qualify
第一音節にアクセントがあります。/kwɑː/ の部分は、日本語の「クワ」よりも唇を丸めて「クゥワ」と発音するとより近くなります。/lɪ/ は日本語の「リ」よりも舌を丸めず、軽く発音するのがポイントです。最後の /faɪ/ は二重母音で、「ファ」と「イ」を繋げるように発音します。全体を通して、各音をはっきり発音することを意識しましょう。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
資格を得る
必要な条件を満たし、ある特定の活動や地位に参加できるようになること。試験に合格したり、特定のスキルを習得したりする場合に使われる。
After years of hard study, she finally qualified as a doctor.
何年もの懸命な勉強の末、彼女はついに医者としての資格を得ました。
※ この例文は、長い努力の末に専門的な「資格を得る」という場面を描写しています。大学を卒業し、国家試験に合格して医者になる、といった情景が目に浮かびますね。 'qualify as A' で「Aとして資格を得る」という典型的な使い方です。
Our team worked very hard to qualify for the national championship.
私たちのチームは、全国大会に出場する資格を得るために一生懸命練習しました。
※ スポーツの場面で「大会への出場資格を得る」という文脈です。チーム全員が目標に向かって努力し、厳しい予選を勝ち抜いて全国大会への切符を手に入れる、そんな熱い瞬間が伝わります。 'qualify for B' で「Bの出場資格を得る」という形でよく使われます。
You need to earn over $30,000 a year to qualify for this special loan.
この特別なローンを組む資格を得るには、年間3万ドル以上稼ぐ必要があります。
※ これは、特定の条件(ここでは収入)を満たすことで「何かの資格を得る」というビジネスや日常生活でよくある場面です。ローンや奨学金、割引など、対象となる条件が提示され、それをクリアすれば利用できる、という状況がイメージできます。これも 'qualify for B' の形です。
適任とする
ある人や物を、特定の目的や役割にふさわしいと判断すること。能力や特性を評価した上で、適格であると認めるニュアンス。
Her long experience really qualifies her for this leadership role.
彼女の長い経験が、このリーダーの役割にまさに適任です。
※ 会社で、新しいリーダーを決める会議の場面です。ある人の長い経験が、その役割にぴったりだとみんなが納得している様子が目に浮かびますね。 「qualify A for B」で「AをBに適任だと認める」という意味で使われ、ビジネスの場面でよく聞く表現です。
After years of hard study, he finally qualified as a doctor.
長年の猛勉強の末、彼はついに医師の資格を得た。
※ 医学生が何年も一生懸命勉強して、ついに医師の資格を取った!という喜びの瞬間です。 「qualify as 〜」は「〜としての資格を得る」「〜になる資格がある」という意味で、医師や弁護士などの専門職の資格取得によく使われます。
The young athlete qualified for the Olympics with an amazing performance.
その若い選手は、素晴らしいパフォーマンスでオリンピック出場資格を得た。
※ 若いアスリートが、厳しい予選を勝ち抜いて、ついにオリンピック出場を決めた!という感動的な場面です。 「qualify for 〜」は「〜に出場する資格を得る」「〜の条件を満たす」という意味で、スポーツの大会出場や特定のイベントへの参加権を得る際によく使われます。
制限を加える
何かを述べる際に、条件や例外を付け加えること。発言や主張の範囲を狭め、より正確にするために用いられる。
I agree with her, but I must qualify my support with a few points.
私は彼女に賛成しますが、私の支持にはいくつかの点で条件をつけなければなりません。
※ 会議や議論の場面を想像してください。あなたは誰かの意見に賛成しつつも、全面的に賛同するわけではない、あるいは補足したい点があると感じています。「qualify my support」で、「私の支持は無条件ではなく、いくつかの条件や注意点がある」というニュアンスが伝わります。このように、自分の意見や発言に「ただし書き」をつけたいときに使われます。
The professor qualified his general statement by adding some exceptions.
教授は一般的な発言にいくつかの例外を付け加えることで、その発言に制限を加えました。
※ 大学の講義や学術的な説明の場面です。教授がまず一般的な法則や原則を述べた後、それが常に当てはまるわけではないことを明確にするために、「例外」を付け加えました。これによって、その「一般的な発言」の適用範囲が限定され、より正確な情報になります。このように、広い範囲に適用されるように見える事柄に、特定の条件や例外を設ける際によく使われます。
The company qualified its job offer, stating it depended on a background check.
その会社は、身元調査にかかっていることを述べることで、求人オファーに条件をつけました。
※ 就職の面接やビジネスの交渉の場面です。会社はあなたに仕事のオファーを出しましたが、それは最終的なものではなく、「身元調査」という条件を満たす必要がある、と明確に伝えました。つまり、オファーは無条件ではなく、特定の制約があるということです。このように、提案や契約などが完全に有効になるための「条件」を明確にする際に、「qualify」が使われます。
コロケーション
〜としての資格を得る、〜とみなされる
※ 特定の基準や条件を満たして、あるカテゴリーや役割に当てはまることを意味します。例えば、'He qualifies as an expert in this field.'(彼はこの分野の専門家とみなされる)のように使われます。単に条件を満たすだけでなく、ある程度の水準に達しているニュアンスを含みます。'consider as'よりも正式な印象を与えるため、ビジネスシーンや公式な文書でよく用いられます。
〜の資格がある、〜の対象となる
※ 特定の利益、機会、またはプログラムへの参加資格を得ることを指します。例えば、'You must qualify for the loan.'(あなたは融資の資格を得なければならない)のように使われます。'be eligible for'と似ていますが、'qualify for'はより積極的に資格を得るための努力やプロセスが含まれるニュアンスがあります。奨学金や助成金など、競争率の高いものに対して使われることが多いです。
非常に有能な、高度な資格を持つ
※ 特定の職務や役割に必要なスキル、経験、知識を十分に備えていることを強調する表現です。例えば、'We are looking for a highly qualified candidate.'(私たちは非常に有能な候補者を探しています)のように使われます。履歴書や求人広告で頻繁に見られ、専門性や能力の高さをアピールする際に効果的です。'well-qualified'よりもさらに高いレベルの能力を示唆します。
仮に資格を得る、一時的に認められる
※ 完全な資格ではないものの、一時的な条件や状況下で資格が認められることを意味します。例えば、'The team tentatively qualified for the finals.'(そのチームは仮に決勝への出場資格を得た)のように使われます。最終的な決定が保留されている場合や、追加の条件を満たす必要がある場合に用いられます。スポーツの世界でよく使われる表現です。
かろうじて資格を得る、やっとのことで条件を満たす
※ 必要な最低限の条件を満たして、ぎりぎりのところで資格を得ることを意味します。例えば、'He barely qualified for the competition.'(彼はかろうじてその競技会への出場資格を得た)のように使われます。努力や運が良かった結果、なんとか目標を達成できたというニュアンスが含まれます。試験や選考など、競争が激しい状況で使われることが多いです。
完全な成功、文句なしの成功
※ 'unqualified'はここでは『制限のない』という意味で使われており、疑う余地のない、完全な成功を表します。例えば、'The project was an unqualified success.'(そのプロジェクトは完全な成功だった)のように使われます。ビジネスや政治の世界で、目標を完全に達成し、周囲からの評価も高い場合に用いられます。皮肉を込めて、実際にはそうでない状況を指すこともあります。
発言を限定する、条件をつける
※ 自分の発言や意見に条件や制限を加えて、誤解を避けるように修正することを意味します。例えば、'Let me qualify my statement.'(私の発言を限定させてください)のように使われます。議論や討論の際に、自分の立場を明確にするために用いられます。'clarify'よりも、発言の範囲を狭めるニュアンスが強いです。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある主張や結果に条件や制限を加える際に使われます。例えば、「この研究結果は、特定の条件下でのみqualify(当てはまる)」のように、適用範囲を限定する際に用いられます。また、研究者が学会の発表資格を「qualify(得る)」という文脈でも使用されます。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの参加資格や、特定の業務を行うためのスキル要件を満たす(qualify)という意味で使われます。例えば、「このプロジェクトのメンバーは、特定の技術資格をqualify(有する)必要がある」のように用いられます。また、ある提案や計画に対して、条件や修正を加える(qualify)場合にも使われます。営業担当が顧客のニーズを「qualify(見極める)」という文脈でも使用されます。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、スポーツ選手がオリンピックの出場資格を「qualify(得る)」、あるいは政治家がある発言を「qualify(修正・限定する)」といった文脈で見かけることがあります。例えば、「彼は厳しい選考を勝ち抜き、オリンピック出場をqualify(果たした)」のように使われます。
関連語
類義語
『資格を与える』『権利を与える』という意味で、法律、規則、契約などによって特定の権利や利益を受ける資格を得る状況で使われる。フォーマルな場面や法律関係でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『qualify』が能力や条件を満たすことで資格を得るのに対し、『entitle』は権利や資格を授与されるというニュアンスが強い。主語は人だけでなく、法律や規則などもなり得る。 【混同しやすい点】『entitle』は通常、toを伴って『〜する権利を与える』という形で使われる(例:entitle someone to something)。『qualify』はforを伴うことが多い(例:qualify for a position)。
『証明する』『保証する』という意味で、特定の基準や要件を満たしていることを公式に認める場合に用いられる。品質、安全性、技能などを保証する際に使われる。 【ニュアンスの違い】『qualify』がある基準を満たす能力があることを示すのに対し、『certify』は第三者機関などが公式に基準を満たしていることを証明するというニュアンスが強い。より客観的で公式な印象を与える。 【混同しやすい点】『certify』は通常、試験や審査などを経て公式な資格や証明書を得る場合に用いられ、『qualify』よりも厳格なプロセスを伴うことが多い。また、形容詞形の『certified』もよく使われる(例:certified public accountant)。
『権限を与える』『許可する』という意味で、公式な許可や権限を与える場面で使われる。ビジネスや政府機関などでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『qualify』が能力や条件によって資格を得るのに対し、『authorize』は上位の権限を持つ者が許可を与えるというニュアンスが強い。権限の所在が明確である。 【混同しやすい点】『authorize』は通常、to do somethingの形で『〜する権限を与える』という形で使われる(例:authorize someone to sign contracts)。『qualify』のようにforを伴うことは少ない。
『力を与える』『権限を与える』という意味で、個人や集団が自らの意思決定や行動をコントロールできるようにする状況で使われる。社会運動や自己啓発などでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『qualify』が特定の資格や能力を得ることを指すのに対し、『empower』はより広範な意味で、自信や影響力を与えるというニュアンスが強い。精神的な側面も含む。 【混同しやすい点】『empower』は通常、目的語の後にto do somethingを伴って『〜する力を与える』という形で使われる(例:empower women to participate in politics)。『qualify』よりも抽象的な意味合いが強い。
『正当化する』『保証する』という意味で、行動や状況を正当なものとして示す場合や、品質や性能を保証する場合に使われる。フォーマルな場面や法律関係でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『qualify』がある基準を満たすことを示すのに対し、『warrant』は行動や判断が正当であることを裏付けるというニュアンスが強い。より客観的な根拠を示す必要がある。 【混同しやすい点】『warrant』は名詞としても動詞としても使われ、名詞の場合は『令状』や『保証書』という意味になる。動詞の場合は、通常、理由や根拠を伴って『〜を正当化する』という形で使われる(例:warrant an investigation)。
派生語
『資格』『資質』を意味する名詞。動詞『qualify』に名詞化接尾辞『-ation』が付加。抽象的な概念を表し、履歴書や求人情報、学術論文など、フォーマルな文脈で頻繁に使用される。動詞が持つ『制限する』意味合いから、『限定された条件を満たすこと』というニュアンスを含む。
『資格のある』『適任の』という意味の形容詞。動詞『qualify』の過去分詞形が形容詞として転用された形。履歴書や推薦状など、人の能力やスキルを評価する場面でよく用いられる。また、『条件付きの』という意味もあり、『qualified support(条件付きの支持)』のように使われる。
- qualifier
『予選』『資格を与える人・物』を意味する名詞。動詞『qualify』に名詞化接尾辞『-er』が付加。スポーツの予選や、文法用語の限定詞など、特定の条件を満たすものを選抜する文脈で使用される。また、人を指す場合は、資格認定機関や審査員などを指す。
反意語
接頭辞『dis-(否定)』が付加され、『資格を奪う』『失格にする』という意味になる。競技会や選挙など、参加資格を剥奪する状況で用いられる。単に『qualify』の反対の意味を持つだけでなく、『権利を剥奪する』という積極的な意味合いを含む点が重要。
- invalidate
『無効にする』という意味。接頭辞『in-(否定)』と『valid(有効な)』が組み合わさった語。契約、法律、証拠など、正式な効力を持つものを対象に、その効力を失わせることを指す。『qualify』が『条件を満たす』という意味合いを持つことに対して、『invalidate』は『条件を満たさず無効になる』という対比関係にある。
『一般化する』という意味。『qualify』が『限定する』『特定する』という意味を持つことに対して、『generalize』は、特定の条件や制約を取り払い、より広い範囲に適用することを意味する。例えば、『qualify a statement(声明を限定する)』に対して、『generalize a theory(理論を一般化する)』のように対比的に用いられる。
語源
"qualify」は、ラテン語の"qualis"(どのような種類か、性質)と"facere"(作る、行う)が組み合わさってできた単語です。もともとは「ある特定の性質を持つようにする」という意味合いでした。"qualis"は、英語の"quality"(質)の語源でもあり、物事の特性や種類を表します。"facere"は、"factory"(工場)や"manufacture"(製造)などの単語にも見られるように、「何かを作り出す」という動作を示します。つまり、"qualify"は、何かを特定の質や条件に「作り上げる」ことで、資格を得たり、適任と見なされるようにするという意味に発展しました。さらに、条件を「作る」ことから、制限を加えるという意味も派生しました。日本語で例えるなら、「品質を確保する」という表現に近いニュアンスで、その品質を保証するために必要な条件を満たす、というイメージです。
暗記法
「qualify」は、単に資格を得るだけでなく、社会的な線引きや選別と深く結びつく言葉。中世ギルドでは、職人として認められると同時に、ギルドの秩序に従う制約も受け入れた。現代でも、オリンピック出場資格は厳しい選考の証であると同時に、様々なルールへの服従を意味する。権利と義務、自由と制約は表裏一体。政治的な文脈では、発言に「但し書き」をつけ、自身の立場を明確にする戦略としても用いられる。
混同しやすい単語
『qualify』とスペルが非常に似ており、特に語尾の『-ify』と『-ity』は間違えやすい。発音も似ているため、注意が必要。『quality』は『質』という意味の名詞であり、『qualify』の『資格を与える』という動詞とは意味も品詞も異なる。日本人学習者は、スペルを意識的に区別し、文脈から判断する必要がある。語源的には、どちらもラテン語の『qualis』(どのような種類の)に由来する。
『qualify』と語尾が同じ『-ify』であり、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『数量化する』という動詞で、ビジネスや科学の文脈で使われることが多い。『qualify』の『資格を与える』とは意味が異なる。日本人学習者は、文脈から意味を判断する必要がある。どちらも『-ify』で終わる動詞だが、意味は大きく異なる。
これも『-ify』で終わる動詞であり、スペルが似ている。『分類する』という意味で、『qualify』とは意味が異なる。発音も似ているため、注意が必要。日本人学習者は、『-ify』で終わる動詞が多いことを理解し、それぞれの意味を区別する必要がある。語源的には、ラテン語の『classis』(階級)に由来する。
『qualify』とはスペルも発音も大きく異なるが、なんとなく語感が似ていると感じる人もいるかもしれない。『穏やかに』という意味の副詞であり、文法的な役割も大きく異なる。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語を正確に発音できるように練習する必要がある。
『codify』も『-ify』で終わる動詞であり、スペルが似ているため混同しやすい。『法典化する』や『体系化する』という意味で、法律やプログラミングなどの文脈で使われる。『qualify』とは意味が異なる。語源的には、ラテン語の『codex』(書物)に由来する。
『identify』も『-ify』で終わる動詞であり、スペルと語感が似ている。『特定する』という意味で使われ、『qualify』とは意味が大きく異なる。発音も似ているため、文脈から判断する必要がある。語源的には、ラテン語の『idem』(同じ)に由来する。
誤用例
日本人が『qualify』を『〜と断言する』『〜と述べる』のような意味で使ってしまうのは、日本語の『限定する』という言葉のニュアンスに引きずられているためです。英語の『qualify』は、何かを述べる際に条件や制限を加えることを意味しますが、単独で『qualify that...』の形で使うと、直接的すぎる印象を与え、丁寧さや控えめなニュアンスが失われます。より適切には、仮定法を用いた『I would qualify that...』や、類似表現の『I would add the caveat that...』を使うことで、発言の角を立てずに、より洗練された印象を与えることができます。これは、直接的な表現を避ける日本的なコミュニケーションスタイルとの違いを示す好例です。
『qualify』を『〜の資格がある』という意味で捉え、安易に『as』と組み合わせてしまう誤用です。この文では、家事をこなすことが良い夫の条件を満たすかどうかを評価しているため、断定的な『is qualified as』は不適切です。より適切なのは、可能性や推量を表す『might qualify as』を使うことで、主観的な評価であることを示唆し、議論の余地を残す表現になります。また、この例では、家事の分担に対する価値観の違いも考慮する必要があります。欧米では家事は夫婦平等に行うのが一般的ですが、文化的背景によっては異なる解釈も存在します。そのため、断定的な表現は避ける方が無難です。日本語の『〜と言えるかもしれない』のような、婉曲的な表現に相当します。
「qualify」を「資格を与える」と直訳し、友情のような人間関係に適用するのは不自然です。友情は資格や条件で決まるものではなく、相互の感情や経験に基づいて育まれるものです。より自然な英語表現は、共通の経験が友情に発展する可能性を示唆する「I hope this experience allows us to become friends.」です。この誤用は、日本語の「〜のおかげで〜できる」という表現を直訳しようとする際に起こりがちです。英語では、人間関係においては資格や条件ではなく、感情や共感を重視する傾向があります。また「qualify」はどちらかというと、客観的な基準を満たす状況で使われることが多いです。
文化的背景
「qualify」は、元来「資格を与える」という意味合いに加え、「制限を加える」「限定する」というニュアンスを内包します。これは、単に能力を認めるだけでなく、その能力が発揮される範囲や条件を定めるという、社会的な線引きや選別といった概念と深く結びついていることを示唆します。
中世ヨーロッパのギルド制度を例にとると、「qualify」は徒弟が職人として認められる過程を象徴していました。厳しい修行を積んだ後、親方やギルドの審査を受け、技術や知識が一定水準に達していると認められて初めて「qualified」とされたのです。しかし、それは同時に、ギルドの規則に従い、他の職人の権利を侵害しないという制約を受け入れることでもありました。つまり、「qualify」は自由な活動を許される一方で、ギルドという共同体の秩序を維持するための条件を課す言葉でもあったのです。
現代社会においても、「qualify」は同様のニュアンスを帯びています。例えば、オリンピックの出場資格を得ることは、厳しい選考を勝ち抜いた証であると同時に、ドーピング検査や年齢制限など、様々なルールに従うことを意味します。また、弁護士や医師などの専門職は、国家試験に合格し「qualified」となることで、高度な知識や倫理観を持つことを社会的に保証されますが、同時に、職業倫理に反する行為は厳しく罰せられます。このように、「qualify」は常に、権利と義務、自由と制約が表裏一体となった概念として存在し続けているのです。
さらに、「qualify」は、政治的な文脈においては、発言や意見に「但し書き」をつける、あるいは「条件付きで賛成する」といった意味合いで用いられることがあります。これは、相手の意見を完全に否定するのではなく、一部を認めつつも、自身の立場や考えを明確にするための戦略的な表現です。例えば、「I qualify my support for the bill by stating that...(法案への支持を表明するにあたり、但し書きをつけます)」のように使われます。この用法は、単なる資格の有無を超え、複雑な利害関係が絡み合う社会において、自身の立場を明確にし、交渉を有利に進めるための重要なコミュニケーションスキルとして、「qualify」が用いられていることを示しています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにリスニング。
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも出題可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な内容、ニュース記事、エッセイなど。人の能力や資格に関する文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「資格を得る」「〜の資格がある」「〜に適任である」など、複数の意味を理解する必要がある。関連語の"qualification"(資格)も重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連の長文。
- 文脈・例題の特徴: 採用、昇進、プロジェクトへの参加資格、製品の品質基準など、ビジネスシーンでの利用が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: "qualify for"(〜の資格を得る)、"qualify as"(〜として認められる)のような形で使われることが多い。文脈から意味を判断する練習が重要。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻繁に登場。
- 文脈・例題の特徴: 研究、科学、社会科学などの分野で、条件や基準を満たすことを示す場合が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論の説明で使われることが多い。名詞形の"qualification"との関連性も理解しておくこと。
- 出題形式: 主に長文読解。文法問題や語彙問題でも出題の可能性あり。
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など、幅広いテーマで登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。動詞、形容詞、名詞など、品詞によって意味が異なる場合があるので注意。