glorify
第一音節にアクセントがあります。/ɔː/は日本語の「オー」よりも口を大きく開けて発音し、長音を意識してください。/r/の音は舌を丸めるように意識し、喉の奥から出すように発音するとよりネイティブに近い音になります。最後の/faɪ/は二重母音で、日本語の「ファイ」よりも/aɪ/の部分を強調すると自然です。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
祭り上げる
実際以上に良いものとして見せること。良い点ばかりを強調して、人や物を称賛・美化するときに使う。悪い点には目を向けないニュアンスを含む。
People often glorify national heroes for their brave deeds.
人々はしばしば、勇敢な行いをした国の英雄を祭り上げます。
※ この例文は、国や文化が歴史上の人物や、国のために尽くした人を「英雄」として称え、その功績を誇り高く語り継ぐ情景を表しています。「glorify」は、尊敬や賞賛の気持ちを込めて「偉大だと称える」ときに使われる典型的な例です。
Many people go to church to glorify God and sing hymns.
多くの人々は、神を祭り上げ、賛美歌を歌うために教会に行きます。
※ この例文は、日曜の朝、静かな教会に集まった人々が、心を込めて賛美歌を歌い、神の偉大さに感謝し、畏敬の念を抱く情景を描いています。特にキリスト教文化圏では「glorify God(神を賛美する)」という表現が非常に一般的で、神の偉大さを「祭り上げる」意味で使われます。「to + 動詞の原形」で「~するために」という目的を表す文型です。
Some old movies tend to glorify war, not showing its true horror.
一部の古い映画は戦争を美化しがちで、その本当の恐ろしさを見せていません。
※ この例文は、昔の戦争映画を観ていて、派手な戦闘シーンばかりで、実際の戦争の悲惨さや人々の苦しみが描かれていないことに気づく情景を表しています。「glorify」は、実際よりも魅力的に見せたり、良いものとして描いたりする、つまり「美化する」というニュアンスでもよく使われます。特に、戦争のような望ましくないものを「祭り上げて」しまう場合にこの言葉が用いられます。「tend to V」は「~しがちである」という意味です。
輝かせる
本来の価値や美しさを引き出し、人目を引くようにする。業績や功績を大々的に宣伝したり、特別な演出で際立たせたりする場合に使う。
The artist used bright colors to glorify the beauty of the sunset.
その画家は、夕日の美しさを輝かせるために鮮やかな色を使いました。
※ この例文では、画家が夕日の「美しさ」を際立たせ、より魅力的に見せようとしている情景が目に浮かびます。このように、何かを「素晴らしいものとして際立たせる」「美しく見せる」という状況で使われます。
We should glorify kindness and help each other more often.
私たちは優しさを称え、もっと頻繁に助け合うべきです。
※ ここでは、「優しさ」という抽象的な価値観を「素晴らしいものとして高く評価し、広めるべきだ」というニュアンスで使われています。単に「褒める」だけでなく、その価値を「輝かせ、世に示す」という強い意味合いがあります。
The crowd cheered loudly to glorify their national hero.
群衆は、彼らの国民的英雄を称えるために大声で歓声を上げました。
※ この例文では、多くの人々が「英雄」の功績や存在を「偉大で輝かしいものとして称賛し、その栄光を際立たせる」場面を描写しています。特に、人や神、偉大な功績などを「崇め、その偉大さを高める」時によく使われます。
賛美する
神や英雄など、尊敬する対象を褒め称えること。宗教的な文脈や、歴史的な偉業を語る際に使われることが多い。
The choir sang loudly to glorify God during the service.
聖歌隊は礼拝中、神を賛美するために大きな声で歌いました。
※ この例文は、教会で聖歌隊が神聖な歌声を響かせ、神を心から崇め、賛美している情景を描いています。「glorify God」は、キリスト教文化圏で非常によく使われる表現で、神の偉大さを称えることを意味します。ここでは「〜するために」という目的を表すto不定詞(to glorify)が使われています。
The story glorifies the king's great courage.
その物語は王の偉大な勇気を賛美しています。
※ この例文は、子供たちが目を輝かせながら英雄の物語を聞き、その王の勇敢な行動に感動しているような場面を想像させます。「glorify」は、物語や詩が、特定の人物の素晴らしい資質や功績を称え、偉大さを伝える際によく使われます。ここでは「king's great courage」のように、誰かの「素晴らしい特質」を賛美する典型的な使い方です。
Many artists glorify the beauty of nature in their paintings.
多くの芸術家は、絵画で自然の美しさを賛美しています。
※ 広大な自然の風景を前に、画家がその息をのむような美しさをキャンバスに表現しようとしている情景が目に浮かびます。芸術家が作品を通じて、自然や特定の概念、理想などを「賛美する」ことは非常に一般的です。ここでは「in their paintings(彼らの絵画の中で)」のように、手段や場所を示す前置詞句が使われています。
コロケーション
暴力を美化する、暴力を肯定的に描く
※ 映画、ゲーム、メディアなどが暴力を肯定的に描き、魅力的に見せることを指します。単に暴力を描写するだけでなく、暴力を英雄的行為として扱ったり、暴力を振るうキャラクターを魅力的に見せたりする場合に使われます。社会的な議論の文脈でよく登場し、若者への悪影響などが問題視される際に用いられます。 'romanticize violence' も同様の意味で使えますが、'glorify' の方がより強い非難のニュアンスを含みます。
過去を美化する、過去を実際以上に良く見せる
※ 過去の困難や負の側面を無視または矮小化し、良い面だけを強調することを指します。しばしば、現状への不満や変化への抵抗と結びついて用いられます。例えば、「昔は良かった」と語る際に、過去の苦労を忘れ、都合の良いように解釈している場合などが該当します。 'romanticize the past' も同様の意味ですが、'glorify' はより強い理想化のニュアンスを含みます。歴史修正主義的な文脈で使われることもあります。
神を賛美する、神の栄光をたたえる
※ 宗教的な文脈で、神の偉大さ、美しさ、力などを言葉や行動で表現することを指します。教会での賛美歌や祈り、聖書の朗読などがその例です。 'praise God' と似た意味ですが、'glorify' はより形式的で、神の栄光を広く知らせるというニュアンスを含みます。また、自分の行いを通して神の素晴らしさを世に示すという意味合いも持ちます。
戦争を美化する、戦争を英雄的に描く
※ 戦争の悲惨さや破壊的な側面を無視または矮小化し、戦争を勇敢さや愛国心の象徴として描くことを指します。プロパガンダや歴史教育において問題視されることがあります。 'romanticize war' も同様の意味ですが、'glorify' はより積極的に戦争を肯定するニュアンスを含みます。戦争映画などで、兵士の犠牲を過度に美化する描写などが該当します。
過度に美化する、不当に称賛する
※ 'unduly' は「過度に」「不当に」という意味の副詞で、glorifyを修飾することで、美化や称賛が度を越しているというニュアンスを強調します。客観的に見て、美化するに値しないものを過剰に評価する場合などに用いられます。例えば、特定の人物の功績を実際以上に大きく見せたり、欠点を無視したりする場合に使われます。批判的な文脈で用いられることが多いです。
日常を美化する、ありふれたことを特別なものとして捉える
※ 平凡な日常の中に美しさや価値を見出し、それを肯定的に表現することを指します。SNSなどで、何気ない日常の風景や出来事を魅力的に発信する行為などが該当します。必ずしも悪い意味ではなく、日常を大切にする姿勢の表れとして肯定的に捉えられることもあります。ただし、現実逃避や自己満足に陥る可能性も指摘されます。
使用シーン
学術論文や歴史研究などで、「特定の人物、思想、出来事を実際以上に美化する、または重要視する」という意味合いで使われます。例:『ナショナリズム研究において、特定の英雄を不当に祭り上げ、自国を正当化する傾向が見られる』といった文脈で使用されます。客観性を重視する学術分野では、批判的な視点を含むことが多いです。
ビジネスシーンでは、企業のブランディング戦略やマーケティング資料において、「自社製品やサービスを理想化して表現する」際に用いられることがあります。例:『当社の新製品は、お客様の生活を豊かに彩り、新たな価値を創造します(祭り上げる)』といった宣伝文句として使われる可能性があります。ただし、誇大広告とみなされないよう注意が必要です。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、「過去の出来事や人物を美化して語る」という意味で使われることがあります。例:『メディアは、往年のロックスターを過剰に祭り上げている』といった文脈で使われます。また、SNSなどでは、特定の人物やグループを称賛する際に、やや皮肉を込めて使われることもあります。
関連語
類義語
『(地位・権力などを)高める』『褒め称える』という意味で、フォーマルな文脈や宗教的な文脈で使われることが多い。精神的な高揚や賞賛を表す。 【ニュアンスの違い】『glorify』よりも形式ばった語であり、神や高位の人物、抽象的な概念などを対象とすることが多い。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】『exalt』は他動詞であり、目的語が必要。『glorify』と同様に、賞賛の対象を明確にする必要がある。
『尊敬する』『敬意を払う』という意味で、人や業績、伝統などを称える際に使われる。名誉を与えるという意味合いも含む。 【ニュアンスの違い】『glorify』よりも対象への敬意や感謝の気持ちが強く、個人的な感情を伴うことが多い。また、名誉を与えるという行為自体を指す場合もある。 【混同しやすい点】『honor』は名詞としても動詞としても使われる。『glorify』は動詞としてのみ使われる。また、『honor』はしばしば受動態で使われる(例:He was honored for his achievements)。
『祝う』『称賛する』という意味で、イベントや成果、特別な日などを喜び、公に称える際に使われる。より社交的で、喜びを分かち合うニュアンスが強い。 【ニュアンスの違い】『glorify』よりも感情的な高揚や祝賀の雰囲気が強く、集団で行う行為を指すことが多い。個人的な崇拝というよりは、社会的な承認や祝福に近い。 【混同しやすい点】『celebrate』はしばしば特定のイベントや成果と結びつけて使われる(例:celebrate a birthday, celebrate a victory)。『glorify』はより抽象的な概念や人物を対象とすることが多い。
『(重要性・規模などを)誇張する』『拡大する』という意味で、実際以上に大きく見せることを指す。良い意味でも悪い意味でも使われる。 【ニュアンスの違い】『glorify』と異なり、必ずしも肯定的な意味合いを持たない。欠点や問題点を誇張する場合もある。客観的な描写というよりは、主観的な解釈が伴う。 【混同しやすい点】『magnify』は物理的な拡大(例:虫眼鏡で拡大する)という意味でも使われる。『glorify』は比喩的な意味合いが強く、物理的な意味では使われない。
- deify
『神格化する』という意味で、人を神のように崇めることを指す。非常に強い尊敬や崇拝の念を表す。比喩的な意味合いが強い。 【ニュアンスの違い】『glorify』よりも宗教的な意味合いが強く、対象を神聖な存在として扱う。現代では、アイドルやカリスマ的な人物を指して使われることもある。 【混同しやすい点】『deify』は対象を神として扱うため、人間に対して使う場合は誇張表現となることが多い。『glorify』は必ずしも神聖視するわけではない。
- lionize
『(人を)ちやほやする』『有名人扱いする』という意味で、一時的に人気を集めている人を過剰にもてはやすことを指す。やや皮肉なニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】『glorify』とは異なり、必ずしも尊敬の念を伴わない。むしろ、一時的な人気や話題性に基づいて過大評価しているというニュアンスがある。長期間にわたる評価というより、一時的なブームを指す。 【混同しやすい点】『lionize』は、対象が必ずしも本当に素晴らしい人物であるとは限らないという含みがある。『glorify』は、対象が賞賛に値すると信じている場合に用いられる。
派生語
- glorification
『美化』『賛美』を意味する名詞。動詞 glorify から派生し、行為や状態を表す接尾辞『-ification』が付加。歴史、宗教、政治など、特定の人物や出来事を肯定的に強調する文脈で使われる(例:英雄の美化)。学術論文や報道記事でも見られる。
『栄光に満ちた』『輝かしい』という意味の形容詞。状態や性質を表す接尾辞『-ious』が付加。成功、勝利、自然の美しさなど、肯定的な感情や印象を強調する際に用いられる(例:輝かしい勝利)。日常会話から文学作品まで幅広く使われる。
『栄光』『名誉』を意味する名詞。glorify の語源であり、中英語の『glorie』、古フランス語の『gloire』に由来。動詞としては『誇る』の意味も持つ。歴史的な偉業、芸術作品、個人の功績など、称賛に値する対象に使われる。日常会話でも比喩的に用いられる。
反意語
『不名誉』『恥辱』を意味する名詞・動詞。接頭辞『dis-(否定)』は付いていないが、意味は glorify と正反対。glorify が名誉や称賛を与えるのに対し、disgrace は名誉を失わせ、恥をかかせる。スキャンダル、不正行為、失敗など、社会的な非難や軽蔑を招く行為や状態に対して用いられる。報道や歴史的記述で頻出。
『恥』『羞恥心』を意味する名詞。glorify が公然と称賛するのに対し、shame は隠したい感情や状況を表す。個人的な失敗、道徳的な過ち、社会的な規範からの逸脱など、自己嫌悪や罪悪感を伴う場合に用いられる。日常会話や心理学的な文脈でよく使われる。
『屈辱を与える』『恥をかかせる』を意味する動詞。glorify が高めるのに対し、humiliate は相手を貶める行為を表す。公の場での侮辱、権力による抑圧、差別的な扱いなど、相手の尊厳を傷つける行為に対して用いられる。政治的な議論や社会問題に関する議論で使われる。
語源
"Glorify」は、ラテン語の「gloria(栄光、名声)」に由来します。この「gloria」は、さらに古い語根に遡ることができ、原義は「聞くこと」や「評判」に関連していたと考えられています。つまり、元々は「人に聞かれること」、それが転じて「良い評判」「名声」という意味になったのです。英語の「glory(栄光)」も同じ語源を持ちます。「-ify」は動詞を作る接尾辞で、「〜にする」という意味があります。したがって、「glorify」は「栄光を与える」「輝かせる」「賛美する」という意味になります。日本語で例えるなら、「名を馳せる」という表現が近いかもしれません。「glorify」は、文字通り「栄光で満たす」というイメージで捉えると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「glorify」は単なる美化ではない。中世、教会は聖人をglorifyし信仰を深め、王侯貴族は自らの功績をglorifyさせ権威を示した。近代では、国家が戦争や英雄をglorifyし国民を団結させた。しかし、戦争の悲惨さを知る人々は批判的な視点を持つ。現代では、広告が消費文化をglorifyし、SNSでは人々が自らの生活をglorifyする。言葉の裏に潜む権力構造と心理操作を理解し、慎重な判断を。
混同しやすい単語
『glorify』と語源を同じくし、意味も関連するため、混同しやすい。ただし、『glorify』が動詞(〜を賛美する)であるのに対し、『glorious』は形容詞(輝かしい、栄光の)である点が大きく異なる。文脈で品詞を意識することが重要。また、発音も『glorify』が第一音節にアクセントがあるのに対し、『glorious』は第二音節にアクセントがある点に注意。
『deify』(神格化する)は、語尾の '-ify' が共通しているため、スペルと発音の両面から混同しやすい。意味は『神として崇める』と『賛美する』で意味の範囲が重複するため、文脈によっては意味の誤解も生じやすい。語源的には、『deify』が『神(dei-)』に由来するのに対し、『glorify』は『名誉(glory)』に由来する。
『vilify』(中傷する、けなす)は、語尾の '-ify' が共通しているため、スペルと発音の両面から混同しやすい。また、意味も『賛美する』と『中傷する』で対照的な意味を持つため、誤って覚えてしまうと意味が逆転してしまう。語源的には、『vilify』が『卑しい(vile)』に由来するのに対し、『glorify』は『名誉(glory)』に由来する。
『clarify』(明確にする)は、語尾の '-ify' が共通しているため、スペルと発音の両面から混同しやすい。意味は『明確にする』と『賛美する』で直接的な関連はないが、どちらも何かを『良くする』という意味合いが含まれるため、文脈によっては誤解を生む可能性がある。語源的には、『clarify』が『明確な(clear)』に由来するのに対し、『glorify』は『名誉(glory)』に由来する。
『verify』(検証する、確かめる)は、語尾の '-ify' が共通しているため、スペルと発音の両面から混同しやすい。意味は『検証する』と『賛美する』で直接的な関連はないため意味の誤解は起こりにくいが、文脈によってはどちらも『価値を高める』というニュアンスを含むため、混同される可能性がある。語源的には、『verify』が『真実(verity)』に由来するのに対し、『glorify』は『名誉(glory)』に由来する。
『glory』(栄光、名誉)は、名詞であり、動詞の『glorify』と品詞が異なる。スペルも非常に似ており、意味も直接関連するため、混同しやすい。文脈で品詞を意識することが重要。『glorify』は『glory』に '-ify'(〜にする)が付いた形であることを意識すると、語源的にも理解しやすい。
誤用例
『glorify』は、日本語の『美化する』という訳語から、単に良い点を強調する意味で使われがちですが、実際には『(神や英雄を)崇拝する』に近いニュアンスを持ちます。そのため、単なる業績の称賛には不適切です。ここでは、より中立的な『laud(称賛する)』が適切でしょう。日本人は、良い意味の言葉を過剰に使いがちですが、英語では状況に応じて適切なレベルの言葉を選ぶことが重要です。特にビジネスの場面では、誇張表現は信頼を損なう可能性があります。
『glorify』を『(自己を)偉大に見せる』という意味で使うのは、文法的には誤りではありませんが、ニュアンスが不自然です。『glorify』は、本来、他人からの崇拝や尊敬によって高められるイメージであり、自己中心的・独善的な行為にはそぐいません。ここでは、自己顕示欲をより直接的に表す『aggrandize(自己を大きく見せる)』が適切です。日本人は、謙譲の美徳を重んじる文化背景から、自己を過剰に飾る行為に強い抵抗感を抱きがちですが、英語では、自己主張が強く、時に傲慢な人物を描写する言葉も豊富に存在します。
『glorify』を『(戦争などを)肯定的に描く』という意味で使う場合、そのニュアンスは『戦争を神聖視する』『英雄譚として祭り上げる』といった、非常に強い肯定・賞賛の意を含みます。単に『美化する』という意図であれば、より穏やかな表現である『romanticize(ロマンチックに描く)』が適切です。日本人は、歴史認識において、戦争の悲惨さを強調する傾向が強いため、『glorify』のような強い肯定表現を使うことに抵抗を感じるかもしれません。しかし、英語圏では、戦争映画などにおいて、英雄的な側面を描くことは珍しくなく、その際に『romanticize』がよく用いられます。
文化的背景
「glorify」は、単に「美化する」以上の意味合いを持ち、対象を理想化し、称賛することで、その価値や重要性を高める行為を指します。特に、歴史や戦争においては、国家や指導者の権威を高め、国民の忠誠心を煽るために利用されてきました。この言葉の背後には、権力構造と人々の心理操作という、複雑な文化的背景が潜んでいます。
中世ヨーロッパにおいては、教会が聖人や殉教者を「glorify」することで、信仰を深め、人々の行動規範を形成する役割を果たしました。聖遺物や聖堂の装飾は、神の栄光を具現化し、信者の心を高揚させるためのものでした。また、王侯貴族は自らの権力を誇示するために、芸術家や詩人を雇い、自らの功績や家系を「glorify」する作品を制作させました。これらの作品は、単なる記録ではなく、権力者の理想像を反映したものであり、社会における地位を確立し、後世に名を残すための手段でした。
近代以降、「glorify」は、ナショナリズムと深く結びつくようになります。国家は、戦争や英雄を「glorify」することで、国民の愛国心を刺激し、団結を促しました。特に、第一次世界大戦や第二次世界大戦においては、プロパガンダを通じて、兵士の勇敢さや犠牲精神が美化され、戦争への支持を正当化する役割を果たしました。しかし、戦後、戦争の悲惨さを経験した人々は、「glorify」に対する批判的な視点を持つようになります。戦争を美化することは、将来の世代に誤った教訓を与え、再び悲劇を繰り返す危険性があるからです。
現代社会においては、「glorify」は、広告やメディアを通じて、消費文化を促進する役割も担っています。企業は、商品やサービスを「glorify」することで、人々の欲望を刺激し、購買意欲を高めます。また、ソーシャルメディアにおいては、人々が自らの生活を「glorify」することで、他者からの承認を求め、自己肯定感を高めようとする傾向が見られます。しかし、過剰な「glorify」は、現実との乖離を生み出し、人々の不満や不安を増大させる可能性もあります。したがって、「glorify」という言葉を使う際には、その背後にある文化的背景を理解し、慎重な判断が求められます。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにライティングの自由英作文で類義語の知識が間接的に問われる。 2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。 3. 文脈・例題の特徴: 歴史、文化、宗教、文学など、ややアカデミックな文脈で「(神などを)崇拝する」「(行為・人などを)称賛する」の意味で使われることが多い。 4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての意味に加え、関連語句(glorification, gloriousなど)も合わせて覚えること。類義語(praise, admire, worshipなど)とのニュアンスの違いを理解することが重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。 2. 頻度と級・パート: 出題頻度は英検ほど高くないが、ビジネス文書やニュース記事形式の長文で稀に出題される。 3. 文脈・例題の特徴: 企業の業績や製品を「称賛する」「宣伝する」意味合いで使われることが多い。例:glorify the company's achievements (会社の業績を称賛する)。 4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス英語特有の言い回しの中で使われることが多いので、文脈から意味を推測する練習が必要。類義語(promote, celebrate, commendなど)との使い分けを意識すること。
1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解問題)。 2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に歴史、社会学、文化人類学などの分野でよく見られる。 3. 文脈・例題の特徴: ある人物、思想、文化などを「美化する」「理想化する」という意味合いで使われることが多い。客観的な記述を装いつつ、特定の視点を強調する際に用いられる。 4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が大きく変わるため、前後の文脈を注意深く読むことが重要。批判的な視点を含む文章で使われることもあるため、筆者の意図を正確に把握する必要がある。
1. 出題形式: 主に長文読解問題。文脈の中で意味を推測させる問題や、同意語・類義語を選択させる問題が出題される。 2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で比較的頻繁に出題される。 3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文化、科学など、幅広いテーマの文章で使われる。特定の思想や行動を「美化する」「正当化する」という意味合いで使われることが多い。 4. 学習者への注意点・アドバイス: 単語の意味だけでなく、文章全体の内容を理解することが重要。文脈から意味を推測する練習を重ねることが効果的。過去問で出題傾向を把握することも大切。