come around
come の /ʌ/ は日本語の「ア」よりも口を少し開けて発音する短い母音です。around の強勢は2つ目の音節にあります。日本語の「ア」よりも口を大きく開け、舌を少し後ろに引いて発音するとよりネイティブに近い発音になります。また、come と around の間を繋げるように意識すると、よりスムーズに聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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意識を取り戻す
気絶や睡眠から覚める、または一時的な混乱から立ち直る状況を表します。単に目を覚ますだけでなく、状況を理解し、正常な状態に戻るニュアンスを含みます。例:He came around after a few minutes.(彼は数分後に意識を取り戻した)
The soccer player hit his head hard, but luckily, he started to come around quickly.
サッカー選手は頭を強く打ちましたが、幸いなことに、彼はすぐに意識を取り戻し始めました。
※ サッカー選手が頭を強く打って倒れた後、意識を取り戻し始めた場面です。「luckily」で安堵の気持ちが伝わります。スポーツ中のアクシデントで意識を失った人が回復する様子を伝えるのにぴったりです。
My grandmother fainted from the heat, but after a while, she began to come around.
祖母は暑さで倒れてしまいましたが、しばらくして意識を取り戻し始めました。
※ 暑さで倒れてしまったおばあさんが、しばらくして意識を取り戻し始めた場面です。「fainted from the heat」で倒れた原因がはっきり分かります。病気や体調不良で一時的に意識を失った人が回復する様子を描写する際によく使われます。
The doctor waited patiently for the patient to come around after the surgery.
医師は、手術後、患者が意識を取り戻すのを辛抱強く待ちました。
※ 手術を終えた患者さんが麻酔から覚めて意識を取り戻すのを、医師が辛抱強く待っている場面です。医療現場で、麻酔やショックから患者が回復する様子を表すのに非常に典型的な表現です。「wait for someone to do something」の形で使うと、「誰かが~するのを待つ」という意味になります。
考えを変える
最初は反対だった人が、説得や状況の変化によって意見や態度を改めることを指します。徐々に変化していくニュアンスがあり、一夜にして考えが変わるような劇的な変化には使いにくいです。例:She will come around to our way of thinking eventually.(彼女も最終的には私たちの考え方に賛成するだろう)
My friend didn't want to see the movie, but he finally came around.
友達は映画を見たくないと言っていたけど、最終的に考えを変えてくれた。
※ この例文は、誰かが最初は乗り気でなかったり反対していたことに対して、最終的に同意したり、意見を変えたりする場面を描いています。友達がしぶしぶだったけれど、あなたの説得や状況の変化で「よし、行こう!」と気持ちが変わった様子が伝わりますね。「came around」は「(考えを)変えた」という過去の出来事を表しています。
After a long discussion, the manager came around to our idea.
長い議論の後、部長は私たちの考えに賛成してくれた。
※ この文は、会議などの場で、最初は反対していたり、別の意見を持っていた人が、議論や説明を通じて、最終的にこちらの提案を受け入れたり、賛成したりする様子を表しています。特にビジネスシーンやグループでの意思決定でよく使われます。「come around to + 意見/考え」で「~に賛成する」「~を受け入れる」という形で使うのが一般的です。
My son didn't want to do his homework, but he came around after I talked to him.
息子は宿題をしたくなかったけど、私が話したら考えを変えてくれた。
※ この例文は、誰かが何かをしたくない、という気持ちから、説得や話し合いによって「やっぱりやろう」と気持ちを変える場面を描いています。子供が最初は反発していても、親が根気強く話すことで、最終的に納得して行動に移る、という日常の一コマが目に浮かびますね。「talked to him」が「彼を説得した」というニュアンスを含んでいます。
立ち寄る
誰かの家や場所に、短時間訪問することを意味します。フォーマルな訪問というよりは、カジュアルな立ち寄りに使われます。例:Why don't you come around for coffee sometime?(いつかコーヒーでも飲みに立ち寄らない?)
I came around to my friend's house after work for a quick coffee.
仕事の後、友達の家にちょっとコーヒーを飲みに立ち寄りました。
※ 【情景】「仕事で疲れているけれど、友達の顔を見て少し話したいな」という、気軽な気持ちで友人の家を訪れる場面です。 【解説】「come around to 場所」で「〜に立ち寄る」という、日常会話で非常によく使われる形です。特に、短い時間だけ顔を出す、というニュアンスが含まれます。
I found a new bakery, so I want to come around and try it soon.
新しいパン屋さんを見つけたので、近いうちに立ち寄って試してみたいです。
※ 【情景】「面白そうなお店を見つけたから、今度時間がある時に行ってみようかな」という、新しい場所への興味や期待が感じられる場面です。 【解説】お店や公共の場所など、「特定の目的地に立ち寄る」際にも使えます。「and try it」のように、立ち寄って何かをする、と続けることも自然です。
I can't stay long at the party, but I'll come around to say hello.
パーティーには長くはいられないけど、挨拶するために立ち寄るよ。
※ 【情景】「忙しいけど、みんなに会いたいから顔だけは出しておこう」という、相手への配慮や友情が感じられる場面です。 【解説】イベントや集まりなどに「短い時間だけ顔を出す、参加する」という意味合いでも使われます。「to say hello」のように、立ち寄る目的を明確にすると、より自然な会話になります。
コロケーション
私の考え方に賛成するようになる、考えを改めてくれる
※ 相手が最初は反対していたり、異なる意見を持っていたりした場合に、最終的に自分の意見や考え方に同意してくれるようになることを表します。単に『賛成する』だけでなく、相手の考えの変化や説得のプロセスが含まれるニュアンスです。フォーマルな場面でもインフォーマルな場面でも使用できますが、やや丁寧な言い方で、ビジネスシーンでの交渉や議論の結果を表現する際にも適しています。この表現は、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見が受け入れられたことを穏やかに伝える効果があります。類似の表現に 'see things my way' があります。
最終的には同意する、考えを変える
※ これは時間経過とともに、最初は反対していた人や懐疑的だった人が最終的に同意したり、受け入れたりすることを意味します。ポイントは『eventually(最終的には)』という部分で、時間がかかるニュアンスが含まれます。例えば、新しいアイデアや提案に対して最初は抵抗があった人が、時間が経つにつれてその利点に気づき、最終的に賛成する場合などに使われます。ビジネスシーンや日常生活、政治的な議論など、さまざまな場面で使用されます。この表現は、忍耐強く待つことの重要性を示唆する場合があります。類似の表現に 'come around in the end' があります。
遊びに来る、立ち寄る
※ これは誰かの家や場所に気軽に訪問することを意味します。特に予定をかっちり決めずに、親しい友人や知人の家へ気軽に立ち寄るニュアンスがあります。例えば、『週末にでも遊びに来てよ』というようなカジュアルな誘いに使われます。ビジネスシーンではあまり使いませんが、親睦を深めるための軽い誘いとして使うこともあります。よりフォーマルな訪問の場合は 'visit' や 'call on' を使う方が適切です。この表現は、親しみやすさと気軽さを伝える効果があります。類似の表現に 'drop by' があります。
その考えを受け入れるようになる、そのアイデアに賛成するようになる
※ 最初は抵抗があったり、懐疑的だったりしたアイデアや考え方に対して、徐々に受け入れるようになることを意味します。この表現は、思考の変化や心理的なプロセスを表しており、単に『賛成する』よりも深いニュアンスがあります。例えば、新しいプロジェクトや提案に対して最初は不安を感じていた人が、そのメリットや実現可能性を理解するにつれて、徐々に賛成するようになる場合などに使われます。ビジネスシーンや日常生活、教育現場など、さまざまな場面で使用されます。この表現は、変化を受け入れることの重要性を示唆する場合があります。類似の表現に 'warm to the idea' があります。
[一定期間]ごとにやってくる、巡ってくる
※ 特定のイベントや機会が定期的に発生することを意味します。例えば、『クリスマスは毎年やってくる』のように、季節のイベントや定期的な会議、締め切りなどが該当します。この表現は、時間の流れや周期性を強調する効果があります。ビジネスシーンでは、定期的な報告や会議のスケジュールを説明する際に使われます。日常生活では、季節のイベントや家族の行事などを表現する際に使われます。この表現は、予測可能性と規則性を示唆する場合があります。類似の表現に 'roll around' があります。
すぐに回復する、すぐに立ち直る
※ 病気や困難な状況から素早く回復することを意味します。特に体調不良や精神的なショックから立ち直る際に使われます。例えば、『風邪をひいたけどすぐに良くなった』や『失恋からすぐに立ち直った』というように使われます。この表現は、回復力や適応力を強調する効果があります。医療現場やスポーツの分野、日常生活など、さまざまな場面で使用されます。この表現は、楽観的な見通しを示唆する場合があります。類似の表現に 'bounce back quickly' があります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、意見や考え方が徐々に変化する様子を説明する際に使われます。例えば、先行研究に対する批判的な立場から、研究を進めるうちにその妥当性を認めるようになった場合などに、『当初は反対意見もあったが、データ分析の結果、考えが変わってきた (came around to the idea)』のように表現します。心理学や社会学の研究で、人々の態度変容を記述する際にも見られます。
ビジネスシーンでは、会議での意見交換や交渉の過程で、相手の考えが徐々に変わっていく状況を婉曲的に表現する際に用いられます。例えば、『当初は予算削減に反対していた担当者が、詳細な説明を聞いて最終的には賛成に転じた (came around to supporting the budget cuts)』のように、比較的フォーマルな文脈で使用されます。ただし、より直接的な表現が好まれる場合も多く、頻度は高くありません。
日常会話では、誰かが家に「立ち寄る」という意味で頻繁に使われます。『今夜、ちょっと立ち寄ってもいい?(Can I come around tonight?)』のように、友人や家族との間で気軽に使える表現です。また、人が意識を取り戻すという意味でも使われます。『事故の後、彼はすぐに意識を取り戻した (He came around quickly after the accident)』のように、緊急時や医療関連の話題で登場することがあります。
関連語
類義語
『訪れる』という意味で、人や場所を訪ねる際に使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"come around"よりもフォーマルで、計画的な訪問を指すことが多い。また、目的が明確な訪問に使われる傾向がある。例えば、ビジネスでの訪問や、病院への訪問など。 【混同しやすい点】"come around"はよりカジュアルで、特に目的のない訪問や、予定外の訪問を指すことが多い。また、人の意見が変わるという意味合いはない。
- change one's mind
『考えを変える』という意味で、意見や決心が変化した状況を表す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"come around"の『考えが変わる』という意味に最も近い。ただし、"change one's mind"はより直接的で、変化のプロセスよりも結果に焦点を当てる。また、感情的なニュアンスを含む場合がある。 【混同しやすい点】"come around"は、変化のプロセスや、徐々に考えが変わっていく様子を表すことが多い。また、"change one's mind"ほど強い意志の変化を意味しない場合もある。
『回復する』という意味で、病気や精神的なショックから立ち直る際に使われる。医療や心理学の分野でも使用される。 【ニュアンスの違い】"come around"が意識を取り戻すという意味で使用される場合に類似する。ただし、"recover"はより広範な回復を意味し、意識だけでなく、健康や機能の回復も含む。 【混同しやすい点】"come around"は一時的な意識の回復を指すことが多いのに対し、"recover"はより完全な回復を意味する。また、"recover"は意見や考えが変わるという意味では使用されない。
『生き返る』、『蘇生する』という意味で、死にかけていたものが再び活動を始める際に使われる。医学的な状況や、比喩的な表現としても用いられる。 【ニュアンスの違い】"come around"と同様に、意識を取り戻すという意味で使われることがあるが、より強いニュアンスを持つ。"revive"は、一度死んだものが生き返るような、劇的な回復を意味する。 【混同しやすい点】"come around"は、意識が戻る、または意見が変わる、という比較的穏やかな変化を指すのに対し、"revive"はより劇的な回復や活性化を意味する。また、"revive"は意見が変わるという意味では使用されない。
『説得する』という意味で、相手に自分の意見を受け入れさせる際に使われる。ビジネスや政治の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"come around"が『説得されて考えを変える』という意味で使用される場合に類似する。ただし、"persuade"は他動詞であり、説得する側の行為に焦点を当てる。一方、"come around"は自動詞であり、説得される側の変化に焦点を当てる。 【混同しやすい点】"persuade"は必ず目的語が必要で、誰を説得するのかを明示する必要がある。一方、"come around"は目的語を必要とせず、誰が考えを変えたのかが重要となる。
- be convinced
『確信する』、『納得する』という意味で、ある意見や考えを強く信じるようになった状態を表す。議論やプレゼンテーションの後などに使われる。 【ニュアンスの違い】"come around"が『納得して考えを変える』という意味で使用される場合に類似する。ただし、"be convinced"はより強い確信を表し、疑いの余地がないほど納得した状態を意味する。 【混同しやすい点】"come around"は、必ずしも完全に納得したわけではなく、徐々に考えが変わっていく様子を表すことが多い。一方、"be convinced"は、完全に納得し、疑念がなくなった状態を表す。
派生語
『克服する』という意味の動詞。『over-(超えて)』と『come(来る)』が組み合わさり、『困難を乗り越えて到達する』というニュアンス。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使われる。
『結果』という意味の名詞。『out-(外へ)』と『come(来る)』が組み合わさり、『外に現れてくるもの』、つまり『結果』を指す。ビジネスや学術分野で頻繁に使用され、フォーマルな印象を与える。
『入ってくる』という意味の形容詞または名詞。『in-(中に)』と『come(来る)』が組み合わさり、『到着する』『入ってくる』という意味を表す。空港でのアナウンスやビジネスメールなど、様々な場面で使用される。
反意語
『思いとどまらせる』という意味の動詞。『come around(考えを変える、同意する)』とは対照的に、行動や考えを阻止する意味を持つ。ビジネスや政治的な文脈でよく用いられる。
『説得してやめさせる』という意味の動詞。『come around』が同意や賛成を得ることを意味するのに対し、『dissuade』は説得によって反対の方向へ導く。フォーマルな場面や議論などで使用される。
『抵抗する』という意味の動詞。『come around』が相手の意見を受け入れるニュアンスを含むのに対し、『resist』は反対し、受け入れない態度を示す。政治的な文脈や、変化に対する抵抗を表す際によく用いられる。
語源
"come around"は、比較的身近な単語の組み合わせで構成されています。まず"come"は、古英語の"cuman"に由来し、「来る」「近づく」といった意味を持ちます。一方、"around"は、中英語の"arounde"に由来し、「円を描いて」「周囲に」といった意味合いを持ちます。この二つが組み合わさることで、文字通りには「周囲を回って来る」という意味になります。これが転じて、「意識を取り戻す」という意味合いでは、意識が朦朧とした状態から正常な状態へと戻ってくる様子を、「考えを変える」という意味合いでは、意見がぐるっと回って最終的に納得する様子を、「立ち寄る」という意味合いでは、ある場所の周辺にやってくる様子を表現していると解釈できます。日本語の「気が回る」という表現と少し似ており、何かが元の状態に戻る、あるいは変化して別の状態になるというイメージを持つと理解しやすいでしょう。
暗記法
「come around」は、意見や態度が、まるで潮の満ち引きや太陽の巡りのように、時間をかけて変化し、最終的に同意や理解に至る過程を指します。対立していた人々が議論を経て和解したり、病からの回復を願う時にも使われ、変化と受容、そして回復への信頼が込められています。意見の相違を超え、人が成長し、関係が修復される、そんな温かい人間ドラマを想起させる言葉です。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、文脈によっては聞き分けが難しい場合があります。'come' は「来る」という意味の基本的な動詞ですが、'come around' は句動詞として「考えを変える」「立ち寄る」などの意味を持ち、意味が異なります。come 自体も、原形、過去形、過去分詞形が全て同じスペルなので、文法的な誤用にも注意が必要です。
'come around' の一部である 'around' 自体も、前置詞/副詞として様々な意味を持ちます。'come around' と単独の 'around' を混同し、不自然な英文を作ってしまうことがあります。例えば、'He came around the corner'(彼は角を曲がってきた)と 'He came around to my way of thinking'(彼は私の考えに賛成するようになった)では、'around' の意味が大きく異なります。
'come' と 'calm' は発音が似ており、特に早口の場合や、'l' の発音が弱い場合に聞き間違えやすいです。'calm' は「穏やかな」という意味の形容詞または「落ち着かせる」という意味の動詞で、'come around' と組み合わせて使うことは通常ありません。'calm around' というフレーズは、文法的に誤っているか、非常に特殊な状況でしか成立しません。
スペルがやや似ており、特に 'com-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。'command' は「命令する」という意味の動詞または「命令」という意味の名詞で、'come around' とは意味が大きく異なります。また、発音も異なり、'command' は /kəˈmænd/ ですが、'come around' は /kʌm əˈraʊnd/ です。
スペルが非常に長く、'come' の部分が視覚的に紛らわしいと感じるかもしれません。'cummerbund' は男性用のウエストを飾る帯のことで、'come around' と意味は全く異なります。また、発音もかなり異なり、/ˈkʌmərˌbʌnd/ となります。語源はペルシア語に由来し、'腰に巻く帯' という意味があります。
発音の最初の音 /əˈkaʊnt/ が 'around' の /əˈraʊnd/ と似ているため、特に会話の中で 'come around' の 'around' の部分を聞き間違える可能性があります。'account' は「説明」「口座」などの意味を持つ名詞、または「説明する」という意味の動詞で、'come around' とは文脈が異なります。'account for' のように、句動詞として使われることも多いので、注意が必要です。
誤用例
「come around to (someone's opinion)」は『(人の意見に)考えが変わってくる』という意味ですが、未来形(will)で使うと、まるで『いつか考えを変えてあげてもいい』という上から目線のニュアンスに聞こえてしまう可能性があります。英語では、相手の意見を尊重しつつ変化の過程を示すために、現在進行形を使う方がより謙虚で丁寧な印象を与えます。日本人は、日本語の『〜するつもりです』という表現を直訳しがちですが、英語では相手への配慮を意識した表現を選ぶことが大切です。
「come around」には『意識を取り戻す』という意味もありますが、無生物に対して使うと不自然です。この文脈では、長年放置されていた古い時計が『再び動き出した』というニュアンスを伝えたいので、「revived(生き返った、再稼働した)」を使うのが適切です。日本人は、一度覚えた単語の意味を他の場面でも安易に適用しようとする傾向がありますが、英語では文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。特に、無生物主語の文では、擬人化表現を避けることが自然な英語表現につながります。
「come around」の後ろにto不定詞を続けると不自然な英語になります。「come around and do something」の形で『(人が)やってきて〜する』という意味になります。日本人は「come around to + 動詞の原形」という形を誤って推測しがちですが、「come around to」は名詞や動名詞を伴います(例:come around to the idea)。
文化的背景
「come around」は、人が意見や態度を変え、最終的に同意や理解に至る過程を、あたかも潮が満ちてくるように、あるいは太陽が再び巡ってくるように表現する言葉です。この言葉の根底には、時間と経験を通じて変化し、最終的に調和や受容に至るという、人間関係や社会における自然な流れに対する信頼が込められています。
「come around」が持つ、変化と受容のニュアンスは、しばしば個人の成長や人間関係の修復といった文脈で用いられます。たとえば、最初は反対していた人が、議論や証拠を通じて考えを改め、最終的に賛成するようになる、あるいは、最初は敵対していた人が、時間と経験を経て理解を深め、最終的に友人となる、といった状況を描写するのに適しています。この言葉は、単に意見が変わるだけでなく、感情的な距離が縮まり、相互理解が深まるプロセスを示唆するため、人間関係における和解や進展を表現する際に特に効果的です。
また、「come around」は、政治的な文脈においても、意見の異なる人々が対話を重ね、最終的に合意点を見出す過程を表現するのに用いられます。民主主義社会においては、多様な意見が存在し、それぞれの意見を持つ人々が議論を通じて相互理解を深め、最終的に共通の目標に向かって協力することが重要です。「come around」は、このような政治的なプロセスにおける妥協や合意形成の重要性を示唆するとともに、異なる意見を持つ人々が相互に尊重し、建設的な対話を通じてより良い社会を築く可能性を信じる姿勢を反映しています。
さらに、「come around」は、単に意見が変わるだけでなく、病気や困難から回復し、元の状態に戻るという意味合いも持ちます。これは、人が困難な状況に直面しても、時間と努力を通じて回復し、再び元気を取り戻すことができるという、人間の回復力に対する信頼を象徴しています。例えば、病気から回復する人に対して「He'll come around soon.(彼はすぐに良くなるだろう)」と言う場合、単に病状が回復するだけでなく、精神的にも立ち直り、以前のように元気な状態に戻ることを期待する気持ちが込められています。このように、「come around」は、変化、受容、回復という、人間が経験する様々なプロセスを包括的に表現する、文化的背景豊かな言葉と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、まれにリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で比較的頻出。特に長文読解や語彙問題で問われる
- 文脈・例題の特徴: 日常会話からアカデミックな内容まで幅広く登場。文脈から意味を推測させる問題が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「考えが変わる」「立ち寄る」「回復する」など複数の意味があるので、文脈判断が重要。類似表現との区別も意識。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, Part 7で時々見られる程度。頻度は高くない
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文脈で、「提案が受け入れられる」「考えが変わる」といった意味で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使われ方を意識。「come around to (doing)」の形も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 主にリーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで時々出題される
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章で、議論や意見の変化を表す際に使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の流れの中で使われることが多い。文脈から意味を正確に把握する練習が必要。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で時々見られる
- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語など、様々なジャンルの文章で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なるため、前後の文脈から判断する力が重要。複数の意味を理解しておく必要がある。