absolute
第一音節にアクセントがあります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し大きく開けて発音します。/uː/ は長母音で、口をすぼめて「ウー」と伸ばします。最後の /t/ は、息を止めてから破裂させるように発音するとよりネイティブに近い音になります。
専門的な内容に関するご注意
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完全な
疑いの余地なく、完全にそうである状態。absolute certainty(絶対的な確信)のように、程度が最大限であることを表す。
Studying every day is an absolute necessity if you want to pass the difficult exam.
もしその難しい試験に合格したいなら、毎日勉強することが絶対的に必要です。
※ この例文は、目標達成のために「絶対に欠かせないこと」を表現しています。試験合格という強い願いがあるからこそ、「absolute necessity(絶対的な必要性)」という言葉に重みが感じられますね。 「absolute」は「疑う余地のない、完全な」という意味で、ここでは「これなしではありえない」という強いニュアンスを伝えています。
After the long meeting, there was an absolute silence in the room as everyone felt exhausted.
長い会議の後、みんなが疲れ果てていたので、部屋には完全な静寂が訪れました。
※ この例文では、疲れた参加者たちが言葉を交わす気力もなく、部屋が「完全に静まり返った」様子を描写しています。会議の後の疲労感が、その静けさをより一層鮮明に感じさせますね。 「absolute silence(完全な静寂)」のように、物理的な状態や感覚を表す名詞と組み合わせて、「全くの」「完全に」という意味を強調する際によく使われます。
I have absolute confidence in her ability to finish this difficult project on time.
彼女がこの難しいプロジェクトを期限内に終える能力について、私は絶対的な自信を持っています。
※ この例文は、誰かの能力に対する「揺るぎない信頼」を表現しています。難しいプロジェクトであっても、彼女ならできるという強い確信が伝わってきますね。 「absolute confidence(絶対的な自信)」のように、感情や信念、確信を表す名詞と組み合わせて、「全く疑いのない」「完全に確かな」という強い気持ちを伝える際によく使われる表現です。
無条件の
何らかの条件や制限がないこと。absolute power(絶対権力)のように、制約を受けない権威や自由を表す。
My dog gives me absolute loyalty, always waiting by the door.
私の犬は私に**無条件の**忠誠心を捧げ、いつもドアのそばで待っています。
※ 飼い主が家に帰るのを、どんな時も健気に待ち続ける犬の姿が目に浮かびますね。「absolute loyalty」は、見返りを求めず、ただ純粋に相手を信頼し、尽くす気持ちを表します。犬が示すような、条件のない深い愛情を伝えるのにぴったりの表現です。
The teacher demanded absolute silence during the exam to help students focus.
先生は生徒が集中できるよう、試験中は**絶対的な**静けさを要求しました。
※ 試験会場の張り詰めた空気の中、生徒たちが集中できるよう、先生が「物音一つ立ててはいけない」という徹底した静けさを求めている場面です。「absolute silence」は、わずかな音も許されない、完璧な静寂を意味します。生徒たちの学習環境を最優先する、先生の強い意図が伝わります。
She felt an absolute certainty that her decision was the right one for her future.
彼女は自分の決断が将来にとって正しいものだと、**揺るぎない**確信を感じていました。
※ 人生の大きな選択をした後、一切の迷いや疑いがなく、「これで間違いない」と確信している女性の気持ちを表しています。「absolute certainty」は、様々な条件や状況に左右されず、自分の選択や信念が正しいと強く信じる、確固たる自信を意味します。心の中の強い決意が感じられますね。
絶対的な
他との比較ではなく、それ自体で価値や基準が確定していること。absolute music(絶対音楽)のように、具体的な意味や目的を持たない純粋な音楽を指す。
She felt absolute confidence before her big presentation.
彼女は大切なプレゼンの前に、絶対的な自信を感じていました。
※ この例文は、大きなイベントを控えた人が「揺るぎない自信」を持っている情景を描いています。ここでは「absolute confidence」で、何の疑いもなく、完全に自信がある状態を表現しています。目標に向かって努力した結果、確かな手応えを感じている、そんな前向きな気持ちが伝わりますね。
For the baby to sleep, we need absolute quiet in the house.
赤ちゃんが眠るために、私たちは家の中で絶対的な静けさが必要です。
※ この例文は、赤ちゃんがぐっすり眠れるように、家族が家の中で物音一つ立てないように気を使っている様子を表しています。「absolute quiet」は「完全な静けさ」という意味で、少しの音も許されないような、非常に強い「必要性」や「要求」を伝えるときに使われます。誰もが経験しうる、心温まる日常の一場面です。
His story was an absolute lie, and everyone knew it.
彼の話は全くの嘘で、みんながそれを知っていました。
※ この例文では、誰かの話が「完全に、全くの嘘」であったことが、周りの人には明らかだったという状況を描写しています。「an absolute lie」は「疑いようのない嘘」「完全な嘘」という意味で、事実ではないことを強く断定する際に使われます。真実が明らかになった瞬間の、はっきりとした気持ちが伝わりますね。
コロケーション
絶対権力、無制限の権力
※ 「absolute」が持つ「制限がない」「完全な」という意味が、権力という名詞を修飾することで強調されます。政治学や歴史の文脈でよく用いられ、「absolute monarchy(絶対君主制)」のように、特定の政治体制を指す場合もあります。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や学術的な議論で使われることが多いでしょう。
絶対的な自由裁量、完全な判断の自由
※ 「discretion」は「裁量、自由な判断」を意味し、「absolute」がつくことで、その裁量が誰にも制限されないことを表します。契約書や法的文書でよく見られる表現で、特定の行為や決定に関して、完全に自己の判断に委ねられている状態を指します。ビジネスシーンでも、重要な意思決定権限について言及する際に用いられます。
完全な静寂、絶対的な沈黙
※ 「silence」という名詞を「absolute」が修飾することで、音が全くない状態、または発言が一切ない状態を強調します。映画や演劇の脚本、小説などで、緊迫感や神秘的な雰囲気を演出するために使われることがあります。比喩的に、意見や反応が全くない状態を指す場合もあります。
絶対的な確信、揺るぎない自信
※ 「certainty」は「確信、自信」を意味し、「absolute」がつくことで、その確信が疑いの余地がないほど強いことを表します。科学的な事実や個人的な信念など、様々な文脈で使用されます。ただし、客観的な根拠がない場合、「absolute certainty」は傲慢さや独断と見なされる可能性もあるため、注意が必要です。
全くの初心者、完全な未経験者
※ 「beginner」を「absolute」で修飾することで、その人がその分野において全く知識や経験がないことを強調します。スポーツ、音楽、語学など、新しいことを始める際に自己紹介として使われることが多い表現です。謙遜のニュアンスを含むこともあります。
絶対値
※ 数学における「絶対値」を指す専門用語です。数値が正であるか負であるかに関わらず、その数値の原点からの距離を表します。数学や物理学の分野で頻繁に使用されます。
絶対多数
※ 政治や選挙で用いられる用語で、全体の過半数(50%超)を意味します。相対多数(relative majority、最多得票)とは異なり、当選や議決に必要な条件として設定されることがあります。ニュース記事や政治関連の文書でよく見られます。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。「絶対温度」「絶対零度」のような物理学の概念や、「絶対多数」「絶対王政」のような政治学の概念を説明する際に用いられます。統計学では、「絶対誤差」という言葉も使われます。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、重要性や確実性を強調する際に使用されます。「絶対的な自信」「絶対に必要な条件」のように、目標達成やプロジェクトの成功を左右する要素を説明する際に使われます。また、「absolute discretion(絶対的な裁量)」のように、契約や権限の範囲を明確にする際にも用いられます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やノンフィクション作品で、強い感情や意見を表現する際に使われることがあります。「絶対に見逃せない映画」「絶対に許せない行為」のように、個人的な価値観や倫理観を強調する際に用いられます。また、「absolute beginner(全くの初心者)」のように、能力のレベルを説明する際にも使われます。
関連語
類義語
『完全な』『全部揃った』という意味。何かが不足なく、全体として完結している状態を表す。ビジネス、日常会話、学術など幅広い場面で使用。 【ニュアンスの違い】"absolute"が持つ『制限がない』『疑いの余地がない』というニュアンスよりも、『必要な要素が全て揃っている』という完成度や網羅性を強調する。対象となるものの範囲や構成要素に焦点が当たる。 【混同しやすい点】"absolute"は程度や質が最高であることを示す場合があるが、"complete"は単に『全部ある』という状態を示す。例えば、『absolute silence(完全な沈黙)』は単に音がしないだけでなく、張り詰めたような静寂を表すが、『complete set(完全なセット)』は単に全部揃っていることを意味する。
『全くの』『完全な』という意味で、否定的な意味合いや強い感情を伴う状況で使われることが多い。文学的な表現や、感情的な会話でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"absolute"と同様に程度を強調するが、"utter"はより感情的なニュアンスが強く、ネガティブな状況や失望、驚きなどを表す際に適している。フォーマルな場面よりも、インフォーマルな場面で使われることが多い。 【混同しやすい点】"utter"は名詞の前に置かれる形容詞としてのみ使われることがほとんどで、動詞や他の品詞を修飾することは少ない。また、良い意味ではほとんど使われず、『utter failure(完全な失敗)』のように否定的な意味合いで用いられる。
『全体の』『完全な』という意味で、数量や範囲が全て含まれていることを強調する。ビジネス、科学、日常会話など、客観的な事実を伝える場面で広く使われる。 【ニュアンスの違い】"absolute"が持つ『疑いの余地がない』『絶対的な権威』といったニュアンスよりも、単に『全部』であることを強調する。客観的な事実を述べる際に適しており、感情的な要素は少ない。 【混同しやすい点】"total"は数量や範囲を強調するため、感情や意見など、数値化できないものには使いにくい。例えば、『absolute freedom(絶対的な自由)』は感情的な自由を表せるが、『total freedom』は自由の範囲が全てであることを意味する。
『全くの』『純粋な』という意味で、驚きや強調を表す際に使われる。特に、困難や驚くべき状況を説明する際に用いられることが多い。日常会話や文学的な表現で見られる。 【ニュアンスの違い】"absolute"が持つ客観性や普遍性よりも、話し手の主観的な驚きや強調のニュアンスが強い。信じられないような状況や、何かを強調したい場合に適している。 【混同しやすい点】"sheer"は、しばしば感情的な反応や驚きを伴う状況で使用されるため、客観的な事実を述べる場合には不適切である。また、『sheer luck(全くの幸運)』のように、特定のコロケーションでよく使われる。
- unqualified
『無条件の』『絶対的な』という意味。制限や条件がないことを強調する。政治、法律、倫理などの議論でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"absolute"と同様に制限がないことを意味するが、"unqualified"は特に承認、支持、または権利などが制限されていないことを強調する。よりフォーマルな文脈で使用されることが多い。 【混同しやすい点】"unqualified"は人や物事の状態を表す際に使われ、特に能力や資格がないという意味でも使われるため、文脈によっては誤解を招く可能性がある。例えば、『unqualified success(完全な成功)』は制限のない成功を意味するが、『unqualified candidate(資格のない候補者)』は能力がない候補者を意味する。
『完璧な』『申し分のない』という意味で、欠点や不足がない理想的な状態を表す。日常会話、ビジネス、学術など、幅広い場面で使用。 【ニュアンスの違い】"absolute"が持つ『絶対的な』『制限がない』というニュアンスよりも、『理想的な状態』であることを強調する。主観的な評価や美的感覚が伴う場合によく用いられる。 【混同しやすい点】"perfect"は主観的な評価が入りやすく、必ずしも客観的な事実に基づいているとは限らない。例えば、『absolute truth(絶対的な真実)』は普遍的な真理を意味するが、『perfect day(完璧な一日)』は個人の感情や経験によって異なる。
派生語
- absolutism
『絶対主義』。absolute に抽象名詞を作る接尾辞 -ism が付いた形。政治学や歴史学で、絶対的な権力を持つ統治体制を指す言葉として使われる。absolute の『完全な』『制限のない』という意味が、政治権力に応用された。
『絶対的に』『完全に』という意味の副詞。absolute に副詞を作る接尾辞 -ly が付いた形。日常会話で相手に同意する際や、ビジネスシーンで確信を持って何かを述べるときに頻繁に使われる。absolute の意味を強める役割を持つ。
- absolution
『赦免』『罪の許し』という意味の名詞。absolute と語源を共有し、ラテン語の absolvere(解放する)に由来する。宗教的な文脈で、罪や義務からの解放を意味する。absolute が持つ『完全な』という意味合いが、『完全な解放』という形で発展した。
反意語
『相対的な』という意味の形容詞。absolute が絶対的な基準に基づくのに対し、relative は他の何かとの比較によって決まることを示す。日常会話から学術論文まで幅広く使われ、特に意見や価値観の多様性を議論する際に重要となる。absolute と相対性理論(theory of relativity)における対比は有名。
『限定された』という意味の形容詞。absolute が制限のない状態を示すのに対し、limited は範囲や量が制限されている状態を示す。契約書や法律文書など、具体的な条件や範囲を定める際に頻繁に使われる。absolute monarchy(絶対君主制)に対して limited monarchy(立憲君主制)のように、政治体制の対比にも使われる。
『条件付きの』という意味の形容詞。absolute が無条件であることを意味するのに対し、conditional は特定の条件が満たされた場合にのみ有効であることを示す。契約や約束事など、特定の条件に基づいて何かを行う場合に用いられる。absolute guarantee(絶対保証)に対して conditional guarantee(条件付き保証)のように対比される。
語源
「absolute」はラテン語の「absolutus」に由来します。これは「完全にされた」「解き放たれた」という意味を持ち、「ab-」(〜から離れて)と「solvere」(解放する、解く)という要素から構成されています。つまり、元々は「何ものにも束縛されない」「制限を受けない」状態を指していました。例えば、借金を「solvere」(解決する)とは、債務から「ab-」(離れる)ことを意味します。そこから転じて、「完全な」「無条件の」「絶対的な」という意味合いを持つようになりました。日本語の「絶対」という言葉にも、他からの影響を受けない、独立した概念というニュアンスが残っています。
暗記法
「absolute」は、絶対王政下ではルイ14世の権威の象徴でした。哲学では、カントが認識の限界に挑み、ヘーゲルが絶対精神を追求しました。現代では、絶対的な真理への批判もありますが、絶対的な正義を求める言葉としても生きています。権力、知識、正義…時代と文脈で意味を変えながら、人間の探求心と深く結びついた言葉、それが「absolute」です。
混同しやすい単語
『absolute』と語尾が似ており、発音も母音の数が同じため、特にリスニング時に混同しやすい。意味は『時代遅れの』、『廃れた』であり、品詞は形容詞。スペルも似ているため、注意が必要。語源的には、『obsolete』は『完全に外へ(ob-sol-)』という意味合いがあり、『absolute』の『完全に解き放たれた(ab-solute)』とは方向性が異なることを意識すると区別しやすい。
先頭の音が似ており、特に発音練習が不十分な場合、聞き間違えやすい。意味は『吸収する』であり、動詞。スペルも 'abs-' の部分が共通しているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、『absorb』は『完全に吸い込む(ab-sorb)』という意味で、物理的な吸収を表すことが多い。
語尾の '-solute' が共通しているため、スペルミスしやすい。意味は『断固とした』、『決意の固い』であり、形容詞。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、『resolute』は『再び解き放たれた(re-solute)』というニュアンスがあり、決意の固さを表す。
『absolute』とはスペルが大きく異なるものの、最初の 'abs-' の部分が共通しているため、スペルミスしやすい。意味は『控える』、『棄権する』であり、動詞。発音も最初の部分が似ているため、注意が必要。語源的には、『abstain』は『完全に離れる(ab-tain)』という意味で、自制を表す。
発音の強勢の位置(アクセント)が似ているため、リスニング時に混同しやすい。意味は『同意する』、『就任する』であり、動詞。スペルは全く異なるが、発音の印象が似ているため注意が必要。特に、早口で話されると聞き分けが難しい。語源的には、accedeは「~に向かって(ad-)進む(cede)」という意味合いがあり、absoluteとは全く異なる。
語尾が同じ '-solute' で終わるため、スペルと発音の両面で混同しやすい。意味は『放蕩な』、『堕落した』であり、形容詞。absoluteとは反対の意味合いを持つ場合もある。語源的には、「dissolute」は「バラバラに(dis-)解き放たれた(solute)」というイメージで、抑制がない状態を表す。
誤用例
日本語の『絶対的な真実』を直訳するとabsolute truthとなりがちですが、英語では押し付けがましい、あるいは独善的な印象を与えます。英語ではplain truth(明白な真実)、simple truth(単純な真実)など、より客観的で謙虚な表現が好まれます。特に議論の文脈では、absoluteは議論の余地がないというニュアンスが強すぎるため、反感を買う可能性があります。日本人が『絶対』という言葉を多用する背景には、集団主義的な文化の中で、共通認識を重視する傾向がありますが、英語圏では個人の意見の尊重が重要視されるため、表現を和らげる必要があります。
absolute confidenceは文法的に誤りではありませんが、日常会話ではやや不自然に聞こえます。英語ではevery confidenceという表現がより一般的で自然です。absoluteは形容詞として『完全な』『絶対的な』という意味を持つため、名詞のconfidenceを修飾する際に、過剰な強調と捉えられる可能性があります。また、日本語の『絶対』には、疑いの余地がない、という強い意味合いがありますが、英語ではevery confidenceの方が、確信を持ちつつも、謙虚さを含むニュアンスがあります。日本人が『絶対』という言葉を好む傾向は、確実性を求める心理の表れですが、英語ではやや大げさな表現を避ける傾向があります。
absolute governmentは意味が通じなくはないですが、一般的にはabsolute monarchy(絶対君主制)という表現が使われます。governmentは政府、統治という意味で、制度そのものを指す場合にはmonarchy(君主制)、democracy(民主主義)などの語を使うのが適切です。日本語では『絶対的な政府』という表現を使うことがありますが、これは英語の語彙の使い分けに注意が必要です。制度を指す言葉なのか、政府の性質を指す言葉なのかを意識することで、より正確な英語表現を選ぶことができます。
文化的背景
「absolute」は、完全性・絶対性という概念を体現し、歴史を通じて権力、知識、そして美の究極の形を象徴してきました。この言葉は、揺るぎない真実や、いかなる制限も受けない権威を表現する際に用いられ、文化の中で特別な重みを持つようになりました。
絶対王政の時代、「absolute」は国王の権力を表す言葉として頻繁に用いられました。ルイ14世は「太陽王」として知られ、「朕は国家なり」という言葉に象徴されるように、自らの権力を絶対的なものとしました。彼の統治下では、国王の決定は最終的なものであり、いかなる異議も許されませんでした。この時代の「absolute」は、支配者の意志が社会の隅々にまで浸透し、個人の自由や権利が制限される状況を反映していました。ヴェルサイユ宮殿の豪華絢爛な装飾は、絶対的な権力の象徴として、「absolute」という言葉に視覚的なイメージを与えました。
哲学の世界では、「absolute」は真理の探求と深く結びついています。カントは、経験を超越した「絶対的なもの」を認識することの限界を指摘しましたが、ヘーゲルは「絶対精神」という概念を通じて、歴史と理性の発展における究極の目標を追求しました。ヘーゲルの哲学では、「absolute」は単なる静的な概念ではなく、歴史的なプロセスを通じて自己を認識し、実現していく動的な力として捉えられています。この哲学的な探求は、「absolute」が単なる権力や支配だけでなく、知識や理解の限界に挑戦する人間の精神を表す言葉でもあることを示しています。
現代社会では、「absolute」はしばしば批判的な意味合いを帯びることもあります。絶対的な真理や価値観を主張することは、多様性を否定し、他者の意見を尊重しない態度と見なされることがあります。しかし、同時に、「absolute」は、不正や不平等に対して断固として立ち向かう姿勢を表現する言葉としても用いられます。例えば、「absolute justice(絶対的な正義)」という言葉は、いかなる妥協も許さない、徹底的な正義の実現を求める強い意志を表します。このように、「absolute」は、状況や文脈によって異なる意味合いを持ち、私たちの価値観や信念を反映する言葉として、今もなお文化の中で生き続けています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級で重要。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な内容、社会問題、環境問題など幅広いテーマ。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「絶対的な」「完全な」の意味の他に、「疑う余地のない」という意味も重要。類義語(utter, complete)との使い分けも意識。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。
- 頻度と級・パート: Part 5, 7で比較的頻出。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの契約、品質保証、顧客対応など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「絶対的な」「完全な」という意味で、契約条件や保証内容を強調する際に使われることが多い。absolute necessity (絶対に必要なもの)のようなコロケーションも覚えておくと有利。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで高頻度。
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、科学記事、歴史、社会科学など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論を説明する際に「絶対的な」「絶対的な基準」のような意味で使用される。文脈から正確な意味を把握することが重要。
- 出題形式: 主に長文読解問題。
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化、歴史など幅広いテーマ。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なるため、前後の文脈から意味を推測する練習が必要。「絶対的な」「完全な」以外にも、「疑う余地のない」という意味で使われる場合もある。