enter
第1音節にアクセントがあります。/e/ は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いて発音します。「タ」の後に続く /ər/ は、口を軽く開け、舌を丸めるようにして曖昧母音を発音します。日本語の「ア」と「ウ」の中間のような音を意識すると良いでしょう。語尾の「r」は、アメリカ英語では舌を巻く発音になりますが、イギリス英語ではほとんど発音されません。
中に入る
文字通り空間や建物の中に入る動作。物理的な侵入だけでなく、システムや組織に加わる意味合いでも使われる。例: Enter a room, enter a competition.
After a long day, I was so tired I just wanted to enter my cozy room.
長い一日を終えて、私はとても疲れていたので、ただ自分の居心地の良い部屋に入りたかった。
※ へとへとになった一日の終わりに、ようやく自分の部屋に戻ってホッと一息つく情景が目に浮かびますね。「enter」は、このように物理的な空間(部屋、家、建物など)に「中に入る」という、最も基本的な動作を表すときに使われます。自分のプライベートな空間に戻る安心感が伝わります。
The excited children waited patiently to enter the amusement park gate.
興奮した子供たちは、遊園地の門に入るために辛抱強く待っていました。
※ 遊園地の入り口で、目を輝かせながら入場を心待ちにしている子供たちの姿が目に浮かびます。「enter」は、テーマパークや施設、イベント会場など、特定の場所や敷地へ「入る」ときにも非常によく使われます。ルールを守って順番を待つ様子も伝わる、自然なシーンです。
Please knock before you enter my office, especially when I'm concentrating.
特に私が集中しているときは、私のオフィスに入る前にノックしてください。
※ オフィスで集中して仕事をしている時に、誰かが配慮なく入ってくるのを避けたい、という気持ちが伝わりますね。「enter」は、このように「〜に入る」ことを相手に依頼したり、指示したりする場面でも頻繁に使われます。ビジネスシーンや、他者への配慮を求める場面で役立つ表現です。
入力する
キーボードやタッチパネルなどを使って、情報をコンピュータやシステムに入力すること。例: Enter your password.
I quickly entered my password to check the urgent message on my phone.
私は急いでスマホにパスワードを入力し、緊急のメッセージを確認しました。
※ スマホのロックを解除したり、ウェブサイトにログインしたりする際に、パスワードを「入力する」という場面でよく使われます。急いでいる様子が伝わる、日常的で典型的なシーンです。
The office worker carefully entered all the sales data into the computer system.
その会社員は、すべての売上データを慎重にコンピューターシステムに入力しました。
※ オフィスでデータや情報をコンピューターに「入力する」という、ビジネスシーンで頻繁に使われる典型的な状況です。正確さが求められる、集中している様子が目に浮かびますね。
Please enter your name and email address in the form below to sign up.
登録するために、下のフォームにお名前とメールアドレスを入力してください。
※ オンラインでの登録や申し込みの際に、ウェブサイトなどでよく見かける指示文です。「情報をフォームに記入する」という文脈で非常によく使われます。`Please`がつくと丁寧な依頼になります。
入り口
建物や場所への入り口。動詞の意味から派生して、入り口そのものを指す名詞として使われる。例: The enter to the building.
The small cat quickly ran toward the open entrance of the house.
その小さな猫は、家の開いている入り口に向かって素早く走っていった。
※ この例文は、家などの建物にある物理的な「入り口」を描写しています。猫がわくわくしながら家の中に入っていく様子が目に浮かびますね。「entrance」は「入り口」という名詞で、場所や空間への出入り口を指します。一方、「enter」は「入る」という動詞で、中に入る動作を表します。例えば、猫が家に入ったことを言うなら「The cat entered the house.」となります。
We waited patiently by the main entrance of the concert hall.
私たちはコンサートホールの正面入り口で辛抱強く待った。
※ イベント会場や公共の大きな建物における「入り口」の典型的な使い方です。たくさんの人が集まる場所の「正面入り口」や「メインエントランス」を想像できます。ここでも「entrance」は名詞として「入り口」を意味します。「enter」は動詞なので、「私たちはコンサートホールに入った」と言いたい場合は「We entered the concert hall.」のように使います。
Finding a good job was my entrance into the adult world.
良い仕事を見つけることが、私の大人社会への入り口だった。
※ この例文では、「entrance」が物理的な場所だけでなく、ある状態や段階へ「入っていくこと」や「きっかけ」を比喩的に表現しています。新しい世界への「入り口」と感じる、心境の変化が伝わりますね。このように「entrance」は抽象的な意味で使われることもあります。あくまで「enter」は「中に入る」という動作を表す動詞であり、名詞の「入り口」ではないことを覚えておきましょう。
コロケーション
契約/合意を締結する
※ 「enter into」は、フォーマルな状況で「~に参加する」「~を始める」という意味合いを持つ表現です。特にビジネスシーンや法律関係で、契約や合意といった正式な手続きを開始する際に頻繁に使われます。単に「sign a contract」と言うよりも、その契約に関わるプロセス全体、つまり交渉や検討を経て最終的に合意に至るニュアンスを含んでいます。例えば、'The company entered into a contract with a new supplier.' (会社は新しいサプライヤーと契約を締結した。)のように使います。口語では 'sign' が好まれますが、契約書などの文書では 'enter into' がより適切です。
有罪/無罪の答弁をする
※ 法廷で被告が自身の罪状について答弁を行う際に用いられる、法律用語です。「plea」は「嘆願」という意味もありますが、ここでは「答弁」を指します。このフレーズは、刑事訴訟において非常に重要な手続きの一部であり、被告の権利と義務に関わるものです。単に「guilty/not guilty」と言うよりも、正式な法的手続きに則って答弁を行うというニュアンスが込められています。例えば、'He entered a plea of not guilty to the charges.' (彼は罪状に対して無罪の答弁をした。)のように使われます。日常会話ではまず使いませんが、ニュースや法廷ドラマなどで頻繁に耳にする表現です。
(考えなどが)人の心に浮かぶ、頭に思い浮かぶ
※ この表現は、ある考えやアイデアが自然に人の意識に現れる様子を表します。能動的に考えるというよりは、思考が受動的に発生するイメージです。類似の表現として「cross one's mind」がありますが、「enter someone's mind」の方が、より強い印象や、考えが深く根付くニュアンスを含むことがあります。例えば、'The thought never entered my mind.' (そんなことは考えもしなかった。)のように使います。日常会話や文学作品など、幅広い場面で使われます。
労働市場/市場に参入する
※ 「workforce」は労働人口全体、「marketplace」は市場全体を指し、これらの場所に新たに加わることを意味します。卒業して初めて就職する、新しい製品やサービスが市場に投入される、といった文脈で使われます。単に「start working」や「launch a product」と言うよりも、より広い経済的な動きや変化の一部であることを強調するニュアンスがあります。例えば、'Many young people are entering the workforce after graduating from college.' (多くの若者が大学卒業後に労働市場に参入している。)のように使われます。ビジネスや経済に関するニュースでよく見かける表現です。
~の精神/雰囲気に溶け込む、~を楽しむ
※ この表現は、特定のイベントや活動、あるいは状況の持つ雰囲気や精神を積極的に受け入れ、楽しむ様子を表します。「spirit」は「精神」「気分」といった意味合いで、その場の空気感や一体感を強調します。例えば、クリスマスパーティーで積極的にゲームに参加したり、ハロウィンの仮装を心から楽しんだりする状況で使われます。'He really entered into the spirit of the party.' (彼は本当にパーティーを楽しんでいた。)のように使われます。日常会話でよく使われ、相手に積極的に参加を促す際にも用いられます。
競技会/コンテストに参加する
※ この表現は、何らかの競争的なイベントに自ら参加することを意味します。単に「join」と言うよりも、積極的に勝利を目指して参加するというニュアンスが含まれます。「competition」はスポーツや学術的な競技会、「contest」は歌やダンス、料理などのコンテストに使われることが多いです。例えば、'She decided to enter a singing contest.' (彼女は歌のコンテストに参加することを決めた。)のように使われます。日常会話からニュース記事まで、幅広い場面で使われます。
使用シーン
論文や教科書で頻繁に使用されます。例えば、データ分析の文脈で「データを入力する(enter data)」や、ある分野に「参入する(enter a field)」といった意味で使われます。また、コンピューターサイエンス分野では、プログラムに「入力する」という意味で不可欠な単語です。
ビジネス文書や会議で、データ入力、市場参入、システムへのログインなど、様々な状況で使用されます。例:「顧客情報をデータベースに入力する(enter customer information into the database)」「新規市場に参入する(enter a new market)」といった表現が一般的です。フォーマルな文脈で使用されることが多いです。
日常会話では、「建物に入る(enter a building)」という意味で比較的よく使われます。また、オンラインフォームに情報を「入力する(enter information)」といった状況でも使用します。例:「玄関から入る(enter through the front door)」「パスワードを入力する(enter your password)」など、生活に密着した場面で登場します。
関連語
類義語
『参加する』『加わる』という意味。グループ、組織、活動などに参加する場合に使われる。日常会話、ビジネス、コミュニティなど幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が物理的な場所への進入を意味することが多いのに対し、『join』は抽象的なグループや活動への参加を意味する。また、『join』は既存の集団の一員になるニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『enter』は他動詞としても自動詞としても使えるが、『join』は通常、他動詞として使われる。また、『enter a room』のように具体的な場所に使われるのに対し、『join a club』のように組織やグループに使われる。
『貫通する』『浸透する』という意味。物理的なものだけでなく、市場や社会など抽象的なものにも使われる。学術的な文脈や、ややフォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が単に『入る』という行為を指すのに対し、『penetrate』は『突き抜ける』『内部に深く入り込む』というニュアンスを含む。より強い力や影響力を伴う場合に使われる。 【混同しやすい点】『penetrate』は通常、他動詞として使われ、目的語が必要。また、『enter』よりもフォーマルな語であり、日常会話ではあまり使われない。比喩的な意味合いで使われることが多い点も異なる。
『アクセスする』『利用する』という意味。場所、情報、システムなどにアクセスする場合に使われる。IT関連、ビジネス、学術など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が物理的な場所への進入を指すのに対し、『access』は場所だけでなく、情報やシステムなどの利用権を得て利用するニュアンスを含む。より抽象的な概念へのアクセスを意味することが多い。 【混同しやすい点】『access』は名詞としても動詞としても使われる。動詞として使う場合は他動詞であり、目的語が必要。また、『enter』よりもフォーマルな語であり、ITやビジネスの文脈で頻繁に使われる。
『潜入する』『侵入する』という意味。秘密裏に、または敵対的な状況下で組織や場所に入り込む場合に使われる。スパイ活動、軍事作戦、ジャーナリズムなど、特殊な状況で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が単に『入る』という行為を指すのに対し、『infiltrate』は秘密裏に、または敵対的な意図を持って入り込むニュアンスを含む。不正な目的を伴うことが多い。 【混同しやすい点】『infiltrate』は通常、他動詞として使われ、目的語が必要。また、『enter』よりも限定的な状況で使用され、日常会話ではあまり使われない。ネガティブな意味合いが強い点も異なる。
『乗り込む』『始める』という意味。船や飛行機に乗り込む場合や、新しい事業や活動を始める場合に使われる。フォーマルな場面や、文学的な表現で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が場所への進入を指すのに対し、『embark』は乗り物への乗船や、新しい活動の開始を意味する。また、『embark』は比喩的な意味合いで使われることが多い。 【混同しやすい点】『embark』は自動詞としても他動詞としても使える。自動詞の場合は前置詞『on』を伴うことが多い(例:embark on a journey)。また、『enter』よりもフォーマルな語であり、日常会話ではあまり使われない。
『(外国へ)移住する』という意味。永住目的で他の国へ入国する場合に使われる。法律、社会学、歴史などの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『enter』が単に『入る』という行為を指すのに対し、『immigrate』は永住目的で国境を越えて入国するニュアンスを含む。長期的な居住を意図する場合に使われる。 【混同しやすい点】『immigrate』は自動詞であり、通常、前置詞『to』を伴う(例:immigrate to America)。また、『enter』よりも具体的な状況で使用され、法律や社会学などの文脈で頻繁に使われる。
派生語
名詞で「入り口」「入場」の意味。動詞の「enter」から派生し、場所や権利など、何かに「入る」行為や場所そのものを指す。日常会話からビジネス、フォーマルな場面まで幅広く使用される。比喩的に「デビュー」「参入」の意味でも使われる。
- entering
動名詞または現在分詞として使用。「入ること」「入っている状態」を表す。具体的に何かが入ってくる状況や、手続きの開始などを示す際に用いられる。例えば、競技会への参加(entering a competition)など。
「事業」「企業」という意味の名詞。元々は「enter」の語源であるフランス語の「entreprendre(着手する)」に由来し、「何か新しいことを始める」というニュアンスを含む。ビジネスシーンで頻繁に使用され、新規事業や冒険的な試みを指すことが多い。
反意語
「出口」「退場」を意味する。enterが「入る」のに対し、exitは「出る」という直接的な対義語。場所からの退出だけでなく、組織からの離脱やプログラムの終了など、比喩的な意味でも用いられる。日常会話、ビジネス、ITなど幅広い分野で使用される。
「去る」「出発する」という意味。enterが「ある場所や状態に入る」のに対し、leaveは「そこから離れる」という反対の動作を示す。exitよりも広い意味を持ち、物理的な場所だけでなく、人間関係や状況から離れる場合にも使われる。日常会話で非常によく使われる基本的な語彙。
「撤退する」「引き出す」という意味。enterが「参加する」「加入する」という意味を持つ文脈において、withdrawは「そこから手を引く」「取り下げる」という反対の行為を表す。軍事的な撤退、銀行からの預金引き出し、提案の取り下げなど、フォーマルな場面やビジネスシーンで使われることが多い。
語源
「enter」の語源は、ラテン語の「inter」(~の間)に由来します。これはさらに、「in」(中に)と「-ter」(比較級を作る接尾辞)が組み合わさったものです。つまり、もともとは「~の間に入る」という概念を表していました。この「間」というニュアンスから、「ある場所の中へ」という意味に発展し、現代英語の「中に入る」という意味につながっています。また、データなどを「入力する」という意味も、文字や情報を「システムという空間の中に入れる」というイメージから派生したと考えられます。日本語の「インターホン」や「インターネット」などの「インター」も同様に「間」を表す接頭辞であり、「enter」と共通の語源を持つと考えると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「enter」は、単なる侵入ではない。それは未知への扉を開き、新たな世界、状態、関係性への移行を意味する。中世の城への入城は忠誠の証。演劇では登場人物の登場を告げ、運命の舞台へと誘う。現代では、大学や企業への参加、デジタル世界へのアクセスなど、自己成長の機会を象徴する。競争や挑戦の始まりでもあり、勝利への道を切り開く。常に変化と成長、未知への挑戦を意味する言葉、それが「enter」だ。
混同しやすい単語
発音が似ており、どちらもカタカナで表現すると「センター」となるため混同しやすい。'enter' は「入る」という意味の動詞だが、'centre' は「中心」という意味の名詞(イギリス英語の綴り)。アメリカ英語では 'center' と綴る点も注意が必要。語源的には、どちらもラテン語の 'centrum'(中心)に由来するが、'enter' は 'in' (中へ) を意味する接頭辞が付いている。
接頭辞 'inter-' は「〜の間」という意味を持ち、'interact'(相互作用する)、'international'(国際的な)など、他の単語でもよく使われるため、'enter' と混同しやすい。'inter' 自体は動詞として「埋葬する」という意味を持つ(例:be interred)。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。
'enter' とスペルが似ており、発音も近い ('ɑːntreɪ')。フランス語由来の単語で、アメリカ英語ではメインディッシュの前に出される料理、イギリス英語ではメインディッシュそのものを指す。レストランのメニューなどで見かける機会があるため、'enter' と間違えないように注意。
'enter' とスペルが似ており、特に語尾の 'ent' の部分が共通しているため混同しやすい。'indent' は「字下げする」という意味の動詞、または「字下げ」という意味の名詞。文章作成やプログラミングなどで使われる。発音も 'enter' と似ているため、文脈で判断する必要がある。
語尾の '-ter' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。'winter' は「冬」という意味の名詞。発音は 'enter' とは異なるものの、早口で発音すると聞き間違える可能性がある。季節を表す基本的な単語なので、'enter' と混同しないように注意。
発音が非常に似ており、カタカナで表現するとどちらも「センター」となる。'enter' は「入る」という意味の動詞だが、'center' は「中心」という意味の名詞(アメリカ英語の綴り)。イギリス英語では 'centre' と綴る点も注意が必要。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要がある。
誤用例
日本人が『enter』を『入力する』という意味で覚えているため、『意見を入力する』という発想からこの誤用が生まれます。しかし、英語の『enter』は物理的な場所やシステム、リストなど『中に入る』というニュアンスが強く、抽象的な意見に対しては不自然です。意見を『考慮する』という意味で伝えたい場合は、『consider』が適切です。日本語の『〜を考慮に入れる』という表現に引きずられず、英語では意見を『入力』するのではなく、『検討』するという発想を持つことが重要です。
『enter』は、場所や組織に『入る』という行為を表しますが、フォーマルな文脈で『会社に入る』、つまり『入社する』という意味では、『join』を使う方が自然です。『enter』は、例えば『enter a building』のように、具体的な場所に入るときに使います。日本人が『入る』という言葉を直接的に英語にしようとする際に起こりやすい誤りです。ビジネスシーンでは、組織への所属を表す場合は『join』を使いましょう。また、日本語の『会社に入る』は、英語では『become a member of the company』というニュアンスに近いため、『join』がより適しています。
『enter』は物理的な空間やシステムへの侵入を意味することが多く、比喩的に使う場合でも、相手の心に土足で踏み込むような、やや強引なニュアンスを含みます。相手の気持ちや考えを理解しようとする場合は、『understand her perspective』や『empathize with her feelings』といった表現がより適切です。日本語の『相手の心に入る』という表現をそのまま英語にすると、文化的背景の違いから誤解を招く可能性があります。英語では、相手を尊重し、慎重な姿勢で理解を試みるニュアンスを伝えることが重要です。
文化的背景
「enter」は単に物理的な空間に入るだけでなく、新しい世界、状態、関係性への移行を象徴します。それは未知への扉を開き、変化と成長の機会をもたらす行為なのです。中世の城への入城は、権力と支配の象徴であり、許可を得て「enter」することは忠誠を示す行為でした。物語の中では、禁断の森に足を踏み入れる主人公、異世界への入り口を見つける冒険者など、「enter」は常に危険と希望が隣り合わせのイベントとして描かれます。
演劇の世界では、「enter」は登場人物の登場を指示する舞台用語として不可欠です。舞台に「enter」することは、物語への参加、運命の舞台への登場を意味し、観客の注目を集めます。シェイクスピア劇では、王侯貴族が「enter」する際の荘厳な音楽や儀式を通して、彼らの権威と存在感を示しました。また、登場人物が「enter」するタイミングや場所は、物語の展開や人物関係を暗示する重要な要素となります。例えば、『ハムレット』で亡霊が「enter」する場面は、物語全体の不穏な空気を決定づけるでしょう。
現代社会においても、「enter」は物理的な空間だけでなく、抽象的な領域への参加を意味します。大学への入学(enter university)、企業への入社(enter a company)は、新たなコミュニティへの参加、自己成長の機会を得ることを意味します。また、パスワードを入力してシステムに「enter」することは、デジタルな世界へのアクセス権を得ることを意味します。これらの行為は、単なる手続きではなく、新しい世界への一歩を踏み出すという意識を伴います。
さらに、「enter」は競争や挑戦の始まりを意味することもあります。スポーツの世界では、大会に「enter」することは、勝利を目指して戦うことを意味します。ビジネスの世界では、市場に「enter」することは、競争に身を投じ、生き残りをかけた戦いに挑むことを意味します。これらの状況において、「enter」は単なる参加ではなく、自己の能力を試し、限界に挑戦する機会となります。このように、「enter」は、常に変化と成長、そして未知への挑戦を象徴する言葉として、私たちの文化に深く根付いているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、英作文(意見論述)、リスニング(場面設定)。2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマ。意見論述では、enter into a discussion/agreementなどの表現が使える。4. 学習者への注意点・アドバイス: 多義語なので、文脈に応じた意味を把握する必要がある。enter into(〜に参加する、〜を始める)、enter on/upon(〜に着手する)などの句動詞も重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート: 全パートで登場する可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(会議、契約、市場参入など)で頻出。enter into a contract/agreementなどの表現がよく使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 類似語(join, participate)との使い分けを理解する。ビジネス文書におけるフォーマルな表現に慣れておく。
1. 出題形式: リーディング、ライティング。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 学術的な研究、論文、レポートなどで使われる。enter data/informationなどの表現がある。4. 学習者への注意点・アドバイス: 正確な読解力と語彙力が求められる。類義語(access, input)とのニュアンスの違いを理解する。アカデミックライティングで適切に使えるように練習する。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題、英作文。2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、歴史、哲学など幅広いテーマで登場。比喩的な意味で使われることもある。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。enter intoのイディオムや、enterprising(進取の気性に富む)のような派生語も覚えておくと有利。