defensive
強勢は2音節目の "fen" にあります。最初の "di" は曖昧母音 /ɪ/ で、日本語の『イ』よりも弱く、口を少し開けて発音します。 "sive" の /ɪv/ は、日本語の「イ」と「ヴ」の中間のような音で、唇を丸めて素早く発音するとよりネイティブに近い響きになります。最後の "v" の音は、上の歯を下唇に軽く当てて息を出す有声音です。
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防御的な
攻撃を受けないように身を守る様子。スポーツで守備に徹する状況や、自己弁護する態度を指すことが多い。例:defensive player(守備的な選手), defensive argument(自己弁護的な主張)
The soccer team played a very defensive game to protect their lead.
そのサッカーチームは、リードを守るためにとても守備的な試合をした。
※ この文は、スポーツの試合で「守りに徹する」様子を表しています。リードを保つために、チーム全体が攻撃よりも防御を重視している場面を想像できますね。「play a defensive game」で「守備的な試合をする」という意味の典型的な表現です。
When I tried to give him advice, he suddenly became very defensive.
彼にアドバイスしようとしたら、彼は突然とても防御的になった。
※ この文は、人が批判やアドバイスを受け入れたくないときに「防御的な態度をとる」様子を描写しています。まるで攻撃されたかのように、すぐに反論したり、言い訳をしたりする場面です。「become defensive」は「防御的になる」という意味で、人の態度が変わる様子を表すときによく使われます。
The small cat hissed and looked defensive when the dog came near.
その小さな猫は、犬が近づいてきたとき、シャーッと威嚇して防御的な姿勢をとった。
※ この文は、動物が危険を感じて「自分を守ろうとする」様子を表しています。小さな猫が犬に怯えながらも、身を守るために威嚇している情景が目に浮かびますね。「look defensive」で「防御的に見える」という意味になります。見た目の様子を伝えるときに便利な表現です。
用心深い
リスクを避け、安全を確保しようとする様子。ビジネスや投資など、損害を避けるために慎重な姿勢を表す際に使われる。例:defensive investment strategy(守りの投資戦略)
The little cat became very defensive when a bigger dog came near its food bowl.
その小さな猫は、もっと大きな犬が餌の皿に近づいてくると、とても用心深くなりました。
※ この例文では、猫が自分の大切なものを守ろうとして、警戒心むき出しになっている様子が目に浮かびます。「defensive」は、何かを守るために身構える、という意味でよく使われます。
When I suggested a different idea, he immediately became defensive and wouldn't listen.
私が別のアイデアを提案すると、彼はすぐに用心深くなり、聞こうとしませんでした。
※ ここでは、誰かが自分の意見や行動を批判されたり、異を唱えられたりしたときに、身構えて反論しようとする心理状態を表しています。多くの場合、少しネガティブなニュアンスで使われます。
The soccer team played a very defensive game to protect their one-point lead in the final minutes.
そのサッカーチームは、残り数分で1点リードを守るために、非常に用心深い(守備的な)試合運びをしました。
※ スポーツの文脈では、「defensive」は「守備的な」という意味で使われます。攻めるよりも、失点を防ぐことを優先する戦術や姿勢を指します。ここでは、チームが勝利のために慎重になっている様子が伝わります。
コロケーション
防御姿勢、身構えた態度
※ 文字通りの身体的な防御姿勢だけでなく、比喩的に『議論や批判に対して、攻撃される前に身構えている態度』を指します。ビジネスシーンや人間関係において、相手の言葉を先入観で受け止め、反論の準備をしている状態を表します。単に"defensive attitude"と言うよりも、"posture"を使うことで、より身体的な、あるいは明確な態度として現れているニュアンスが加わります。例えば、会議で新しい提案が出た際に、一部の参加者がすぐに反論を始めるような状況で、"They immediately adopted a defensive posture."のように使われます。
防御運転
※ 事故を未然に防ぐための運転技術・心構えを指します。具体的には、他車の危険な動きを予測し、それに備えて速度を落としたり、車間距離を十分に取ったりする運転方法です。単に安全運転をするだけでなく、『事故を起こさないために、常に危険を予測し、積極的に回避する』という点が強調されます。自動車教習や安全運転講習などで頻繁に用いられる表現です。"practicing defensive driving"のように使われます。
防御壁、防護壁
※ 文字通り、敵の侵入を防ぐための壁を指します。歴史的な文脈では、城や都市を囲む壁として使われていました。現代では、比喩的に『自分を守るための障壁』という意味でも使われます。例えば、心理的な壁や、組織の閉鎖性などを指すことがあります。 "The company has built up defensive walls against outside influence."のように使われます。また、サイバーセキュリティの文脈では、ファイアウォールなどの防御システムを指すこともあります。
ディフェンシブ投資
※ 景気変動の影響を受けにくい、安定的な収益が期待できる投資を指します。生活必需品関連の企業や、公共事業関連の企業などが投資対象となります。景気後退期に、リスクを抑えたい投資家によく選ばれます。"shift to defensive investments"のように使われます。反対に、景気変動の影響を受けやすい投資は、"aggressive investment"と呼ばれます。
弁解する、防御的になる、反論する
※ 批判や非難に対して、自己弁護したり、攻撃的な態度を取ったりすることを指します。これは、相手の言葉を素直に受け止められず、自分が責められていると感じてしまう心理状態から生じます。"He became defensive when I pointed out the mistake."のように使われます。似た表現に"take something personally"がありますが、"become defensive"は、より積極的に反論するニュアンスを含みます。
〜について弁解する、〜について過敏になる
※ 特定の話題や問題について、批判や疑念を持たれることを極度に嫌い、過剰に反応することを指します。自分の弱点やコンプレックスを隠そうとする心理が働いている場合に多く見られます。"He is very defensive about his age."のように使われます。"sensitive about"と似ていますが、"defensive about"は、より積極的に自己弁護するニュアンスが強いです。
使用シーン
学術論文や研究発表で、心理学、社会学、政治学などの分野で頻繁に使用されます。例えば、「参加者は自己防衛的な態度を示した (Participants displayed a defensive attitude)」のように、研究対象者の行動や心理状態を客観的に記述する際に用いられます。また、特定の理論や政策に対する批判的な視点を表す際にも、「〜理論は、特定の層に対して防衛的な立場を取っている (The theory takes a defensive stance towards certain groups)」のように使われます。
ビジネス文書や会議において、相手の反応や市場の動向を分析する際に使用されることがあります。例えば、「競合他社は、新製品の発表に対し、防衛的な姿勢を見せた (The competitor showed a defensive posture in response to the new product launch)」のように、戦略や交渉の文脈で使われます。また、プロジェクトのリスク管理において、「法務部は、契約条項に関して防衛的な立場を取っている (The legal department is taking a defensive position regarding the contract clauses)」のように、組織内の役割分担や責任範囲を明確にする際にも用いられます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、政治的な議論や社会問題に関する報道で目にすることがあります。例えば、「政府は、環境保護政策に対する批判に対し、防衛的な姿勢を崩していない (The government has not abandoned its defensive stance against criticism of its environmental protection policies)」のように、特定の立場や主張を守る様子を表す際に用いられます。また、スポーツの試合などで、「〜チームは、終盤に防衛的な戦術に切り替えた (The team switched to a defensive tactic in the final stages)」のように、戦略的な選択を説明する際にも使われます。
関連語
類義語
何かまたは誰かを危害から守ることを強調する。物理的な保護や予防措置を講じる状況でよく用いられる。例:protective gear(防護具)、protective measures(保護対策)。ビジネス、日常会話、科学技術など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】「defensive」が攻撃に対する反応であるのに対し、「protective」は危害が加えられる前に予防的に行動することを意味する。より積極的なニュアンスを持つ場合がある。感情的な意味合いも含む。 【混同しやすい点】「protective」は、保護の対象が具体的な物や人であることが多い。一方、「defensive」は態度や行動を指すことが多い。例えば、「protective father」は父親が子供を守ろうとする様子を表すが、「defensive argument」は議論の態度を指す。
- guarded
感情や情報を隠し、警戒している様子を表す。個人的な関係や、秘密を守る必要がある状況で使われる。ビジネスシーンや人間関係において、相手に警戒心を与えないように注意が必要。 【ニュアンスの違い】「defensive」が自己弁護的なニュアンスを含むのに対し、「guarded」はより慎重で控えめな印象を与える。感情を露わにしない様子を表す。 【混同しやすい点】「guarded」は、感情や情報に対する態度を表すことが多い。「defensive」は、攻撃や批判に対する反応として現れることが多い。例えば、「guarded statement」は慎重に言葉を選んだ発言を意味するが、「defensive response」は相手の批判に対する反論を意味する。
危険や問題が起こる可能性を警戒している状態を表す。信頼できない状況や、リスクを伴う状況で使用される。ビジネス、旅行、人間関係など幅広い場面で使われる。 【ニュアンスの違い】「defensive」が自己防衛的な態度であるのに対し、「wary」は潜在的な危険に対する警戒心を表す。より客観的な視点を含む。 【混同しやすい点】「wary」は、特定の対象に対する警戒心を示すことが多い。「defensive」は、自己の立場や意見を守ろうとする態度を示す。例えば、「wary of strangers」は見知らぬ人を警戒することを意味するが、「defensive about one's mistakes」は自分の過ちを認めない態度を意味する。
- self-justifying
自分の行動や信念を正当化しようとする態度を表す。批判や非難を受けた際に、自分の行動を弁護する状況で使われる。心理学や社会学などの学術分野で用いられることもある。 【ニュアンスの違い】「defensive」が一般的な自己防衛の態度であるのに対し、「self-justifying」は自己正当化という特定の行動を指す。より強い自己中心的なニュアンスを含む。 【混同しやすい点】「self-justifying」は、しばしば合理化(rationalization)と関連付けられる。自分の行動を都合の良いように解釈し、正当化しようとする心理的なメカニズムを指す。「defensive」は、必ずしも自己欺瞞を含まない。
- on the defensive
攻撃を受け、防御的な立場に立たされている状態を表す。議論や試合など、競争的な状況でよく使われる。政治、スポーツ、ビジネスなど幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】「defensive」が形容詞として態度や性質を表すのに対し、「on the defensive」は句動詞として、特定の状況における状態を表す。一時的な状態を表す。 【混同しやすい点】「on the defensive」は、常に何らかの攻撃や批判を受けている状況を前提とする。「defensive」は、必ずしも攻撃を受けている状況でなくても、防御的な態度を表すことができる。例えば、「He is a defensive player」は、彼が守備的な選手であることを意味するが、「He is on the defensive」は、彼が何らかの批判を受けている状況を意味する。
- stand one's ground
自分の立場や信念を譲らず、断固として守ることを意味する。反対意見や圧力に直面した際に、自分の意見を貫く状況で使用される。倫理的な問題や、信念を貫くことが重要な場面で使われる。 【ニュアンスの違い】「defensive」が自己を守る態度であるのに対し、「stand one's ground」は積極的に自分の立場を主張し、守り抜くことを意味する。より強い意志の表れ。 【混同しやすい点】「stand one's ground」は、しばしば道徳的な正当性や信念に基づいている。「defensive」は、必ずしも道徳的な根拠を必要としない。例えば、「He stood his ground against the injustice」は、彼が不正に対して自分の立場を貫いたことを意味するが、「He was defensive about his mistake」は、彼が自分の過ちを認めなかったことを意味する。
派生語
動詞で「(人の感情を)害する、怒らせる」。語源は「ぶつかる、攻撃する」という意味のラテン語に由来し、元々は物理的な攻撃を示唆していた。それが転じて、言葉や態度で相手を傷つける意味合いになった。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。
形容詞で「攻撃的な、不快な」。『offend』に形容詞化の接尾辞『-ive』が付いた形。単に物理的な攻撃だけでなく、言葉や態度が攻撃的で不快な場合にも使われる。スポーツ用語としても頻繁に用いられ、攻撃側のチームを指す。
名詞で「違反、犯罪、攻撃」。『offend』から派生し、相手を不快にさせる行為全般を指す。法的な文脈では「犯罪」を意味し、スポーツでは「攻撃」を意味する。抽象的な概念を表すため、ビジネスやニュース記事でもよく見られる。
- inoffensive
形容詞で「不快感を与えない、無難な」。接頭辞『in-(否定)』が『offensive』に付いた形。相手を傷つけたり、不快にさせたりする意図がない、またはそのような可能性が低いことを意味する。フォーマルな場面や、相手の感情を害さないように配慮する必要がある状況で用いられる。
反意語
形容詞で「脆弱な、傷つきやすい」。『defensive』が防御的で身を守っている状態を指すのに対し、『vulnerable』は攻撃に対して無防備で、傷つきやすい状態を表す。日常会話から、ビジネス、心理学など幅広い分野で使用される。比喩的に、感情的に傷つきやすい状態を指すこともある。
- exposed
形容詞で「露出した、無防備な」。『defensive』が隠れて守られている状態と対照的に、『exposed』は危険や攻撃に対してさらされている状態を示す。物理的な露出だけでなく、秘密や弱点が公にされている状態も指す。ニュースやドキュメンタリーなどでよく使われる。
形容詞で「影響を受けやすい、感染しやすい」。『defensive』が防御によって影響を避けている状態に対し、『susceptible』は何らかの影響(病気、批判など)を受けやすい状態を表す。医学、心理学、社会学などでよく用いられ、抽象的な概念を表現する際にも使われる。
語源
"Defensive"は、ラテン語の"defendere"(守る、防御する)に由来します。"de-"は「離れて、~から」という意味の接頭辞で、ここでは「攻撃から離れて」というニュアンスを表します。そして、"fendere"は「打つ、攻撃する」という意味です。つまり、"defendere"は文字通りには「攻撃を遠ざける」という意味合いを持ちます。英語の"defend"(守る)も同じ語源です。"Defensive"は、この"defend"に形容詞を作る接尾辞"-ive"が付いたもので、「防御に関する」「防御の性質を持つ」という意味になります。日本語で例えるなら、「防衛」という言葉があり、「防」が"de-"、「衛」が"fendere"に対応すると考えると、イメージしやすいかもしれません。つまり、"defensive"は、攻撃から身を守るための備えや態度を表す言葉として理解できます。
暗記法
「defensive」は、単なる防御以上の意味を持つ。西洋では自己主張の権利と結びつき、自己の砦を築くニュアンスだ。中世の城壁都市は、外敵から文化や市民を守る象徴であり、現代の過剰な自己主張も城壁に囲まれた意見と見なせる。文学では、過去の傷から心を閉ざす人物の態度として描かれ、脆さや自己防衛の複雑な心理を表す。現代社会では自己防衛として不可欠だが、過度な防御は孤立を招くため、バランスが重要となる。
混同しやすい単語
『defensive』と接頭辞が異なるだけで、スペルも発音も非常に似ているため、混同しやすい。意味は『攻撃的な』であり、正反対の意味を持つ場合もある。品詞はどちらも形容詞。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。接頭辞 'de-' (分離、除去) と 'of-' (~に向かって) の意味の違いを意識すると良い。
『defensive』は形容詞だが、『defense』は名詞である。スペルは似ているが、語尾が異なるため、品詞を意識することで区別できる。意味は『防御』、『防衛』。日本語ではどちらも『防御』と訳されることがあるため、注意が必要。英語では、名詞と形容詞の使い分けが重要であることを再認識させられる。
スペルが似ており、特に語尾の '-ive' は共通しているため、視覚的に混同しやすい。発音も最初の音節が異なる程度で、全体的なリズムが似ている。意味は『決定的な』、『最終的な』であり、防御とは全く関係がない。語源的には、『define (定義する)』と関連があり、意味を明確にするというニュアンスを持つ。
語尾の '-sive' が共通しており、スペルが似ているため、混同しやすい。意味は『敏感な』、『繊細な』であり、防御とは直接的な関係はない。発音も似ているため、注意が必要。文脈から判断する必要がある。語源的には、『sense (感覚)』と関連があり、感覚が鋭いという意味合いを持つ。
『defensive』と『defensible』はどちらも『defend(守る)』という語幹を持ちますが、語尾が異なるため、意味も異なります。『defensive』は「防御的な」という状態を表す形容詞ですが、『defensible』は「防御可能な」という意味合いを持ちます。例えば、「a defensive wall(防御壁)」と「a defensible position(防御可能な位置)」のように使われます。発音も似ているため、注意が必要です。
スペルと発音がいくらか似ており、特に接頭辞 'de-' が共通しているため、混同しやすい。意味は『拘束力のある』、『引き留める』といった意味合いを持つ。日常会話ではあまり使われないが、法律や契約関連の文章で目にすることがある。語源的には、『detain (拘留する)』と関連がある。
誤用例
日本語の『防御的』を直訳すると、つい『defensive』を使ってしまいがちですが、この単語はしばしば、相手の言葉や行動に対する過剰な反応や、自己弁護のニュアンスを含みます。相手が助けようとしている場面で『defensive』を使うと、被害妄想的、あるいは神経質な印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、より客観的に状況を説明するために、『became defensive because I misinterpreted his intentions』のように、誤解が生じたことを明確にすると良いでしょう。日本人は謙虚さを美徳とする文化があり、自分の能力に自信がない場合、相手の善意の助言も批判と捉えがちです。この文化的背景が、過剰な自己防衛反応につながることがあります。
『defensive strategy』は、法廷やスポーツの文脈では適切ですが、企業広報の文脈では不適切です。なぜなら『defensive』は、後ろ向きで消極的な印象を与えるからです。企業が危機的状況を乗り切るための戦略を説明する場合には、『crisis management strategy』のように、より中立的でプロフェッショナルな表現を使うべきです。日本企業は、不祥事が発覚した場合、迅速な情報開示よりも、事態の隠蔽を優先する傾向があります。これは、企業イメージの低下を恐れるあまり、消極的な対応に終始してしまうためと考えられます。しかし、欧米では、透明性の高い情報開示が、企業の信頼性を高める上で重要視されます。この文化的背景の違いが、企業広報における『defensive』の使用を不適切にする一因となっています。
『defensive』は、しばしば非難や攻撃に対する自己弁護のニュアンスを含むため、単に『用心深い』という意味で使うと、相手に不快感を与える可能性があります。過去の失敗について尋ねられた場合など、より穏やかなニュアンスで『用心深い』ということを伝えたい場合は、『guarded』を使うのが適切です。日本人は、過去の失敗を語ることを恥ずかしいことだと考える傾向があり、自己弁護的な態度になりがちです。しかし、欧米では、失敗から学ぶ姿勢が重要視され、過去の失敗を率直に語ることが、自己成長の証と見なされます。この文化的背景の違いが、『defensive』という言葉の持つネガティブなニュアンスを強調し、誤用につながる一因となっています。
文化的背景
「defensive(防御的な)」という言葉は、単に物理的な防衛だけでなく、自己のアイデンティティや価値観を守るための心理的な砦を築くニュアンスを含みます。これは、個人主義が強く、自己主張が重視される西洋文化において、自己防衛が権利として認識されていることと深く結びついています。
歴史を遡ると、中世ヨーロッパの城壁都市は、文字通り「defensive」な構造物でした。外敵の侵入を防ぐだけでなく、市民の生活、文化、そしてアイデンティティを守る象徴でもありました。このイメージは、現代社会における「defensive」な態度にも投影されています。たとえば、議論において過度に自己の意見を主張する人は、まるで自分の意見を城壁で囲い込んでいるように見えます。また、感情的に傷つきやすい人が、他人との間に壁を作って身を守ることも、「defensive」という言葉で表現されます。
文学作品においても、「defensive」は重要なテーマとして扱われます。傷ついた過去を持つ登場人物が、再び傷つくことを恐れて心を閉ざし、「defensive」な態度を取ることは、物語における典型的なパターンです。例えば、過去の恋愛で深く傷ついた主人公が、新しい出会いを避けるために、あえて冷たい態度を取るような場面が挙げられます。この「defensive」な態度は、一見すると拒絶のようにも見えますが、その奥には、再び傷つくことへの恐れが隠されています。このように、「defensive」という言葉は、単なる防御行動だけでなく、人間の脆さや、過去の経験から学び、自己を守ろうとする複雑な心理状態を表現する言葉として、文学作品に深みを与えています。
現代社会においては、SNSにおける炎上や、個人情報の漏洩など、様々な脅威から身を守る必要性が高まっています。このような状況下で、「defensive」な姿勢は、自己防衛の手段として不可欠なものとなっています。しかし、過度な「defensive」は、他人とのコミュニケーションを阻害し、孤立を招く可能性もあります。したがって、「defensive」であることと、オープンなコミュニケーションを両立させるバランス感覚が、現代社会において求められていると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文読解で登場の可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 政治、社会問題、心理学など幅広いテーマで、意見や議論を述べる文脈で登場しやすい。例:"a defensive argument", "defensive measures"
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての「防御的な」「自己弁護的な」意味が主。名詞形defenseとの関連も理解。動詞defendとの関連も意識し、語源から意味を捉えると記憶しやすい。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5では中頻度。Part 7ではビジネス関連の記事やメールで時々見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンにおけるリスク管理、セキュリティ対策、クレーム対応などの文脈で登場しやすい。例:"defensive strategies", "defensive approach"
- 学習者への注意点・アドバイス: 「防御的な」という意味に加え、「用心深い」「控えめな」といったニュアンスも含むことを理解。文脈によって適切な意味を選択できるよう練習が必要。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で中頻度
- 文脈・例題の特徴: 社会科学、心理学、歴史などの分野で、意見や行動を正当化する文脈で登場しやすい。例:"defensive mechanisms", "a defensive position"
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が重要。類義語(protective, guarded)との違いも意識。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学でやや高頻度
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史、心理学など幅広いテーマで、意見の対立や自己防衛の文脈で登場しやすい。評論や論説文でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈全体を理解し、筆者の意図を把握する必要がある。比喩的な意味で使われることもあるため、注意が必要。類似表現(self-justifying, apologetic)との区別も重要。