disown
第一音節の /ɪ/ は日本語の「イ」よりも口をやや開き、短く発音します。第二音節の強勢(ˈ)に注意し、「ゾゥ」を意識して強く発音しましょう。/oʊ/ は二重母音で、「オ」から「ウ」へスムーズに移行させます。日本語の「オ」よりも唇を丸める意識を持つとより自然になります。
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勘当する
家族や親族との関係を公式に断ち切ること。法的な意味合いを含む場合もある。愛情の喪失や強い拒絶の感情が伴うことが多い。
After a big fight, the angry father decided to disown his rebellious son.
大喧嘩の後、怒った父親は反抗的な息子を勘当することに決めました。
※ この例文は、「disown」がよく使われる、親が子を「勘当する」という中心的な使い方を示しています。親子間の深刻な対立の末に、縁を切るという決断をする場面を想像できます。「rebellious son」は「反抗的な息子」という意味で、なぜ勘当に至ったのかの理由も少し伝わります。
The king had to disown his own daughter for bringing shame to the royal family.
その王は、王家に恥をもたらした自分の娘を勘当せざるを得ませんでした。
※ この例文では、「disown」が単に親子関係だけでなく、家族や組織の「一員であることを認めない」という意味で使われている様子がわかります。「had to disown」は「~せざるを得なかった」というニュアンスで、王の苦しい決断が伝わります。「bringing shame」は「恥をもたらす」という意味で、勘当の理由が具体的にイメージできます。
She feared her parents would disown her if she didn't follow their traditional rules.
彼女は、もし両親の伝統的な規則に従わなければ、勘当されてしまうのではないかと恐れていました。
※ この例文は、「disown」が「~されるかもしれない」という不安な気持ちを表現する際にも使われることを示しています。ここでは、親が子を勘当するかもしれないという、子の側の恐怖心が描かれています。「traditional rules」という言葉から、価値観の衝突が背景にあることが伝わり、より具体的な状況を想像しやすくなります。
見捨てる
支援や保護を必要とする人や物を、意図的に放置すること。責任放棄や冷酷な印象を与える。
Her father decided to disown her after she ran away from home.
彼女の父親は、彼女が家を飛び出した後、彼女との縁を切ることを決めた。
※ この例文は、家族関係において、親が子の行動に激怒したり失望したりして「もう自分の子供ではない」と宣言する、非常に感情的で厳しい状況を描写しています。`disown`は、単に「見捨てる」だけでなく、「関係を断ち切る」「自分のものと認めない」という強い意思を示すときに使われます。
The singer had to disown his old tweets because they were offensive.
その歌手は、不快な内容だったため、自身の過去のツイートを否定しなければならなかった。
※ ここでは、公の人物が過去の自分の発言や行動に対して「あれは今の自分のものではない」「責任は負わない」と否定する場面です。特に有名人が過去のSNS投稿で批判された際などに、その発言と距離を置こうとする典型的な状況で使われます。`offensive`は「不快な、攻撃的な」という意味です。
The company tried to disown the defective products to avoid responsibility.
その会社は、責任を回避するために、欠陥のある製品を自社のものではないと主張しようとした。
※ この例文は、企業が自社の製品や問題に対して「責任を負わない」と主張する、ビジネスの文脈で使われる例です。`defective products`(欠陥のある製品)や`avoid responsibility`(責任を回避する)というフレーズから、企業が不都合な事実から逃れようとする冷たい態度が伝わってきます。人間関係だけでなく、所有物や問題の責任を放棄する際にも`disown`が使われます。
否認する
自分の言動や関与を認めないこと。責任逃れや自己保身のために用いられることが多い。事実を隠蔽するニュアンスを含む。
After his son committed a serious crime, the father sadly decided to disown him.
息子が重大な犯罪を犯した後、父親は悲しそうに彼を勘当することに決めました。
※ この例文は、親が自分の子供を「勘当する」という、家族関係を断ち切る最も強い「disown」の使い方を示しています。悲しい決断であるという感情も伝わり、情景が目に浮かびます。
She quickly disowned the stolen bag, saying it was not hers at all.
彼女は盗まれたバッグは全く自分のものではないと言って、すぐに否認しました。
※ ここでは、自分の所有物だと疑われたものを「自分の物ではない」と強く否定する様子を表しています。特に、何か不都合なものや、責任を負いたくないものに対して使われることが多いです。
The politician tried to disown his controversial remarks from last year.
その政治家は、昨年の物議を醸した発言を否認しようとしました。
※ 「disown」は、過去の自分の言動や責任を「否認する」「認めない」という意味でも使われます。特に、都合の悪いことや批判されたことについて、自分のものとして認めない、というニュアンスが伝わります。
コロケーション
子供との法的または感情的な関係を断つ
※ 親が子供を法的に認知しない、または家族の一員として認めない行為を指します。親子関係の完全な断絶を意味し、遺産相続権の剥奪や、家族としての縁を切るという感情的な意味合いを含みます。使用頻度は高く、ドラマやニュースなどでも見られます。背景には、子供の行動や価値観が親の期待に反した場合などが考えられます。比喩的な意味合いは薄く、文字通りの意味で使われますが、非常に重い決断であることを示唆します。
責任を否認する、責任を放棄する
※ 本来負うべき責任や義務を認めず、それから逃れようとする行為を指します。企業や組織が問題発生時に責任を回避する際や、個人が自分の過ちを認めない場合などに用いられます。ビジネスシーンや政治的な文脈でよく見られます。似た表現に 'shirk responsibility' がありますが、'disown' はより強く、公式な拒否のニュアンスを含みます。
以前信じていた信念を捨てる、またはそれを公に否定する
※ 過去に抱いていた信念や主義主張を、考えが変わったために放棄し、それを公に表明することを意味します。政治家が以前の政策を転換する際や、宗教的な改宗など、思想的な変化を伴う場合に用いられます。フォーマルな場面や、自己のアイデンティティの変化を強調する際に適しています。'renounce a belief' と似ていますが、'disown' はより個人的な感情や過去との決別を含意します。
(自分が)知識を持っていないことを明言する、知らないふりをする
※ ある事柄について知っているはずなのに、あえて知らないと主張すること。責任逃れや自己保身のために使われることが多いです。例えば、不正行為に関わった人物が、事態を把握していなかったと主張するような状況です。この使い方はやや皮肉なニュアンスを含み、相手の嘘を見抜いていることを暗に示すことがあります。口語的な表現というよりは、ややフォーマルな文脈、例えば法廷や調査の場面などで使われることがあります。
家族から勘当される、家族から見放される
※ 受動態の形ですが、非常によく使われる表現です。家族構成員による重大な違反行為や、価値観の相違が原因で、家族から正式に受け入れられなくなる状況を示します。単に仲が悪いというレベルではなく、法的な手続きや公的な宣言を伴うこともあります。文学作品やドラマでよく見られ、家族関係の断絶という深刻なテーマを扱う際に用いられます。'ostracized by one's family' と似ていますが、'disowned' はより強い拒絶の意を表します。
忠誠心を捨てる、所属していた組織や国家への忠誠を拒否する
※ 以前は忠誠を誓っていた対象(国家、組織、指導者など)に対して、その忠誠を放棄し、関係を断つことを意味します。政治的な文脈や、組織からの離脱を表明する際に用いられます。例えば、亡命者が以前の祖国への忠誠を捨てる場合や、宗教団体から脱退する際に使われます。'renounce allegiance' とほぼ同義ですが、'disown' はより感情的なニュアンスを含み、過去との決別を強調します。
使用シーン
学術論文や書籍で、特定の理論や主張を「否認する」「放棄する」という意味で使用されます。例:先行研究の誤りを指摘し、『その理論をdisownする』と述べる。研究分野によっては、特定の学説との関係性を断つ場合にも使われます。
企業の倫理規定や声明などで、不祥事を起こした従業員や取引先との関係を「断つ」「見捨てる」という意味で使用されることがあります。例:不適切な会計処理が発覚した場合、『会社は当該担当者をdisownする』という声明を発表する。また、プロジェクトの失敗を受けて、過去の計画を公式に否認する場合にも使われます。
日常会話では、家族関係や友人関係において、誰かを「勘当する」「見捨てる」という意味で使われることがあります。ただし、非常に強い言葉なので、実際に使う場面は限られます。例:親が子どもの非行に手を焼き、『あの子をdisownするしかないかもしれない』と嘆く。ニュースやドラマで、遺産相続を巡る争いの中で使われることもあります。
関連語
類義語
拒絶するという意味で、申し出、アイデア、人など、幅広い対象に対して使われます。ビジネス、政治、日常会話など、様々な場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】disownが家族や関係性を断つニュアンスが強いのに対し、rejectはより一般的な拒否を表します。感情的な繋がりよりも、合理的な判断に基づく拒否に使われることが多いです。 【混同しやすい点】rejectは他動詞であり、必ず目的語が必要です。また、disownほど感情的な重みがないため、軽い拒否にも使えます。
- repudiate
公式に否定する、拒否するという意味で、主張、信念、義務などを放棄する際に使われます。法律、政治、学術的な文脈でよく見られます。 【ニュアンスの違い】disownが家族や親しい関係を断つことに特化しているのに対し、repudiateはより形式的で公的な否定を意味します。強い非難や責任の放棄といったニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】repudiateはフォーマルな単語であり、日常会話ではあまり使われません。また、disownのように個人的な感情よりも、公的な立場からの否定に使われることが多いです。
権利、称号、信念などを放棄するという意味で、公式な場面や宣言で使われることが多いです。王位継承権の放棄、宗教的な信念の放棄などが典型的な例です。 【ニュアンスの違い】disownが家族関係を断つ意味合いが強いのに対し、renounceはより広範な権利や立場を放棄することを指します。自己犠牲や高潔さといったニュアンスを含むことがあります。 【混同しやすい点】renounceはフォーマルな単語であり、日常会話ではあまり使われません。また、disownのように感情的な繋がりよりも、理性的な判断に基づく放棄に使われることが多いです。
- disavow
知らないと主張する、責任を否定するという意味で、関与を否定したり、責任を回避したりする際に使われます。政治的な文脈や法的な文脈でよく見られます。 【ニュアンスの違い】disownが家族関係を断つ意味合いが強いのに対し、disavowはより間接的な関係や責任の否定を意味します。自分の行動や発言の結果に対する責任を逃れようとするニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】disavowはフォーマルな単語であり、日常会話ではあまり使われません。また、disownのように感情的な繋がりよりも、自己保身のために否定するというニュアンスが強いです。
(特に不要なものを)捨てる、見捨てるという意味で、物や人を手放す際に使われます。比喩的に、過去の習慣や考え方を捨てる際にも使われます。 【ニュアンスの違い】disownが家族関係を断つ意味合いが強いのに対し、cast offはより広い意味で、不要になったものを捨てることを指します。感情的な繋がりよりも、実用性や必要性に基づいて手放すというニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】cast offは句動詞であり、目的語の位置に注意が必要です(例:cast off the old clothes)。また、disownのように深い感情的な葛藤よりも、冷静な判断に基づく放棄というニュアンスが強いです。
見捨てる、見放すという意味で、困難な状況にある人や物を置き去りにする際に使われます。文学作品や宗教的な文脈でよく見られます。 【ニュアンスの違い】disownが家族関係を断つ意味合いが強いのに対し、forsakeはより一般的な見捨てを意味します。愛情や忠誠心の欠如といったニュアンスを含み、道徳的な非難を伴うことがあります。 【混同しやすい点】forsakeは古風な単語であり、日常会話ではあまり使われません。また、disownのように個人的な感情よりも、道徳的な責任を放棄するというニュアンスが強いです。
派生語
『(才能などを)授ける、恵む』という意味の動詞。『dis-(分離)』とは反対に、『en-(中に入れる)』+『dow(財産)』で構成され、元々は『財産を授ける』意味から転じて、能力や資質を与える意味合いになった。フォーマルな場面や、才能や特質を強調する文脈で使用される。
『持参金』という意味の名詞。『dow(財産)』に由来し、結婚の際に女性が持参する財産を指す。現代ではあまり一般的ではないが、歴史的な文脈や社会学的な議論で登場する。語源を理解することで、disownの『財産からの分離』というニュアンスがより鮮明になる。
反意語
『(事実や関係を)認める、承認する』という意味の動詞。『disown』が関係性を否定するのに対し、『acknowledge』は関係性を肯定的に認める。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用される。特に法的な場面で、親族関係や責任を『acknowledge』するかどうかが重要になる。
『(子供を)養子にする』という意味の動詞。『disown』が親子の関係を断絶するのに対し、『adopt』は法的に親子関係を構築する。比喩的には、『(考え方などを)採用する』という意味でも使われる。日常会話やニュース記事などで頻繁に見られる。
語源
「disown」は、否定を表す接頭辞「dis-」と、所有を意味する動詞「own」が組み合わさってできた単語です。「dis-」はラテン語の「dis-」(分離、否定)に由来し、英語では「反対」「除去」といった意味合いを加えます。例えば、「disagree」(同意しない)や「disappear」(消える)などにも見られます。「own」は古英語の「āgnian」(所有する)に遡り、自分自身のものとして認める、所有するという意味を持ちます。したがって、「disown」は文字通りには「自分のものとして認めない」という意味になり、そこから「勘当する」「見捨てる」「否認する」といった意味に発展しました。日本語で例えるなら、「縁を切る」という表現が近いかもしれません。かつて家族や財産を「own」(所有)していた関係を、「dis-」(否定)するというイメージです。
暗記法
「disown」は単なる絶縁ではない。家父長制下では、社会的地位の剥奪、経済的困窮、精神的孤立を意味した。中世では一族の権威を守る手段。リア王が娘を「disown」した場面は、王権の失墜と社会崩壊を象徴する。現代ではLGBTQ+の拒絶という形で現れ、差別と偏見の象徴ともなる。過去の自分を「disown」することは、自己変革の苦悩を伴う。感情、価値観、社会構造が絡み合う、重い言葉なのだ。
混同しやすい単語
『disown』から接頭辞『dis-』を取り除いた単語。発音とスペルが非常に似ているため、文脈を誤ると意味を混同しやすい。『own』は『所有する』という意味の動詞、または『自身の』という意味の形容詞として使われます。接頭辞『dis-』が付くことで意味が反転することに注意が必要です。
発音が似ており(特に母音部分)、スペルも一部重なっているため、混同される可能性があります。『deign』は『(相手に屈辱感を与えるような態度で)~してやる』という意味の動詞で、高位の人が恩着せがましく何かをするニュアンスがあります。意味が大きく異なるため、文脈で判断する必要があります。また、語源的には『dignity(尊厳)』と関連があり、高位の者が『尊厳を曲げて~する』というイメージです。
語頭の『d』の音と、それに続く母音の響きが似ているため、発音を聞き間違える可能性があります。『drown』は『溺れる』という意味の動詞で、スペルも似ているため視覚的にも混同しやすいです。意味が全く異なるため、文脈で区別する必要があります。特に、過去分詞形(drowned)で形容詞的に使われる場合、注意が必要です。
接頭辞が異なるものの、語幹部分(sign/own)の文字数が同じで、かつどちらも二音節の動詞であるため、スペルと発音の両面で混同しやすいです。『resign』は『辞任する』という意味で、フォーマルな状況でよく使われます。接頭辞『re-』(再び)はここでは強調の意味合いを持ち、『自分の身を引く』というニュアンスです。
こちらも接頭辞が異なるものの、語幹の文字数が同じで、かつ二音節の動詞であるため、スペルと発音の両面で混同しやすい。『design』は『設計する』という意味で、名詞としても使われます。発音記号を確認し、アクセントの位置が異なる点に注意すると良いでしょう。
音の響きが部分的に似ており、特に語尾の「-ain」の部分が共通しているため、発音を聞き間違える可能性があります。『detain』は『拘留する、引き留める』という意味の動詞で、『disown』とは意味が大きく異なります。主に法律や警察関連の文脈で使われることが多い単語です。
誤用例
『Disown』は、家族や親族との関係を断絶するという、非常に強い拒絶の意思を表す言葉です。単に所有物を手放す、という意味で使うのは不適切です。多くの日本人は、英語の単語を字義通りに捉え、日本語の『縁を切る』のような強い意味合いがあることを理解せずに使ってしまうことがあります。車を手放す場合は、より穏やかな表現である『get rid of』や『sell』を使うのが自然です。英語では、人間関係や家族関係に使う言葉を、物に対して使うと大げさに聞こえることがよくあります。
『Disown』は、自分の子どもや家族、またはかつて支持していた思想や行動などに対して、公的に関係を否定する際に使われます。ある理論との関係を断つ、という意味で使う場合、ニュアンスが強すぎることがあります。スキャンダルを受けて距離を置く、という文脈では、『distance oneself from』を使う方が適切です。日本人は、英語の単語を『放棄する』といった意味で捉えがちですが、『disown』は単なる放棄ではなく、道徳的な非難や責任回避の意図を含む、より強い感情を表します。英語では、行動の主体が人間である場合、その行動が持つ倫理的な意味合いが重要になります。
『Disown』は、法的な権利を剥奪したり、遺産相続権を失わせたりするような、非常に深刻な状況で使われることが多い言葉です。単に家族との関係が疎遠になった、という状況を説明するには強すぎる表現です。このような場合は、『estranged』を使う方が適切です。日本人が『勘当する』という言葉をイメージして安易に『disown』を使ってしまうことがありますが、英語では、家族関係の断絶は、より慎重に言葉を選ぶ必要があります。文化的背景として、欧米では家族の絆を重視する一方で、個人の自由や選択を尊重する考え方も根強いため、家族関係の断絶は非常に重い意味を持ちます。
文化的背景
「disown」という言葉は、単に親子関係を断絶するだけでなく、個人のアイデンティティや社会的地位を根底から否定する、重く、感情的な意味合いを帯びています。特に、家父長制的な社会構造において、家族からの拒絶は、経済的困窮だけでなく、精神的な孤立をも意味し、その人の存在意義を揺るがしかねない行為として捉えられてきました。
歴史的に見ると、「disown」は、相続権の剥奪や、一族の財産からの排除といった、具体的な法的・経済的な制裁と密接に結びついていました。中世ヨーロッパでは、不名誉な行為をした家族の一員を「disown」することで、一族全体の評判を守り、権威を維持する手段として用いられました。文学作品においても、「disown」はしばしば、主人公の運命を大きく左右する出来事として描かれます。例えば、シェイクスピアの『リア王』では、リア王が娘たちを「disown」したことが、悲劇の幕開けとなります。この行為は、単なる親子の断絶ではなく、王としての権威の失墜、そして社会秩序の崩壊を象徴しているのです。
現代社会においても、「disown」は、LGBTQ+の人々が家族から拒絶されるという形で、深刻な問題として存在しています。宗教的な信念や伝統的な価値観を理由に、性的指向や性自認を理由に子供を「disown」する親は少なくありません。このような行為は、当事者にとって計り知れない苦痛をもたらし、精神的な健康を損なうだけでなく、社会的な孤立を深める原因となります。近年では、「disown」という言葉は、単に家族関係の断絶を意味するだけでなく、差別や偏見の象徴としても捉えられるようになり、その使用には慎重さが求められるようになっています。
さらに、「disown」は、自己の過去や信念を否定するという、より抽象的な意味合いでも用いられます。例えば、かつて信奉していたイデオロギーや、過去の自分の行動を「disown」することで、新たな自己を確立しようとする試みは、自己変革の過程においてしばしば見られます。しかし、この場合でも、「disown」は、過去との断絶、そして自己同一性の危機という、重いテーマを内包していることを忘れてはなりません。このように、「disown」という言葉は、単なる語彙としてだけでなく、人間の感情、価値観、そして社会構造と深く結びついた、文化的・歴史的な背景を持つ言葉として理解することが重要です。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(空所補充)
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でも稀に見られる。
- 文脈・例題の特徴: 家族関係、社会問題、倫理観など、やや硬いテーマの長文読解で登場しやすい。例:A parent might disown a child for certain actions.
- 学習者への注意点・アドバイス: 「縁を切る」「勘当する」「否認する」など、文脈によって意味が異なるため、長文全体の内容から判断する必要がある。類義語である'reject'や'abandon'とのニュアンスの違いを理解しておくこと。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEICでは出題頻度は比較的低い。Part 7でビジネス上の契約や声明に関連する文脈で稀に見られる。
- 文脈・例題の特徴: 企業が過去の過ちや責任を「否認する」という意味合いで使われることがある。例:The company disowned any responsibility for the incident.
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスの文脈で使われる場合は、「責任を否認する」という意味合いが強いことを覚えておく。TOEIC対策としては、他の頻出語彙を優先的に学習するのが効率的。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で稀に出題される。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、政治学などの分野で、ある人物や組織が過去の行動や思想を「否認する」という文脈で使われることがある。例:The government disowned the former regime's policies.
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLのリーディングでは、文脈から意味を推測する能力が重要。単語の意味だけでなく、文章全体の流れを理解することが大切。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で稀に出題される。標準的なレベルの大学ではあまり見られない。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文学など、幅広いテーマで登場する可能性がある。家族、組織、国家などが何かを「否認する」という文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。難関大学では、単語の意味を知っているだけでなく、文章全体を理解する力が求められる。類義語との違いも意識しておくと良い。