英単語学習ラボ

qualm

/kwɑːm/(クヮーム)

母音 /ɑː/ は日本語の「ア」よりも口を大きく開けて発音し、長めに伸ばします。「qu」は「クヮ」のように発音するとよりネイティブに近くなります。語尾の「m」は口を閉じて鼻から息を出すように意識しましょう。日本語の「ム」のように母音を伴わないように注意してください。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

名詞

良心の呵責

道徳的に「良くない」と判断し、何かをするのをためらう気持ち。罪悪感に近いが、より漠然とした不安や疑念を含む。何かを決断する前に感じる心のざわつきを表すことが多い。

She felt a slight qualm about telling her friend's secret.

彼女は友達の秘密を話すことに、少し良心の呵責を感じた。

【情景】親しい友達の秘密を、他の誰かに話すべきか迷っている女性。心の中で「言っていいのかな…」と少し後ろめたい気持ちになっている場面です。 【解説】「feel a qualm」で「良心の呵責を感じる」という、とても自然な使い方です。「about ~ing」で、何に対して良心の呵責を感じるのかを示します。

He felt a deep qualm after lying to his boss.

彼は上司に嘘をついた後、深い良心の呵責を感じた。

【情景】会社で、上司に対して本当ではないことを言ってしまった男性。後になって、その嘘が心の中で重くのしかかり、罪悪感で胸がズキズキするような場面です。 【解説】これも「feel a qualm」の形で、「deep(深い)」をつけることで、より強い罪悪感を表しています。「after lying to his boss」は「上司に嘘をついた後」という意味で、原因やタイミングを明確にしています。

He had no qualms about eating the last slice of pizza.

彼は最後のピザを食べることに、何の良心の呵責もなかった。

【情景】パーティーで、大皿に残った最後のピザ。周りに気を遣うことなく、彼は躊躇なくその一切れを取って食べてしまいます。全く後ろめたさを感じていない様子です。 【解説】「have no qualms about ~ing」は「~することに何の良心の呵責もない/全くためらいがない」という意味で、非常に頻繁に使われる表現です。この場合、「qualm」は複数形「qualms」で使われるのが一般的です。

名詞

気がとがめる

何かをすることに抵抗を感じる心の状態。必ずしも明確な理由があるわけではなく、直感的な嫌悪感に近い。例えば、「嘘をつくことに気がとがめる」のように使う。

He felt a qualm after telling a small lie to his best friend.

親友にちょっとした嘘をついた後、彼は気がとがめました。

この例文は、誰かに嘘をついた後や、何か悪いことをしてしまった時に心に感じる「チクっとした痛み」や「良心の呵責」を表しています。友達との関係を大切に思う気持ちが伝わる、身近なシーンです。`feel a qualm` で「気がとがめる」という気持ちを表します。

She had no qualms about refusing the unfair job offer.

彼女はその不公平な仕事のオファーを断ることに、全く気がとがめませんでした。

この例文は、道徳的に正しいと確信していることに対して、全くためらいや良心の呵責がない状況を示しています。`have no qualms about ~` は「〜について全く気がとがめない」「何の躊躇もない」という意味で、自分の行動に自信がある場合や、不正なことを断る時に使われます。彼女の強い意志が感じられる場面です。

Before signing the contract, he had a qualm about the tiny clause.

契約書にサインする前に、彼はその小さな条項について気がとがめました。

この例文は、何か重要な決断をする際に、心の中に生じる「これで本当に大丈夫か」という不安や、細部に対する懸念を表しています。ビジネスシーンや、大きな契約を結ぶ場面で、小さな見落としがないか、良心に反することがないかといった、慎重な気持ちが伝わってきます。`have a qualm about ~` で「〜について気がとがめる」「〜についてためらいがある」と、具体的な対象があることを示します。

コロケーション

have qualms about (doing something)

~することに良心の呵責を感じる、気が進まない

qualm は名詞で「良心の呵責」「ためらい」といった意味ですが、この構文では、何か行動を起こすことに対して倫理的な疑念や不安を感じるニュアンスを表します。単に『嫌だ』というよりも、道徳的な葛藤がある場合に使われます。例えば "I have qualms about accepting such an expensive gift."(そんな高価な贈り物を受け取るのは気が引ける)のように使います。文法的には "about" の後には動名詞が続く点に注意してください。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく用いられます。

without qualm

良心の呵責なく、平然と

文字通りには「良心の呵責なしに」という意味ですが、多くの場合、非難や批判のニュアンスを伴って使われます。例えば、"He lied without qualm."(彼は平然と嘘をついた)のように、本来なら良心が痛むはずの行為を、何のためらいもなく行う様子を表します。道徳的な判断を欠いていることへの非難が込められています。ややフォーマルな表現です。

moral qualms

道徳的な良心の呵責

qualm を修飾する形容詞として "moral" を用いることで、「道徳的な観点からのためらい」であることを強調します。倫理的な問題が絡んでいる状況で使われ、単なる不安や心配とは区別されます。例えば、"She had moral qualms about participating in the experiment."(彼女はその実験に参加することに道徳的なためらいを感じた)のように使います。議論やエッセイなど、ややアカデミックな文脈にも適しています。

serious qualms

重大な良心の呵責、深刻なためらい

"serious" を用いることで、qualm が単なる小さな疑念ではなく、非常に重大な懸念であることを強調します。行動の是非を深く悩んでいる状況を表します。例えば、"I have serious qualms about his leadership."(彼のリーダーシップには重大な懸念がある)のように使います。重大な決断や倫理的な問題について議論する際に適しています。

have no qualms about

~することに全くためらいがない

上記の "have qualms about" の否定形で、ある行動に対して全く倫理的な疑念や抵抗感がないことを意味します。しばしば、相手の行動を批判する文脈で用いられます。例えば、"He has no qualms about exploiting his workers."(彼は労働者を搾取することに全くためらいがない)のように使われ、強い非難の感情を表します。

deep qualms

深い良心の呵責

qualm を修飾する形容詞として "deep" を用いることで、心の奥底から湧き上がるような、根深い良心の呵責を表します。表面的なためらいではなく、感情的にも精神的にも大きな葛藤がある状況を示唆します。例えば、"She felt deep qualms about betraying her friend."(彼女は友人を裏切ることに深い良心の呵責を感じた)のように、文学作品や心理描写などで用いられることがあります。

使用シーン

アカデミック

学術論文や倫理学、心理学の講義で、「良心の呵責」や「倫理的ジレンマ」といった文脈で使われます。研究者が研究結果の倫理的な側面について議論する際に、自己の行動や研究手法に対する内心の葛藤を示すために用いられることがあります。例えば、「研究者は、被験者への潜在的な心理的影響についてqualmsを感じた」のように使われます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、倫理的な問題が絡む意思決定や、企業活動が社会に与える影響について議論する際に使われることがあります。例えば、経営者が新しい事業戦略の倫理的な側面について社内で議論する際に、「この決定には、環境への影響に関してqualmsがある」のように、良心の呵責や懸念を示すために用いられます。フォーマルな会議や報告書で使われる傾向があります。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、倫理的な問題や社会的な不正を扱った文脈で使われることがあります。例えば、「内部告発者は、企業の不正行為を暴露することにqualmsを感じていたが、正義のために行動した」のように、道徳的な葛藤や良心の呵責を表すために用いられます。どちらかというと、書き言葉として使われることが多いでしょう。

関連語

類義語

  • 道徳的または倫理的な理由から、何かをすることに抵抗感やためらいを感じる時に使う。フォーマルな場面や、倫理的な議論でよく用いられる。名詞であり、通常は複数形で用いられる。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも道徳的な意味合いが強く、良心や倫理観に照らして正しいかどうかを疑うニュアンスがある。「qualm」はもっと漠然とした不安感やためらいを指す。 【混同しやすい点】「scruple」は通常複数形で用いられ(scruples)、単数形(scruple)は稀である。また、「have scruples about (doing something)」という形でよく用いられる。可算名詞である点も重要。

  • 将来の出来事や行動に対する疑念や不安を表す。しばしば、何か悪いことが起こるのではないかという予感を含む。日常会話やニュース記事など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも具体的な理由に基づく不安や疑念を指すことが多い。「qualm」は漠然とした不安感であるのに対し、「misgiving」はある程度根拠がある。 【混同しやすい点】「misgiving」は通常、単数形で用いられるが、複数形も可能。複数形は、複数の具体的な不安や疑念があることを示す。また、「have misgivings about (something)」という形でよく用いられる。

  • 何かを言ったり行ったりする前の、一時的な躊躇やためらいを表す。日常会話やビジネスシーンなど、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも感情的な重みが軽い。単に、情報が足りない、自信がないなどの理由で躊躇する場合に用いる。「qualm」は道徳的、倫理的な理由によるためらいを含む。 【混同しやすい点】「hesitation」は行動や発言の直前の躊躇を指すことが多い。「qualm」は行動を起こす前から抱く、より深い感情的な葛藤を指す。また、「without hesitation」という表現は「躊躇なく」という意味で非常によく用いられる。

  • 将来に対する不安や懸念を表す。試験や面接など、特定の出来事に対する不安感を示すことが多い。フォーマルな場面でも使用される。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも具体的な対象や理由がある不安を指す。「qualm」は漠然とした不安であるのに対し、「apprehension」は試験の結果やプレゼンテーションの出来など、具体的な対象に対する不安感を示す。 【混同しやすい点】「apprehension」はしばしば、差し迫った出来事に対する不安を指す。また、「arrest」の意味である「逮捕」と混同しないように注意が必要。文脈によって意味が大きく異なる。

  • 同意や支持を完全にしない、心の留保を表す。提案や計画に対して、完全に賛成できない場合に用いる。ビジネスや政治の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも理性的な判断に基づいた留保を示す。「qualm」は感情的なためらいを含むが、「reservation」は論理的な理由に基づくことが多い。 【混同しやすい点】「reservation」は「予約」という意味でも使われるため、文脈によって意味が異なる。「have reservations about (something)」という形でよく用いられ、この場合は「〜について懸念がある」という意味になる。

  • 何かをすることを嫌がる気持ちや、気が進まない様子を表す。義務感や責任感から、嫌々ながら何かをする状況で使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】「qualm」よりも感情的な抵抗感が強い。また、「qualm」は道徳的な理由によるためらいを含む場合があるが、「reluctance」は単に嫌だという気持ちを表す。 【混同しやすい点】「reluctance」は名詞であり、「reluctant」は形容詞である。「be reluctant to do (something)」という形でよく用いられる。また、「with reluctance」という表現は「嫌々ながら」という意味で用いられる。

派生語

  • 『質』『特性』を意味する名詞。元々は『どのような状態か』という漠然とした状態を指し、『qualm(良心の呵責)』の語源であるゲルマン祖語の *kwel-(苦しむ)から派生。状態の良し悪しを判断する基準というニュアンスから、現代英語の『品質』という意味に発展した。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使用される。

  • 『資格を与える』『限定する』という意味の動詞。『quality』と同様、状態を定めるという根源的な意味合いを持つ。中世ラテン語の『quālificāre(質を与える)』に由来し、何らかの基準を満たすことを示す。ビジネスシーンやスポーツで頻繁に使われるほか、学術論文でも条件を限定する際に用いられる。

  • 『資格のある』『適格な』という意味の形容詞。『qualify』の過去分詞形であり、特定の基準を満たしている状態を表す。求人広告や専門家の評価など、客観的な基準に基づいて判断される場面でよく用いられる。また、『qualified success(限定的な成功)』のように、程度を限定する意味合いでも使われる。

反意語

  • 『平静』『落ち着き』を意味する名詞。『qualm』が心の動揺や不安を表すのに対し、『composure』はそれらを抑え、冷静さを保っている状態を指す。ビジネスシーンでのプレゼンテーションや、緊急事態への対応など、感情をコントロールする必要がある場面で重要となる。日常会話でも、困難な状況に冷静に対処する人を評価する際に使われる。

  • 『確信』『確実性』を意味する名詞。『qualm』が疑念や不安から生じる心の迷いを表すのに対し、『certainty』は揺るぎない信念や確かな知識に基づいた状態を指す。科学的な事実や法的根拠など、客観的な証拠に基づいて判断される場合に用いられる。また、個人的な信念や決意の強さを表す際にも使われる。

  • 『確信』『自信』を意味する名詞。『qualm』が良心の呵責や不安感を表すのに対し、『assurance』は何かを確信している状態、または人に安心感を与えることを意味する。ビジネスにおいては、製品の品質保証やサービスの安全性を伝える際に用いられ、顧客との信頼関係を築く上で重要な役割を果たす。日常会話でも、相手を励ます際や安心させるために使われる。

語源

「qualm」は、古英語の「cwealm」(死、災厄、苦痛)に由来します。この「cwealm」は、ゲルマン祖語の「*kwalmaz」(苦痛、痛み)から来ており、さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の語根「*gʷelH-」(苦しむ、死ぬ)にたどり着きます。当初、「qualm」は文字通り、死に至るような苦痛や突然の発作、病気の兆候といった、身体的な苦痛や不安を表していました。しかし、時が経つにつれて、その意味合いは精神的な苦痛、つまり良心の呵責やためらい、不安感といった感情的なものへと変化していきました。日本語で例えるなら、「気が咎める」という感情が、かつては文字通りの「死の苦しみ」と関連していたと考えると、その意味の変遷が理解しやすいでしょう。身体的な苦痛が転じて、道徳的な葛藤や良心の呵責を表すようになったのです。

暗記法

Qualmは良心のざわめき。騎士道物語から現代倫理まで、「正しい行い」を求める人間の苦悩を象徴します。シェイクスピアのマクベスも暗殺前に qualms を抱きました。現代では企業倫理や政治的決断にも。環境問題や人権問題…SNS時代の情報リテラシーにも深く関わる、社会全体の価値観を映す言葉。Qualmは、良心の声に耳を傾け、より良い選択を促す、人間らしさの証なのです。

混同しやすい単語

発音が非常に似ており、特に語尾の 'lm' の部分が共通しているため混同しやすいです。'qualm' は良心の呵責や不安感を意味しますが、'calm' は穏やかさや落ち着きを表します。品詞も異なり、'qualm' は名詞ですが、'calm' は形容詞または動詞として使われます。日本人学習者は、文脈から意味を判断する練習が必要です。また、'calm' の 'l' は発音されないサイレントレターである点も注意が必要です。

こちらも 'calm' と同様に、語尾の 'alm' の綴りが共通しており、発音も似ているため混同しやすいです。'palm' は手のひらやヤシの木を意味し、'qualm' とは全く異なる意味を持ちます。'palm' の 'l' もサイレントレターであるため、発音に注意が必要です。視覚的な類似性からスペルミスを起こしやすいので、注意が必要です。

balm

'qualm' と 'balm' は、最後の 'lm' の綴りと発音が似ており、混同されることがあります。'balm' は、傷や痛みを和らげる軟膏や香油を意味します。発音記号も似ていますが、意味は大きく異なります。'qualm' が抽象的な心の状態を表すのに対し、'balm' は具体的な物質を指します。語源的には、'balm' はバルサム(香油)に由来し、'qualm' はゲルマン祖語に由来すると考えられており、ルーツが異なります。

スペルの一部('qua-')が共通しているため、視覚的に混同される可能性があります。'qualm' は良心の呵責などを意味する一方、'quantum' は量子(物理学の概念)を意味します。発音も異なります。'quantum' は科学技術系の文脈でよく登場するため、'qualm' と混同しないように注意が必要です。

語頭の子音クラスター(子音が連続する部分)が似ており、発音時に混同される可能性があります。また、スペルも 'cla-' と 'qua-' で視覚的に似ています。'qualm' が良心の呵責を表すのに対し、'claim' は主張や要求を意味します。意味も品詞も異なるため、文脈で判断することが重要です。

'qualm'と'quell'はどちらも'quel'の音を含み、発音が似ているため混同される可能性があります。'qualm'は良心の呵責や不安感を意味しますが、'quell'は鎮める、抑えるという意味の動詞です。'quell'は動詞であり、不安などを鎮めるという文脈で使われることが多いですが、'qualm'とは意味が異なります。

誤用例

✖ 誤用: I have no qualms about eating this cheap sushi; it's just raw fish anyway.
✅ 正用: I have no qualms about eating this cheap sushi, but I do wonder about the freshness of the fish.

Qualmsは単なる嫌悪感ではなく、道徳的・倫理的な疑念や良心の呵責を伴う場合に用います。安い寿司を食べることに抵抗がないことを述べる場合でも、衛生面や品質への『懸念』が全くない、というニュアンスを強調しすぎると、無神経な印象を与えかねません。日本人の『本音と建前』の文化や、謙譲の美徳を重んじる価値観からすると、このようなストレートな表現は相手に不快感を与える可能性があります。修正例では、懸念事項が全くないという断定を避け、多少の懸念は抱いていることを示唆することで、よりバランスの取れた表現にしています。

✖ 誤用: She had a qualm when she saw her friend cheating on the exam, so she did nothing.
✅ 正用: She had a qualm when she saw her friend cheating on the exam, but she didn't know what to do.

Qualmは良心の呵責を意味するため、それ自体が行動を抑制する力を持つニュアンスがあります。不正行為を目撃してqualmを感じた結果、『何もしなかった』という結論に直接つなげてしまうと、英語話者には矛盾しているように聞こえます。Qualmを感じたなら、何か行動を起こすか、少なくとも葛藤があったはずだと考えられるからです。日本人がよく使う『〜したかったけど、できなかった』という曖昧な表現を直訳してしまうと、かえって不自然になる典型例です。修正例では、『どうしたらいいかわからなかった』という表現を加えることで、葛藤があったものの、具体的な行動に移せなかったというニュアンスを補完しています。

✖ 誤用: He qualmed at the thought of speaking in public.
✅ 正用: He had qualms about speaking in public.

Qualmは名詞であり、動詞として使うことは一般的ではありません。日本人が『恐怖を感じる』『不安になる』といった感情を動詞で表現することに慣れているため、『qualm』を動詞として使ってしまう誤りが起こりやすいです。正しい表現は、『have qualms about』というフレーズを使用し、名詞として扱うことです。また、qualmは具体的な恐怖や不安というより、良心や倫理観に関わるため、漠然とした不安を表す場合は、'anxiety' や 'apprehension' などがより適切です。たとえば、大勢の前で話すことに対する不安であれば、'He had anxiety about speaking in public' のほうがより自然です。

文化的背景

「Qualm」は、良心に照らして生じる心のざわつき、道徳的な疑念や不安を意味し、個人の内面における倫理観と行動の葛藤を象徴します。中世の騎士道物語から現代の企業倫理まで、一貫して「正しい行い」を追求する人間の苦悩を描く際に用いられてきました。まるで鎧の隙間から忍び込む冷たい風のように、些細な疑念が良心の呵責へと変わり、行動を躊躇させる様子を表します。

文学作品における「qualm」の登場は、登場人物の道徳的成長や崩壊を物語る上で重要な役割を果たします。例えば、シェイクスピアの悲劇『マクベス』において、マクベスは王を暗殺する前に数々の「qualms」を抱きます。それは王への忠誠心、自身の野心、そして何よりも神の裁きに対する恐れからくるものでした。しかし、妻であるレディ・マクベスの扇動と自身の野心に負け、最終的には「qualms」を押し殺して犯行に及んでしまいます。この例からもわかるように、「qualm」は単なるためらいではなく、人間の倫理観が試される瀬戸際に現れる、重要な感情なのです。

現代社会においては、「qualm」は企業倫理や政治的決断といった、より広範な文脈で用いられることが増えました。例えば、環境破壊につながる可能性のある開発プロジェクトに対して「qualms」を抱く人々や、人権侵害の疑いがある国との取引に「qualms」を感じる企業などが挙げられます。これらの例は、「qualm」が個人の倫理観だけでなく、社会全体の価値観を反映する言葉であることを示しています。また、SNSの普及により、匿名での誹謗中傷やフェイクニュースの拡散が容易になった現代社会では、情報の真偽に対する「qualms」を持つことの重要性がますます高まっています。

「Qualm」は、良心の声に耳を傾け、自らの行動を省みる機会を与えてくれる言葉です。それは、私たち人間が単なる機械ではなく、倫理的な判断を下すことができる存在であることを思い出させてくれます。何かを決断する際に「qualm」を感じたら、その声に耳を傾け、より良い選択をするよう努めることが、私たち自身の成長、そしてより良い社会の実現につながるのではないでしょうか。

試験傾向

英検

準1級以上で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。意味としては「良心の呵責」「不安」といった訳が当てはまります。文脈から意味を推測する問題や、類義語・反意語を選ぶ問題で問われることが多いです。会話文よりも、やや硬めの文章で使われる傾向があります。名詞としての用法が主ですが、動詞としての用法(qualmish)も覚えておくと良いでしょう。

TOEIC

TOEICでは、Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解問題)で出題される可能性があります。ビジネスの場面で、倫理的な問題や決定に対する「良心の呵責」「ためらい」を表す際に使われることが多いです。正解を選ぶ際には、文脈から判断する必要があります。また、似た意味を持つ単語(hesitation, reservation)との使い分けにも注意が必要です。

TOEFL

TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章中で見かけることがあります。倫理的なジレンマや、意思決定の複雑さを示す文脈で使われることが多いです。TOEFLでは、単語の意味だけでなく、文章全体における単語の役割やニュアンスを理解することが重要です。類義語との微妙な意味の違いを把握しておきましょう。ライティングセクションで使うことも考えられますが、やや高度な語彙です。

大学受験

難関大学の二次試験や私立大学の長文読解問題で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われることが多いです。特に、社会問題や倫理的な問題に関する文章で登場する可能性があります。単語の意味だけでなく、文章全体のテーマや筆者の主張を理解することが重要です。また、qualmの派生語(qualmishなど)も覚えておくと、より理解が深まります。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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