glorious
第1音節にアクセントがあります。/ɔː/ は日本語の「オー」よりも口を大きく開けて発音し、少し喉の奥から響かせるイメージです。語尾の /-iəs/ は、英語の曖昧母音を含むため、日本語の「アス」のように強く発音せず、「ィアス」のように弱く短く発音するのがポイントです。/r/ の発音は、舌を口の中で丸めるようにして出すとより自然になります。
輝かしい
非常に美しく、印象的な様子。成功、勝利、または壮大な光景など、肯定的な意味合いで用いられる。例えば、「a glorious victory(輝かしい勝利)」のように使う。
The morning sun painted the sky in glorious colors.
朝日は空を輝かしい色彩で染め上げた。
※ 早朝、空が赤やオレンジ、紫など鮮やかな色に染まる光景を想像してみてください。この文は、その息をのむほど美しい、まさに「輝かしい」自然の情景を描写しています。'glorious colors' は、単に色が綺麗というだけでなく、感動的な美しさや壮大さを表現する際によく使われる組み合わせです。
Our small team celebrated a glorious win after years of hard work.
私たちの小さなチームは、長年の努力の末、輝かしい勝利を祝った。
※ 弱小チームが懸命な努力の末に大きな大会で優勝するような、感動的な勝利の瞬間をイメージしてください。この「glorious win」は、単なる勝利ではなく、多くの苦労や努力が実を結んだ、歴史に残るような「輝かしい」成果を意味します。スポーツやビジネスなど、目標を達成した際の喜びと名誉を表す典型的な使い方です。
We spent a glorious week exploring the old city and its beautiful castles.
私たちは古い街とその美しい城を探索して、輝かしい一週間を過ごした。
※ 旅行先で、天気にも恵まれ、素晴らしい景色や体験に満ちた、充実した一週間を過ごした様子を表しています。ここでは'glorious'が、楽しい、素晴らしい、忘れられないほど素敵な時間や経験を形容しています。'a glorious day/time/trip' のように、特別な思い出に残るような体験を表現する際によく使われます。
壮大な
規模が大きく、堂々とした様子。歴史的な建造物や自然の風景など、畏敬の念を起こさせるものに対して使われる。「the glorious Himalayas(壮大なヒマラヤ山脈)」のように使う。
When I reached the summit, the view of the valley below was truly glorious.
私が頂上に着いた時、眼下の谷の眺めは本当に壮大でした。
※ この例文は、山頂に登り、目の前に広がる雄大な景色に感動している場面を描写しています。「glorious」は、このように「息をのむほど美しい、雄大な景色」を表現する際によく使われます。特に自然の壮大さを表すのにぴったりの言葉です。
It was a glorious moment when our team finally won the game.
私たちのチームがようやく試合に勝った時、それは輝かしい瞬間でした。
※ ここでは、長年の努力や苦労の末、チームが勝利を掴み、歓喜に沸いている瞬間を表現しています。「glorious」は、スポーツの勝利や歴史的な出来事など、「記憶に残る、輝かしい瞬間」を表現する際にも使われます。感動や達成感が込められた「壮大さ」を表します。
We had a glorious day for our picnic in the park.
私たちは公園でのピクニックに最高の天気の日を迎えました。
※ この例文は、晴れ渡った美しい日に、家族や友人と公園でピクニックを楽しんでいる様子を描いています。「glorious」は、このように「素晴らしい、最高の天気」を表現する際にも使われます。特に、太陽が輝き、気持ちの良い日を「壮大な」と形容するような感覚で用いられ、日常会話でもよく聞かれる表現です。
喜ばしい
非常に楽しく、満足のいく状態。イベントや機会など、幸福感や満足感をもたらすものに対して使われる。「a glorious holiday(喜ばしい休日)」のように使う。
The morning sun painted the sky in glorious colors.
朝日は空を輝かしい色で染めました。
※ 窓から外を見ると、朝焼けが空いっぱいに広がり、その美しさに思わず息をのむような情景です。このように「glorious」は、自然の壮大さや感動的な美しさを表現する際によく使われます。「paint the sky」は、空が絵の具で塗られたように見える、という詩的な表現です。
Our team won the championship, and it was a truly glorious moment.
私たちのチームは優勝し、それは本当に輝かしい瞬間でした。
※ スポーツの試合で、応援していたチームが見事に優勝を決め、会場全体が歓喜に包まれるような、忘れられない感動的な場面です。「glorious」は、大きな成功や達成、勝利といった「喜ばしい出来事」を表す際によく登場します。「a glorious moment」で「輝かしい瞬間」というフレーズで覚えると便利です。
We had a glorious time celebrating my grandmother's 80th birthday.
祖母の80歳の誕生日を祝って、私たちは素晴らしい時間を過ごしました。
※ 家族や友人みんなで、おばあさんの80歳の誕生日を心から楽しく、盛大にお祝いしている様子が目に浮かびます。「glorious time」は「とても楽しく、素晴らしい時間」という意味で、特別なイベントや経験が「喜ばしく、思い出に残るものだった」と伝えるときにぴったりの表現です。
コロケーション
輝かしい勝利、圧倒的な勝利
※ 単に「勝利」というだけでなく、その勝利が非常に印象的で、称賛に値するものであることを強調します。スポーツ、戦争、選挙など、あらゆる競争において、努力と実力が結実した結果を指します。形容詞+名詞の組み合わせの典型例で、その勝利がもたらす名誉や喜びも含まれます。ビジネスシーンでも、新製品の成功や市場シェアの拡大など、大きな成果を表現する際に用いられます。
壮麗な夕焼け
※ 夕焼けの美しさを最大限に表現する言葉です。単に「beautiful sunset」と言うよりも、より感動的で、息をのむような光景を想起させます。自然の美しさを描写する際によく用いられ、写真や絵画のタイトルとしても一般的です。比喩的に、人生の終盤やキャリアの絶頂期を美しく飾る様子を表すこともあります。例えば、「彼は現役引退後も、指導者として第二のglorious sunsetを迎えた」のように使われます。
素晴らしい天気
※ 晴天で、暖かく、過ごしやすい、理想的な天候を指します。旅行やアウトドアアクティビティに最適な天候を表現する際によく用いられます。イギリス英語では、特に夏の好天を指すことが多く、holiday(休暇)と組み合わせて「glorious holiday weather」のように使われます。単に「good weather」と言うよりも、喜びや開放感を伴うニュアンスがあります。
輝かしい過去
※ 過去の栄光や成功を指します。国家、組織、個人など、様々な主体が過去に成し遂げた偉業や、繁栄していた時代を回顧する際に用いられます。歴史的な文脈で使われることが多く、ノスタルジーや誇りの感情を伴います。例えば、「かつてglorious pastを誇ったこの国も、今では見る影もない」のように、過去と現在の対比を示す場合にも使われます。
絶好の機会、またとないチャンス
※ 何かを達成したり、成功を収めたりするための非常に有利な状況を指します。ビジネス、キャリア、個人的な目標など、あらゆる分野において、大きな飛躍を遂げる可能性を秘めた機会を表現します。単に「good opportunity」と言うよりも、その機会が非常に貴重で、逃すべきではないというニュアンスが含まれます。「seize a glorious opportunity」(絶好の機会を掴む)のように、行動を促す文脈で使われることが多いです。
名誉革命
※ 1688年にイングランドで起こった、流血を伴わない政権交代を指す歴史用語です。ジェームズ2世が追放され、ウィリアム3世とメアリー2世が共同統治者として迎えられました。この革命は、立憲君主制の確立と権利章典の制定につながり、イギリスの政治史において重要な転換点となりました。歴史的文脈以外では、組織や社会における大きな変革を比喩的に表すことがあります。
使用シーン
学術論文や歴史に関する書籍などで、「輝かしい勝利」「壮大な業績」といった文脈で使われます。例えば、歴史学の研究論文で「~朝の輝かしい時代」のように、特定の時代や王朝の繁栄を表現する際に用いられます。
ビジネスシーンでは、プレゼンテーションや社内報などで、プロジェクトの成功や成果を強調する際に使われることがあります。例えば、「~プロジェクトの輝かしい成功」のように、チームの努力と成果を称賛する文脈で用いられます。ただし、日常的なビジネス会話ではあまり使われません。
日常会話では、特別なイベントや美しい景色など、感動的な状況を表現する際に使われることがあります。例えば、「今日の夕日は本当に輝かしかった」のように、個人的な感情や体験を共有する文脈で用いられます。ただし、日常的な表現としてはやや硬い印象を与えます。
関連語
類義語
壮大で、印象的な美しさや素晴らしさを表す言葉。建築物、風景、芸術作品など、視覚的に圧倒されるものに対して使われることが多い。フォーマルな場面や文学的な表現でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも客観的で、感情的な高揚感よりも、そのものの持つスケールの大きさや完成度の高さに焦点が当てられる。神々しさや宗教的な意味合いは薄い。 【混同しやすい点】日本語の「壮大」や「華麗」に近いが、単に派手なだけでなく、卓越した美しさや技術が含まれている必要がある。日常的な場面では大げさな表現になる可能性がある。
非常に素晴らしく、印象的な様子を表す言葉。出来事、業績、贈り物など、様々なものに対して使われる。ややフォーマルな場面で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも汎用性が高く、幅広い対象に使える。喜びや満足感を表すニュアンスが強く、個人的な感情が込められやすい。また、やや古風な印象を与える場合もある。 【混同しやすい点】日常会話で頻繁に使われる表現ではないため、使いすぎると不自然に聞こえる可能性がある。特に若い世代は"amazing"や"great"などのカジュアルな表現を好む。
畏敬の念を起こさせるような、極めて優れた美しさや素晴らしさを表す言葉。自然の雄大さ、芸術作品の崇高さなど、人間の理解を超越した対象に対して使われることが多い。文学的、哲学的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも精神的な感動や高揚感を表すニュアンスが強い。美しさだけでなく、畏怖や神秘的な感情も含まれる。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】日本語の「崇高」に近いが、単に美しいだけでなく、人間の理性や感性を揺さぶるような、圧倒的な力を持つものに対して使われる。気軽な褒め言葉としては不適切。
光り輝くような美しさ、華やかさを表す言葉。宝石、衣装、儀式など、視覚的に印象的なものに対して使われる。フォーマルな場面や文学的な表現で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも視覚的な輝きに焦点が当てられ、鮮やかさや豪華さを強調する。感情的な高揚感よりも、そのものの持つ装飾性や華麗さに重点が置かれる。 【混同しやすい点】日本語の「光輝」や「燦然」に近いが、単に明るいだけでなく、洗練された美しさや上品さも含まれている必要がある。日常的な場面では堅苦しい表現になる可能性がある。
輝かしい業績や名声を持つことを表す言葉。人物、家柄、時代など、歴史的に重要なものに対して使われる。フォーマルな場面や歴史的な文脈で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも名声や栄光に焦点が当てられ、個人の資質や業績を称賛するニュアンスが強い。視覚的な美しさよりも、実績や功績が重視される。 【混同しやすい点】日本語の「輝かしい」に近いが、単に有名であるだけでなく、社会的に高く評価されている必要がある。軽々しく使うと皮肉に聞こえる可能性もある。
地位や身分が高く、崇拝や尊敬に値することを表す言葉。神、王族、聖人など、特別な存在に対して使われる。宗教的、政治的な文脈で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"glorious"よりも権威や威厳に焦点が当てられ、人間を超越した存在に対する畏敬の念を表す。感情的な高揚感よりも、絶対的な存在への服従心が強調される。 【混同しやすい点】日本語の「崇高」に近いが、単に地位が高いだけでなく、道徳的にも優れている必要がある。日常的な場面では大げさな表現になる可能性がある。
派生語
名詞で「栄光」「名声」「賛美」といった意味。「glorious」の直接の語源であり、抽象的な概念を表す。日常会話でも使われるが、文学作品や宗教的な文脈でより頻繁に登場し、神への賛美などを表すこともある。
動詞で「〜を賛美する」「〜に栄光を与える」という意味。接尾辞「-fy」は「〜にする」という意味合いを持つため、「glory(栄光)」の状態にする、つまり「賛美する」となる。宗教的な文脈や、偉業を称える場合に使われる。ビジネスシーンでは、自社製品やサービスを大げさに宣伝する際に使われることもある(ただし、やや皮肉なニュアンスを含む場合もある)。
- glorification
名詞で「賛美」「美化」といった意味。「glorify」に名詞化の接尾辞「-ation」が付いた形。特定の人物や思想、出来事を実際以上に良く見せることを指す場合もある。学術論文やニュース記事など、客観性が求められる文脈では、この言葉が持つ「誇張」や「操作」といったニュアンスに注意する必要がある。
反意語
- inglorious
接頭辞「in-」がついて「不名誉な」「恥ずべき」という意味になる。「glorious」の直接的な反対語であり、名誉や栄光を欠いた状態を表す。戦争における敗北や、不正行為の発覚など、ネガティブな状況を形容する際に用いられる。日常会話よりも、報道記事や歴史的な記述でよく見られる。
「恥ずべき」「不名誉な」という意味。「glorious」が賞賛に値する状態を表すのに対し、「shameful」は非難されるべき状態を表す。道徳的な観点から見て、不適切または許容できない行為や状況を指す。日常会話でも使用頻度が高く、個人的な失敗や社会的な不正行為など、幅広い文脈で使用される。
形容詞で「謙虚な」「質素な」という意味。「glorious」が華やかさや壮大さを伴うのに対し、「humble」は控えめで目立たない様子を表す。必ずしも「不名誉」という意味ではないが、「glorious」が示す自己顕示や誇らしさとは対照的な概念。たとえば、「glorious victory(輝かしい勝利)」に対して、「humble beginnings(質素な始まり)」のように対比的に用いられる。
語源
"glorious」は、「栄光に満ちた」「輝かしい」という意味ですが、その語源はラテン語の「gloria(名声、栄光)」に遡ります。さらに遡ると、ラテン語の「cluere(知られている、有名である)」という動詞と関連があります。「cluere」は、英語の「hear(聞く)」と語源的に繋がっており、「人々に聞かれている」「名が知られている」状態が、やがて「栄光」という意味に発展したと考えられます。つまり、「glorious」は、もともと「広く知られている」という状態から、「人々に称賛される」「輝かしい」という意味合いを持つようになったのです。日本語で例えるなら、「鳴り響く」名声が「栄光」に繋がるイメージです。
暗記法
「glorious」は神の恩寵、歴史的偉業、そして心を奪う美を象徴します。キリスト教文化では神の栄光を讃え、バッハの音楽や教会の荘厳さで表現。中世騎士道物語では、騎士の勇気と忠誠心を意味しました。「Glorious Revolution(名誉革命)」のように、国家の偉業や国民の誇りとも結びつき、現代ではスポーツや芸術の頂点を極めた瞬間に輝きを放ちます。単なる「輝かしい」を超え、人間の努力と才能が結実した特別な賛辞なのです。
混同しやすい単語
『glorious』と語源が同じで、意味も関連するため混同しやすい。しかし、『glory』は名詞で『栄光』や『名声』を意味し、『glorious』は形容詞で『栄光に満ちた』という意味である。品詞が異なるため、文法的な使い分けに注意が必要。発音も末尾が異なる。
語尾の '-ious' のスペルが共通しているため、視覚的に混同しやすい。また、どちらも形容詞であるため、文中で形容詞が必要な場合に誤って選択する可能性がある。『curious』は『好奇心旺盛な』という意味で、意味は全く異なる。発音も大きく異なるため、注意が必要。
こちらも語尾が '-ious' で終わる形容詞であり、スペルが似ているため混同しやすい。『serious』は『深刻な』や『真剣な』という意味を持つ。発音も似ている部分があるため、文脈から判断する必要がある。
『glorious』と『gorgeous』は、どちらも素晴らしいものを形容する言葉ですが、ニュアンスが異なります。『gorgeous』は『豪華な』や『華麗な』という意味合いが強く、視覚的な美しさを強調する傾向があります。『glorious』は、より精神的な、あるいは歴史的な偉大さを表すことがあります。発音も似ているため、文脈に応じて使い分ける必要があります。
『glorious』の一部の発音記号(/ˈɡlɔːriəs/)と、複数形の『stories』(/ˈstɔːriz/)の語尾の音が似ているため、リスニング時に混同する可能性があります。『stories』は『物語』という意味であり、文脈が全く異なるため、意味で区別することが重要。
語頭の 'gl-' のスペルが共通しているため、視覚的に混同する可能性がある。『glee』は『歓喜』や『喜び』という意味の名詞であり、『glorious』とは品詞も意味も異なる。ただし、どちらもポジティブな感情を表す単語であるため、感情に関する文脈では特に注意が必要。発音も異なる。
誤用例
「glorious」は、業績や成果が素晴らしい場合に用いる形容詞で、しばしば歴史的な偉業や神聖なものに結びつきます。日本語の「輝かしい」を安易に当てはめると、文字通りには意味が通じても、対象を持ち上げ過ぎて不自然な印象を与えることがあります。特に、指導者に対して使うと、北朝鮮のようなプロパガンダを連想させ、皮肉と受け取られる可能性もあります。より中立的で丁寧な表現としては、「distinguished」や「respected」が適切です。日本人は謙譲の美徳を重んじるため、直接的な賛辞を避ける傾向がありますが、英語では文脈に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。
「glorious」は、非常に素晴らしい、壮大な出来事や状況に対して使われることが多く、日常的な行為には大げさすぎます。洗濯をするような穏やかな日には、「lovely」、「nice」、「pleasant」といった表現がより自然です。日本人は、英語の形容詞を字面通りに捉え、良い意味であれば何にでも使えると考えがちですが、英語には語感やニュアンスの違いがあり、文脈に合った適切な表現を選ぶ必要があります。例えば、「素晴らしい天気」を表現する場合、「glorious weather」は、歴史的な転換点となるような日の天候を指すニュアンスを含み、日常会話には不向きです。
「glorious」は肯定的な意味合いが強い単語ですが、その後に続く表現が不適切だと、全体として意味が通じなくなります。この例では、「安い絵のよう」という表現が「glorious」の持つ壮麗さを打ち消してしまっています。英語では、形容詞とそれに続く比喩表現は、意味的に調和している必要があります。夕焼けの過剰な美しさを表現したい場合は、「gaudy(けばけばしい)」のような単語を使う方が適切です。日本人は、美しいものを表現する際に、必ずしも肯定的な言葉だけを使うとは限らず、皮肉や自虐を込めることがありますが、英語ではストレートな表現が好まれる傾向があります。
文化的背景
「glorious」は、単なる「輝かしい」という意味を超え、神の恩寵や歴史的な偉業、そして人々の心を捉えてやまない壮大な美を象徴する言葉です。王侯貴族の栄光、戦場での勝利、芸術作品の完成など、人間の努力と才能が最高潮に達した瞬間に付与される特別な賛辞として、その文化的意義を深めてきました。
「glorious」という言葉は、特にキリスト教文化圏において、神の栄光を表現するために頻繁に用いられてきました。教会建築の荘厳さ、聖歌の力強い響き、宗教画の神々しい光彩など、人間の創造性を通して神の偉大さを表現する際に、この言葉は欠かせないものでした。例えば、バッハの音楽は「神の栄光を讃える」ために作曲されたとされ、その壮大で美しい旋律はまさに「glorious」という言葉がふさわしいでしょう。また、中世の騎士道物語においては、勇敢な騎士が神と王のために戦い、勝利を収める姿が「glorious」と称えられました。この文脈では、「glorious」は単なる勝利以上の意味を持ち、騎士の勇気、忠誠心、高潔さといった道徳的な価値と結びついていました。
さらに、「glorious」は、国家や民族の歴史的な偉業を語る際にも重要な役割を果たします。例えば、「Glorious Revolution(名誉革命)」は、流血を伴わずに政治体制を変革したイギリスの歴史的な出来事を指し、その平和的な変革が「glorious」と評されました。また、アメリカ独立戦争においては、自由と独立のために戦った人々の勇姿が「glorious」と称えられ、建国神話の一部として語り継がれています。このように、「glorious」は、国家のアイデンティティや国民の誇りを形成する上で、重要な役割を果たしてきたのです。
現代においても、「glorious」は、スポーツの祭典や芸術的な成果など、人間の努力と才能が結実した瞬間を表現するために用いられます。オリンピックの金メダル、ノーベル賞の受賞、映画祭でのグランプリなど、その分野で頂点を極めた人々の栄光を称える言葉として、今もなおその輝きを失っていません。ただし、現代においては、その言葉が持つ意味合いは、やや多様化しており、必ずしも宗教的な意味合いや歴史的な重みを伴うとは限りません。しかし、それでもなお、「glorious」は、人間の可能性を信じ、その努力を称えるための、特別な賛辞として、私たちの心に響き続けているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、文化、伝記など、やや硬めの文章で「輝かしい」「栄光ある」といった意味で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: glorious achievement (輝かしい業績), glorious past (栄光の過去) など、名詞との組み合わせで覚える。類義語の splendid とのニュアンスの違いを意識する。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: そこまで高頻度ではないが、Part 7で稀に出題される。
3. 文脈・例題の特徴: 企業の成功、イベントの成功などを描写する際に「輝かしい」「素晴らしい」といった意味で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測できるように練習する。ビジネスシーンでのポジティブな状況を表す形容詞として覚えておく。
1. 出題形式: リーディングセクション。
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で比較的頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、科学、文化など、様々な分野の文章で、偉業や成果を称える際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 類義語の magnificent, superb とのニュアンスの違いを理解する。文脈から正確な意味を判断する練習が必要。
1. 出題形式: 主に長文読解。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、文化、社会問題など、幅広いテーマの文章で、「輝かしい」「栄光ある」といった意味で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈における意味を正確に把握することが重要。類義語との比較や、反意語 (inglorious) も覚えておくと役立つ。