英単語学習ラボ

dislodge

/dɪsˈlɒdʒ/(ディスˈロッジ)

第2音節にアクセントがあります。母音 /ɒ/ は日本語の「オ」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。/dʒ/ の音は、日本語の「ジ」よりも唇を丸めて強く発音します。 'dis-' の 'i' は、日本語の「イ」よりも短く曖昧な音になる点に注意しましょう。

動詞

追い出す

物理的な場所や地位から強制的に移動させる意味合い。力や権力を使って排除するニュアンスを含む。例えば、反乱軍を砦からdislodgeする、といった状況で使用される。

I tried to dislodge the popcorn kernel stuck in my tooth.

歯に挟まったポップコーンの粒を取ろうとしました。

歯に挟まった食べ物のように、何かを「固定された場所から取り除く」際にdislodgeはよく使われます。指や舌、楊枝などで「取ろうと格闘する」イメージが伝わりますね。「stuck in my tooth」で「歯に挟まっている」状態を表します。

The strong wind might dislodge the bird's nest from the tree.

強い風で、鳥の巣が木から落ちてしまうかもしれません。

dislodgeは、自然の力(風、地震など)によって物が本来ある場所から「動かされる」「落ちる」といった状況でもよく使われます。この例文では、風によって巣が不安定になり、落ちてしまうかもしれないという心配が表現されています。「might」は「~かもしれない」という可能性を表します。

He used a stick to dislodge the mud blocking the drain.

彼は棒を使って、排水溝をふさいでいた泥を取り除きました。

dislodgeは、詰まったものや邪魔なものを「押し出す」「取り除く」という意味でも頻繁に使われます。この例文では、棒を使って泥を力ずくで取り除く様子が目に浮かびますね。「blocking the drain」は「排水溝をふさいでいる」という意味です。

動詞

取り外す

固定されていたものを、力を加えて動かしたり、外したりする意味。歯が抜ける、岩が崩れる、といった状況で使用される。必ずしも完全に除去するニュアンスは含まない。

I finally managed to dislodge the hair from the bathroom drain.

私はついに、お風呂の排水口から髪の毛を取り除くことに成功しました。

排水口の詰まりは日常生活でよくある困りごとですよね。「finally managed to」という表現で、なかなか取れずに苦労した末に、ようやく取り除けたという達成感が伝わります。このように「dislodge」は、何かを「固定された場所から力ずくで動かす、取り除く」というニュアンスで使われます。

The strong wind dislodged the old sign from the wall.

強風が古い看板を壁から吹き飛ばした。

嵐や強風で物が飛ばされるのは、ニュースなどでもよく見る光景です。この文では、自然の力が「dislodge」の動詞の主体となり、固定されていたものがその力によって元の場所から「動かされた」「外された」様子が伝わります。このように「dislodge」は、「(自然の力などによって)動かされる、外れる」という意味でも使われます。

He struggled to dislodge his muddy boot from the thick mud.

彼は分厚い泥から泥だらけのブーツを引き抜こうと苦労した。

ぬかるんだ場所で靴が抜けなくなる、という困った状況が目に浮かびます。「struggled to」は、何かを達成するために「奮闘する、苦労する」という意味で、ブーツを泥から「取り外す」のに大変な労力が必要だったことが伝わります。この例文のように、to不定詞の目的語として「dislodge」が使われることもよくあります。

動詞

狂わせる

計画や安定した状態を混乱させたり、邪魔したりする意味。例えば、相手の自信をdislodgeする、平穏な日常をdislodgeする、といった状況で使用される。

The sudden storm could dislodge our picnic plans.

突然の嵐が、私たちのピクニックの計画を狂わせてしまうかもしれません。

楽しみにしていたピクニック。でも、急に空が暗くなり、嵐の気配が。「ああ、これで計画が台無しになるかも…」という、残念な気持ちが伝わる場面です。ここでは、安定していた「計画」を元の場所からずらし、ダメにしてしまう、つまり「狂わせる」という意味で使われています。天気など、自分ではどうしようもないことが、予定を大きく変えてしまう時に使える典型的な表現です。

The shocking news might dislodge her peaceful mind.

その衝撃的な知らせは、彼女の穏やかな心を乱してしまうかもしれません。

いつも落ち着いていて、穏やかな人が、予期せぬ悪い知らせを聞いて、心がざわつき、平静を失ってしまうような場面です。ここでの「dislodge」は、人の「心の平静(peaceful mind)」を元の安定した状態からずらし、動揺させる、つまり「乱す」「狂わせる」という意味で使われています。感情や精神状態について話すときに使われることがあります。

A tiny change can dislodge the entire system.

ほんの小さな変更が、システム全体を狂わせてしまうことがあります。

精巧に作られた機械や、複雑な組織のシステム。一見すると些細な変更でも、全体のバランスを崩し、機能不全に陥らせてしまうことがある、という警告のような場面です。この場合、「システム(system)」という構築されたものが、元の安定した状態からずれて、正常に機能しなくなる、つまり「狂わせる」という意味で使われています。ビジネスや技術の文脈で、物事の安定性を語る際によく使われる表現です。

コロケーション

dislodge a belief

信念を覆す、考えを捨てる

長年信じてきたことや、深く根付いた考えを、論理や証拠によって手放すことを意味します。単に『信じなくなった』というより、強い抵抗を乗り越えて、ようやく受け入れるニュアンスが含まれます。例えば、科学的な発見が、人々の間で広く受け入れられていた迷信をdislodgeする、といった状況で使われます。ビジネスシーンでは、古い慣習や戦略をデータに基づいて見直す際に用いられることがあります。

dislodge debris

瓦礫や破片を取り除く

災害や事故現場で、散乱した瓦礫や破片を物理的に取り除く作業を指します。単に『remove』と言うよりも、困難な状況下で、慎重かつ組織的に障害物を取り除くイメージです。建設現場や、自然災害後の復旧作業など、具体的な場面でよく使われます。比喩的に、組織内の不要な要素や問題を解決するという意味でも使われることがあります。

dislodge a tenant

賃借人を立ち退かせる

法的な手続きを経て、賃貸物件から賃借人を強制的に退去させることを意味します。家賃滞納や契約違反などが理由となることが多いです。単に『evict』と言うよりも、法的なプロセスを経て、正式に立ち退かせるニュアンスが強く、不動産関連の専門用語として用いられます。日常会話よりは、法律や不動産関連の文書でよく見られます。

dislodge a blockage

閉塞を取り除く、詰まりを解消する

パイプや血管などの閉塞物を物理的に取り除くことを意味します。医療現場では、血栓を取り除く手術や治療に使われます。比喩的に、組織の停滞やプロジェクトの障害を取り除くという意味でも用いられます。例えば、「官僚主義がイノベーションの妨げになっている」という場合に、「dislodge bureaucratic obstacles」のように使われます。

dislodge from power

権力の座から追い落とす

政治的な権力や地位から、強制的に退かせることを意味します。選挙での敗北、クーデター、内部抗争など、さまざまな状況が考えられます。単に『remove from power』と言うよりも、より強い強制力や抵抗があったことを示唆します。歴史的な出来事や政治ニュースでよく使われる表現です。例えば、「国民の不満が高まり、独裁者を権力の座からdislodgeした」のように使われます。

dislodge something from its position

何かを元の位置から移動させる、ずらす

文字通り、何かを本来あるべき場所から動かすことを指します。地震で建物の一部がずれたり、強い風で看板が外れたりする状況を表すのに使われます。また、比喩的に、人の心にある感情や記憶を呼び起こす、という意味でも使われます。例えば、「古い写真が彼の記憶をdislodgeした」のように使われます。物理的な移動だけでなく、心理的な影響も含む、汎用性の高い表現です。

dislodge sediment

沈殿物を取り除く

液体中に沈殿した物質を、攪拌や洗浄によって取り除くことを意味します。ワイン製造、水処理、工業プロセスなど、様々な分野で使用されます。単に『remove sediment』と言うよりも、より専門的なニュアンスがあります。ワインボトルを傾けて、澱(おり)をdislodgeする、といった具体的な場面で使われます。科学技術系の文書でよく見られる表現です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、既存の理論や考え方を覆す、あるいはそれによって新たな視点や解釈が生まれる状況を説明する際に用いられます。例えば、心理学の研究で「過去の実験結果は、新たな実験によって覆された(dislodged)」のように使用されます。文体はフォーマルです。

ビジネス

ビジネスシーンでは、組織構造の変更や市場における競合他社の戦略によって、自社の地位や戦略が揺さぶられる状況を説明する際に使われます。例えば、経営戦略会議で「競合の新製品投入により、当社の市場シェアが脅かされている(dislodged)」のように報告書やプレゼンテーションで使用されます。文体はややフォーマルです。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、自然災害や社会的な出来事によって人々の生活基盤が揺るがされる状況を説明する際に使われることがあります。例えば、「大地震によって、多くの人々が家を失った(were dislodged from their homes)」のように報道されます。少し硬い表現なので、日常会話では別の言い回しが好まれます。

関連語

類義語

  • 『何かを取り除く』という意味で、物理的なものから抽象的なものまで、幅広い対象に使用可能。ビジネスシーンや日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』よりも一般的な語であり、強制的な排除のニュアンスは弱い。単に『存在しなくなる』という客観的な描写にも使える。一方、dislodgeは、何かをある場所から無理やり動かす、または追い出すというニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『remove』は広範な意味を持つため、文脈によっては『dislodge』の持つ『苦労して取り除く』というニュアンスが伝わらないことがある。例えば、がん細胞を『dislodge』とは言わない。

  • 『何かを強制的に追い出す』という意味で、人や物を特定の場所から排除する際に使用される。航空機の緊急脱出や、スポーツの退場処分など、比較的フォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』と同様に強制的な排除を意味するが、『eject』はより直接的で、物理的な力を伴うことが多い。また、対象が人である場合に、『dislodge』よりも強い非難のニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】『eject』は通常、人や乗り物など、比較的大きな対象に使われる。小さな物体や抽象的な概念を『eject』することは稀である。また、『dislodge』のように、長年の努力で築き上げた地位などを奪う、というニュアンスは『eject』にはない。

  • 『何かを抜き出す』という意味で、液体や情報、歯などを取り出す際に使用される。科学技術や医学の分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』が全体を移動させるニュアンスがあるのに対し、『extract』は一部分を抜き出すことに焦点が当てられる。また、『extract』は、労力や技術を要する作業を表すことが多い。 【混同しやすい点】『extract』は通常、対象の一部を取り出す場合に用いられ、全体を移動させる『dislodge』とは異なる。例えば、埋没した歯を『dislodge』とは言わない。

  • 『根こそぎにする』という意味で、植物を根から引き抜いたり、人を住み慣れた土地から引き離したりする際に使用される。比喩的に、組織や制度を根本から覆すという意味でも使われる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』よりも、対象を完全に、そして強制的に移動させるというニュアンスが強い。また、『uproot』は、対象が長年その場所に根付いていたという含みを持つ。 【混同しやすい点】『uproot』は、物理的な根を持つ植物や、長年住み慣れた土地に適用されることが多い。抽象的な概念や、一時的な存在に対しては不自然に聞こえることがある。

  • 『場所を移動させる』という意味で、人や物を本来あるべき場所から移動させる際に使用される。災害による避難民や、技術革新による失業者など、社会的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』と似ているが、『displace』は、移動後の場所が必ずしも意図されたものではないというニュアンスを含む。また、感情的な意味合いは薄く、より客観的な描写に用いられる。 【混同しやすい点】『displace』は、移動の結果に焦点を当て、元の場所に戻る可能性も示唆する。一方、『dislodge』は、排除の行為そのものに焦点を当て、復帰の可能性は低い。

  • 『地位や場所から追放する』という意味で、政治的な権力争いや企業の内部抗争など、フォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『dislodge』よりも強制力や権力行使のニュアンスが強く、追放される側には非難や不正のイメージが伴うことが多い。また、『oust』は、地位や役職など、抽象的な概念に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】『oust』は、物理的な場所からの排除ではなく、地位や権力からの追放を意味する。例えば、岩を『oust』とは言わない。

派生語

  • 『宿る』『泊まる』という意味の動詞・名詞。元々は『小屋』を意味し、そこから『一時的に身を置く』という意味に発展。dislodgeは接頭辞dis-(分離・否定)がつき、『宿っている場所から追い出す』という意味になった。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や、報道などで使われる。

  • lodgement

    『宿泊』『堆積』『占拠』などを意味する名詞。動詞lodgeから派生し、場所や物を『置くこと』を表す。軍事用語として『橋頭堡』などの意味でも使われる。dislodgement(立ち退き、除去)という派生語も存在する。

  • 『割り当て』『配分』を意味する名詞。語源的には『場所(location)に置く(allocate)こと』に関連し、dislodgeとは直接的な語源関係はないものの、『場所』という概念を共有する。資源配分、予算配分など、ビジネスや政治の文脈で頻繁に使用される。場所から動かすdislodgeとは対照的に、特定の場所に配置するという意味合いを持つ。

反意語

  • 『埋め込む』『組み込む』という意味の動詞。dislodgeが何かをある場所から取り除くのに対し、embedはしっかりと固定するイメージ。ジャーナリズムでは『従軍記者』のように、特定の組織に深く関わるという意味でも使われる。比喩的にも『記憶に刻む』のように使われる。

  • 『移植する』『埋め込む』という意味の動詞。医療分野で人工臓器などを埋め込む際に使われることが多い。dislodgeが自然な状態から何かを動かすニュアンスがあるのに対し、implantは意図的に何かを埋め込むという点で対照的。比喩的に『思想を植え付ける』という意味でも使われる。

  • 『確立する』『設立する』という意味の動詞。dislodgeが既存の場所から何かを取り除くのに対し、establishは新しい場所や地位を築き上げるという点で対義語となる。ビジネスや社会的な文脈で、企業や組織を設立する、規則や制度を確立するなど、幅広く使われる。

語源

「dislodge」は、古フランス語の「deslogier」(宿舎から追い出す、場所を変える)に由来します。これは「des-」(分離、否定を表す接頭辞)と「logier」(宿営する、住む)から構成されています。「logier」自体はゲルマン祖語の「laubja-」(避難所、小屋)に遡り、英語の「lodge」(山小屋、宿泊施設)と同根です。つまり、「dislodge」は文字通りには「宿から出す」という意味合いを持ち、そこから「追い出す」「取り外す」といった意味に発展しました。比喩的には、考えや感情が心の中から「追い出される」ように、「狂わせる」という意味も持つようになりました。身近な例で言えば、しっかりと固定されたものが、何らかの力によってその場所から離れるイメージです。例えば、地震で石垣が崩れて石が「dislodge」(取り外される)される、といった状況を想像すると、語源と意味のつながりが理解しやすいでしょう。

暗記法

中世の城壁都市、それは権威と安全の象徴。「dislodge」は、城壁が破られ、内部から追い出される様。権力の喪失、社会の転覆を意味しました。シェイクスピアの悲劇では、王位を奪われる場面に。啓蒙思想の時代には、迷信や偏見を打ち破る力として。知識と理性で古い考えを「dislodge」し、社会を改革。現代では、既得権益や固定観念を打破し、新たな価値を創造する言葉。変化を恐れず、未来を目指す人々の希望を象徴します。

混同しやすい単語

『dislodge』から接頭辞 'dis-' を取り除いた単語。発音とスペルが非常に似ているため、混同しやすい。意味は『宿泊施設』『(秘密)結社』『(動物が一時的に)身を隠す』など。『dislodge』が『(場所や地位から)追い出す』という意味なのに対し、『lodge』は名詞・動詞ともに『場所』や『一時的な滞在』に関連する意味を持つ点が大きく異なる。接頭辞 'dis-' が持つ『分離』や『否定』の意味を理解することで、意味の区別が容易になる。

語尾の 'ldge' のスペルと発音が共通しているため、混同しやすい。『indulge』は『甘やかす』『(欲求などに)ふける』という意味で、文脈が大きく異なる。接頭辞 'in-' が持つ『内へ』という意味合いと、『甘やかす』という行為を結びつけて考えると覚えやすい。

『dislodge』とは語源が異なるが、語尾の音とスペルが似ているため混同しやすい。『besiege』は『包囲する』という意味で、軍事的な状況で使われることが多い。語源的には、古フランス語の 'siège'(座席、包囲)に由来する。発音も、日本語の『包囲(ほうい)』と語感に共通点があり、イメージで捉えやすい。

『dislodge』とはスペルの一部が似ており、特に 'lge' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。『divulge』は『(秘密などを)漏らす』という意味で、情報伝達に関する文脈で使われることが多い。ラテン語の 'vulgare'(公にする)が語源であり、'vulgar'(下品な、大衆的な)とも関連がある。秘密を『外に(di-)』出すイメージで覚えると良い。

『dislodge』とは直接的な類似性はないものの、語尾の 'lige' のスペルと発音の類似性から、特にスペルミスを起こしやすい。『oblige』は『(人に)恩義を施す』『(義務として)~させる』という意味で、フォーマルな文脈で使われることが多い。ラテン語の 'ligare'(縛る)が語源であり、義務によって『縛り付ける』イメージで捉えると理解しやすい。

sludge

語尾の 'dge' の発音とスペルが共通しているため、音と視覚の両面で混同しやすい。『sludge』は『汚泥』『ヘドロ』という意味で、非常にネガティブな意味合いを持つ。『dislodge』のような抽象的な意味とは異なり、具体的な物質を指すため、文脈から判断しやすい。ただし、発音の類似性からリスニングの際には注意が必要。

誤用例

✖ 誤用: The scandal dislodged his reputation.
✅ 正用: The scandal damaged his reputation.

『dislodge』は物理的に何かを『場所から取り除く』という意味合いが強く、抽象的な『評判』に対して使うと不自然です。日本語の『失墜させる』という訳語に引きずられて、抽象的な意味で使ってしまう誤用です。評判を傷つける場合は、damageやtarnishが適切です。英語では、比喩表現を使う場合でも、物理的なイメージが強く残る単語を抽象的な概念に適用すると違和感が生じることがあります。日本語の『評判を地に落とす』という表現も、英語に直訳すると不自然になるのと似ています。

✖ 誤用: I tried to dislodge the idea from her head, but she wouldn't listen.
✅ 正用: I tried to dissuade her from the idea, but she wouldn't listen.

『dislodge』は物理的な力で何かを動かすイメージが強いため、人の考えを変えさせるという文脈には合いません。この場合、『説得して思いとどまらせる』という意味の『dissuade』を使う方が適切です。日本人は『dislodge』を『取り除く』という字面から、抽象的な概念にも使えると考えがちですが、英語ではより具体的なイメージを持つ単語です。日本語の『(頭の中から)追い出す』という表現を直訳しようとすると、このような誤りが起こりやすくなります。

✖ 誤用: The protesters dislodged the government.
✅ 正用: The protesters ousted the government.

『dislodge』は、あるものをその場所から移動させる、または取り除くという意味ですが、政府のような権威ある組織に対して使うと、その影響力の大きさを十分に表現できません。『oust』は、権力や地位から追放するという意味合いが強く、より適切な表現です。日本語では『(政権を)引きずり下ろす』のように表現しますが、英語では『dislodge』よりも強い意味を持つ単語を選ぶ必要があります。また、プロテスターが政府をdislodgeした場合、一時的に場所から移動させただけで、また戻ってくるニュアンスを感じさせてしまい、誤解を生む可能性があります。

文化的背景

「dislodge」は、物理的な場所からだけでなく、心や社会における地位、固定観念など、目に見えない場所からも何かを「追い出す」「排除する」イメージを伴います。これは、安定や秩序を重んじる一方で、変化や革新を求める西洋社会の葛藤を反映した言葉と言えるでしょう。

中世ヨーロッパにおいて、城壁に守られた都市や要塞は、権力と安全の象徴でした。「dislodge」は、敵の攻撃によって守りを破られ、内部から追い出される状況を指し、権力の喪失や社会的な転覆を意味しました。このイメージは、シェイクスピアの戯曲などにも見られ、王位を奪われたり、社会的地位を失ったりする人物を描写する際に用いられます。例えば、『リチャード二世』では、王位を「dislodge」される場面が、悲劇的な運命の始まりとして描かれています。

また、18世紀以降の啓蒙思想の時代には、「dislodge」は、人々の心に根付いた迷信や偏見を打ち破るという意味合いを持つようになりました。知識と理性によって古い考え方を「dislodge」し、新しい社会を築こうとする進歩的な思想を表現する際に用いられました。これは、ジョン・ロックの経験論や、デカルトの合理主義などが、既存の権威やドグマを「dislodge」しようとした試みと重なります。

現代社会においては、「dislodge」は、既得権益や固定観念を打破し、新たな価値観を創造する文脈で使われることが多くなりました。例えば、テクノロジーの進化によって、既存の産業構造が「dislodge」されたり、社会運動によって差別的な制度が「dislodge」されたりする状況を指します。この言葉は、変化を恐れず、より良い未来を目指す人々の希望と挑戦を象徴していると言えるでしょう。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級以上で出題される可能性あり。特に1級で頻出。

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、硬めの話題で使われることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「(無理やり)取り出す、追い出す」というニュアンスを理解することが重要。関連語の「lodge」(泊まる、設置する)と混同しないように。

TOEIC

- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: Part 7で稀に出題される程度。頻度は高くない。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの問題解決、組織改革などの文脈で使われる可能性がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、より一般的な語彙の方が優先されるため、dislodgeの優先度は低い。ただし、読解問題で出てきた場合に意味を推測できるようにしておくと良い。

TOEFL

- 出題形式: リーディング

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出

- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学など、学術的な文脈で使われる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する際に比喩表現として用いられることが多い。「固定された考えをdislodgeする」のように、物理的な意味だけでなく、抽象的な意味も理解しておく必要がある。

大学受験

- 出題形式: 長文読解

- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性がある。特に記述問題で問われる場合がある。

- 文脈・例題の特徴: 評論文、小説など、様々なジャンルの文章で使われる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な用法も理解しておく必要がある。派生語(dislodgementなど)も覚えておくと役立つ。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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