英単語学習ラボ

vague

/veɪɡ/(ヴェィグ)

二重母音 /eɪ/ は「エイ」と伸ばさず、「エ」から「イ」へスムーズに移行するイメージで。日本語の『エ』よりも口を少し横に開け、舌の位置を少し高くすると、より近い音になります。最後の /ɡ/ は有声の軟口蓋破裂音で、日本語の『グ』よりも喉の奥で発音します。息を止めてから、喉の奥を震わせるように発音すると良いでしょう。

形容詞

ぼんやりした

輪郭や詳細がはっきりせず、曖昧で捉えどころがない様子。記憶、考え、視覚的なイメージなど、さまざまなものに対して使われる。焦点が合っていない、不明瞭な状態を指す。

The morning mist made the distant mountains look very vague.

朝霧が遠くの山々をとてもぼんやりと見せていました。

朝、窓の外を見ると、霧で景色がかすんで見えることがありますよね。この例文は、そんな「はっきりと見えない」情景を表現しています。形や輪郭が「ぼんやりしている」という意味で'vague'を使います。視覚的なあいまいさを表す典型的な使い方です。

His instructions were so vague that I didn't know what to do next.

彼の指示はとてもあいまいだったので、私は次に何をすべきか分かりませんでした。

仕事や日常生活で、人からの説明や指示が「漠然としていて、具体的に何をすればいいのか分からない」と感じることはありませんか? この例文は、まさにそのような困惑した状況を表しています。情報や内容が「不明確な」「あいまいな」という意味で'vague'が使われる、非常に一般的な例です。

I only have a vague memory of my first day at elementary school.

小学校の初日の記憶は、ぼんやりとしかありません。

昔の出来事を思い出そうとしても、詳細が思い出せず、「うろ覚えだ」と感じることがありますよね。この例文は、過去の記憶が「はっきりしない」「あいまいな」状態を表しています。'vague memory'(ぼんやりした記憶)という形でよく使われるフレーズで、自分の記憶について話す際によく登場します。

形容詞

あいまいな

意味や意図が明確でなく、複数の解釈が可能な状態。法律、契約、指示など、言葉や表現に対して使われる。意図的に曖昧にされている場合と、単に不明確な場合がある。

His explanation was very vague, so I asked him to clarify it.

彼の説明はとてもあいまいだったので、私は彼にもう少しはっきりさせるよう頼みました。

会議や授業などで、説明がはっきりせず、困惑している様子が伝わりますね。vagueは、情報が足りない、漠然としている、といった状況でよく使われます。疑問に思ったときに「clarify(はっきりさせる)」と尋ねる行動まで描かれているので、覚えやすいでしょう。

I have only a vague memory of my grandmother's face from when I was very young.

とても幼かった頃の祖母の顔は、あいまいな記憶しかありません。

昔の記憶がぼんやりしている、はっきり思い出せない、という状況ですね。vagueは、記憶や夢など、心が捉えるものが不確かな場合によく使われます。「vague memory」は非常によく使われる表現で、懐かしさや少し寂しい気持ちが伝わるシーンです。

In the thick fog, I could only see a vague outline of the distant mountain.

濃い霧の中で、遠くの山のあいまいな輪郭しか見えませんでした。

霧や暗闇などで、物の形がはっきり見えない様子を描写していますね。vagueは、視覚的に「ぼんやりしている」「形が不明瞭である」という意味でも使われます。「outline」は「輪郭」を意味し、vagueと相性の良い単語です。景色を思い浮かべながら覚えると忘れにくいでしょう。

形容詞

おぼろげな

記憶や知識が不確かで、詳細を思い出せない状態。過去の出来事や人物、場所などに対して使われる。時間が経つにつれて薄れていく記憶の様子を表す。

The morning fog made the trees outside look very vague.

朝の霧のせいで、外の木々がとてもおぼろげに見えました。

この例文は、朝の霧で視界が悪く、窓の外の木々がはっきりと見えない、ぼんやりとした情景を描写しています。「vague」は、このように物理的なものが「おぼろげに見える」ときに非常によく使われます。特に、霧や煙などで視界が遮られる状況にぴったりです。

His instructions were so vague that I didn't know what to do.

彼の指示があまりにも曖昧だったので、何をすればいいか分かりませんでした。

ここでは、上司や先生などからの指示や説明が「あいまい」で「不明瞭」なために、どう行動すればいいか困っている様子を表しています。「vague」は、情報や説明が具体的でなく、理解しにくい場合によく使われます。ビジネスシーンや日常会話で、説明が漠然としていることに不満を感じる際にも使えます。

I have only a vague memory of my first day at elementary school.

小学校に入学した初日の記憶は、おぼろげにしかありません。

この例文は、過去の出来事、特に子供の頃の記憶が「はっきりしない」「断片的にしか覚えていない」という状況を示しています。「vague」は、このように記憶が「おぼろげで不確か」な状態を表す際によく用いられる形容詞です。懐かしいけれど、細部が思い出せないような感情が伝わってきます。

コロケーション

vague memory

ぼんやりとした記憶、曖昧な記憶

過去の出来事が鮮明でなく、詳細が思い出せない状態を指します。単に記憶力が悪いというよりも、時間が経ちすぎて細部が薄れてしまったニュアンスです。例えば、「I have a vague memory of visiting that place as a child.(子供の頃、その場所を訪れたぼんやりとした記憶がある)」のように使います。adjective + noun の典型的なコロケーションです。類似表現として 'hazy memory' もありますが、hazy は霧がかかったような、より不明瞭なイメージです。

vague idea

漠然とした考え、ぼんやりとしたアイデア

具体的な計画や詳細が定まっていない、大まかな考えを指します。ビジネスシーンで「vague idea」を提案すると、具体性に欠けると指摘される可能性があります。たとえば、「I have a vague idea about starting a new project.(新しいプロジェクトを始めることについて、漠然とした考えがある)」のように使います。'rough idea' や 'general idea' と似ていますが、vague はより不明確で、輪郭がぼやけている印象を与えます。

vague feeling

漠然とした感情、曖昧な感覚

特定の感情として明確に認識できない、何となく感じる不安や違和感を指します。例えば、「I had a vague feeling that something was wrong.(何かがおかしいという漠然とした感情があった)」のように使います。 'uneasy feeling' とも近いですが、vague は感情の種類が特定できないニュアンスが強いです。身体的な感覚に対しても使えます(例:vague pain)。

vague threat

曖昧な脅し、漠然とした脅迫

具体的な内容や対象が示されていない、漠然とした脅し文句を指します。例えば、「He made a vague threat about taking action.(彼は行動を起こすという曖昧な脅しをかけた)」のように使います。法的な文脈では、脅迫罪の成立要件として、具体的な害悪の告知が必要となるため、vague threat は脅迫とみなされない場合があります。'veiled threat'(覆われた脅し)も似た表現ですが、こちらは意図的に隠された脅しというニュアンスがあります。

vaguely remember

ぼんやりと覚えている、なんとなく覚えている

過去の出来事を完全に思い出せるわけではないが、断片的に記憶に残っている状態を指します。例えば、「I vaguely remember meeting him once.(彼に一度会ったことをぼんやりと覚えている)」のように使います。副詞 + 動詞のコロケーションです。'dimly remember' とも似ていますが、vaguely は記憶の焦点が合っていないような、より曖昧な印象を与えます。

vague language

曖昧な言葉遣い、不明瞭な表現

意図的に、または不注意によって、意味がはっきりしない言葉や表現を使うことを指します。政治的な演説や契約書などで、責任を回避したり、解釈の余地を残したりするために用いられることがあります。例えば、「The contract was full of vague language.(その契約書は曖昧な言葉遣いでいっぱいだった)」のように使います。 'ambiguous language' とも近いですが、ambiguous は複数の意味に解釈できるのに対し、vague はそもそも意味が明確でないというニュアンスがあります。

remain vague

曖昧なままである、不明瞭なままである

状況、情報、または説明が明確にならず、依然として不確かな状態であることを指します。例えば、「The details of the plan remain vague.(計画の詳細は曖昧なままである)」のように使います。動詞 + 形容詞のコロケーションです。ビジネスや政治の文脈でよく使用され、意図的に詳細を伏せている場合も、単に情報が不足している場合も含まれます。'stay vague' も同様の意味ですが、remain の方がややフォーマルな印象を与えます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、概念や理論の定義が不明確な場合や、データの解釈に幅があることを示す際に使用されます。例:『先行研究の定義が曖昧であるため、本研究では新たな定義を試みる』といった文脈で使われます。

ビジネス

ビジネス文書や会議において、計画や目標が具体性に欠ける場合や、責任範囲が不明確な状況を指摘する際に用いられます。例:『プロジェクトの目標設定が曖昧なため、具体的なKPIを設定する必要がある』といったように、改善を促す場面で使われることがあります。

日常会話

日常会話では、記憶や印象がはっきりしない状況を表現する際に使われます。例:『あの時のことは、ぼんやりとしか覚えていない』のように、過去の出来事を振り返る際に用いられることがあります。

関連語

類義語

  • 複数の解釈が可能で、意図的に曖昧にされている場合もある。法律文書や文学作品、政治的な発言などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"vague"よりも意図的な曖昧さを含むことが多く、解釈の余地があることを示唆する。フォーマルな場面で使われることが多い。 【混同しやすい点】"vague"は漠然としていて不明瞭な状態を指すのに対し、"ambiguous"は複数の意味を持ち解釈が分かれる状態を指す。日本語の「曖昧」に近いのは "ambiguous"。

  • 理解するのが難しく、隠されているような状態。学術的な論文や専門用語、難解な芸術作品などについて使われる。 【ニュアンスの違い】"vague"よりもさらに不明瞭で、意図的に隠されている、または難解であるというニュアンスが強い。理解するのが困難であることを強調する。 【混同しやすい点】"vague"は漠然としていることを指すのに対し、"obscure"は難解で理解しにくいことを指す。また、"obscure"は人里離れた場所や無名の人物などを指すこともある。

  • indistinct

    はっきりと区別できない、輪郭がぼやけている状態。視覚、聴覚、記憶など、感覚的な対象に対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"vague"よりも輪郭や境界線が曖昧であることを強調する。物理的な曖昧さを表現するのに適している。 【混同しやすい点】"vague"は概念や考え方が漠然としていることを指すのに対し、"indistinct"は主に感覚的な対象が不明瞭であることを指す。例えば、遠くの景色が "indistinct" である。

  • 雲のようにぼんやりとしていて、形がない状態。抽象的な概念やアイデアなど、形のないものに対して使われる。 【ニュアンスの違い】"vague"よりもさらに形がなく、捉えどころがないというニュアンスが強い。比喩的な表現として使われることが多い。 【混同しやすい点】"vague"は漠然としているが、ある程度の輪郭があるのに対し、"nebulous"はほとんど形がない状態を指す。例えば、"a nebulous idea"(漠然とした考え)のように使われる。

  • imprecise

    正確でない、厳密でない状態。数値、データ、情報など、正確さが求められるものに対して使われる。 【ニュアンスの違い】"vague"よりも不正確さ、曖昧さを強調する。正確な情報が不足していることを示唆する。 【混同しやすい点】"vague"は漠然としていることを指すのに対し、"imprecise"は正確さに欠けることを指す。例えば、"imprecise measurements"(不正確な測定値)のように使われる。

  • blurred

    ぼやけている、焦点が合っていない状態。視覚的な対象や記憶、感情などに対して使われる。 【ニュアンスの違い】"vague"よりも視覚的なぼやけ、または記憶や感情の曖昧さを強調する。物理的なぼやけだけでなく、心理的な曖昧さも表現できる。 【混同しやすい点】"vague"は漠然としていることを指すのに対し、"blurred"は焦点が合っていない、または輪郭がぼやけている状態を指す。写真やビデオなど、視覚的な文脈でよく使われる。

派生語

  • vagueness

    名詞形で「曖昧さ、不明瞭さ」。抽象的な概念を表し、議論や分析の対象となることが多い。日常会話よりも、ビジネス文書や学術論文など、よりフォーマルな文脈で使用される頻度が高い。

  • 副詞形で「曖昧に、ぼんやりと」。動詞や形容詞を修飾し、程度や状態が不明確であることを示す。日常会話でよく使われるが、ビジネスシーンでも「vaguely remember(ぼんやり覚えている)」のように使われる。

  • 接頭辞「extra-(外へ、超えて)」と語幹「vague」の組み合わせで、「度を越した、法外な」という意味になる。元々は「さまよう」の意味合いから転じて、「常軌を逸した」という意味を持つ。日常会話や文学作品で使われる。

反意語

  • 「明確な、限定的な」という意味の形容詞。「vague」が示す曖昧さとは対照的に、境界や内容がはっきりしている状態を表す。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。

  • 「明白な、率直な」という意味の形容詞。「vague」が暗示的、間接的であるのに対し、「explicit」は直接的で誤解の余地がないことを強調する。契約書や取扱説明書など、正確さが求められる場面で特に重要となる。

  • 「正確な、精密な」という意味の形容詞。「vague」の示す大まかさ、不正確さと対照的に、細部に至るまで正確であることを意味する。科学技術分野や品質管理など、厳密さが求められる分野で頻繁に使用される。

語源

"vague」は、ラテン語の「vagus」(さまよう、あてもなく歩く)に由来します。この「vagus」は、特定の場所や方向を持たず、定まらない状態を表していました。英語の「vagrant」(放浪者)も同じ語源を持ちます。「vague」が「ぼんやりした」「あいまいな」という意味を持つようになったのは、「さまよう」という概念から、焦点が定まらず、はっきりしないイメージが連想されたためです。例えば、霧の中をさまようと視界がぼやけるように、「vague」は思考や記憶、感覚などが不明瞭で捉えにくい状態を指すようになりました。日本語で言うと、「所在ない」という言葉が「vagus」の元々の意味に近いかもしれません。何となく落ち着かない、定まらない感じが、やがて「あいまい」という意味へと発展していったのです。

暗記法

「vague」は単なる曖昧さではない。ロマン派文学では、言葉にできぬ感情や神秘を表現する霧や影。ゴシック小説では、恐怖や不安を煽る曖昧な予感や記憶として登場する。社会では、政治家の曖昧な公約や企業の責任回避の声明のように、意図的なぼかしや欺瞞の道具にも。現代では、プライバシーポリシーやSNSのデマなど、情報過多と倫理観の欠如が曖昧さを増幅させている。

混同しやすい単語

vogue

発音が非常に似ており、どちらもカタカナで表現すると「ヴォーグ」のようになるため、聞き取り間違いが起こりやすい。'vague' は「曖昧な」という意味の形容詞であるのに対し、'vogue' は「流行」という意味の名詞であり、品詞も意味も異なる。特にファッション雑誌の『Vogue』を知っている学習者は、文脈で判断できるように注意が必要。語源的には、'vague' はラテン語の「漂う」に由来し、'vogue' はフランス語で「流行」を意味する言葉に由来する。

スペルが似ており、特に手書きの場合、'g' と 'a' の区別が曖昧になりやすい。'vague' が形容詞であるのに対し、'wag' は(犬などが尾を)「振る」という意味の動詞である。発音も異なるため、注意深く区別する必要がある。語源的には、'wag' は古英語に由来し、動きを表す。

発音の母音部分が似ており、特に早口で話された場合、聞き間違える可能性がある。'vague' が「曖昧な」という意味なのに対し、'fake' は「偽の」という意味であり、形容詞として使われる場合もあるが、名詞や動詞としても使われる。意味は全く異なるため、文脈で判断することが重要。'fake' は、何かを意図的に偽造することを意味する。

ague

'vague'の最初の'v'が脱落したようなスペルであり、混同しやすい。agueは「熱病」という意味の古語で、現代英語ではあまり使われない。しかし、古い文学作品などに出てくる可能性があるので注意が必要。発音も異なる。

vaunt

スペルがいくらか似ており、特に'va'の部分が共通しているため、視覚的に混同される可能性がある。'vague'が「曖昧な」という意味であるのに対し、'vaunt'は「自慢する」という意味の動詞である。発音も異なるため、注意が必要。あまり一般的な単語ではないが、文章で出会った際に混同しないように注意が必要。

envogue

こちらは複合語で、'in vogue' とも表現され、「流行している」という意味。前述の 'vogue' と関連するため、意味の混同が起こりやすい。'vague' の「曖昧な」という意味とは全く異なるため、文脈で判断することが重要。特にファッションやトレンドに関する話題で頻出する。

誤用例

✖ 誤用: The politician's stance on the issue was very vague, which made me feel uneasy.
✅ 正用: The politician's stance on the issue was deliberately vague, which made me feel uneasy.

日本語の『曖昧』には、単に『不明瞭』な状態と、意図的に言葉を濁すニュアンスが含まれます。英語の『vague』は基本的に前者を表し、意図的な曖昧さを強調したい場合は『deliberately vague』のように副詞を加える必要があります。日本人は、状況によっては相手に配慮して婉曲的な表現を好む傾向がありますが、英語では意図を明確にしないと誤解を招くことがあります。特に政治的な文脈では、意図的な曖昧さは操作的な印象を与えるため、注意が必要です。

✖ 誤用: I have a vague memory of visiting Kyoto when I was a child.
✅ 正用: I have a hazy memory of visiting Kyoto when I was a child.

『vague』は、詳細が不明瞭で捉えどころがない状態を表します。一方、『hazy』は、霧がかかったようにぼんやりしている状態を表します。幼少期の記憶は、鮮明さに欠けるという意味で『hazy』がより適切です。日本人は、記憶の曖昧さを『ぼんやり』と表現することが多いですが、英語では記憶の質に応じて使い分ける必要があります。また、『vague』は、計画やアイデアなど、抽象的なものに対して使われることが多いです。

✖ 誤用: He gave me a vague answer when I asked about his weekend plans.
✅ 正用: He gave me an evasive answer when I asked about his weekend plans.

『vague』は単に不明瞭な答えを指しますが、『evasive』は質問を避ける意図が込められた答えを指します。週末の予定を尋ねられた際に曖昧な返答をする場合、質問者は相手が何か隠していると感じる可能性があります。このような状況では、意図的に話題をそらそうとするニュアンスを含む『evasive』がより適切です。日本人は、相手に詮索されたくない場合、はっきりと拒否する代わりに曖昧な返事をすることがありますが、英語では『vague』な返事が必ずしも同じ意味合いを持つとは限りません。

文化的背景

「vague」という言葉は、単なる「曖昧さ」を超え、意図的なぼかしや、言葉にできない感情、あるいは社会的に触れることを避けたい領域を覆い隠すヴェールのような役割を担ってきました。それは、明確な輪郭を欠いた夢や、過去の記憶の断片、そして未来に対する漠然とした不安感といった、人間の内面世界に深く根ざした概念と結びついています。

19世紀のロマン主義文学において、「vague」は、合理主義的な思考では捉えきれない、人間の心の奥底にある神秘や感情を表現するために頻繁に用いられました。例えば、詩人たちは、霧のかかった風景や、夜の闇の中に消えゆくシルエットを描写することで、言葉では表現しきれない感情の機微や、人間の存在の儚さを表現しました。また、ゴシック小説においては、「vague」な存在は、しばしば恐怖や不安の源泉として描かれ、読者の想像力を掻き立てる役割を果たしました。登場人物たちは、曖昧な予感や、ぼんやりとした記憶に悩まされ、真実を掴もうと苦闘する姿が描かれます。これらの作品群において、「vague」は、人間の理性では解明できない、深淵な心理世界への扉を開く鍵として機能していたのです。

さらに、「vague」は、社会的なタブーや、政治的な策略を覆い隠すための言葉としても用いられてきました。例えば、ある政治家が、具体的な政策を語らずに、「国民の皆様の幸福のために尽力する」といった曖昧な表現を繰り返す場合、それは、自身の真意を隠し、批判をかわすための戦略である可能性があります。また、ある企業が、環境汚染に関する疑惑に対して、「最大限の努力を払っている」といった曖昧な声明を発表する場合、それは、責任を回避し、世論の批判を鎮めるための試みであると考えられます。このように、「vague」は、意図的に真実をぼかし、人々を欺くための道具として利用されることもあるのです。

現代社会においても、「vague」は、様々な場面でその姿を現します。例えば、デジタル化が進む社会において、個人情報の保護に関する議論が活発化していますが、その一方で、企業は、「プライバシーポリシー」といった曖昧な文言を用いて、個人情報の利用目的を明確にしないことがあります。また、SNSにおいては、匿名性が高いことから、根拠のない噂やデマが拡散されやすく、真実と虚構の境界線が曖昧になることがあります。このように、「vague」は、現代社会における情報過多や、倫理観の欠如といった問題と深く結びついており、私たち一人ひとりが、その意味を深く理解し、批判的な視点を持つことが重要であると言えるでしょう。

試験傾向

英検

準1級・1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。1級では同意語選択問題で問われることも。文脈から「あいまいな」「漠然とした」意味を判断する必要があり、類義語(unclear, ambiguous)との使い分けが重要です。ライティングやスピーチで使う際は、具体例を挙げてvagueにならないように注意しましょう。

TOEIC

Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)で登場する可能性があります。ビジネスシーンでの使用頻度はそこまで高くありませんが、契約書や報告書などで「不明確な点がある」といったニュアンスで使われることがあります。類義語(imprecise, indefinite)との区別がポイントです。

TOEFL

リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で、概念や理論が「曖昧である」「定義が定まっていない」といった文脈で使われます。同意語・反意語問題、文脈推測問題で問われる可能性が高いです。ライティングセクションでは、主張を明確にするために、vagueな表現を避けるようにしましょう。

大学受験

難関大学の長文読解で頻出。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることが多いです。単語の意味だけでなく、文脈におけるニュアンスを理解することが重要です。和訳問題では、状況に応じて適切な日本語訳(例:「曖昧な」「漠然とした」「不明瞭な」)を選ぶ必要があります。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

本サイトは学習用途を想定しており、専門家の監修を受けていません。 正確性には留意していますが、誤りに気付いた場合はフォームからご連絡ください。