own
二重母音 /oʊ/ は、まず口を丸めて『オ』と発音し、すぐに『ウ』の形へ滑らかに移行させるのがコツです。日本語の『オ』よりも唇を丸める意識を持つと、よりネイティブに近い発音になります。語尾の /n/ は、舌先を上の歯の裏につけて発音する鼻音です。口を閉じて『ン』と言うのではなく、鼻から息を抜くように意識しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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自分自身の
所有や帰属を強調する。my own car(私自身の車), in my own way(私なりのやり方で)のように使う。
After years of saving, he finally bought his own small house.
何年も貯金して、彼はようやく自分自身の小さな家を買いました。
※ この例文は、長年の努力が実を結び、ついに「自分だけの家」を手に入れた男性の喜びと達成感を表しています。「his own house」とすることで、賃貸でも親のものでもなく、彼自身の所有物であることを強調しています。このように、目標達成や独立を表す場面でよく使われます。
She wanted to create her own unique project idea, not copy others.
彼女は他の人のをコピーするのではなく、自分自身のユニークなプロジェクトのアイデアを作りたかった。
※ この例文は、グループのアイデアに流されず、「自分自身の考え」を大切にする女性の強い意志を示しています。「her own idea」は、誰かの真似ではなく、彼女自身の独創的な発想であることを強調しています。仕事や学校で、オリジナリティを出す際にぴったりの表現です。
Since moving out, he has learned to cook his own meals every day.
一人暮らしを始めてから、彼は毎日自分自身の食事を作ることを学びました。
※ この例文は、一人暮らしを始め、自立した生活を送る男性の日常を描いています。「his own meals」は、外食や誰かに作ってもらうのではなく、「彼自身が手作りしている」ことを表します。このように、自分で何かを用意したり、責任を持って行ったりする状況で自然に使われます。
所有する
法的な所有権を持つことを示す。I own a house.(私は家を所有している)。比喩的に、責任や義務を負う意味でも使うことがある。
She finally owned her first small house after years of saving money.
彼女は何年も貯金した後、ついに自分の小さな家を所有しました。
※ この例文は、長年の夢が叶い、初めて自分の家を手に入れた喜びを表しています。「own」は、このように「自分のものにする、所有する」という強い意味合いで使われます。特に高価なものや大切なものを手に入れた時にぴったりです。努力が実を結んだ情景が目に浮かびますね。
The company proudly owns several large factories that produce cars.
その会社は、車を生産するいくつかの大きな工場を誇りをもって所有しています。
※ この例文は、企業が多くの「工場」という資産を所有している状況です。「own」は、このようにビジネスや組織が物や財産を所有していることを説明する際にも非常によく使われます。大規模な企業が自社の施設を所有している、という客観的な事実が伝わる典型的な例です。
My neighbor happily owns a very cute cat that loves to play.
私の隣人は、遊ぶのが大好きなとても可愛い猫を飼っています(所有しています)。
※ この例文は、隣人が「猫」というペットを飼っている(所有している)様子を描いています。「own」は、単に「持っている」という意味の「have」よりも、「正式に所有権がある」というニュアンスが強いです。特にペットの場合、愛情を込めて「飼っている」という気持ちも伝わります。隣人と猫が楽しく暮らしている様子が目に浮かびますね。
自分のもの
所有格の後に置いて、所有物を漠然と指す。He has a car of his own. (彼は自分の車を持っている)
She didn't want to borrow a book; she wanted one of her own to keep.
彼女は本を借りたくありませんでした。自分だけの本を手元に置いておきたかったのです。
※ この例文は、誰かのものを使うのではなく、「自分自身のもの」を持ちたいという強い気持ちを表しています。「one of her own」は「彼女自身のものの一つ」という意味で、特に「of one's own」の形でよく使われ、独立した所有を強調します。子どもが「自分だけの宝物」を欲しがるような、純粋な所有欲の場面です。
The old house had many rooms, but only one was truly his own.
その古い家にはたくさんの部屋がありましたが、本当に彼自身のものだったのは一つだけでした。
※ ここでは、広い家の中で「彼自身のもの」として特別に確保された部屋がある情景が描かれています。「his own」は「彼自身のもの」という意味で、他の部屋とは異なり、彼だけが自由に使える、プライベートな空間であることを強調しています。まるで秘密基地のような、特別な場所を手に入れたような感覚が伝わります。
After graduating, she finally moved into a small apartment of her own.
卒業後、彼女はついに自分自身の小さなアパートに引っ越しました。
※ この例文は、親元を離れて「自分自身の」生活を始める大人の自立を表しています。「an apartment of her own」は「彼女自身の(所有する)アパート」という意味で、自分の力で手に入れたもの、自分の責任で管理するもの、という達成感や自立のニュアンスが伝わります。新しい生活への期待と少しの緊張感が感じられる場面です。
コロケーション
互角に戦う、自分の立場を守る、自力でやっていく
※ 競争や困難な状況において、相手に負けずに自分の能力や立場を維持することを意味します。たとえば、議論で相手に言い負かされない、経済的な困難を乗り越える、病気と闘うなどの状況で使われます。特に、期待された水準を維持するニュアンスが含まれます。ビジネスシーンやスポーツ、個人的な挑戦など、幅広い場面で使われます。文法的には、再帰代名詞(oneself)を伴うことが多いです。
自発的に、誰に言われるでもなく
※ 誰かの指示や強制ではなく、自分自身の意志で何かを行うことを強調する表現です。たとえば、「彼は自分の意志で会社を辞めた (He left the company of his own accord.)」のように使います。ややフォーマルな表現で、日常会話よりも書き言葉やビジネスシーンでよく見られます。類似表現に "voluntarily" がありますが、"of one's own accord" はより主体的な意志を強調するニュアンスがあります。
仕返しをする、復讐する
※ 誰かに不当な扱いを受けた際に、その相手に同様の仕打ちをすることを意味します。たとえば、「彼にひどいことをされたから、仕返ししてやった (I got my own back on him for treating me badly.)」のように使います。口語的な表現で、ややネガティブなニュアンスを含みます。"revenge" や "retaliate" と似た意味ですが、"get one's own back" はより個人的な感情に基づいた仕返しを指すことが多いです。
自身の力で、誰の助けも借りずに
※ 誰かの名声や財産に頼るのではなく、自分自身の能力や努力によって成功を収めることを意味します。たとえば、「彼女は自身の力で成功したビジネスウーマンだ (She is a successful businesswoman in her own right.)」のように使います。尊敬や称賛のニュアンスを含み、特に女性が男性社会で成功した場合などに使われることがあります。フォーマルな場面でも使用可能です。
人の好みはそれぞれ、十人十色
※ 人それぞれ好みや考え方が違うのは当然であるという考えを表す時に使われる決まり文句です。直訳すると「それぞれに自分のもの」となり、他人の選択や趣味を尊重するニュアンスを含みます。例えば、ある人が奇抜なファッションをしていたとしても、「まあ、人の好みはそれぞれだから (To each his own.)」のように使います。日常会話でよく使われる表現です。似た意味のことわざに「蓼食う虫も好き好き」があります。
(過ちなどを)認める、白状する
※ 自分の過ちや責任を認めて公にすることを意味します。例えば、「彼は自分のミスを認めた (He owned up to his mistake.)」のように使います。特に、隠していたことや否定していたことを認める場合に用いられます。口語的な表現で、正直さや責任感を評価するニュアンスを含みます。類義語に "confess" がありますが、"own up" はより日常的な場面で使われることが多いです。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、研究対象の特性や傾向を客観的に記述する際に使用されます。例えば、「先行研究は独自の(own)アプローチを採用している」のように、独自性や特異性を強調する文脈で見られます。また、学生が自身の研究について語る際、「自分の(own)考えを深める」といった表現も用いられます。
ビジネス文書や会議において、責任の所在や所有権を明確にするために使われます。例として、「当社は独自の(own)技術を保有している」のように、企業の強みをアピールする場面や、「各担当者は自分の(own)タスクに責任を持つ」のように、役割分担を明確にする場面が挙げられます。プレゼンテーション資料など、視覚的に訴える際に強調表現として使われることもあります。
日常会話では、所有や帰属を表す際に頻繁に使われます。「自分の(own)車」「自分の(own)家」のように、物理的な所有物を指す場合だけでなく、「自分の(own)意見」「自分の(own)やり方」のように、抽象的な概念に対しても用いられます。また、「自分で(on one's own)」という表現は、独立性や自立性を強調する際によく使われます。例えば、「一人で(on my own)旅行する」のように使われます。
関連語
類義語
所有するという意味で、特に財産や資産など、法的な権利や価値のあるものを所有している状態を表す。フォーマルな場面や契約書などでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"own"よりも客観的で、所有権の存在を強調するニュアンスが強い。感情的なつながりや個人的な使用よりも、法的な所有権や経済的な価値に焦点を当てる。 【混同しやすい点】"own"は動詞としてより広く使われるが、"possess"は名詞(possession)としてもよく使われる。また、"possess"はしばしば「(悪霊などが)取り憑く」という意味でも使われるため、文脈に注意が必要。
最も一般的な「持つ」という意味の動詞。所有だけでなく、経験や関係性など、幅広い意味で使われる。日常会話で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"own"よりも意味が広く、所有の程度や種類を特定しない。一時的な所有や、物理的な所持も含む。フォーマルな場面では、より具体的な語を選ぶ方が適切。 【混同しやすい点】"have"は助動詞としても使われるため、文脈によって意味が異なる。「have to」のように義務を表す場合や、現在完了形の一部として使われる場合がある。また、所有を表す場合でも、一時的な所有なのか、永続的な所有なのかによって使い分けが必要。
支配する、管理するという意味。物理的な所有よりも、権力や影響力を持って何かを管理・運営している状態を表す。ビジネスや政治の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"own"が所有権そのものを指すのに対し、"control"は所有権に基づいて行使される権力や影響力を指す。必ずしも所有している必要はなく、契約や地位によってコントロールできる場合もある。 【混同しやすい点】"control"は他動詞であり、必ず目的語が必要。「own」が自動詞としても使われる場合(例:He owns up to his mistake.)とは異なる。また、「control」は感情や行動を抑制するという意味でも使われるため、文脈に注意。
(手で)持つ、保持するという意味。物理的に何かを握ったり、支えたりする動作を表す。また、地位や資格などを保持するという意味もある。 【ニュアンスの違い】"own"が所有権を表すのに対し、"hold"は一時的な保持や物理的な所持を表すことが多い。また、抽象的な概念(意見、信念など)を保持するという意味でも使われる。 【混同しやすい点】"hold"は物理的な保持だけでなく、会議を開催する、記録を保持する、などの意味も持つ。また、「hold on」のように句動詞として使われる場合も多く、意味が多岐にわたるため、文脈によって解釈が異なる。
持ち続ける、維持するという意味。何かを所有し続けたり、状態を維持したりする動作を表す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"own"が所有権の確立を指すのに対し、"keep"は既に所有しているものを維持し続けることを強調する。また、秘密を守る、約束を守る、などの意味も持つ。 【混同しやすい点】"keep"は目的語の状態を維持するという意味で使われる場合がある(例:Keep the room clean)。また、「keep doing」のように動名詞を伴う場合、継続的な行動を表す。この用法は「own」にはない。
指揮する、命令するという意味。軍隊や組織などで、指示を出したり、統率したりする権限を持っている状態を表す。フォーマルな場面や軍事用語でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"own"が所有権を持つことを指すのに対し、"command"は支配権や指揮権を持つことを指す。所有権がなくても、権限によって何かをコントロールできる場合がある。 【混同しやすい点】"command"は名詞としても使われ、「命令」や「指揮」という意味を持つ。また、コンピュータに対する命令(コマンド)という意味もある。この用法は「own」にはない。
派生語
『所有者』を意味する名詞。動詞『own』に、人を表す接尾辞『-er』が付加されたもの。所有権を持つ人、つまり『自分のものとして持っている人』という直接的な意味合いを持ちます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用され、不動産、企業、ペットなど、あらゆる所有物に関連して登場します。
『所有権』や『所有』を意味する名詞。『owner』に、状態や性質を表す接尾辞『-ship』が付加された抽象名詞です。単に『所有している』という状態だけでなく、『所有者としての権利・責任』といったニュアンスを含みます。契約書、法律文書、経済記事など、フォーマルな文脈で頻繁に用いられます。
『未払いの』や『〜のおかげで』という意味を持つ形容詞または前置詞。動詞『own』が元々持っていた『義務を負う』という意味合いが色濃く残った派生語です。『owing to』の形で原因や理由を表す際に使われ、ビジネス文書や学術論文など、やや硬い文脈で用いられることが多いです。例えば、『owing to the weather conditions(天候条件により)』のように使われます。
反意語
『賃借する』または『賃料を払う』という意味の動詞または名詞。『own』が完全に自分のものとして所有するのに対し、『rent』は一定期間、対価を払って使用する権利を得ることを指します。住宅、車、機器など、一時的な使用を目的とした場合に用いられ、日常会話や契約書など、幅広い文脈で使用されます。所有権の有無が明確な対立構造を生み出しています。
『借りる』という意味の動詞。『own』が自分が所有している状態を表すのに対し、『borrow』は一時的に他人のものを使用する行為を指します。返却を前提としている点が重要で、『own』との対比で所有権の所在が明確になります。日常会話で頻繁に使用され、本、お金、道具など、様々なものを借りる際に用いられます。
『勘当する』や『否認する』という意味の動詞。接頭辞『dis-(否定)』が『own』に付加され、所有権や関係性を否定する意味合いを持ちます。単に物理的な所有を否定するだけでなく、家族や友人との関係を断絶するような、より深刻な状況で用いられることが多いです。文学作品やニュース記事など、感情的な文脈で登場することがあります。法的な意味合いで使用される場合もあります。
語源
"own"は古英語の"āgen"に由来し、「所有している」「自分自身の」という意味を持ちます。この"āgen"は、ゲルマン祖語の"*aiganaz"に遡り、さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の"*oie-k-"(所有する、支配する)にたどり着きます。これは「権利」や「権力」といった概念と深く結びついており、自分自身に属するもの、つまり「所有」という概念が、自己の権利や支配権に根ざしていることを示唆しています。日本語で例えるなら、「持ち主」という言葉が単に物を所有するだけでなく、その物に対する責任や権限を持つことを意味するのと同じです。このように、"own"は単なる所有を示すだけでなく、所有者の権利や責任を内包する言葉として、歴史的に形成されてきたと言えるでしょう。
暗記法
「own」は所有を超え、自己確立、責任、独立を象徴します。中世の共同体から個の時代へ、権利意識の高まりと共に「own」の射程も拡大。シェイクスピア作品では名誉や運命すら指し、人生の主体性を意味しました。奴隷制度下では自由の対義語として、公民権運動では尊厳を求める言葉として使われました。現代では起業家精神と結びつき、リスクを負い、自己の人生を「own(所有)」する覚悟を表します。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に会話では区別が難しいことがあります。スペルも 'o' で始まる点が共通しています。意味は『1つ』であり、数詞として使われます。『own』は所有を表す動詞または形容詞であり、文脈が大きく異なります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が使われているかを判断する必要があります。また、弱形の発音に注意しましょう。
発音が非常に似ており、特にネイティブの早い発音では区別が困難です。スペルも 'o' と 'n' の2文字で構成されており、視覚的にも混同しやすいです。意味は『~の上に』という前置詞で、場所や状態を表します。『own』とは品詞も意味も大きく異なるため、文脈で判断する必要があります。前置詞 'on' は様々な意味を持つため、注意が必要です。
発音記号は異なりますが、日本語話者には非常に似た音に聞こえる可能性があります。スペルも'own'と'awn'で、最初の文字が異なるだけなので、読み間違いが起こりやすいです。意味は植物の『芒(のぎ)』という、稲などの穂にある針のような突起を指す専門的な言葉なので、日常会話で使うことは稀です。もし出会った場合は、植物に関する文脈であるはずです。
'own'の過去形と勘違いしやすい単語です。発音は似ていますが、'owed'は動詞'owe'の過去形・過去分詞で、『借りがある』『恩義がある』という意味です。スペルも似ていますが、'own'は現在形、'owed'は過去形という時制の違いがあります。例文で確認し、時制に注意して使い分けましょう。
古語または方言で使われることがある単語で、発音も似ているため、現代英語学習者には馴染みが薄いものの、混同する可能性があります。意味は 'one' の古い形であり、『1つ』を意味します。現代英語ではほとんど使われませんが、古い文献を読む際に遭遇する可能性があります。もし出会った場合は、文脈から判断する必要があります。
これは単語ではなく『Oxford English Dictionary』の略称ですが、スペルが似ており、特に文字に慣れていない学習者は混同する可能性があります。OEDは英語の辞書であり、単語の意味や語源を調べる際に使用します。学術的な文脈でよく登場します。
誤用例
日本語の『〜を認める』という表現に引きずられ、『own to + 動詞の原形』という形にしてしまう誤用です。確かに『own』には『認める』という意味がありますが、この場合は『own that + 節』という構文を取るのが自然です。あるいは、より口語的な『admit』を使う方が一般的でしょう。日本人は、自分の非を認めることを婉曲に表現しようとする傾向があり、それが不自然な英語表現につながることがあります。英語では、率直に『I was wrong』と言う方が、かえって誠実な印象を与えます。
『own』を『持つ』という意味で使うこと自体は間違いではありませんが、意見や考え方などの抽象的なものを『所有する』というニュアンスで使う場合、『hold』の方がより適切です。『own』は不動産や車など、具体的な所有物を指す場合によく使われます。日本人は、所有という概念を広義に捉えがちで、抽象的なものにも『所有する』という言葉を使いがちですが、英語では所有の対象によって動詞を使い分ける必要があります。背景には、所有に対する文化的ニュアンスの違いがあると考えられます。英語では、アイデアや意見は『持つ(hold)』ものであり、占有するものではない、という感覚があります。
この例では、『own』を動詞として使い、『自分の間違いを所有したい』という直訳的な意味合いになってしまっています。より適切な表現は『take ownership of』という句動詞で、『自分の間違いの責任を取る』という意味になります。日本人は、『責任』という言葉を重く捉えがちで、直接的な表現を避けようとする傾向がありますが、英語では『take ownership of』という表現を使うことで、積極的に責任を引き受ける姿勢を示すことができます。また、ビジネスシーンなどでは、失敗から学び、改善に繋げるという前向きな意味合いも含まれます。
文化的背景
「own」は、単に所有するという事実を超え、自己の確立、責任、そして独立といった概念と深く結びついています。それは、物理的な所有だけでなく、運命や選択、行動に対する主体性をも意味し、個人のアイデンティティと深く関わる言葉です。
「own」の文化的意義を考える上で、注目すべきは、封建制度から近代資本主義への移行期における個人の権利意識の高まりです。中世においては、土地や財産は共同体や領主に帰属するのが一般的でしたが、ルネサンス以降、個人の自立と自己責任の概念が強調されるにつれて、「own」が意味する範囲も拡大していきました。例えば、シェイクスピアの作品には、「own」が単なる所有物ではなく、名誉や評判、さらには運命そのものを指す例が見られます。これは、個人が自身の人生を「所有」し、主体的に生きるという意識の萌芽を示唆していると言えるでしょう。
また、「own」は、奴隷制度や植民地支配といった歴史的な文脈においても重要な意味を持ちます。「own」されない存在、つまり、自由を奪われ、自己決定権を持たない人々との対比によって、「own」することの価値、そして「own」されることの悲劇が浮き彫りになります。アメリカの公民権運動においては、「own」という言葉が、自己の尊厳と権利を主張するためのキーワードとして用いられました。黒人たちが自身の運命を「own」し、社会の一員として平等な権利を「own」することを求めたのです。
現代社会においては、「own」は、起業家精神や自己啓発といった文脈で頻繁に用いられます。自分のビジネスを「own」する、自分のキャリアを「own」する、自分の人生を「own」するといった表現は、リスクを恐れず、主体的に行動し、成功を掴み取るという強い意志を表しています。同時に、「own」には、結果に対する責任も伴います。成功も失敗も、すべては自分の「own」であるという覚悟が求められるのです。このように、「own」は、時代とともに意味を変化させながらも、個人のアイデンティティ、責任、そして自由といった普遍的な価値観と深く結びついた言葉として、私たちの文化に深く根付いています。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング(会話)
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文読解で出現
- 文脈・例題の特徴: 幅広い文脈で登場。所有、認める、などの意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞、動詞の用法を区別。own up to(認める)のような句動詞も重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7のビジネス関連文書でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの所有、責任、自社製品などを表す場合が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての所有格の意味と、動詞としての「認める」の意味を区別。文脈から判断。
- 出題形式: リーディング、ライティング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章で、所有、責任、独自性などを表す場合が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ownの派生語(ownership)も重要。アカデミックな文脈での類義語(possess)も覚えておくと良い。
- 出題形式: 長文読解、和訳、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論、物語など幅広い文脈で登場。所有、認める、などの意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈による意味の使い分けが重要。特に「own up to」のような句動詞は確実に押さえておく。