contrary
第一音節にアクセントがあります。/ɒ/ は日本語の「ア」と「オ」の中間のような音で、口を丸めて短く発音します。「トゥ」は弱く、曖昧母音の /ə/ に近いです。最後の /ri/ は、日本語の「リ」よりも舌を丸めずに発音するとより自然です。
正反対の
完全に反対の性質や方向を持つことを指す。意見、行動、性質など、様々なものに対して使われる。expectations to the contrary(それに反する予想)のように、名詞を伴って使われることが多い。
His idea was completely contrary to my own thoughts on the project.
彼のアイデアは、そのプロジェクトに対する私の考えとは全く正反対でした。
※ 会社で新しいプロジェクトについて話し合っている場面を想像してみてください。同僚の提案が、あなたが心の中で考えていたことと全く逆だったとき、この表現がぴったりです。「contrary to A」で「Aと正反対の」という意味になり、意見や考えが食い違う状況でよく使われます。
The weather today is completely contrary to the forecast; it's sunny!
今日の天気は予報とは全く逆で、晴れています!
※ 朝、天気予報をチェックしたら雨だったのに、外に出たら快晴だった!という、少し嬉しい驚きの場面です。このように、予想や期待と実際の状況が大きく異なる場合によく使われます。日常会話で「思っていたのと違う!」という気持ちを表すのに便利です。
Even though they are twins, their personalities are completely contrary.
彼らは双子ですが、性格は全く正反対です。
※ 見た目はそっくりな双子なのに、片方はとてもおとなしく、もう片方は活発、というような状況です。2つのもの(この場合は性格)が性質において全く異なることを表現する際に使われます。人や物の特徴を比較して、その違いを強調したいときに役立ちます。
反対
ある意見や行動に対する反対意見や反対行動そのものを指す。主にthe contraryの形で用いられ、on the contrary(それどころか、反対に)というフレーズでよく使われる。
"Are you feeling sad today?" "No, on the contrary, I feel really happy!"
「今日は悲しい気分なの?」「いいえ、それどころか、私はすごく幸せな気分です!」
※ 誰かがあなたの気分を尋ねたり、何かを決めつけたりした時に、それが全くの誤解で、「いや、むしろ逆だよ!」と伝えたい時にぴったりの表現です。相手の予想や言葉を優しく否定し、本当の気持ちを鮮やかに伝えることができます。
Everyone thought the new plan would fail, but on the contrary, it worked perfectly.
誰もが新しい計画は失敗すると思っていましたが、それどころか、完璧にうまくいきました。
※ この例文は、多くの人の予想や一般的な見方と「反対」の結果が出た時に使われます。例えば、天気予報が外れて晴れたり、難しいと思われた試験が簡単に感じられたりするような、意外で良い展開があった場面で使ってみましょう。驚きや喜びのニュアンスが伝わります。
He expected me to agree with him, but I told him the exact contrary.
彼は私が彼に同意すると思っていましたが、私は彼に全く逆のことを言いました。
※ この例文は、相手が当然そうだろうと思っていることに対して、「いや、実は全く違うんだ」と、はっきりと自分の意見や事実を伝える場面です。特に議論や話し合いの中で、自分の立場が相手とは「反対」であることを明確にしたい時に使えます。'the exact contrary' で「全く逆のこと」という強いニュアンスになります。
わざと
反抗的な態度や行動を表す。意図的に相手に逆らったり、期待に反する行動をするニュアンスを含む。主にdo something contrary to the rules(規則に反する行為をする)のように使われる。
He always acts **contrary** just to annoy his sister.
彼は妹を困らせるためだけに、いつもわざと逆の行動をする。
※ この例文は、弟が妹の嫌がることをわざと選んで行っている場面を描写しています。「acts contrary」は「あまのじゃくに振る舞う」「わざと逆らうように行動する」というニュアンスで、相手を困らせる意図があることを伝えます。
When everyone agreed, she spoke **contrary**, just to make a point.
みんなが賛成した時、彼女はわざと反対意見を述べた。ただ自分の主張をするために。
※ グループの話し合いで、全員が同じ意見なのに、あえて一人だけ違う意見を言う人がいる場面です。「spoke contrary」は、周囲の意見に「わざと逆らって話す」様子を示し、自分の意見を強調したい気持ちが伝わります。
My friend kept tapping his pen **contrary**, even after I asked him to stop.
私が止めるように頼んだ後も、私の友達はわざとペンをトントンと叩き続けた。
※ 図書館のような静かな場所で、友人がペンを叩く癖があり、注意してもわざとそれを続ける場面です。「kept tapping his pen contrary」は、相手の要求に「わざと逆らって」行動している様子を描写し、聞く人をいらだたせる意図があることを示唆します。
コロケーション
それとは反対に、そうではなく
※ 前の文や発言内容を否定し、反対の事実や意見を示す際に使われます。フォーマルな響きがあり、契約書や法律文書、ビジネスシーンでよく用いられます。たとえば、「報告書にはそう書いてあるが、事実はto the contraryだ」のように使います。'On the contrary'も同様の意味ですが、'to the contrary'の方がより客観的なニュアンスを持ちます。
一般的に信じられていることとは反対に
※ 多くの人が信じていることと異なる事実や意見を提示する際に使われる定型句です。議論やエッセイなどで、新しい視点や意外な事実を紹介する導入として効果的です。たとえば、「contrary to popular belief, チョコレートは必ずしも体に悪いわけではない」のように使います。通説を覆すような主張をする際に役立ちます。
とんでもない、それどころか
※ 相手の発言を強く否定し、さらに正反対の意見や事実を述べる際に使われます。より口語的で、強い反論や感情を伴うことが多いです。例えば、「彼は怠け者ですか? On the contrary, 彼は誰よりも勤勉です」のように使います。'To the contrary'よりも感情的なニュアンスが強いため、フォーマルな場では避けるべきでしょう。
反対を証明する
※ ある主張や仮説が誤りであることを証拠に基づいて示すという意味です。科学的な議論や法廷などでよく使われます。「無罪の推定」を覆す場合などに、「検察は被告が有罪であることをprove the contraryしなければならない」のように用います。単に反論するだけでなく、具体的な証拠や論理によって覆すニュアンスが含まれます。
逆風、向かい風
※ 文字通りの意味だけでなく、比喩的に「障害となる状況」や「不利な状況」を指すことがあります。ビジネスシーンでは、市場の低迷や競争の激化などを「a contrary wind」と表現することがあります。また、人間関係においては、意見の対立や विरोधなどを指すこともあります。航海のメタファーとして、困難を乗り越えるイメージを喚起します。
反証、反対の証拠
※ ある主張や証拠を否定する証拠のことです。法廷や調査において、ある事実を立証しようとする側に対して、それを覆すために提出されます。たとえば、アリバイ証言や、現場に残された証拠と矛盾する証言などが該当します。'Conflicting evidence'(矛盾する証拠)と似ていますが、'contrary evidence'はより直接的に反論する意図を持つニュアンスがあります。
頑固に反対する、意固地な
※ 人が意図的に、または性格的に反対意見を主張する様子を表します。単に意見が違うだけでなく、相手の意見を聞き入れず、自分の意見を押し通そうとするニュアンスが含まれます。子供が親に反抗する場面や、会議で議論が平行線をたどる場面などで使われます。'Obstinately contrary'も同様の意味ですが、'stubbornly'の方がより日常的な表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、先行研究と対比したり、仮説と異なる結果が出た場合などに用いられます。例えば、「先行研究ではAという結果が得られているが、本研究ではcontraryにBという結果が得られた」のように使用されます。文語的で、客観的な記述が求められる場面でよく見られます。
ビジネス文書や会議で、意見の相違や予想外の事態を説明する際に使われます。例えば、「当初の計画とはcontraryに、売上が大幅に減少した」のように、ややフォーマルな文脈で使用されます。プレゼンテーション資料や報告書など、書面でのコミュニケーションで用いられることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品などで見かけることがあります。例えば、「専門家の予想にcontraryに、株価が上昇した」のように、予想外の出来事を伝える際に使用されます。フォーマルな響きがあるため、普段の会話では別の表現(例えば、'opposite'や'different')が好まれます。
関連語
類義語
2つのものが完全に反対の位置、方向、性質にあることを指します。物理的な位置関係(例:通りの反対側)から抽象的な概念(例:意見の反対)まで幅広く使われます。日常会話、ビジネス、学術など、あらゆる場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】『contrary』が単に異なるだけでなく、対立・矛盾するニュアンスを含むのに対し、『opposite』は単に反対の位置や性質を示すことが多いです。また、『contrary』は議論や意見の対立で使われやすいですが、『opposite』は物理的な位置関係や客観的な性質の違いを指すことが多いです。 【混同しやすい点】『contrary』は形容詞として名詞を修飾したり、『to the contrary』のように前置詞句として使われることが多いですが、『opposite』は名詞(反対のもの)、形容詞(反対の)、副詞(反対に)として使われます。また、前置詞として使う場合、『opposite』は場所を表し、『contrary to』は意見や期待に反することを表します。
元の状態や方向と反対にすること、またはその状態を指します。車をバックさせる、決定を覆す、服を裏返すなど、具体的な動作や状態の変化を表すことが多いです。ビジネスや技術的な文脈でもよく使われます。 【ニュアンスの違い】『contrary』が意見や性質の対立を示すのに対し、『reverse』は方向や順序、状態の反転を意味します。また、『contrary』は抽象的な概念に使われることが多いですが、『reverse』は具体的な動作や状態変化に使われることが多いです。 【混同しやすい点】『reverse』は動詞(逆にする)、名詞(逆)、形容詞(逆の)として使われます。『contrary』は主に形容詞として使われます。また、『reverse psychology(心理的逆転)』のように、特定のイディオムで使われることがあります。
不利な、不都合な、有害な状況や影響を指します。天気、経済状況、健康状態など、好ましくない事態を表す際に使われます。フォーマルな場面や報道などでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】『contrary』が意見や行動の対立を示すのに対し、『adverse』は状況や影響がネガティブであることを強調します。『adverse』はより深刻な、または長期的な影響を伴う状況に使われることが多いです。 【混同しやすい点】『adverse』は形容詞としてのみ使われ、名詞を修飾します。『adverse effects(副作用)』や『adverse weather conditions(悪天候)』のように、特定のコロケーションでよく使われます。一方、『contrary』はより広い範囲で使われ、名詞の修飾だけでなく、前置詞句としても使われます。
正反対の、両立しない、という意味を持つフォーマルな単語です。哲学、文学、学術的な議論などで、二つの概念やアイデアが根本的に対立していることを強調する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】『contrary』よりもさらに強い対立・矛盾を示し、二つのものが本質的に相容れないことを意味します。より抽象的で、哲学的な文脈で使われることが多いです。 【混同しやすい点】『antithetical』は形容詞としてのみ使われ、通常、抽象的な概念やアイデアの関係性を表します。『contrary』よりも使用頻度が低く、よりフォーマルな文脈に限られます。例えば、「自由と全体主義はantitheticalである」のように使われます。
- conflicting
矛盾する、対立する、という意味で、意見、情報、感情などが互いに相容れない状態を表します。ニュース記事、レポート、議論などでよく使われます。 【ニュアンスの違い】『contrary』と似ていますが、『conflicting』は複数の要素が互いに対立している状況を強調します。『contrary』が単一の要素の反対を示すのに対し、『conflicting』は複数の要素間の不一致を示します。 【混同しやすい点】『conflicting』は現在分詞の形容詞として使われ、通常、名詞を修飾します。『conflicting reports(矛盾する報告)』や『conflicting interests(対立する利害)』のように、特定のコロケーションでよく使われます。一方、『contrary』はより広い範囲で使われ、前置詞句としても使われます。
異なる方向に進む、意見や見解が分かれる、という意味を持ちます。数学、科学、社会科学など、様々な分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】『contrary』が対立や矛盾を示すのに対し、『divergent』は単に方向性が異なることを強調します。必ずしも対立しているわけではなく、異なる方向に発展していく可能性を示唆します。 【混同しやすい点】『divergent』は形容詞として使われ、通常、意見、見解、経路などが異なることを表します。『divergent opinions(異なる意見)』や『divergent thinking(拡散的思考)』のように、特定のコロケーションでよく使われます。一方、『contrary』はより広い意味で使われ、対立や矛盾を強調します。
派生語
『反論する』『矛盾する』という意味の動詞。接頭辞『contra-(反対に)』と『dict(言う)』が組み合わさり、『反対のことを言う』という語源的な意味を持つ。日常会話から学術論文まで幅広く使用され、意見の対立や主張の矛盾を示す際に用いられる。名詞形のcontradiction(矛盾)も頻出。
前置詞句として『〜に反して』『〜とは反対に』という意味で用いられる。予想や期待に反する事態を導入する際に便利。例えば、『Contrary to popular belief, the Earth is not flat.(一般的に信じられているのとは反対に、地球は平らではない)』のように使う。日常会話やビジネス文書、ニュース記事など、様々な場面で登場する。
『対比』『差異』という意味の名詞、または『対比する』という意味の動詞。語源的には『contra-(反対に)』+『stat-(立つ)』で、『反対に立つもの』というイメージ。二つの物事の違いを強調する際に用いられ、例えば『the contrast between good and evil(善と悪の対比)』のように使う。ビジネスや学術論文で頻繁に用いられる。
反意語
『一致』『調和』という意味の名詞、または『一致する』『合意する』という意味の動詞。語源的には『ad-(〜へ)』+『cord-(心)』で、『心が一つになる』というイメージ。意見や感情が一致する状況を表す。例えば、『They are in accord on this matter.(彼らはこの件に関して意見が一致している)』のように使う。ビジネスや外交の文脈でよく用いられる。
『合意』『協定』という意味の名詞。『agree(同意する)』の名詞形であり、『contrary(反対)』の状態からの脱却、つまり意見の一致や合意形成を表す。ビジネス、法律、外交など、幅広い分野で不可欠な概念であり、日常会話でも頻繁に使われる。例えば、『reach an agreement(合意に達する)』のように使う。
『順応』『従うこと』という意味の名詞。『conform(従う)』の名詞形であり、『contrary(反する)』状態を避けて、社会の規範やルール、期待される行動様式に従うことを指す。社会学や心理学の分野でよく用いられ、集団行動や社会現象を分析する際に重要な概念となる。例えば、『social conformity(社会的順応)』のように使う。
語源
"Contrary"は、ラテン語の"contra-"(〜に反して、〜に対して)と"-arius"(〜に関する)という要素から成り立っています。"Contra-"は、日本語の「アンチ」や「カウンター」といった言葉にも見られるように、反対や対抗の意味を表します。"-arius"は、「〜に関係するもの」を示す接尾辞です。したがって、"contrary"は直訳すると「〜に反するものに関する」となり、「正反対の」「反対の」という意味につながります。たとえば、「常識に反する」という場合、それは「常識に反対の立場にある」という意味合いです。また、「わざと」という意味合いは、相手の意図や期待に反する行動を「意図的に」行うというニュアンスから派生したと考えられます。
暗記法
「contrary」は単なる反対ではない。それは社会の規範や権威への抵抗、個人の独立精神の象徴だ。中世では異端とされた思想も、ルネサンスを経て個人の自由として認められた。ガリレオの地動説のように、時には科学の発展を促す。文学では、反逆児やアウトローが社会の矛盾を暴き出す。恋愛では、異なる性格が深い絆を築く。現代社会では、多様な意見を尊重し、時には「contrary」な視点からより良い解決策を見出す。批判的思考と創造性の源泉なのだ。
混同しやすい単語
『contrary』と『contrast』は、どちらも『contra-』という接頭辞を持ち、意味的にも『対照』や『反対』といった関連性があるため、混同されやすいです。しかし、『contrary』は形容詞・名詞・副詞として使われるのに対し、『contrast』は名詞・動詞として使われます。文脈によって品詞が異なるため、注意が必要です。また、発音もわずかに異なり、『contrast』は第二音節にアクセントがあります。
『contrary』と『country』は、どちらも最初の音が「カ」に近い音で始まり、綴りも一部似ているため、特に聞き取りやスペルミスで混同されることがあります。『country』は『国』や『田舎』という意味で、全く異なる概念を表します。発音記号を確認し、特に母音の発音の違いを意識することが重要です。また、語源的には『country』はラテン語の『contra(反対)』ではなく、『conte(数える)』に由来します。
『contrary』と『content』は、綴りの一部が共通しており、どちらも文脈によっては『反対』や『満足』といった意味合いを持つ可能性があるため、混同されることがあります。『content』は『内容』や『満足している』という意味で使われ、名詞、形容詞、動詞として機能します。『contrary』との大きな違いは、アクセントの位置です。『content』は名詞の場合は第一音節、形容詞・動詞の場合は第二音節にアクセントが置かれます。このアクセントの違いを意識することが、聞き分けのポイントになります。
『contrary』と『confirm』は、どちらも接頭辞として『con-』を持ちますが、それ以降の綴りが異なり、意味も大きく異なります。『confirm』は『確認する』という意味の動詞です。発音も異なり、『confirm』は第二音節にアクセントがあります。しかし、発音の最初の部分が似ているため、特に早口で話された場合に聞き間違える可能性があります。語源的に『confirm』は『共に強くする』という意味合いを持ちます。
『contrary』と『control』は、どちらも『con-』という接頭辞で始まり、似たような音の響きを持つため、特にリスニングにおいて混同される可能性があります。『control』は『制御する』や『支配する』という意味の動詞または名詞です。意味も品詞も異なるため、文脈から判断することが重要です。また、『contrary』が「反対の」という意味合いを持つ一方で、『control』は「管理」や「抑制」といった意味合いを持つため、意味の対比を意識すると区別しやすくなります。
『contrary』と『currently』は、スペルの一部が似ており、どちらも副詞として使われることがあるため、混同される可能性があります。『currently』は『現在』という意味で、時間的な意味合いを持ちます。発音も異なり、『currently』は第一音節にアクセントがあります。日本人学習者は、スペルの類似性に惑わされず、意味の違いを明確に理解することが重要です。また、文脈からどちらの単語が適切かを判断する練習をすることが有効です。
誤用例
日本語の「予想に反して」を直訳すると、単数形の 'expectation' を使いがちですが、'contrary to' は一般的に複数形 'expectations' と共に用いられ、漠然とした期待や予想全体を指します。単数形を使う場合は、具体的な一つの予想に反する場合に限られます。また、'fun' は口語的な表現であり、ビジネスシーンやフォーマルな場面では 'enjoyable' の方が適切です。日本語の『楽しい』という言葉には幅広いニュアンスが含まれますが、英語では文脈に応じて適切な形容詞を選ぶ必要があります。
'Contrary to' は名詞や名詞句を導き、『〜に反して』という意味を表しますが、人に対して議論や反対意見を述べる場合には 'against' を用いるのが自然です。日本語の『〜に反対する』という表現を直訳しようとすると、'contrary to' を使ってしまうミスが起こりやすいです。英語では、対立や反対を表す際に、対象が物事なのか人なのかによって前置詞を使い分ける必要があります。
'Contrary opinion' は文法的に誤りではありませんが、やや直接的で強いニュアンスを持ちます。特に、控えめな態度が美徳とされる日本の文化では、意見の相違を婉曲的に表現することが一般的です。そのため、より穏やかな表現である 'different opinion' を使う方が、相手に配慮したコミュニケーションとなります。また、後半の 'I don't want to say it' も直接的すぎるため、'I'd rather not say it'(言わない方が良い)のような婉曲表現を使うことで、角が立たない言い方になります。英語にも、日本語と同様に、状況や相手との関係性によって表現を使い分ける文化があります。
文化的背景
「contrary(逆の、反対の)」は、単に方向や意見の相違を示すだけでなく、時に社会の規範や権威に対する抵抗、あるいは個人の独立精神の象徴として用いられます。特に、伝統や慣習が重んじられる社会においては、「contrary」な態度は異端視される一方で、変革の原動力ともなり得る両義的な性格を帯びています。
中世ヨーロッパにおいては、教会や封建領主の権威に対する「contrary」な思想は、しばしば異端審問や弾圧の対象となりました。しかし、ルネサンスや宗教改革を経て、個人の自由や良心の尊重という価値観が台頭するにつれて、「contrary」な意見を持つことの正当性が徐々に認められるようになりました。例えば、ガリレオ・ガリレイが地動説を唱えたことは、当時の天動説という「contrary」な意見であり、科学の発展に大きく貢献しました。このように、「contrary」は、時に既存の秩序を揺るがす危険な存在として、また時に新たな地平を切り開く革新的な力として、歴史の転換点において重要な役割を果たしてきたのです。
文学作品においても、「contrary」な性格を持つ人物は魅力的なキャラクターとして描かれることが少なくありません。例えば、反逆児やアウトロー、あるいは既存の価値観に囚われない自由な精神を持つ人物などが挙げられます。彼らは、社会の矛盾や欺瞞を暴き出し、読者に新たな視点を提供します。また、恋愛においては、「contrary」な性格を持つ者同士が惹かれ合うという展開もよく見られます。これは、互いの違いを認め合い、刺激し合うことで、より深い絆を築き上げることができるという人間の心理を反映していると言えるでしょう。
現代社会においても、「contrary」な意見を持つことは重要です。多様な価値観が共存する社会においては、異なる意見を尊重し、建設的な対話を通じて合意形成を図ることが求められます。しかし、単に多数派の意見に従うのではなく、時には「contrary」な視点から物事を捉え直すことで、より良い解決策を見出すことができるかもしれません。「contrary」は、単なる反対意見ではなく、批判的思考や創造性の源泉となり得るのです。私たち一人ひとりが「contrary」な視点を持つことを恐れず、積極的に議論に参加することで、より開かれた社会を築き上げていくことができるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。まれに英作文の自由英作文で反対意見を述べる際に使用。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題など、論説文で反対意見を述べる際に使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 'contrary to A' (Aに反して) の形でよく使われる。形容詞、名詞の用法を理解し、文脈に応じた意味を把握することが重要。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題)、Part 7 (長文読解問題)。2. 頻度と級・パート: Part 5, 7で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、契約書、レポートなどで、意見の相違や対立を示す際に用いられる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 'on the contrary' (それどころか) の形で頻出。文脈から正確な意味を判断することが重要。類義語 (opposite, reverse) との使い分けも意識すること。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。ライティングセクションでも意見を述べる際に使用。2. 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章、科学論文、歴史的な議論などで、対立する意見や証拠を示す際に用いられる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。文脈から正確な意味を把握し、パラフレーズできるようになることが重要。
1. 出題形式: 長文読解問題、文法・語彙問題。2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 論説文、評論文など、抽象的なテーマを扱った文章で、対比や逆説を示す際に用いられる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を理解することが重要。類義語 (opposite, reverse) との使い分け、イディオム (on the contrary) も覚えておくこと。