defence
第一音節の母音/ɪ/は、日本語の「イ」よりも口を少し開き、短く発音します。第二音節の強勢(ˈ)に注意し、「フェ」を強く発音してください。最後の 's' は無声音で、日本語の「ス」よりも息を強く出すように意識するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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防御
攻撃から身を守る行為。軍事的な防衛、スポーツの守備、自己防衛など、幅広い文脈で使用される。抽象的な概念としての『防御』を指す場合にも使う。
The castle's strong defence protected the people inside from invaders.
その城の強固な防御は、中の人々を侵入者から守りました。
※ この例文では、お城の壁や堀といった「物理的な防御」が、外敵から人々を守る様子が描かれています。このように、具体的な建物や構造物が持つ「守りの力」を表すときに 'defence' はよく使われます。'strong defence'(強固な防御)は非常によく使う組み合わせです。
Our soccer team played with excellent defence to keep the opponents from scoring.
私たちのサッカーチームは、相手に得点させないように素晴らしい守備をしました。
※ スポーツの試合で、チームや選手が相手の攻撃からゴールや得点圏を守る「守備」のことも 'defence' と言います。この文では、選手たちが協力して相手の攻撃を防いでいる、チームワークが感じられる場面が目に浮かびますね。'play with defence' は「守備をする」というニュアンスで使われます。
Washing your hands is a simple defence against common colds and flu.
手を洗うことは、一般的な風邪やインフルエンザに対する簡単な防御策です。
※ ここでは 'defence' が、病気などの「望ましくないもの」から身を守るための「対策」や「手段」という意味で使われています。日常生活でできる予防策が、まるで体の盾のようだと感じられます。'defence against X' は「Xに対する防御」という形で非常によく使われる表現です。
弁護
法廷で被告人を擁護すること。または、意見や行動を正当化する行為。名誉を守るニュアンスを含む。
The lawyer presented a strong defence for his client in court.
弁護士は法廷で依頼人のために力強い弁護を行いました。
※ この例文は、法廷で弁護士が依頼人を守るために発言している、まさに「弁護」という言葉が最も典型的に使われる場面を描写しています。緊張感のある法廷で、弁護士が依頼人の無実を証明しようと必死に弁論している様子が目に浮かびますね。「defence for someone」で「誰かのための弁護」という意味になります。
She tried to make a defence for her sudden absence from the meeting.
彼女は会議への突然の欠席について弁明しようとしました。
※ この例文では、誰かが自分の行動を説明し、理解を求めたり、誤解を解いたりする、より日常的な「弁明」の場面を描いています。会議に突然来られなかった理由を、焦りながらも懸命に説明しようとしている姿が想像できますね。「make a defence for something」という形で「~について弁明する」という意味でよく使われます。
His brilliant defence of the new project impressed everyone in the room.
彼の新プロジェクトに対する見事な擁護は、部屋にいた全員を感心させました。
※ この例文は、自分の意見や提案が批判されたときに、それを守り、正当性を主張する場面を表しています。新しいプロジェクトについて、周りからの疑問や反対意見に対して、彼が自信を持って説得力のある説明をしている様子が伝わってきますね。「defence of something」で「~の擁護」という意味になり、議論やビジネスの場で使われることもあります。
守備陣
スポーツにおいて、自陣を守るチームの選手たち。組織的な守りの体制を指す場合もある。
The other team attacked strongly, but our defence stood firm.
相手チームは強く攻撃しましたが、私たちの守備陣はしっかりと持ちこたえました。
※ サッカーやバスケットボールの試合で、相手の猛攻に耐える守備陣の姿を描写しています。「defence」は、スポーツで「守備をする選手たち」や「守りのチーム全体」を指す際によく使われます。「stood firm」は「しっかりと持ちこたえた」という意味で、守備陣の粘り強さを表すのにぴったりです。
With only seconds left, our defence fought hard to protect the lead.
残り数秒で、私たちの守備陣はリードを守るために懸命に戦いました。
※ 試合終盤の緊迫した場面です。勝利目前で、相手に得点を許さないよう必死に守る守備陣の姿が目に浮かびます。「fought hard」は「懸命に戦った」、「protect the lead」は「リードを守る」という意味で、スポーツの試合で頻繁に出てくる表現です。
Our coach always tells us that a strong defence wins games.
私たちのコーチはいつも、強い守備陣が試合に勝つ、と私たちに言います。
※ スポーツチームの戦略やコーチの指導を伝える場面です。スポーツの世界では「強い守備が勝利の鍵」という考え方が非常に一般的で、この文のように、指導者が「defence」の重要性を説く際に使われる典型的な表現です。
コロケーション
防空システム
※ 敵の航空機やミサイルによる攻撃から国土や重要施設を防衛するためのシステム全般を指します。軍事用語として非常によく使われ、レーダー、ミサイル発射装置、指揮統制システムなどが統合されています。単に『air defence』と言う場合も同様の意味ですが、『system』をつけることで、より体系化された組織的な防衛体制を強調するニュアンスがあります。ニュースや軍事関連の記事で頻繁に見られます。
~を擁護して、~を守るために
※ 人、主義、行動などを支持し、弁護する際に用いられる表現です。例えば、『in defence of free speech(言論の自由を守るために)』のように使います。フォーマルな響きがあり、議論やエッセイなど、意見を表明する場面でよく見られます。類似の表現として『in support of』がありますが、『in defence of』はより積極的に、攻撃や批判から守るニュアンスが強くなります。
国家防衛
※ 自国の領土、国民、主権を外部からの攻撃から守るための活動全般を指します。政府の重要な責務の一つであり、軍事力、外交、情報活動など、様々な要素が含まれます。ニュースや政治的な議論で頻繁に登場し、予算配分や政策決定に大きな影響を与えます。類似の表現として『homeland security』がありますが、『national defence』は主に軍事的な側面を強調する傾向があります。
国防費
※ 国家防衛のために政府が支出する費用を指します。軍隊の維持、兵器の開発・調達、軍事施設の建設などに充てられます。国防費は国の予算の中で大きな割合を占めることが多く、政治的な議論の的となりやすいです。ニュースや経済関連の記事で頻繁に登場し、GDPに占める割合などが比較されます。類義語として『military expenditure』がありますが、こちらはより広範な軍事関連の支出を指します。
防衛機制
※ 心理学の用語で、人が不安やストレスから自己を守るために無意識的に用いる心理的な戦略を指します。抑圧、合理化、投影など、様々な種類があります。心理学の分野でよく用いられ、自己理解やカウンセリングの文脈で登場します。日常会話で使われることは少ないですが、心理学に興味のある人にとってはなじみ深い言葉です。
強固な守備、強力な防御
※ 物理的な防御だけでなく、比喩的に意見や立場を守る場合にも使えます。スポーツ、軍事、議論など、様々な分野で用いられます。例えば、サッカーで『a strong defence』は、相手チームの攻撃を効果的に防ぐ守備陣を指します。ビジネスシーンでは、企業のブランドイメージや市場シェアを守るための戦略を指すこともあります。反対語は『a weak defence』となります。
正当防衛で
※ 自分自身や他人を守るために、やむを得ず暴力を行使することを指します。法的な文脈でよく用いられ、犯罪行為の正当性を主張する根拠となります。ニュースや法律関連の記事で頻繁に登場し、その行為が正当防衛と認められるかどうかが争点となります。類似の表現として『self-preservation』がありますが、『in self-defence』はより具体的な暴力行為を伴う場合に用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。例えば、安全保障研究において「国の防衛戦略(national defence strategy)」を議論する際や、生物学で「植物の自己防衛メカニズム(plant defence mechanisms)」を説明する際に使われます。また、法学分野では「被告の弁護(defence of the accused)」という文脈で使用されます。
ビジネス文書や会議で、リスク管理や法的責任に関する議論で登場します。例えば、「会社の評判を守るための広報戦略(public relations defence)」や、「特許侵害に対する防御策(defence against patent infringement)」といった文脈で使用されます。また、M&Aの場面で「買収防衛策(takeover defence)」という言葉が使われることもあります。
日常会話では、スポーツ(特にサッカーやラグビー)の話題で「ディフェンス(defence)」として使われることがあります。例えば、「今日の試合、ディフェンスが固かったね」のように使われます。また、自己防衛の文脈で「護身術(self-defence)」という言葉が使われることもあります。ニュース記事などで、国家防衛に関する話題を目にすることもありますが、日常会話で頻繁に使用されるわけではありません。
関連語
類義語
危害や損害から守る行為、または守るための手段全般を指す。物理的な防御だけでなく、法的保護や経済的保護など、幅広い状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"defence"が攻撃に対する反撃や防御行動を意味するのに対し、"protection"はより広範な予防措置や保護措置を含む。"protection"はしばしば、弱者や貴重なものを守るというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"defence"は具体的な防御システムや戦略を指すことが多いが、"protection"は抽象的な概念や状態を指す場合もある。例えば、"national defence"(国防)と"consumer protection"(消費者保護)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。
安全な状態、または安全を確保するための措置を意味する。物理的な安全だけでなく、情報セキュリティや経済的安定など、広範な意味で使用される。企業や国家レベルでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"defence"が脅威に対する直接的な防御を意味するのに対し、"security"は脅威の予防や軽減、そして安全な状態の維持を重視する。"security"はしばしば、将来的なリスクを考慮した長期的な視点を含む。 【混同しやすい点】"defence"は具体的な防御行動やシステムを指すことが多いが、"security"はより抽象的な概念や状態を指す場合もある。例えば、"cyber defence"(サイバー防衛)と"national security"(国家安全保障)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。
文字通りには盾を意味し、比喩的には保護するもの、隠蔽するものという意味合いを持つ。物理的な防御だけでなく、感情的な防御や秘密の保護など、様々な状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"defence"が能動的な防御行動を意味するのに対し、"shield"は受動的な保護、または隠蔽を意味することが多い。"shield"はしばしば、個人や感情を守るというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"defence"は組織的な防御システムや戦略を指すことが多いが、"shield"は個人的な保護手段や感情的な防御を指す場合もある。例えば、"missile defence system"(ミサイル防衛システム)と"emotional shield"(感情的な盾)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。
危害や損害から保護するための予防措置や手段を意味する。特に貴重なものや重要なものを保護する際に用いられる。法的、制度的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"defence"が脅威に対する直接的な防御を意味するのに対し、"safeguard"はより積極的な予防措置や保護手段を意味する。"safeguard"はしばしば、将来的なリスクを考慮した長期的な視点を含む。 【混同しやすい点】"defence"は具体的な防御行動やシステムを指すことが多いが、"safeguard"は抽象的な概念や制度的な保護を指す場合もある。例えば、"national defence"(国防)と"data safeguard"(データ保護)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。また、 safeguardは動詞としても名詞としても用いられる点に注意。
- fortification
防御を強化するための構造物や措置を意味する。城壁、要塞、塹壕など、物理的な防御施設を指すことが多い。軍事的な文脈でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"defence"が一般的な防御行為を指すのに対し、"fortification"は物理的な防御施設の構築や強化に特化した意味合いを持つ。"fortification"はしばしば、攻撃に対する備えというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"defence"は抽象的な概念や戦略を含む広い意味を持つが、"fortification"は具体的な構造物や施設に限定される。例えば、"national defence policy"(国防政策)と"coastal fortification"(沿岸要塞)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。
攻撃や圧力に対する抵抗、反抗を意味する。物理的な抵抗だけでなく、精神的な抵抗や政治的な抵抗など、様々な状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"defence"が攻撃を防御する行為を指すのに対し、"resistance"は攻撃に対する積極的な反抗や抵抗を意味する。"resistance"はしばしば、不正や抑圧に対する強い意志を示すニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"defence"は組織的な防御システムや戦略を指すことが多いが、"resistance"は個人的な反抗や抵抗運動を指す場合もある。例えば、"air defence system"(防空システム)と"resistance movement"(抵抗運動)のように、文脈によって意味合いが大きく異なる。
派生語
『守る』という意味の動詞。『defence』の語源であるラテン語の『defendere』に由来し、文字通り『遠ざける』というイメージ。日常会話からビジネス、軍事まで幅広い文脈で使用される。
『被告』という意味の名詞。『defend』から派生し、法廷で訴えから『身を守る』立場の人を指す。法律用語として、ニュースや裁判記録などで頻繁に見られる。
- defensible
『防御可能な』という意味の形容詞。『defence』の動詞形『defend』に、『~できる』という意味の接尾辞『-able』が付いた形。戦略や議論の文脈で、その正当性や実現可能性を評価する際に用いられる。
『防御的な』という意味の形容詞。心理学やスポーツ、ビジネスなど幅広い分野で、自己保護や現状維持の姿勢を表す際に使用される。しばしばネガティブなニュアンスを伴う。
反意語
『攻撃』という意味の動詞・名詞。『defence』が身を守る行為であるのに対し、こちらは積極的に相手に危害を加える行為を指す。軍事、スポーツ、ビジネスなど、競争的な状況において対義語として用いられる。
『攻撃』や『違反』という意味の名詞。『defence』が自らを守る行為であるのに対し、こちらは積極的に仕掛ける行為や、ルールを破る行為を指す。スポーツや法律の文脈で、『defence』と対比されることが多い。
『脆弱性』という意味の名詞。『defence』が強固さや保護を意味するのに対し、こちらは弱さや攻撃を受けやすい状態を指す。セキュリティ、ビジネス、人間関係など、様々な文脈でリスクを評価する際に用いられる。
語源
"defence"は、古フランス語の"defense"(防御、保護)に由来し、さらに遡るとラテン語の"defensio"(防御、弁護)から来ています。ラテン語の"defensio"は、動詞"defendere"(守る、弁護する)から派生しており、これは"de-"(分離、除去)と"fendere"(打つ、攻撃する)という要素に分解できます。つまり、「攻撃を遠ざける」という文字通りの意味合いを持ちます。日本語で例えるなら、「防御」という言葉が「防ぎ、禦(ふせ)ぐ」という二つの動作を含むように、"defence"もまた、攻撃を「分離」し「遠ざける」というイメージです。この語源を知ることで、"defence"が単なる物理的な防御だけでなく、法的な弁護や議論における擁護といった意味も含む理由が理解できます。
暗記法
「defence」は、単なる防御に留まらず、価値観を守る能動的な意志。中世の城壁は秩序の象徴であり、騎士道物語では名誉を守る戦いが体現されました。近代では国家の安全保障と結びつき、時には侵略の口実にも。現代ではサイバーセキュリティやプライバシー保護にも広がり、地球規模の課題への取り組みにも関連。時代と共に意味を変えながら、常に人間の生存と繁栄に関わる重要な概念なのです。
混同しやすい単語
スペルが非常によく似ており、アメリカ英語では 'defence' ではなく 'defense' と綴ります。意味は同じく『防御』ですが、どちらの綴りが使われているかによって、英語の種類(イギリス英語かアメリカ英語か)を意識する必要があります。文章全体でどちらの英語が使われているか確認しましょう。
スペルが似ており、特に 'fence' の部分が共通しているため混同しやすいです。『攻撃』や『違反』という意味で、'defence' とは対義語に近い意味を持つため、文脈をよく読んで判断する必要があります。また、アメリカ英語では 'offense' と綴ります。
語源的に関連があり、'de-' (分離) + 'fiance' (誓約) から『誓約を破ること』→『反抗』という意味に発展しました。発音も似ていますが、'defence' が名詞であるのに対し、'defiance' も名詞ですが『反抗』という意味合いが強いです。語源を知っておくと、意味の区別がつきやすくなります。
動詞 'fend' の三人称単数現在形であり、意味は『守る』、『かわす』などです。発音の一部が似ているため、特にリスニング時に混同しやすい可能性があります。'defence' が名詞であるのに対し、'fends' は動詞であるため、文法的な構造から区別することも可能です。
'defence' に '-less' (~がない) が付いた形容詞で、『防御力のない』という意味です。スペルが似ているため、意味を取り違えやすいですが、品詞が異なり、文脈での役割も異なります。'defence' が名詞であるのに対し、'defenseless' は形容詞であり、名詞を修飾する役割を持ちます。
発音がやや似ており、特に語尾の '-ence' が共通しているため、混同しやすい可能性があります。『敬意』、『従順』という意味で、'defence' とは全く異なる意味を持ちます。語源的には、'de-' (下へ) + 'fer-' (運ぶ) から『下へ運ぶ』→『相手を自分より上に立てる』→『敬意』という意味に発展しました。意味を混同しないように注意が必要です。
誤用例
While 'defence' is the British English spelling and 'defense' is the American English spelling, in formal writing, especially when referring to an argument or justification (as opposed to military defense), American English ('defense') is often preferred in international contexts for clarity and consistency. Japanese learners, often taught both, may inadvertently use the British spelling in situations where the American spelling is more appropriate. This isn't strictly incorrect, but it can subtly affect the perceived formality and professionalism of the writing. The 'defence' spelling might be seen as slightly less polished in a global setting.
Similar to the previous example, while both spellings are valid, 'defense' is generally preferred in American English and often in international contexts, especially in legal or formal settings. The choice between 'defence' and 'defense' can also subtly signal cultural affiliation or intended audience. A Japanese learner aiming for a global audience might find 'defense' to be a safer and more widely accepted choice. The nuance here is about audience and perceived formality rather than grammatical correctness.
This is a common idiom, and while the meaning is understood regardless of the spelling, the standard and widely recognized form is 'defense' in this specific phrase. Using 'defence' here, while not grammatically wrong, sounds unusual and might distract the reader. Japanese learners should be aware of these fixed expressions and their preferred spellings. This highlights the importance of learning idioms and set phrases as whole units, rather than trying to translate them word-for-word. The origin of this idiom is rooted in military strategy, and the American English spelling has become the standard in this context.
文化的背景
「defence(防御)」は、単なる物理的な防衛だけでなく、国家のアイデンティティ、倫理観、そして個人の尊厳を守るという、より深い文化的意味合いを内包しています。それは、脅威に対する受動的な抵抗ではなく、価値観を守り抜くための能動的な意志の表れなのです。
中世ヨーロッパにおいては、城壁は単なる軍事的な防御施設ではなく、領主の権威と領民の安全を象徴するものでした。城壁の内側は秩序と法の及ぶ範囲であり、外側は混沌と危険が支配する世界でした。「defence」は、この秩序を守り、混沌を排除するという、社会的な役割を担っていたのです。文学作品においても、城壁はしばしば、主人公の精神的な防壁や、社会的な規範を表すメタファーとして用いられます。例えば、騎士道物語においては、騎士は自らの名誉と愛する女性を守るために戦いますが、これはまさに「defence」の精神を体現したものです。
近代に入ると、「defence」の概念は、国家の安全保障と結びつくようになります。国家は、自国の領土、国民、そして主権を守るために、軍事力を保持し、外交政策を展開します。「defence」は、国家のアイデンティティを維持し、他国からの侵略を防ぐための、最も重要な手段となるのです。しかし、同時に、「defence」は、時に侵略の口実として利用されることもあります。自国の安全保障を名目に、他国を侵略し、資源を奪い取るという行為は、歴史上繰り返されてきました。そのため、「defence」は、常に倫理的な判断を伴う、複雑な概念なのです。
現代社会においては、「defence」は、サイバーセキュリティ、知的財産権の保護、そして個人のプライバシーの保護など、より多様な意味を持つようになっています。情報技術の発展により、国家や企業だけでなく、個人もまた、様々な脅威にさらされるようになりました。「defence」は、これらの脅威から身を守り、自らの権利と自由を確保するための、不可欠な手段となっています。また、近年では、「defence」は、気候変動やパンデミックなどの、地球規模の課題に対する取り組みとも関連付けられるようになっています。地球全体を守るという、より広範な視点から、「defence」の概念が再定義されつつあるのです。このように、「defence」は、時代とともにその意味を変えながらも、常に人間の生存と繁栄に関わる、重要な概念であり続けています。
試験傾向
準1級・1級の長文読解、語彙問題で出題される可能性があります。1級では、同意語選択問題や、defenceに関連するイディオム(e.g., 'in defence of') が問われることもあります。注意点としては、名詞としての意味だけでなく、動詞 'defend' との関連性を理解しておくことが重要です。
TOEIC L&R では、Part 5(短文穴埋め問題)で、文法的な知識(名詞の可算性など)と語彙知識が問われる可能性があります。TOEIC S&W (Speaking & Writing) テストでは、意見を述べる際に使用する場合がありますが、頻度は高くありません。ビジネス文書やニュース記事からの抜粋に登場することが多いです。類義語との識別、例えば protection, security とのニュアンスの違いを理解しておくと良いでしょう。
TOEFL iBT のリーディングセクションで、アカデミックな文章中によく登場します。特に、社会科学や歴史、政治学などの分野で、意見や主張を擁護する文脈で使用されます。ライティングセクションでは、自分の意見をサポートする根拠として使用できます。名詞としての用法が主ですが、動詞 'defend' の意味を理解しておくことが重要です。また、イギリス英語のスペルであること(アメリカ英語では 'defense')に注意してください。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、同意語・反意語を選択する問題として問われることが多いです。defenceに関連するイディオムや句動詞(e.g., 'defence spending')も覚えておくと役立ちます。また、文脈によっては比喩的な意味で使用される場合もあるため、注意が必要です。