definitive
強勢は2番目の音節「フィ」にあります。曖昧母音/ɪ/(イ)は日本語の「イ」よりも弱く、口をあまり開けずに発音します。語尾の「-tive」は「ティヴ」のように発音しますが、最後の「ヴ」は唇を軽く噛んで出す有声摩擦音(/v/)です。日本語の「ブ」のような破裂音にならないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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決定的な
議論や疑いの余地がないほど明確で最終的な状態を指す。証拠、勝利、答えなど、その後の展開を左右する重要な局面に用いられる。
After years of searching, the scientist found definitive evidence in the old book.
何年も探した後、その科学者は古い本の中に決定的な証拠を見つけました。
※ この例文では、「definitive evidence(決定的な証拠)」という形で使われています。長い間、答えが見つからなかった謎に対して、ついに「これだ!」と結論づける証拠が見つかった場面を想像できますね。これ以上ないほど明確で、最終的な結論を導くようなものに対して使われる「決定的な」です。
Her clear explanation gave me the definitive answer I needed to make my decision.
彼女の明確な説明が、私が決断を下すのに必要だった決定的な答えをくれました。
※ ここでは、「definitive answer(決定的な答え)」として使われています。何か疑問や迷いがあった時に、それを解決してくれる「最終的な、これ以上ない答え」という意味合いです。迷いが吹っ切れて、すっきりとした気持ちで決断できる、そんな状況にぴったりの「決定的な」です。
The home team scored a final goal, achieving a definitive victory over their rivals.
ホームチームが最後のゴールを決め、ライバルチームに対して決定的な勝利を収めました。
※ この例文では、「definitive victory(決定的な勝利)」として、議論の余地がない、完全に相手を上回った勝利を表します。スポーツの試合などで、もう逆転の可能性がないほどの大差で勝った時や、優勝が決まった時など、誰もが納得するような「決定的な」勝利に使われます。
最高の
ある分野やジャンルにおいて、これ以上ないほど優れている、究極の、というニュアンス。しばしば、その分野の専門家や愛好家が認める品質の高さを表す。
After years of research, the scientist found definitive proof.
何年もの研究の末、その科学者は決定的な証拠を見つけました。
※ 【情景】長年の努力が実を結び、研究室で「これだ!」と確信する科学者の姿を想像してみてください。この「definitive proof」は、誰もが納得する「最高の、決定的な証拠」という意味で使われます。 【ポイント】「definitive」は「これ以上ない、最終的な」というニュアンスで、「proof (証拠)」や「answer (答え)」などと一緒に使われることが多いです。
Many critics say this movie is the definitive work of the director.
多くの批評家は、この映画がその監督の決定版の作品だと言っています。
※ 【情景】映画館を出て、友人と「あの映画は本当に素晴らしかったね!」と話している場面を思い浮かべてください。この文では、ある監督の作品の中で「これぞ最高傑作だ」と広く評価される作品を指しています。 【ポイント】「definitive work」は、作家や芸術家の「代表作」「決定版」を意味する、非常によく使われる表現です。
This old map became the definitive guide for our treasure hunt.
この古い地図が、私たちの宝探しにとって最高の案内役となりました。
※ 【情景】森の中、古びた地図を広げ、ワクワクしながら宝を探している子供たち(または大人たち)をイメージしてください。この地図は、他のどんな情報よりも信頼でき、「これなしでは宝は見つけられない」というくらい「最高の、決定的な」ガイドになった、という気持ちが込められています。 【ポイント】「definitive guide」は、「最も信頼できる、最終的な手引書や案内」を意味します。何かを成し遂げる上で「これがあれば十分」という「最高」のものを表すときに使えます。
正式な
文書や記録などが、公式に認められ、完成している状態を指す。例えば、最終版の契約書や、確定した伝記などを表す。
After a long meeting, the team made a **definitive** decision about the new project.
長い会議の後、チームは新しいプロジェクトについて**正式な**決定を下しました。
※ 会社で、チームメンバーが真剣に話し合い、ついに皆が納得する最終的な結論が出た場面です。「definitive decision」は「もう変更されない、確定した決定」というニュアンスで、ビジネスの場面でよく使われます。「make a decision」は「決定する」という意味のよく使われる表現です。
This new dictionary gives the **definitive** meaning of every word.
この新しい辞書は、すべての単語の**正式な**意味を示しています。
※ あなたが新しい辞書を手に取り、その正確さに驚いている場面です。この辞書があれば、もう言葉の意味で迷うことはありません。「definitive meaning」は「最も正確で、疑う余地のない意味」を表す際に使われます。特に専門的な情報源や権威あるものに対して使われることが多いです。「give the meaning」は「意味を示す」という自然な表現です。
Finally, the famous author released the **definitive** edition of her best novel.
ついに、あの有名な作家が彼女の最高傑作小説の**正式な**(決定版の)版をリリースしました。
※ あなたが待ち望んでいた、お気に入りの作家の小説の、これ以上ない完璧なバージョンが手に入り、喜びを感じている場面です。「definitive edition」は「最終版」「決定版」という意味で、特に書籍や音楽、映画などで「これぞという完成形」を指す際によく用いられます。「release」は「発表する、公開する」という意味で、新製品や作品の発表によく使われます。
コロケーション
最終的な答え、決定的な答え
※ 単に「答え」と言うだけでなく、議論の余地がない、これ以上覆しようのない最終的な答えであることを強調します。ビジネスシーンや学術的な文脈で、曖昧さを排除したい場合に適しています。例えば、交渉の最終段階や、研究結果の結論を述べるときなどに使われます。似た表現に 'final answer' がありますが、'definitive answer' の方が、より専門的で権威のある印象を与えます。
最終合意、確定的な合意
※ 交渉や協議を経て、すべての条件が確定し、法的拘束力を持つ合意を指します。ビジネス、特にM&Aや契約関連の文脈で頻繁に使われます。'agreement' という名詞を修飾することで、単なる合意ではなく、覆すことのできない、正式な合意であることを強調します。口頭での合意ではなく、書面による合意であることが前提となります。
決定版ガイド、究極のガイド
※ あるテーマについて、網羅的で信頼性が高く、他に参照する必要がないほど詳細なガイドブックや解説書を指します。旅行、料理、趣味など、様々な分野で使われます。'guide' という名詞を修飾することで、単なる情報ではなく、その分野における最高の情報源であることをアピールします。例えば、'The Definitive Guide to Python' のように、特定の技術書名としてもよく見られます。
決定版、最終版
※ 書籍、ソフトウェア、映画など、何度も改訂されたり、異なるエディションが存在するものについて、最も完成度が高く、公式に認められた最終版を指します。例えば、'definitive version of a novel' や 'definitive version of a software' のように使われます。特に、コレクターズアイテムや、歴史的価値のあるものについて言及する際に用いられることが多いです。
決定版伝記、決定的な伝記
※ ある人物の生涯を詳細かつ客観的に記述した、最も信頼できる伝記を指します。綿密な調査と資料に基づき、他の伝記を凌駕する内容であることが期待されます。例えば、'the definitive biography of Abraham Lincoln' のように使われます。歴史研究者や文学愛好家にとって重要な情報源となります。
決定的な証拠、確実な証拠
※ 疑いの余地がない、完全に証明された証拠を指します。法廷や科学研究など、客観性と正確性が求められる場面で用いられます。'proof' という名詞を修飾することで、単なる証拠ではなく、議論を終わらせるほどの強い証拠であることを強調します。例えば、'definitive proof of a crime' や 'definitive proof of a scientific theory' のように使われます。
最終判決、確定判決
※ 裁判所や政府機関による、最終的で覆すことのできない判決や決定を指します。法律、政治、行政などの分野で用いられます。'ruling' という名詞を修飾することで、単なる意見や判断ではなく、法的拘束力を持つ正式な決定であることを強調します。例えば、'the Supreme Court's definitive ruling on the case' のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、あるテーマに関する「決定的な証拠」や「最終的な結論」を示す際に用いられます。例:『この研究は、アルツハイマー病の治療における新しいアプローチのdefinitiveな証拠を提供する』といった文脈で使用されます。文語的で、客観性と正確性が求められる場面に適しています。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、重要な決定や最終的な合意を強調する際に用いられます。例:『これは、プロジェクトの成功に向けたdefinitiveな計画である』のように、計画や戦略の重要性を示す文脈で使用されます。フォーマルな場面で、意思決定の重みを伝えるのに役立ちます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース報道やドキュメンタリー番組などで、ある出来事や人物に関する「決定的な情報」を伝える際に用いられることがあります。例:『これは、事件の真相を解明するdefinitiveな証拠となるかもしれない』のように、重要な証拠や情報を指し示す文脈で使用されます。やや硬い印象を与えるため、フォーマルな場面での使用が推奨されます。
関連語
類義語
議論や調査、証拠などが『最終的な』『決定的な』結論に導くことを意味する。主に議論や調査、証拠などに対して用いられ、疑いの余地がないことを示す。学術的な文脈や法的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『definitive』が最終的な状態や完成された状態を指すのに対し、『conclusive』は議論や調査などを通して最終的な結論に至ったことを強調する。したがって、『conclusive』はプロセスを経て得られた結果に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】『definitive』が形容する対象は、文書、版、解決策など多岐にわたるが、『conclusive』は証拠、調査、議論など、結論を導くプロセスや結果に限定される傾向がある。日本語の『決定的』という訳語にとらわれると、使える場面を誤ることがある。
情報源や人物が『権威のある』『信頼できる』という意味。専門知識や実績に基づいており、その情報や意見が信頼に足ることを示す。学術論文、専門家の意見、公式文書などに用いられる。 【ニュアンスの違い】『definitive』が最終的で疑いの余地がないことを意味するのに対し、『authoritative』は情報源の信頼性や権威を強調する。したがって、『authoritative』な情報源は『definitive』な情報を提供することが期待されるが、必ずしもそうとは限らない。 【混同しやすい点】『authoritative』は情報源の信頼性に着目するのに対し、『definitive』は情報自体の完成度や最終性に焦点を当てる。例えば、『authoritative』な人物が述べた情報が必ずしも『definitive』であるとは限らない。情報源の信頼性と情報の確実性を混同しやすい。
『究極の』『最終的な』という意味。到達点、目標、理想など、これ以上ない最高のものや最後のものを指す。抽象的な概念や長期的な目標に対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『definitive』が具体的で明確な最終性を意味するのに対し、『ultimate』はより抽象的で理想的な最終性を意味する。また、『ultimate』は時間的な最終性だけでなく、程度や質の最高レベルを示すこともある。 【混同しやすい点】『ultimate』はしばしば理想や目標として使われるため、必ずしも現実的ではない場合がある。一方、『definitive』は現実的で具体的な最終状態を指す。例えば、『ultimate goal』は究極の目標だが、必ずしも達成できるとは限らない。
『決定的な』『断固とした』という意味。行動、出来事、人物の性格などに対して使われ、結果を大きく左右する、または迷いがないことを示す。ビジネスシーンや政治的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『definitive』が最終的な結論や状態を示すのに対し、『decisive』は行動や判断が結果に与える影響を強調する。したがって、『decisive』な行動は『definitive』な結果をもたらす可能性がある。 【混同しやすい点】『decisive』は行動や判断の重要性や影響力を強調するのに対し、『definitive』は結果の最終性や確定性を強調する。例えば、『decisive action』は結果を大きく左右する行動だが、必ずしも『definitive』な結果をもたらすとは限らない。
『確かな』『疑いのない』という意味。事実、情報、出来事などに対して使われ、確実性や信頼性を示す。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『definitive』が最終的で完全な状態を指すのに対し、『certain』は確実性や信頼性を強調する。したがって、『certain』な情報は『definitive』な情報である可能性が高いが、必ずしもそうとは限らない。 【混同しやすい点】『certain』は主観的な確信や客観的な証拠に基づいた確実性の両方を指す可能性があるのに対し、『definitive』は客観的な根拠に基づいた最終的な状態を指す。例えば、『I am certain』は主観的な確信を表すが、『definitive proof』は客観的な証拠を示す。
『絶対的な』『完全な』という意味。制限や条件がない、または疑いの余地がないことを示す。哲学、数学、法律など、厳密な文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『definitive』が最終的で疑いの余地がないことを意味するのに対し、『absolute』は制限や条件がない完全性を強調する。したがって、『absolute』な真実は『definitive』な真実であると言える。 【混同しやすい点】『absolute』はしばしば理想的な状態や極端な状態を指すため、現実世界では実現困難な場合がある。一方、『definitive』は現実的で具体的な最終状態を指す。例えば、『absolute power』は絶対的な権力を意味するが、現実には様々な制約を受ける。
派生語
『定義する』という意味の動詞。『de-(完全に)』+『finis(境界)』という語源から、『境界を定める』→『明確にする』という意味に。日常会話から学術論文まで幅広く使われ、定義という行為そのものを指す。
『定義』という意味の名詞。動詞『define』に名詞化接尾辞『-ition』が付いた形。学術的な文脈や、何かを明確に説明する際に頻繁に用いられる。抽象的な概念を扱う際に重要。
『明確に』『間違いなく』という意味の副詞。形容詞『definitive』に副詞化接尾辞『-ly』が付いた形。確信度が高いことを示し、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使用される。断定的なニュアンスを強調。
反意語
『仮の』『試験的な』という意味の形容詞。『definitive』が最終的な決定を表すのに対し、こちらはまだ確定していない状態を示す。研究や計画の初期段階でよく用いられ、日常会話でも『仮の計画』のように使われる。
『一時的な』『仮の』という意味の形容詞。法的文書や契約書で、最終決定前の暫定的な措置を指す場合に使われる。『definitive』が最終的な合意を表すのに対し、こちらは一時的な合意を示す。
『曖昧な』『不明瞭な』という意味の形容詞。『definitive』が明確で疑いの余地がない状態を表すのに対し、こちらは輪郭がぼやけている状態を示す。日常会話から学術的な議論まで、幅広い文脈で用いられる。特に、概念やアイデアが十分に定義されていない場合に適用される。
語源
「definitive」は、ラテン語の「definire」(境界を定める、明確にする)に由来します。これは「de-」(完全に、徹底的に)と「finire」(終わらせる、境界を定める)という要素から構成されています。「finire」自体は「finis」(終わり、限界、境界)から派生しており、英語の「finish」や「final」と同根です。つまり、「definitive」は、ある問題や議論を「完全に終わらせる」「最終的な境界線を引く」という意味合いを持ちます。たとえば、紛争における「definitive agreement」(最終合意)は、それ以上の議論や変更の余地がない、決定的な合意を意味します。日本語で言うと、「決定版」という言葉が近いかもしれません。これは、それ以上の改善や修正の必要がない、最高の状態を示唆します。
暗記法
「definitive」は、単に「決定的」という以上の意味を持つ。それは、人が真実を追い求める過程で、絶対的な知識や権威への憧れを象徴する言葉だ。中世の教会が聖書を「definitive」と定めたように、時代を超えて変わらぬ願望だ。科学では実験による「definitive」な結論を重視するが、常に覆される可能性も孕む。文学では、登場人物が運命に「definitive」な答えを求め苦悩する姿を描き、探偵は「definitive」な真相を解明し安心を与える。現代では、ビジネスや医療で重要な意味を持つが、情報過多な社会で「definitive」を見極めるには、批判的思考が不可欠だ。
混同しやすい単語
『definitive』と『definite』は、スペルが非常に似ており、発音も最初の部分が同じであるため、混同しやすいです。『definite』は『明確な』『確かな』という意味の形容詞であり、『definitive』は『決定的な』『最終的な』という意味の形容詞です。日本人学習者は、文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。語源的には、どちらも『limit(限界)』に関連するラテン語から派生していますが、『definitive』はより最終的な限界を示すニュアンスがあります。
『definitive』と『definition』は、スペルが似ており、発音も最初の部分が同じであるため、混同しやすいです。『definition』は『定義』という意味の名詞であり、『definitive』は『決定的な』という意味の形容詞です。日本人学習者は、品詞の違いに注意する必要があります。また、名詞と形容詞では文法的な役割が異なるため、文脈によって使い分ける必要があります。
『definitive』と『infinity』は、どちらも語尾が '-ity' で終わるため、スペルが似ていると感じることがあります。しかし、発音は大きく異なり、『infinity』は『無限』という意味の名詞です。日本人学習者は、スペルの類似性に惑わされず、単語全体の形と意味をしっかりと区別する必要があります。語源的には、『infinity』は『終わりのない』という意味のラテン語に由来します。
『definitive』と『initiative』は、語尾の '-tive' が共通しているため、スペルが似ていると感じることがあります。また、どちらも抽象的な概念を表す単語であるため、意味の面でも混同しやすいかもしれません。『initiative』は『主導権』『率先』という意味の名詞であり、文脈によっては『definitive』と意味が重なることもあります。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ固有の意味合いを理解し、文脈に応じて使い分ける必要があります。
『definitive』と『affirmative』は、語尾の '-tive' が共通しているため、スペルが似ていると感じることがあります。また、音の響きも少し似ています。『affirmative』は『肯定的な』という意味の形容詞であり、『definitive』は『決定的な』という意味の形容詞です。日本人学習者は、発音の違いと、それぞれの単語が持つ具体的な意味をしっかりと区別する必要があります。『affirmative』は、しばしば『yes』のような肯定の返事として使われます。
『definitive』と『divine』は、最初の 'di-' の部分が共通しているため、スペルが似ていると感じることがあります。また、どちらも少し格式ばった印象を与える単語であるため、意味の面でも混同しやすいかもしれません。『divine』は『神の』『神聖な』という意味の形容詞であり、『definitive』は『決定的な』という意味の形容詞です。日本人学習者は、発音の違いと、それぞれの単語が持つ意味合いをしっかりと区別する必要があります。
誤用例
日本人が『決定的』という言葉を安易に『definitive』と結びつけやすい誤用例です。日本語の『決定的』は、議論を終わらせるほどの強いニュアンスを持つこともありますが、英語の『definitive』は『最終的で疑いの余地がない』という意味合いが強く、相手に議論の余地を与えない印象を与え、不遜に聞こえる可能性があります。より丁寧な言い方としては、議論をいったん区切りたい意図を伝えるため、相手に選択肢を残すような表現を選びましょう。
『definitive』は、提案や計画など、まだ最終決定されていない事柄に対して使うと不自然です。日本語の『決定的な提案』という表現に引きずられやすいですが、英語では『definitive』は『最終的な』『確定的な』という意味合いが強いため、提案内容がまだ確定していない段階では不適切です。ここでは、提案が具体的であることを強調するために『concrete』を使う方が適切です。日本人は、提案の重要性を強調するために『決定的』という言葉を選びがちですが、英語では文脈によって適切な形容詞を選ぶ必要があります。
この誤用は、日本語の『決定版』という言葉を直訳した際に起こりやすいです。『definitive』は『最高水準の』『模範的な』という意味合いを含むため、単に『最終版』を指す場合には大げさな印象を与えます。『final』を使うことで、単にレポートが完成したことを伝えられます。日本人は、特にビジネスシーンで『決定版』という言葉を好んで使いますが、英語では意味合いが異なるため注意が必要です。また、自己評価が高すぎる印象を避けるためにも、より控えめな表現を選ぶことが望ましいです。
文化的背景
「definitive(決定的な)」という言葉は、単なる事実の確定を超え、しばしば権威、最終性、そして揺るぎない真実の探求という文化的願望を象徴します。それは、曖昧さを排し、議論の余地をなくす、人間の知性と意志の勝利の宣言なのです。
「definitive」が持つ重みは、歴史を通じて人々が知識や権威の源泉を求めてきた過程と深く結びついています。中世の教会が聖書を「definitive」な真実として提示したように、絶対的な基準を求める姿勢は、時代を超えて存在します。科学革命以降は、実験と観察によって得られた証拠が「definitive」な結論を導く手段として重視されるようになりました。しかし、科学的な「definitive」は常に暫定的であり、新たな発見によって覆される可能性を秘めているという点で、宗教的な「definitive」とは異なっています。
文学作品における「definitive」の探求は、人間の内面における葛藤を描き出す上で重要な役割を果たします。例えば、シェイクスピアの悲劇では、登場人物たちが運命や自己のアイデンティティについて「definitive」な答えを求め、その過程で破滅へと向かいます。彼らの苦悩は、人間が真実を追い求めることの難しさ、そして「definitive」な答えを得ることの代償を示唆しています。また、シャーロック・ホームズのような探偵小説の主人公は、緻密な推理によって事件の真相を「definitive」に解き明かし、読者に知的興奮と安心感を与えます。
現代社会においては、「definitive」はビジネス、法律、医療など、あらゆる分野で重要な意味を持ちます。契約書における「definitive agreement(最終合意)」は、交渉の終結と法的拘束力を意味し、プロジェクトの成功を左右します。医療における「definitive diagnosis(確定診断)」は、患者の治療方針を決定する上で不可欠です。しかし、情報過多の時代においては、「definitive」な情報を見極めることがますます難しくなっています。フェイクニュースや偏った情報が氾濫する中で、批判的思考力を養い、多角的な視点を持つことが、「definitive」な判断を下すために不可欠となっています。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、ニュース記事、エッセイなど
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての意味(決定的な、最終的な)を理解し、同義語(conclusive, ultimate)とのニュアンスの違いを把握する。派生語(definitively)も重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出単語。特にビジネス文書、レポート、契約書などでよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文脈(プロジェクトの最終決定、契約条件の確定など)
- 学習者への注意点・アドバイス: 「最終的な」「決定的な」という意味を理解し、文脈に合った適切な意味を選択する。似た意味を持つ単語(final, conclusive)との違いを意識する。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に歴史、科学、社会科学系の文章。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な文脈で、ある事柄に対する最終的な結論や定義を示す際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論を説明する文脈で使われることが多い。名詞(definition)との関連も理解し、文脈に応じた意味を把握する。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題(まれに)
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な単語帳には掲載されていることが多い。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、論説文など、アカデミックな文章でよく使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。「決定的な」「最終的な」という意味に加え、「最も信頼できる」といったニュアンスも理解しておく。