英単語学習ラボ

cross

/krɔːs/(クローゥス)

母音 /ɔː/ は日本語の『オ』よりも口を大きく開け、喉の奥から出すような音です。日本語の『オ』のつもりで発音すると、違う音に聞こえてしまう可能性があります。『ロー』と『オ』の中間のようなイメージで発音すると近づきます。語尾の 's' は無声音で、息だけで発音するイメージです。有声音の『ズ』にならないように注意しましょう。

動詞

横切る

文字通り道を横切る、国境を越える、考えが頭をよぎるなど、何かを横方向に通過するイメージ。物理的な移動だけでなく、抽象的な概念にも使える。

The little girl carefully crossed the street to her mom.

小さな女の子は、お母さんのところへ行くために慎重に道を横切った。

この例文では、小さな女の子が危険な道路を「注意深く横切る」様子が目に浮かびます。人や車が「道を横切る」のは、'cross' の最も基本的で日常的な使い方の一つです。'carefully'(慎重に)のような言葉を加えることで、動作の様子がより鮮明になりますね。

We slowly crossed the old wooden bridge over the river.

私たちは、川にかかる古い木製の橋をゆっくりと渡った。

ここでは、古い木製の橋を「ゆっくりと渡る」情景が描かれています。'cross' は、道だけでなく、橋や川、線路など、何かの上を「横切って移動する」際によく使われます。'slowly'(ゆっくりと)や'old wooden'(古い木製の)のような描写で、場所や動作の雰囲気が伝わります。

A squirrel quickly crossed my path in the park.

公園で、リスが私の目の前を素早く横切った。

公園で散歩中に、リスが目の前を「素早く横切る」という、ふとした瞬間の出来事を表しています。人や動物が誰かの「進路や道を横切る」場合にも 'cross' を使います。'quickly'(素早く)が加わることで、リスの動きが想像しやすくなりますね。'cross my path' は「私の行く手を横切る」という自然な言い方です。

名詞

十字

二本の線が交差する図形。キリスト教の象徴としての十字架、道路の交差点、遺伝子の交差など、様々な文脈で使用される。

She saw a beautiful cross inside the old church.

彼女は古い教会の中で美しい十字架を見た。

古い教会の静かな空間で、光が差し込む中に立つ美しい十字架を見上げている女性の姿を想像できます。「cross」は、キリスト教の「十字架」という意味で非常によく使われます。この文では、歴史ある教会という場所と結びつくことで、その神聖なイメージが伝わります。「inside」は「~の中に」という意味で、場所を示すときに便利です。「old church」のように「形容詞+名詞」で具体的なイメージが膨らみますね。

He drew a small cross on the map to mark the spot.

彼はその場所を示すために地図に小さな十字を描いた。

冒険家が宝の地図を広げ、大事な場所にペンで「X」印(十字)を書き込んでいるような、ワクワクする場面が目に浮かびます。「cross」は、何かを印す「しるし」として使われることも多く、特に「X」の形をした印によく使われます。道案内や目印、ゲームなどでよく見かける使い方です。「to mark the spot」は「その場所を印すために」という目的を表します。このように「to + 動詞の原形」は「~するために」という意味でよく使われる表現です。

You can see a red cross on the first aid kit.

救急箱に赤い十字が見えます。

急な怪我の時、素早く救急箱を見つけようとすると、箱に描かれた赤い十字のマークが目に入ってくる様子を想像してください。安心感を与えてくれるシンボルですね。「cross」は、救急箱や病院などで使われる「赤十字マーク」のように、医療や救護のシンボルとしても広く知られています。このマークは世界中で共通の目印です。「can see」は「~が見える」という意味で、自然に目に入るものを表します。「on the first aid kit」は「救急箱の上に/に」という意味で、物の表面にあることを示します。

形容詞

不機嫌な

crossは「反対する」という意味合いから、人の感情を表す形容詞として「不機嫌な」「怒った」という意味になる。一時的な感情を表すことが多い。

The little boy got very cross when he couldn't play outside.

その小さな男の子は、外で遊べなくてとても不機嫌になった。

この例文では、子供が思い通りにならず、顔をしかめたり、腕を組んだりして不機嫌になっている様子が目に浮かびます。「get cross」は「不機嫌になる」という変化を表す自然な表現で、日常会話でよく使われます。特に子供に対して使われることが多いです。

My boss looked a bit cross this morning before his coffee.

今朝、上司はコーヒーを飲む前は少し不機嫌そうだった。

この例文は、朝のオフィスで、まだ眠そうで機嫌が悪い上司の姿を想像させます。「a bit cross」とすることで、「少し不機嫌」という程度のニュアンスが伝わり、より自然な会話になります。大人に対しても「cross」は使えますが、一時的な、比較的軽い不機嫌さを指すことが多いです。

Our cat seemed quite cross when I tried to put her in the carrier.

キャリーに入れようとしたら、うちの猫はかなり不機嫌そうだった。

この例文では、猫が耳を後ろに倒したり、しっぽをパタパタさせたりして、嫌がっている様子が伝わります。人間だけでなく、動物が何か気に入らないことがある時にも「cross」を使うことができます。動物の感情を人間のように表現する際によく使われるパターンです。

コロケーション

cross the line

一線を超える、やってはいけないことをする

元々はスポーツのフィールドの境界線を越えることから転じて、『許容範囲や道徳的な境界線を越える』という意味で使われます。ビジネスシーンでは、不適切な発言や行動、プライベートな領域への過度な干渉などを指すことがあります。例えば、セクハラやパワハラといった行為は明らかに 'crossing the line' です。日本語の『度が過ぎる』に近いニュアンスですが、単に程度問題ではなく、明確なルールや倫理観に反するニュアンスが強いです。

cross my heart (and hope to die)

誓う、約束する(子供っぽい表現)

子供が約束をするときに使う表現で、心臓に十字を切るジェスチャーを伴うこともあります。『もし約束を破ったら死んでもいい』という意味合いが含まれており、真剣さをアピールするものの、大人同士のフォーマルな場面では不適切です。親しい間柄や、少しユーモラスな状況で使われることがあります。類似表現に 'I swear' がありますが、より真剣で公式なニュアンスを持ちます。

cross paths (with someone)

(人と)偶然出会う、道ですれ違う

文字通りには『道が交差する』という意味で、比喩的に『人と偶然出会う』ことを表します。ビジネスシーンでも、予期せぬ場所で取引先の人と会ったり、過去に仕事で関わった人と再会したりする状況で使えます。『運命的な出会い』というニュアンスを含むこともあります。類義語に 'run into' がありますが、'cross paths' はよりフォーマルな印象を与え、文学的な表現としても用いられます。

cross one's mind

(考えなどが)ふと頭に浮かぶ

'cross' はここでは『横切る』という意味合いで使われており、考えが意識の中を瞬間的に通り過ぎる様子を表します。日本語の『ふと〜が頭をよぎる』に近い表現です。例えば、'It crossed my mind that I might be wrong' (私が間違っているかもしれないとふと思った)のように使います。'occur to someone' も同様の意味ですが、'cross one's mind' の方がより自然発生的なニュアンスを持ちます。

cross swords (with someone)

(人と)論争する、対立する

中世の騎士が剣を交える様子から生まれた比喩表現で、『意見を激しくぶつけ合う』『論争する』という意味で使われます。ビジネスシーンでは、会議での激しい議論や、交渉での対立などを指すことがあります。ただし、物理的な争いを意味するわけではありません。'argue' や 'disagree' よりも、より激しい対立や競争のニュアンスを含みます。文学作品や歴史的な文脈でよく見られる表現です。

get your wires crossed

誤解する、混乱する

電気回路の配線が間違っている状態から派生した表現で、『情報伝達の誤り』や『誤解』を表します。例えば、'I think we've got our wires crossed. I thought you were going to call him.' (どうも話が食い違っているようだ。あなたが彼に電話すると思っていた)。日常会話でよく使われる口語表現で、フォーマルな場面では 'misunderstand' や 'there seems to be a misunderstanding' などを使う方が適切です。

cross-examine (someone)

(人を)尋問する、反対尋問する

法廷で、相手側の証人を詳しく問い詰めることを指します。単に質問するだけでなく、矛盾点や嘘を暴き出す意図が含まれます。転じて、日常会話でも、相手を厳しく追及する様子を表すことがあります。'question' よりも厳しいニュアンスを持ち、フォーマルな場面や報道などでよく使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や教科書で、データ分析や統計の結果を示す際に使われます。例えば、「データが特定の閾値をcrossした場合、有意な結果とみなす」のように、基準値を超えるという意味合いで使用されることが多いです。分野としては、医学、経済学、社会学などで見られます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、目標達成やプロジェクトの進捗状況を報告する際に使われます。例えば、「売上高が目標ラインをcrossした」や「部署をcrossした連携」のように、計画や組織の境界を越える意味で用いられます。会議のプレゼンテーションや報告書で使われることが多いでしょう。

日常会話

日常生活では、「道路をcrossする(横断する)」や「考えが頭をcrossする(よぎる)」のように、物理的な移動や抽象的な思考を表す際によく使われます。また、「cross words(言葉遊び)」のように、複合語の一部としても頻繁に登場します。ニュースや会話で頻繁に耳にする単語です。

関連語

類義語

  • 二つ以上の線や道などが交差する、または交わることを意味する。地理学、数学、都市計画などの分野でよく使われる。よりフォーマルな場面で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"cross"はより一般的な交差を指すのに対し、"intersect"はより厳密で、幾何学的な意味合いが強い。また、"intersect"は物理的な交差だけでなく、概念的な交差にも用いられる。 【混同しやすい点】"cross"は動詞としても名詞としても使われるが、"intersect"は主に動詞として使われる。また、"cross"は感情(怒りなど)を表す場合もあるが、"intersect"にはそのような意味はない。

  • ある場所や地域を横断する、または通り抜けることを意味する。地理学、探検、旅行などの文脈でよく使われる。困難な地形や場所を通り抜けるニュアンスを含むことが多い。 【ニュアンスの違い】"cross"は単に交差することを指すのに対し、"traverse"はある程度の距離を移動して横断することを強調する。また、"traverse"は困難や障害を乗り越えるニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】"cross"は短い距離や簡単な場所の横断にも使えるが、"traverse"はある程度の距離や困難な場所の横断に限定されることが多い。また、"traverse"は名詞として「横断」という意味も持つ。

  • 橋などが空間をまたぐ、または期間が及ぶことを意味する。建築、歴史、時間管理などの分野で使われる。空間的な広がりや時間的な長さを表す。 【ニュアンスの違い】"cross"は単に交差することを指すのに対し、"span"は空間や時間を覆う、または架け橋となるイメージが強い。また、"span"は抽象的な概念にも用いられる。 【混同しやすい点】"cross"は移動や感情にも使われるが、"span"は主に空間や時間の広がりを表す。また、"span"は名詞として「期間」や「長さ」という意味も持つ。

  • go across

    何かを横切る、通り過ぎるという意味の句動詞。日常会話で頻繁に使われ、場所や道路などを横断する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"cross"は動詞一つで横断するという行為を表せるが、"go across"はより直接的で具体的な行為を指す。また、"go across"は話し言葉でより自然に聞こえる。 【混同しやすい点】"cross"は名詞としても動詞としても使えるが、"go across"は句動詞であり、文法構造が異なる。例えば、「道を渡る」は"cross the street"または"go across the street"となる。

  • intersect with

    二つの物事が交わる、共通点を持つという意味。ビジネスや学術的な文脈で、アイデアや意見などが一致する場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"cross"が物理的な交差を意味するのに対し、"intersect with"は抽象的な概念やアイデアの交差を指す。よりフォーマルで、知的な議論に適している。 【混同しやすい点】"cross"は感情を表す場合もあるが、"intersect with"は感情的な意味合いを持たない。また、"intersect with"は必ず"with"を伴い、対象を示す必要がある。

  • bisect

    二等分するという意味。数学、幾何学で角度や線分を正確に半分に分割する際に使用される。 【ニュアンスの違い】"cross"は単に交差する、横切るという意味合いに対し、"bisect"は必ず二等分するという行為を表す。より専門的で、正確さを求められる場面で使用される。 【混同しやすい点】"cross"は一般的な交差を指すのに対し、"bisect"は数学的な意味合いが強く、日常会話ではあまり使われない。また、"bisect"は必ず対象を二等分するという意味を持つ。

派生語

  • 『十字』を意味する『cross』から派生した形容詞で、『決定的な』『極めて重要な』という意味を持つ。もともと『十字架にかかわる』という意味合いから、運命を左右するような重大さを表すようになった。ビジネスや学術論文で頻繁に使われる。

  • crusade

    中世の『十字軍』を意味する名詞。転じて、正義や理想のために行う組織的な運動を指すようになった。報道記事や歴史的な文脈でよく見られる。当初の宗教的な意味合いから、現代では政治的・社会的な文脈でも用いられる。

  • excruciating

    『ひどく苦痛な』という意味の形容詞。『ex-(外へ)』と『cruciat-(十字架にかける)』が組み合わさってできた語。十字架刑の苦痛を想像させるほどの激しい苦痛を表す。医学論文や文学作品で、痛みや苦しみを強調する際に用いられる。

  • 動詞『cross』の現在分詞形から派生し、『交差点』や『横断』を意味する名詞。道路、鉄道、国境など、何かが交差する場所や行為を指す。日常会話や交通標識で頻繁に使われる。

反意語

  • 『平行な』という意味の形容詞。『cross』が交差することを意味するのに対し、『parallel』は決して交わらないことを意味する。数学や幾何学、比喩的な表現(例:平行線)で用いられる。抽象的な概念としても、互いに関わりのない状況を表す。

  • 『分かれる』『分岐する』という意味の動詞。『cross』がある一点で交わるのに対し、『diverge』は一点から異なる方向に分かれていくことを示す。道路、意見、考え方など、様々なものが分かれる状況を表す。ビジネス戦略や研究分野などで、方向性の違いを説明する際に用いられる。

  • 『団結する』『結合する』という意味の動詞。『cross』が分離や対立を含む場合があるのに対し、『unite』は一体化や協調を意味する。政治、社会、スポーツなど、人々や組織が協力して目標を達成する状況を表す。国際関係やチームワークに関する議論で頻繁に使われる。

語源

"cross」は、古ノルド語の「kross」(十字架)に由来し、さらに遡るとラテン語の「crux」(十字架、杭)から派生しています。この「crux」は、もともと拷問や処刑に使われた十字型の杭を意味していました。英語に取り入れられる際、名詞としての「十字架」の意味に加え、「横切る」という動詞の意味が生まれました。これは、十字架が二つの線を交差させている形状から連想されたと考えられます。また、「不機嫌な」という意味合いは、十字架刑の苦しみや困難さを比喩的に表現したものと解釈できます。日本語の「十字路」や「交差点」といった言葉も、「cross」の持つ交差するイメージと共通しており、語源を知ることで単語の意味をより深く理解することができます。

暗記法

「cross」は、キリストの磔刑から苦難、信仰、犠牲を象徴します。巡礼者は困難な旅を「十字架を背負う」と表現しました。文学では運命のいたずらや苦悩の象徴として登場し、ロマン主義時代には自然の中に神の存在を見出しました。「crossroads(岐路)」は人生の決断を意味します。文化の交差点は創造の可能性と衝突のリスクを孕み、感情、信仰、社会関係における複雑な意味合いを持つ言葉です。

混同しやすい単語

発音が似ており、特に語尾の 's' の音が混同されやすい。スペルも 'cross' と 'cruise' で 'o' と 'ui' の部分が異なるだけなので、視覚的にも間違いやすい。意味は「巡航する」「遊覧旅行」であり、名詞としても動詞としても使われる。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切か判断する必要がある。

発音が非常に似ており、特にアメリカ英語では母音の区別が曖昧になることがある。スペルも 'o' と 'u' の違いのみ。意味は「呪い」であり、名詞としても動詞としても使われる。文脈が異なれば意味も大きく異なるため、注意が必要。語源的には、curseは古英語の『悪意のある祈り』に由来し、crossはラテン語の『十字架』に由来するため、意味的な関連性はない。

発音の母音部分が似ており、特に早口で発音されると聞き分けが難しい。スペルも 'cross' と 'crouch' で共通する文字が多く、視覚的に混同しやすい。意味は「しゃがむ」であり、動詞として使われる。文脈から判断することが重要。発音記号を確認し、母音の違いを意識すると区別しやすくなる。

発音が似ており、特に日本語話者は「グロス」というカタカナ語の影響で、母音の区別が曖昧になりやすい。スペルも 'cross' と 'gross' で 'r' の位置が異なるだけなので、注意が必要。意味は「総計の」「ひどい」であり、形容詞として使われることが多い。数量を表す場合と、嫌悪感を表す場合があるので、文脈から判断する必要がある。

発音の /ɔːr/ (オー)の部分が似ており、特に歌や音楽に触れる機会が多いと混同しやすい。スペルも 'cross' と 'chorus' で 'o' が共通しているため、視覚的にも紛らわしい。意味は「合唱」「コーラス」であり、名詞として使われる。語源的には、chorusはギリシャ語の『輪舞』に由来し、crossはラテン語の『十字架』に由来するため、意味的な関連性はない。カタカナ語の「コーラス」に引きずられないように注意。

crews

crossとcrewsは、どちらも複数形または三人称単数現在形として使われる場合があり、文脈によっては混同しやすい。crews は crew の複数形で、「乗組員」や「漕ぎ手たち」といった意味を持つ名詞です。cross は動詞として使われることが多いですが、名詞としても使われます。発音も似ていますが、crews は /kruːz/、cross は /krɔːs/ と母音が異なります。スペルも似ているため注意が必要です。

誤用例

✖ 誤用: I crossed his opinion.
✅ 正用: I contradicted his opinion.

日本語の『意見を否定する』という表現を直訳すると『cross』を使ってしまいがちですが、これは不自然です。英語の『cross』は、物理的に『横切る』、または『反対する』という意味合いが強いですが、意見に対して使う場合は『contradict』や『disagree with』が適切です。背景として、日本語では比喩的な表現が好まれる一方、英語ではより直接的で明確な表現が好まれる傾向があります。また、『cross』は感情的な対立を示唆するニュアンスを含む場合もあるため、ビジネスシーンなどでは避けた方が無難です。日本人がつい『日本語→英語』変換で安易に動詞を選んでしまう典型例と言えるでしょう。

✖ 誤用: He crossed the street carefully, but still got into a traffic accident.
✅ 正用: He crossed the street carefully, but was still involved in a traffic accident.

『get into an accident』は『事故を起こした』という意味合いが強く、自分の不注意が原因であるニュアンスを含みます。注意深く道を渡ったにも関わらず事故に遭ったという状況を表すには、『be involved in an accident』を使う方が適切です。これは、事故の責任が必ずしも自分にあるとは限らない、というニュアンスを含んでいるためです。日本人は『〜になった』という結果を表現する際に、安易に『get』を選びがちですが、状況や責任の所在によって適切な表現を選ぶ必要があります。英語では、責任の所在を明確にする文化的な背景があり、表現の選択にそれが反映されます。

✖ 誤用: I will cross you in the next negotiation.
✅ 正用: I will go against you in the next negotiation.

『cross』を『裏切る』という意味で使うことは可能ですが、非常に強い表現で、相手に敵意を示すニュアンスを含みます。ビジネスの交渉の場で使うと、相手を強く非難したり、関係を完全に断ち切る覚悟があることを示唆する可能性があります。より穏当な表現としては、『go against』や『oppose』を使うのが適切です。日本人は、直接的な対立を避けようとする傾向がありますが、英語では、率直な意見交換が好まれる一方で、過度な敵意を示す表現は避けるべきです。そのため、状況に応じて適切なレジスター(言葉遣いの丁寧さやフォーマルさ)を選ぶことが重要になります。うっかり『(相手の意に)背く』からcrossを選んでしまうと、意図せぬ誤解を招くかもしれません。

文化的背景

「cross」は、キリスト教における十字架刑というイメージが強く、苦難、犠牲、信仰といった意味合いを文化的に内包しています。このため、単に「交差する」という物理的な意味合いを超えて、運命的な出会いや試練、あるいは宗教的な献身を表す言葉として、西洋文化において重要な位置を占めてきました。

十字架は、ローマ帝国時代に処刑の道具として用いられましたが、イエス・キリストが磔刑に処されたことで、キリスト教の象徴となりました。この出来事は、苦しみを通して救済が得られるというキリスト教の根本的な教義と結びつき、「cross」は罪の贖い、自己犠牲、そして信仰の証としての意味合いを獲得しました。中世の巡礼者は、聖地を目指す旅路を「taking up the cross(十字架を背負う)」と表現し、困難な道のりを信仰の試練として受け止めました。

文学作品においても、「cross」は重要なモチーフとして登場します。例えば、シェイクスピアの作品には、運命のいたずらや登場人物の苦悩を象徴する場面で「cross」が用いられることがあります。また、ロマン主義の時代には、自然の風景の中に十字架を見出し、神の存在や人間の精神性を探求する表現も見られました。現代においても、「crossroads(岐路)」という言葉が、人生における重要な決断の場面を指すように、「cross」は困難や選択、そして運命的な出会いを暗示する言葉として、広く用いられています。

さらに、「cross」は、文化的な境界線や異文化間の交流を象徴する言葉としても用いられます。異なる文化や価値観が交差する場所は、新たな創造や革新が生まれる可能性を秘めていますが、同時に誤解や衝突のリスクも伴います。このように、「cross」は、単なる物理的な交差点にとどまらず、人間の感情、信仰、そして社会的な関係性における複雑な意味合いを包含する、多層的な文化的背景を持つ言葉なのです。

試験傾向

英検

1. 出題形式:語彙問題、長文読解、リスニング。

2. 頻度と級・パート:準1級以上で頻出。級が上がるほど長文読解での出題が増加。

3. 文脈・例題の特徴:幅広い分野で出題されるが、社会問題や環境問題など、やや硬めのテーマで使われることが多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス:名詞、動詞、形容詞としての意味を全て把握しておくこと。特に「横断する」「交差する」「反対する」など、文脈によって意味が大きく変わるため注意。熟語(e.g., come across, cross out)も重要。

TOEIC

1. 出題形式:Part 5 (短文穴埋め)、Part 6 (長文穴埋め)、Part 7 (読解)。

2. 頻度と級・パート:頻出。特にPart 7で、ビジネス関連の文書やメールでよく見られる。

3. 文脈・例題の特徴:ビジネスシーン(契約、輸送、コミュニケーションなど)での使用が多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス:動詞としての「交差する」「横切る」の他に、「意見の相違」や「反対」といった意味も重要。文脈から適切な意味を判断する必要がある。類義語(e.g., traverse, intersect)との使い分けも意識。

TOEFL

1. 出題形式:リーディング、ライティング(統合型・独立型)。

2. 頻度と級・パート:リーディングセクションで頻出。ライティングでは、意見を述べるときなどに使用。

3. 文脈・例題の特徴:アカデミックな内容(科学、歴史、社会学など)で、抽象的な概念を表す際に使われることが多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス:名詞としての「十字」「十字路」の意味に加え、動詞としての「交差する」「横切る」の抽象的な意味(e.g., cross boundaries, cross cultures)を理解しておく必要がある。パラフレーズ(言い換え)のパターンも把握しておくと有利。

大学受験

1. 出題形式:長文読解、語彙問題(稀に文法問題)。

2. 頻度と級・パート:頻出。難関大学ほど長文読解での比重が高い。

3. 文脈・例題の特徴:評論文、物語文、科学系の文章など、幅広い分野で出題される。抽象的な概念や比喩表現として使われることもある。

4. 学習者への注意点・アドバイス:基本的な意味に加え、「反対する」「裏切る」といった比喩的な意味も理解しておくこと。文脈から適切な意味を判断する練習が不可欠。関連語(e.g., crossing, crossroads, crossroad)も一緒に学習すると効果的。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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