒りを抑える
※ 「anger」を目的語にとることで、怒りの感情を具体的に抑える様子を表します。単に感情を抑えるだけでなく、怒りの原因や対象が明確になっている場合に用いられます。例えば、'He struggled to restrain his anger when he heard the news'(その知らせを聞いたとき、彼は必死に怒りを抑えようとした)のように使われます。類似表現に 'control one's anger' がありますが、'restrain' はより強い感情を意識的に抑え込むニュアンスがあります。
力ずくで人や物を制止する
※ 'with force'(力ずくで)を伴うことで、物理的な力を用いて動きを止める、あるいは行動を制限する状況を表します。例えば、'The police had to restrain the suspect with force'(警察は容疑者を力ずくで制止しなければならなかった)のように使われます。暴力的な状況や、強い抵抗がある場合に用いられることが多いです。'force' の代わりに 'difficulty' を使うと、'restrain someone with difficulty' (〜を抑えるのに苦労する) のように、苦労して抑えるニュアンスになります。
貿易を制限する、取引を妨げる
※ 経済学や法律の分野でよく用いられる表現で、自由な貿易や公正な競争を阻害する行為を指します。例えば、'The government implemented policies to restrain trade with the enemy nation'(政府は敵国との貿易を制限する政策を実施した)のように使われます。ビジネスや政治の文脈で頻繁に登場し、独占禁止法などの議論にも関連します。
(何か)の広がりを抑制する
※ 病気、噂、火災など、広がるものを抑える際に使われます。たとえば、'restrain the spread of misinformation'(誤情報の拡散を抑える)のように、抽象的なものの広がりにも使えます。特に、パンデミックの文脈では 'restrain the spread of the virus' (ウイルスの蔓延を抑える)という表現が頻繁に使われました。
~によって抑制される、制限される
※ 受動態の形で使われ、何らかの要因によって行動や感情が制限される状況を表します。例えば、'He was restrained by his conscience'(彼は良心によって抑制された)のように使われます。この表現は、物理的な束縛だけでなく、倫理観、義務感、恐怖心など、内面的な要因によって行動が制限される場合にも用いられます。よりフォーマルな文脈で使用されることが多いです。
法的規制、法的制約
※ 法律や規制によって行動が制限されることを指します。ビジネスや法律の分野でよく用いられ、企業活動や個人の権利が法的に制限される状況を表します。例えば、'The company faced legal restraints on its expansion plans'(その会社は拡張計画において法的制約に直面した)のように使われます。'restraint of trade'(取引制限)と同様に、法的な文脈で重要な表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、客観的な抑制や制限について述べる際に用いられます。例えば、実験における変数間の影響を「〜が〜を抑制する」と表現したり、統計モデルにおける制約条件を説明したりする際に使われます。また、社会科学分野では、政策や制度が個人の行動を制限する効果について議論する際に用いられることがあります。
ビジネス文書や会議で、フォーマルな文脈で使用されます。例えば、リスク管理の文脈で「損失を抑制する」ための対策を述べたり、予算編成において「コストを制限する」必要性を説明したりする際に用いられます。日常的な業務連絡よりも、公式な報告書や提案書などで見かけることが多いでしょう。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品などで、感情や行動の抑制について言及する際に使われることがあります。例えば、「怒りを抑える」「衝動を制限する」といった表現が用いられます。また、動物行動学に関するドキュメンタリーで、動物が本能的な行動を抑制する様子を説明する際などにも見かけることがあります。
関連語
類義語
制約する、束縛するという意味で、物理的な束縛よりも、規則や法律、状況などによって行動や自由が制限される場合に使われる。ビジネスや政治、学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『restrain』が感情や行動を抑えるというニュアンスが強いのに対し、『constrain』は外部からの力によって制限されるというニュアンスが強い。また、よりフォーマルな語彙。 【混同しやすい点】『constrain』は、しばしば受動態で用いられ、『be constrained to do』という形で「〜せざるを得ない」という意味になる。この点が『restrain』との大きな違い。
抑制する、制御するという意味で、特に悪い感情や行動、経済活動などを抑える際に使われる。ニュース記事や政策に関する議論でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『restrain』よりも、より積極的に何かを抑制しようとする意志が感じられる。また、『curb』は名詞としても使われ、「抑制」という意味を持つ。 【混同しやすい点】『curb』は、しばしば『curb inflation』(インフレを抑制する)、『curb one's enthusiasm』(熱意を抑える)といった特定のコロケーションで用いられる。感情や欲求の抑制に使われることが多い。
抑制する、妨げるという意味で、心理的な抑制や、化学反応などを妨げる場合に使われる。学術的な文脈や、心理学、医学などの分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『restrain』が感情や行動を意識的に抑えるニュアンスがあるのに対し、『inhibit』はより無意識的な抑制や、自然なプロセスを妨げるニュアンスがある。また、フォーマルな語彙。 【混同しやすい点】『inhibit』は、しばしば『inhibit growth』(成長を阻害する)、『inhibit a reaction』(反応を抑制する)といった形で用いられる。心理的な抵抗感や、科学的なプロセスへの影響を表すことが多い。
鎮圧する、抑圧するという意味で、反乱やデモ、感情などを力で抑えつける場合に使われる。ニュースや歴史的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『restrain』よりも、より強い力で抑えつけるというニュアンスが強い。また、『suppress』は、感情や記憶などを意識的に抑え込むという意味合いも持つ。 【混同しやすい点】『suppress』は、しばしば『suppress a rebellion』(反乱を鎮圧する)、『suppress a yawn』(あくびを我慢する)といった形で用いられる。権力や強い意志による抑圧を表すことが多い。
抑制する、阻止するという意味で、何かが過剰になったり、悪化したりするのを防ぐために使われる。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『restrain』よりも、より穏やかな抑制や、進行を一時的に止めるというニュアンスが強い。『check』は、名詞としても使われ、「小切手」「検査」など様々な意味を持つ。 【混同しやすい点】『check』は、しばしば『check one's anger』(怒りを抑える)、『check the spread of disease』(病気の蔓延を阻止する)といった形で用いられる。一時的な抑制や、状況の悪化を防ぐ意味合いが強い。
- hold back
抑える、控えるという意味で、感情や行動を抑制する場合に使われる。日常会話でよく用いられる口語的な表現。 【ニュアンスの違い】『restrain』よりも、より個人的な感情や行動を抑えるというニュアンスが強い。また、何かを秘密にしておく、隠すという意味合いも持つ。 【混同しやすい点】『hold back』は、句動詞であり、しばしば『hold back tears』(涙をこらえる)、『hold back information』(情報を隠す)といった形で用いられる。カジュアルな場面で使われることが多い。
派生語
名詞で「制約、抑制」。動詞restrainから派生し、行動や自由を制限する状態や条件を指します。ビジネス文書や法律文書で頻繁に使われ、計画の制約や予算の制約といった具体的な状況を表す際に用いられます。抽象名詞化により、restrainが持つ『抑える』という意味合いが、より客観的で形式的なニュアンスに変化しています。
- restrained
形容詞で「抑制された、控えめな」。restrainの過去分詞形が形容詞として使われるようになったもので、感情や行動が抑制されている状態を表します。例えば、「restrained smile(控えめな微笑み)」のように、人の態度や表現を形容する際に用いられます。日常会話から文学作品まで幅広く登場し、感情のコントロールや礼儀正しさを表現する上で重要な語彙です。
- restraining
形容詞で「抑制的な、拘束する」。restrainの現在分詞形が形容詞として使われるもので、「restraining order(接近禁止命令)」のように、何かを制限・拘束する性質を持つものを指します。法律や安全に関する文脈でよく用いられ、具体的な規制や防止措置を表す際に不可欠な語彙です。動詞restrainが持つ能動的な意味合いが、形容詞としてより具体的な対象に向けられています。
反意語
「解放する、自由にする」という意味の動詞。restrainが何かを抑え込むのに対し、liberateは束縛から解き放つことを意味します。政治的な文脈や比喩的な表現でよく用いられ、「liberate the mind(心を解放する)」のように、自由や解放の概念を表す際に重要な語彙です。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や文学的な表現で多く見られます。
「解放する、釈放する」という意味の動詞および名詞。restrainが物理的または精神的な拘束を意味するのに対し、releaseはそれらの拘束を解く行為を指します。例えば、「release a prisoner(囚人を釈放する)」のように、具体的な解放行為を表すだけでなく、「release stress(ストレスを解消する)」のように、比喩的な意味でも用いられます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用され、解放や放出の概念を表す上で不可欠な語彙です。
「励ます、奨励する」という意味の動詞。restrainが行動や感情を抑制するのに対し、encourageは行動を促したり、自信を与えたりする意味を持ちます。例えば、「encourage innovation(イノベーションを奨励する)」のように、目標達成を支援する文脈で頻繁に使用されます。ビジネスや教育の現場で特に重要な語彙であり、人の成長や発展を促すポジティブな意味合いを持ちます。
語源
"restrain"は、ラテン語の"re-"(再び、後ろへ)と"stringere"(きつく締める、縛る)に由来します。"re-"は「再び」という意味合いに加え、「抑制する」というニュアンスを強めます。"stringere"は、紐などで何かを「きつく締める」行為を指し、そこから「制限する」「抑えつける」といった意味に発展しました。つまり、restrainは文字通りには「後ろに引っ張って締める」ことを意味し、比喩的に「行動や感情を抑える」「自由を制限する」という意味合いを持つようになったのです。日本語で例えるなら、運動会の綱引きで、相手を「引き戻して」動きを「縛る」イメージです。この語源を知ることで、restrainが単に「抑える」だけでなく、「何かを強く引き留める」ニュアンスを含むことが理解できます。
暗記法
西洋では「restrain」は理性による自己制御の象徴。騎士道物語では、ランスロット卿が情熱をrestrainする姿は、名誉と社会秩序を守る英雄の証でした。啓蒙思想では、感情を理性でrestrainすることこそが自由で理性的な社会の基盤とされました。現代でも、感情のコントロールや衝動の抑制は、個人の幸福や社会の安定に不可欠な要素として重要視されています。
混同しやすい単語
『restrain』と『constrain』は、どちらも「制限する」という意味合いを持ちますが、スペルと発音が非常に似ているため混同しやすい単語です。『constrain』は、より強い強制力や、状況による制約を表すことが多いです。語源的には、『restrain』が「再び(re-)抑える(strain)」であるのに対し、『constrain』は「共に(con-)抑える(strain)」であり、制約の及ぶ範囲や強さに違いがあります。
『restrain』と『retain』は、語頭の文字が異なるだけで、発音も似ているため、聞き間違いやスペルミスが起こりやすいです。『retain』は「保持する」「覚えている」という意味で、全く異なる意味を持ちます。例えば、『retain information(情報を保持する)』のように使われます。語源的には、『retain』は「再び(re-)持つ(tain)」という意味合いがあり、何かを維持するニュアンスがあります。
『restrain』と『refrain』は、語頭の文字が異なるだけで、発音も似ているため、混同しやすいです。『refrain』は「控える」という意味で使われます。例えば、『refrain from smoking(喫煙を控える)』のように使われます。また、『refrain』は歌の「リフレイン(繰り返し)」という意味もあります。語源的には、『refrain』は「再び(re-)手綱を引く(frain)」という意味合いがあり、行動を抑制するニュアンスがあります。
『restrain』の語幹である『strain』自体も、混同しやすい単語です。『strain』は「緊張」「負担」「 strain oneself(無理をする)」という意味で、名詞としても動詞としても使われます。『restrain』は『strain』に『re-(再び)』がついた形なので、意味の関連性を理解しておくと区別しやすくなります。
『abstain』は「棄権する」「控える」という意味で、『restrain』と意味が一部重なるため、文脈によっては混同しやすいです。発音も一部似ています。『abstain』は主に政治的な文脈や、嗜好品を控える文脈で使われます。例えば、『abstain from voting(投票を棄権する)』のように使われます。語源的には、『abstain』は「離れて(abs-)持つ(tain)」という意味合いがあり、何かから距離を置くニュアンスがあります。
『detain』は「拘留する」「引き留める」という意味で、『restrain』と意味が一部重なるため、文脈によっては混同しやすいです。発音も一部似ています。『detain』は主に法的な文脈や、物理的に人を引き留める文脈で使われます。例えば、『detain a suspect(容疑者を拘留する)』のように使われます。語源的には、『detain』は「離れて(de-)持つ(tain)」という意味合いがあり、自由を制限するニュアンスがあります。
誤用例
『restrain』は、感情や行動を『抑制する』という意味で使えますが、物理的な拘束や、法的な制限など、より強いニュアンスを含みます。ケーキを食べるのを我慢する、という文脈では、より一般的な『resist』(抵抗する)を使う方が自然です。日本人が『自制する』という言葉から安易に『restrain』を選んでしまう傾向がありますが、英語では状況によって適切な動詞を選ぶ必要があります。
『restrain』は一時的な抑制や、個人の行動に対する自制を促す意味合いが強い一方、『restrict』は、より公式な制限や、法律・規則などによって権利や行動を制限するニュアンスを持ちます。言論の自由という、社会的な権利に対する制限を議論する文脈では、『restrict』が適切です。日本語の『制限する』という言葉は、両方の意味合いを含むため、英語に訳す際には注意が必要です。また、言論の自由を制限すること自体が、欧米の価値観においては非常にデリケートな問題であることも理解しておく必要があります。
『restrain』は他動詞で、目的語(restrain oneselfなど)を必要とする場合が多いですが、『refrain』は自動詞として『refrain from -ing』の形で、『〜を控える』という意味でよく使われます。この誤用は、日本語の『控える』という言葉から、なんとなく『restrain』を選んでしまうことが原因と考えられます。英語では、類似した意味の単語でも、文法的な用法が異なる場合があるので注意が必要です。また、公共の場での注意喚起としては、『refrain』の方が丁寧で、より一般的な表現です。
文化的背景
「restrain」は、単に物理的な拘束だけでなく、感情や欲望、行動を抑制するという意味合いを持ち、西洋文化においては、理性による自己制御という価値観と深く結びついてきました。特に、衝動を抑えることの重要性は、宗教的な罪の概念や、社会的な秩序維持において重要な役割を果たしてきました。
中世の騎士道物語では、騎士は武勇だけでなく、自らの怒りや欲望をrestrain(抑制)できる存在として描かれました。例えば、アーサー王物語に登場するランスロット卿は、その武勇と並んで、グィネヴィア王妃への情熱をrestrainしようと苦悩する姿が描かれています。この自己抑制の物語は、単なる道徳的な教訓ではなく、騎士としての名誉を保ち、社会秩序を維持するために不可欠な要素でした。自己制御こそが、真の英雄の証だったのです。このような文脈において、「restrain」は、単なる行動の制限ではなく、内面の葛藤と克服の象徴として理解されていました。
また、18世紀の啓蒙思想においては、「restrain」は、理性と感情のバランスを保つことの重要性を強調する言葉として用いられました。啓蒙思想家たちは、人間の感情や欲望は、理性によって適切にrestrainされるべきだと考え、そのための教育や社会制度の必要性を訴えました。この時代には、自己制御こそが、自由で理性的な社会を築くための基盤であるという考え方が広まりました。例えば、ジョン・ロックは、著書『人間知性論』において、教育を通じて子供たちの衝動をrestrainし、理性的な判断力を養うことの重要性を説いています。このように、「restrain」は、個人の内面的な成長だけでなく、社会全体の進歩にも不可欠な要素として捉えられていたのです。
現代においても、「restrain」は、感情のコントロールや、衝動的な行動を抑制することの重要性を示唆する言葉として、広く用いられています。たとえば、心理学の分野では、アンガーマネジメントなどのプログラムを通じて、怒りの感情をrestrainする方法が教えられています。また、ビジネスの世界では、リスク管理の観点から、衝動的な投資や意思決定をrestrainすることが求められます。このように、「restrain」は、個人の幸福だけでなく、組織や社会全体の安定にも不可欠な概念として、その重要性を保ち続けています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史など硬めのテーマの長文
- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「抑制する、抑える」の意味が基本。名詞形"restraint"も重要。類義語の"control", "restrict", "limit"とのニュアンスの違いを理解。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(契約書、社内規定、メールなど)
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(感情などを)抑制する」「(行動などを)制限する」の意味で使われる。文脈から意味を判断することが重要。類義語との使い分けも問われる可能性あり。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、教科書など。社会科学、自然科学系のテーマ
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論を抑制・制限する意味で使われることが多い。名詞形"restraint"も頻出。文脈における正確な意味把握が重要。
- 出題形式: 長文読解、空所補充
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語など幅広いテーマ
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。「抑制する」という意味だけでなく、「自制」といったニュアンスも含むことを理解。派生語や類義語も覚えておく。